ジェイソン・ライトマン 「タリーと私の秘密の時間」 (2018) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?






【予告編:1分59秒】





【あらすじ:映画ウォッチよりの引用(→)】

マーロ(シャーリーズ・セロン)は2児の母、夫はドリュー(ロン・リヴィングストン)で、3人目の出産を控えている。

マーロは息子ジョナの原因不明の奇病(些細なことでパニックになる)を治すため彼の肌をブラシで擦るのが日課だ。マーロはジョナと娘サナを車で学校へ送る途中でもジョナは車内で突然パニックになり騒いだ。マーロは校長と面談するが、先生たちがジョナに手こずっているため専門の指導者を自費で雇うことを勧告される。

ドリューとマーロ夫婦は、マーロの兄のクレイグ(マーク・デュプラス)からホーム パーティに招待される。クレイグは、生まれてくる子供とジョナのために、夜間の乳母を雇ったらと提案し、裕福な彼は費用を負担すると言うが、マーロは乗り気ではない。しかし、マーロは3人目の子供(ミアと名付ける)を出産するが、ひとり増えたことで、マーロの育児ストレスは募るばかり。

再び校長と面談するマーロに、今度は校長はジョナの転校を勧められる。「ジョナが嫌いだからね!」と怒り出したマーロは校長に暴言を吐いて、学校を飛び出した。失意のマーロ。

その夜、タリー(マッケンジー・デイヴィス)という若い女性の夜間ベビー シッターが笑顔で訪れた。ミアを寝かしつけるタリー。マーロはタリーに何となく不安を抱くが、タリーはそんなことは、全く気にしていない様子だ。翌朝、マーロはドリューにその不思議な体験を話す。

その夜、また、タリーが訪れる。次の晩も、そして次の晩も。育児だけでなく、部屋の掃除までしてしまうタリーの仕事ぶりは完璧。タリー信頼し始めて来たマーロは、タリーに子供のこと、仕事のことを話す。タリーはミアのことだけでなく、すべてのことでマーロを助けたいのだと言う。

タリーは、前の晩にタリーが作ってくれたカップケーキを、ジョナの学校に持っていき、暴言を履いたことを校長に謝罪する。マーロは、結局ジョナを転校させた。マーロはジョナを新しい学校へ連れて行くが、ジョナはトイレ流す音がうるさいと、また暴れ出してしまう。そこへ、学校の先生が登場すると、怒ることもなく、優しくジョナを落ち着かせる。

タリーが、また夜マーロの家にやって来ると、2人は酒を飲みながら、夫ドリューのことを語り出す。マーロは、ドリューがベッドでかまってくれないことで悩んでいた。タリーは、ドリューがウェイトレスのコスチュームに「弱い」ことを知り、マーロが昔買ったが着てもいなかったウェイトレスのコスチュームで、寝ているドリューに抱きついた。後ろではマーロがけしかけている。元気になったマーロは、クレイグの家で、娘のサナとカラオケを楽しんだ。

ある晩、ルームメイトとの関係でストレスを感じていたタリーは、ニューヨークまで酒を飲みに行こうと誘う。町へ向かう2人、車を運転し音楽を聞きマーロは気分が良くなる。飲み屋で踊り騒ぐ2人は大いに盛り上がるが、突然タリーはもうマーロの家に来ることはないと言い出す。

【結末までの記述あり。 映画未見の方は、次の感想欄まで飛んで下さい。】

タリーに去られることを恐れるマーロは、店を出たタリーを追い掛ける。2人は、年齢や家族のことで口論し、マーロは逆にタリーから、そこに停めてあった自転車で逃げようとする。今度は、マーロが心配になったのか、タリーも自転車に乗りマーロを捕まえようとする。しかし、急に気持ち悪くなったマーロはトイレトに駆け込み、タリーに助けられながら嘔吐する。

その後、家に帰ろうと酔ったまま運転していたマーロは居眠りをして、対向車に気づくのが遅れ、ハンドルを切り損ねたマーロは、車ごと橋から川に転落してしまう。死の危険が迫るマーロを、人魚の姿になったタリーが救う。

病院で目覚めるマーロ。傍らには夫のドリュー。別室でドリューは、医者からマーロが極端な睡眠不足だと告げられる。マーロの健康保険証の提示を求められたドリューは、マーロの旧姓は「タリー」だと応える。
タリーはマーロの結婚前の26歳の時の姿。マーロの夢の中で、酷い育児ストレスのマーロを助けていた様だ。病院で、マーロに最後の別れを言うためにタリーが訪れる。

マーロは退院後、もう育児ストレスに悩まなくなった。ジョナは、ブラシで擦る治療はもういらないと言い、マーロを感激させる。ドリューも「マーロが完璧な母親である必要なんか無い。 君が元気でいることが一番大事だ。 僕も悪かった。 これからはもっと君を助けるよ。」と言ってくれた。マーロはドリューと幸せそうに音楽を聴くのだった。




【感想】

男なので出産の経験はしようがないし、育児の経験も無いが、この映画を観て、本当に育児は大変な仕事だと再認識し、すべての母親の皆様に頭が下がる思い。

そんな、3人の子供の育児でてんてこ舞いする母親を、凶悪な連続殺人犯を演じた「モンスター」(2003、監督パティ・ジェンキンス、残念ながら私は未見)でアカデミー主演女優賞を受賞したシャーリーズ・セロンが演じている。彼女は、この映画の撮影の為に18kgも増量したのだそうだ。

シャーリーズ・セロンの役者魂はとにかく凄い。上記「モンスター」の際も体重を13-14kg増やし、眉毛をすべて抜き、特殊メイク等でまるで別人(下の写真の右上)。

ジョージ・ミラー監督の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015)では、頭を丸坊主にして、左腕しかない最強の女性戦士フュリオサ(下の写真の左下)。この時はあまりの変貌ぶりに、映画を観始めて暫くはシャーリーズ・セロンと気付かなかったくらい(笑)

近作デイヴィッド・リーチ監督で英国諜報機関MI6のスパイを演じた「アトミック・ブロンド」(2017、筆者未見)では、強烈な格闘アクション・シーンもこなしている(下の写真の右下)。

この1作1作での変身ぶりから、私の中では、シャーリーズ・セロンは、女ロバート・デ・ニーロと呼ばせて貰っている(笑)



そして、今回は、どこにでもいる様な、育児ノイローゼ気味の3児の母親役。このデブデブぶりも凄い! ダイエットしようと思ってランニング中に若い女性ランナーに抜かれて悔しくなり、抜き返そうとして無様にコケる。シャツを脱いで上半身ブラジャーだけで椅子に座りお腹タポタポ、娘のサナに「お母さん、その体型はどうしたの?」と言われたり、搾乳器を両胸に付けてドデッとしている等々、美人アカデミー賞女優、ここまでやるか?の大熱演。 (アカデミー賞女優だから、ここまでやれるとも言える。)

それが、夜間ベビー シッターのタリーが現れると、生活に張りが出て生き生きし出す、その変化も上手い。カメレオン女優は外観の多様性だけでなく、演技も素晴らしい。

そして、ネタバレになるので、ここには書けない映画のオチ。「正直、そんなオチで良いの~⁉」と思ったが、そうだと判るとタリーの台詞には、深い意味があったのだと判る面白さ。


私が偉そうに言うのも気が引けるが、特に恋人同士や、ご夫婦で観に行かれるのが良いと思う。男性はいたたまれなくなるかもしれないけれど(笑)




【スタッフ、キャスト等】

製作:シャーリーズ・セロン、他
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コーディ
音楽:ロブ・サイモンセン
撮影:エリック・スティールバーグ
キャスト:
マーロ(シャーリーズ・セロン)
タリー(マッケンジー・デイヴィス)
ドリュー「マーロの夫」(ロン・リヴィングストン)
クレイグ「マーロの兄」(マーク・デュプラス)

上映時間:1時間35分
米国公開:2018年5月4日
日本公開:2018年8月17日
鑑賞日:2018年9月26日
場所:新宿シネマカリテ






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