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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

東宝・新東宝事件・潜在的競争関係の有無

 

 

              審決取消請求事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和26年(行ナ)第17号

【判決日付】      昭和28年12月9日

【判示事項】      1、潜在的競争関係の有無

             2、経済学上の子会社と競争関係

             3、一定の取引分野における競争の実質制限の意義

             4、全国商品量の3分の1の支配と競争の実質制限の成否

             5、改正独占禁止法附則第4項の対象

             6、不当な取引制限の意義

             7、違反行為の排除措置としての将来の行為の禁止

             8、拘束条件附取引に対する排除措置

             9、同上

             10、違反行為の排除措置として一定事項の報告を命ずることの当否

【判決要旨】      1、甲会社は映画の製作配給興行等の事業を営み、乙会社は映画の製作販売等の事業を営むものであつて、乙会社は自らは映画の配給業務を行わず、そのままの機構では映画の配給を行うことができないとしても配給業務に通暁した者を多少加えれば事業活動の施設又は態様に重要な変更を加えないでも映画配給業務を行うことができる状態にある場合は、この甲会社と乙会社とは、映画配給の取引分野において潜在的競争関係にあるものと解すべきである。

             2、経済学上乙会社が甲会社の子会社というべきであるとしても、旧独占禁止法第10条第13条第14条の場合を除いては、それだけで両者の間に同法にいう競争関係がないとすることはできない。

             3、一定の取引分野における競争を実質的に制限するとは、競争自体が減少して特定の事業者又は事業者集団がその意思である程度自由に、価格、品質、数量その他各般の条件を左右することによつて市場を支配することができる状態をもたらすことをいい、かかる状態においては、これらの者に対する競争者はこれらの者の意思に拘りなく自らの自由な選択によつて価格、品質、数量等を決定して事業活動を行いこれによつて十分な利潤を収めその存在を維持するということはもはや望み得ないことになるのであり、いかなる状況にいたつてこのような市場支配が成立するとみるべきかは相対的な問題で一律には決し難く、その際の経済的諸条件と不可分であり、たんに市場におけるその者の供給(又は需要)の分量だけからは決し得ない。

             4、甲会社と乙会社の製作する映画が日本全国で製作される映画の総数の3分の1を占めるという事実だけでは、甲会社が乙会社の製作映画をすべて自ら配給することが、映画配給の取引分野における競争を実質的に制限するものとはいえない。

             5、昭和28年法律第259号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律附則第4項は、公正取引委員会が右改正法施行後審決をするにあたつて法律を適用すべき場合について規定したものであり、右施行の際現に係属する審決不服の訴において裁判所が審決の適否を判断するにあたつて基準とすべき法律が新旧いずれであるかの問題まで立法によつて解決をはかつたものではない。

             6、独占禁止法上不当な取引制限とは、相互に競争関係にある独立の事業者が共同して相互に一定の制限を課し、その自由な事業活動を拘束するところに成立し、その各当事者に一定の事業活動の制限を共通に設定することを本質とするもので、当事者の一方だけにその制限を課するものは、その制限の相互性を欠くから、不当な取引制限とはならない。

             7、独占禁止法違反行為があるとき公正取引委員会が命ずるその違反行為を排除するために必要な措置とは、現在同法に違反してなされている行為の差止、違反行為からもたらされた結果の除去等、直ちに現在において違反行為がないと同一の状態を作り出すことのみに止まるものではなく、いつたん違反行為がなされた後なんらかの事情のため現在はこれが継続していないがいつまた復活するかわからないような場合には、現に排除の必要が解消したものとはいえず、将来にわたつて右の違反行為と同一の行為を禁止することは、違反行為の排除のために必要な措置というべきである。

             8、相手方とその顧客との取引を不当に拘束する条件をつけて相手方に資金を供給するという違反行為(不公正な競争方法)の排除措置として、相手方とその顧客との取引を不当に拘束すること自体を禁止するのは失当である。

             9、前項の違反行為がある場合、その排除措置として、相手方に合併を強要し又は相手方の映画の配給を妨害する等いかなる方法をもつてしても相手方の経営に干渉するような行為をしてはならないと命ずることは、違反行為と必然の関係がなく、その排除措置としては必要の度を超え独断に過ぎるものである。

             10、公正取引委員会が一定の独占禁止法違反行為の排除のため必要な措置として将来の行為の禁止すなわち不作為を命じた場合、この命令が忠実に守られているかどうかを看視する意味で当事者に一定事項の報告義務を課することは、右排除措置に附随する処置として許さるべきものである。

【参照条文】      私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号により改正されたもの)2-4(昭和28年法律第259号による改正前の第2条第2項)

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)10-2

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)10-3

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)13

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)14-2

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)14-3

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)2-6(昭和28年法律第259号による改正後の第2条第7項第4号

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)19

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2-6

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律7

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律20

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律附則(昭和28年法律第259号)3

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律附則(昭和28年法律第259号)4

【掲載誌】        高等裁判所民事判例集6巻13号868頁

             判例時報19号11頁

【評釈論文】      別冊ジュリスト81号18頁

             別冊ジュリスト53号26頁

             別冊ジュリスト26号30頁

             別冊ジュリスト110号22頁

 

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

第二条 この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいう。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項又は第三章の規定の適用については、これを事業者とみなす。

② この法律において「事業者団体」とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体をいい、次に掲げる形態のものを含む。ただし、二以上の事業者の結合体又はその連合体であつて、資本又は構成事業者の出資を有し、営利を目的として商業、工業、金融業その他の事業を営むことを主たる目的とし、かつ、現にその事業を営んでいるものを含まないものとする。

一 二以上の事業者が社員(社員に準ずるものを含む。)である社団法人その他の社団

二 二以上の事業者が理事又は管理人の任免、業務の執行又はその存立を支配している財団法人その他の財団

三 二以上の事業者を組合員とする組合又は契約による二以上の事業者の結合体

③ この法律において「役員」とは、理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役若しくはこれらに準ずる者、支配人又は本店若しくは支店の事業の主任者をいう。

④ この法律において「競争」とは、二以上の事業者がその通常の事業活動の範囲内において、かつ、当該事業活動の施設又は態様に重要な変更を加えることなく次に掲げる行為をし、又はすることができる状態をいう。

一 同一の需要者に同種又は類似の商品又は役務を供給すること

二 同一の供給者から同種又は類似の商品又は役務の供給を受けること

⑤ この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

⑥ この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

⑦ この法律において「独占的状態」とは、同種の商品(当該同種の商品に係る通常の事業活動の施設又は態様に重要な変更を加えることなく供給することができる商品を含む。)(以下この項において「一定の商品」という。)並びにこれとその機能及び効用が著しく類似している他の商品で国内において供給されたもの(輸出されたものを除く。)の価額(当該商品に直接課される租税の額に相当する額を控除した額とする。)又は国内において供給された同種の役務の価額(当該役務の提供を受ける者に当該役務に関して課される租税の額に相当する額を控除した額とする。)の政令で定める最近の一年間における合計額が千億円を超える場合における当該一定の商品又は役務に係る一定の事業分野において、次に掲げる市場構造及び市場における弊害があることをいう。

一 当該一年間において、一の事業者の事業分野占拠率(当該一定の商品並びにこれとその機能及び効用が著しく類似している他の商品で国内において供給されたもの(輸出されたものを除く。)又は国内において供給された当該役務の数量(数量によることが適当でない場合にあつては、これらの価額とする。以下この号において同じ。)のうち当該事業者が供給した当該一定の商品並びにこれとその機能及び効用が著しく類似している他の商品又は役務の数量の占める割合をいう。以下この号において同じ。)が二分の一を超え、又は二の事業者のそれぞれの事業分野占拠率の合計が四分の三を超えていること。

二 他の事業者が当該事業分野に属する事業を新たに営むことを著しく困難にする事情があること。

三 当該事業者の供給する当該一定の商品又は役務につき、相当の期間、需給の変動及びその供給に要する費用の変動に照らして、価格の上昇が著しく、又はその低下がきん少であり、かつ、当該事業者がその期間次のいずれかに該当していること。

イ 当該事業者の属する政令で定める業種における標準的な政令で定める種類の利益率を著しく超える率の利益を得ていること。

ロ 当該事業者の属する事業分野における事業者の標準的な販売費及び一般管理費に比し著しく過大と認められる販売費及び一般管理費を支出していること。

⑧ 経済事情が変化して国内における生産業者の出荷の状況及び卸売物価に著しい変動が生じたときは、これらの事情を考慮して、前項の金額につき政令で別段の定めをするものとする。

⑨ この法律において「不公正な取引方法」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。

一 正当な理由がないのに、競争者と共同して、次のいずれかに該当する行為をすること。

イ ある事業者に対し、供給を拒絶し、又は供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限すること。

ロ 他の事業者に、ある事業者に対する供給を拒絶させ、又は供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限させること。

二 不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもつて、商品又は役務を継続して供給することであつて、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

三 正当な理由がないのに、商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであつて、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

四 自己の供給する商品を購入する相手方に、正当な理由がないのに、次のいずれかに掲げる拘束の条件を付けて、当該商品を供給すること。

イ 相手方に対しその販売する当該商品の販売価格を定めてこれを維持させることその他相手方の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束すること。

ロ 相手方の販売する当該商品を購入する事業者の当該商品の販売価格を定めて相手方をして当該事業者にこれを維持させることその他相手方をして当該事業者の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束させること。

五 自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること。

イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方を含む。ロにおいて同じ。)に対して、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。

ロ 継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。

ハ 取引の相手方からの取引に係る商品の受領を拒み、取引の相手方から取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ、取引の相手方に対して取引の対価の支払を遅らせ、若しくはその額を減じ、その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。

六 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに該当する行為であつて、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するもの

イ 不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと。

ロ 不当な対価をもつて取引すること。

ハ 不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。

ニ 相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。

ホ 自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。

ヘ 自己又は自己が株主若しくは役員である会社と国内において競争関係にある他の事業者とその取引の相手方との取引を不当に妨害し、又は当該事業者が会社である場合において、その会社の株主若しくは役員をその会社の不利益となる行為をするように、不当に誘引し、唆し、若しくは強制すること。

 

第三条 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。

 

第七条 第三条又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。

② 公正取引委員会は、第三条又は前条の規定に違反する行為が既になくなつている場合においても、特に必要があると認めるときは、第八章第二節に規定する手続に従い、次に掲げる者に対し、当該行為が既になくなつている旨の周知措置その他当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命ずることができる。ただし、当該行為がなくなつた日から七年を経過したときは、この限りでない。

一 当該行為をした事業者

二 当該行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し、又は合併により設立された法人

三 当該行為をした事業者が法人である場合において、当該法人から分割により当該行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人

四 当該行為をした事業者から当該行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者

 

第十条 会社は、他の会社の株式を取得し、又は所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。

② 会社であつて、その国内売上高(国内において供給された商品及び役務の価額の最終事業年度における合計額として公正取引委員会規則で定めるものをいう。以下同じ。)と当該会社が属する企業結合集団(会社及び当該会社の子会社並びに当該会社の親会社であつて他の会社の子会社でないもの及び当該親会社の子会社(当該会社及び当該会社の子会社を除く。)から成る集団をいう。以下同じ。)に属する当該会社以外の会社等(会社、組合(外国における組合に相当するものを含む。以下この条において同じ。)その他これらに類似する事業体をいう。以下この条において同じ。)の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額(以下「国内売上高合計額」という。)が二百億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式取得会社」という。)は、他の会社であつて、その国内売上高と当該他の会社の子会社の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額が五十億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式発行会社」という。)の株式の取得をしようとする場合(金銭又は有価証券の信託に係る株式について、自己が、委託者若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)において、当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権の数と、当該株式取得会社の属する企業結合集団に属する当該株式取得会社以外の会社等(第四項において「当該株式取得会社以外の会社等」という。)が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権の数とを合計した議決権の数の当該株式発行会社の総株主の議決権の数に占める割合が、百分の二十を下回らない範囲内において政令で定める数値(複数の数値を定めた場合にあつては、政令で定めるところにより、それぞれの数値)を超えることとなるときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ当該株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。ただし、あらかじめ届出を行うことが困難である場合として公正取引委員会規則で定める場合は、この限りでない。

③ 前項の場合において、当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について受託者に指図を行うことができるものに限る。)、当該株式取得会社が銀行業又は保険業を営む会社(保険業を営む会社にあつては、公正取引委員会規則で定める会社を除く。次項並びに次条第一項及び第二項において同じ。)であり、かつ、他の国内の会社(銀行業又は保険業を営む会社その他公正取引委員会規則で定める会社を除く。次項並びに次条第一項及び第二項において同じ。)の株式の取得をしようとする場合における当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる株式に係る議決権及び当該株式取得会社が第一種金融商品取引業を営む会社であり、かつ、業務として株式の取得をしようとする場合における当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる株式に係る議決権を含まないものとし、金銭又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権で、自己が、委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(公正取引委員会規則で定める議決権を除く。次項において同じ。)及び社債、株式等の振替に関する法律第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。

④ 第二項の場合において、当該株式取得会社以外の会社等が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について受託者に指図を行うことができるものに限る。)、当該株式取得会社以外の会社等が銀行業又は保険業を営む会社である場合における当該株式取得会社以外の会社等が所有する他の国内の会社の株式に係る議決権及び当該株式取得会社以外の会社等が第一種金融商品取引業を営む会社である場合における当該株式取得会社以外の会社等が業務として所有する株式に係る議決権を含まないものとし、金銭又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権で、自己が、委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの及び社債、株式等の振替に関する法律第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。

⑤ 会社の子会社である組合(民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合(次条第一項第四号において単に「投資事業有限責任組合」という。)及び有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合並びに外国の法令に基づいて設立された団体であつてこれらの組合に類似するもの(以下この項において「特定組合類似団体」という。)に限る。以下この項において同じ。)の組合員(特定組合類似団体の構成員を含む。以下この項において同じ。)が組合財産(特定組合類似団体の財産を含む。以下この項において同じ。)として株式発行会社の株式の取得をしようとする場合(金銭又は有価証券の信託に係る株式について、会社の子会社である組合の組合員の全員が、委託者若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)には、当該組合の親会社(当該組合に二以上の親会社がある場合にあつては、当該組合の親会社のうち他のすべての親会社の子会社であるものをいう。以下この項において同じ。)が、そのすべての株式の取得をしようとするものとみなし、会社の子会社である組合の組合財産に株式発行会社の株式が属する場合(会社の子会社である組合の組合財産に属する金銭又は有価証券の信託に係る株式について、当該組合の組合員の全員が、委託者若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合を含む。)には、当該組合の親会社が、そのすべての株式を所有するものとみなして、第二項の規定を適用する。

⑥ 第二項及び前項の「子会社」とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している会社等として公正取引委員会規則で定めるものをいう。

⑦ 第二項及び第五項の「親会社」とは、会社等の経営を支配している会社として公正取引委員会規則で定めるものをいう。

⑧ 第二項の規定による届出を行つた会社は、届出受理の日から三十日を経過するまでは、当該届出に係る株式の取得をしてはならない。ただし、公正取引委員会は、その必要があると認める場合には、当該期間を短縮することができる。

⑨ 公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとする場合には、前項本文に規定する三十日の期間又は同項ただし書の規定により短縮された期間(公正取引委員会が株式取得会社に対してそれぞれの期間内に公正取引委員会規則で定めるところにより必要な報告、情報又は資料の提出(以下この項において「報告等」という。)を求めた場合においては、前項の届出受理の日から百二十日を経過した日と全ての報告等を受理した日から九十日を経過した日とのいずれか遅い日までの期間)(以下この条において「通知期間」という。)内に、株式取得会社に対し、第五十条第一項の規定による通知をしなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、第一項の規定に照らして重要な事項が当該計画において行われることとされている期限までに行われなかつた場合

二 当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、重要な事項につき虚偽の記載があつた場合

三 当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項に規定する期間内に、同項の規定による認定の申請がなかつたとき。

四 当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項の規定による認定の申請に係る取下げがあつたとき。

五 当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項の規定による認定の申請について同条第六項の規定による決定があつたとき。

六 当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の五第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による第四十八条の三第三項の認定(同条第八項の規定による変更の認定を含む。)の取消しがあつた場合

七 当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の五第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による第四十八条の三第三項の認定(同条第八項の規定による変更の認定を含む。)の取消しがあつた場合

⑩ 前項第一号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、同号の期限から起算して一年以内に前項本文の通知をしなければならない。

⑪ 第九項第三号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に六十日を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

⑫ 第九項第四号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に第四十八条の二の規定による通知の日から同号の取下げがあつた日までの期間に相当する期間を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

⑬ 第九項第五号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に九十日を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

⑭ 第九項第六号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、第四十八条の五第一項の規定による決定の日から起算して一年以内に第九項本文の通知をしなければならない。

 

第十四条 会社以外の者は、会社の株式を取得し、又は所有することにより一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により会社の株式を取得し、又は所有してはならない。

 

第十九条 事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。

第二十条 前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、当該行為の差止め、契約条項の削除その他当該行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。

② 第七条第二項の規定は、前条の規定に違反する行為に準用する。

 

建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例

 

最3小判昭和38年10月29日 民集17巻9号1236頁 判例時報363号24頁

所有権確認請求事件

【判示事項】 建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例

【判決要旨】 2階建木造建物の階下の一部を賃借した者が、判示事情のもとに賃貸人の承諾をえて賃借部分をとりこわしその跡に自己の負担で店舗を作つた場合には、右店舗の一部に原家屋の2階が重なっており、既存の2本の通し柱および天井の梁を利用していても、他に特段の事情のないかぎり、右店舗部分は従前の賃借人の区分所有権に帰すものと解すべきである。

【参照条文】 民法242

       建物の区分所有等に関する法律1 (建物の区分所有)

 

民法

(不動産の付合)

第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

 

建物の区分所有等に関する法律

(建物の区分所有)

第一条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

 

1 被告による同時再送信における著作物使用に関する契約に基づき,日脚連,シナリオ作家協会,音楽著作権協会,芸団協の原告らが,契約に定められた使用料の支払を請求した事案であり,被告は,契約自体の錯誤無効または著作権法違反であるなどとして争った。

2 有線放送による同時再送信について,実演家の著作隣接権に基づき対価を徴収することが可能であると誤信して締結したもので無効であり,芸団協を除く使用料等の請求権の一部は消滅時効に係っているとしたが,芸団協を除く原告らの請求を一部認容した。

 

東京地方裁判所判決/平成13年(ワ)第8592号、平成14年(ワ)第4002号、平成15年(ワ)第28981号

平成16年5月21日

著作権使用料請求事件

【判示事項】    1 被告による同時再送信における著作物使用に関する契約に基づき,日脚連,シナリオ作家協会,音楽著作権協会,芸団協の原告らが,契約に定められた使用料の支払を請求した事案であり,被告は,契約自体の錯誤無効または著作権法違反であるなどとして争った。

2 有線放送による同時再送信について,実演家の著作隣接権に基づき対価を徴収することが可能であると誤信して締結したもので無効であり,芸団協を除く使用料等の請求権の一部は消滅時効に係っているとしたが,芸団協を除く原告らの請求を一部認容した。

【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載

       主   文

  1 被告は,甲事件原告協同組合X1に対し,4万7115円およびこれに対する平成13年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

  2 被告は,甲事件原告協同組合X1,乙事件原告協同組合X2,乙事件原告社団法人X3および乙事件参加人に対し,101万1081円およびこれに対する平成13年5月15日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

  3 被告は,甲事件原告協同組合X1,乙事件原告協同組合X2および乙事件参加人に対し,13万102円およびこれに対する平成13年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

  4 甲事件原告,乙事件原告ら(乙事件原告社団法人X4を除く。)および乙事件参加人のその余の請求を棄却する。

  5 乙事件原告社団法人X4の請求を棄却する。

  6 訴訟費用については,乙事件原告社団法人X4と被告の間に生じたものは同原告の負担とし,甲事件原告,その余の乙事件原告ら,乙事件脱退原告および乙事件参加人と被告の間に生じたものは,これを4分し,その3をこれらの原告ら(乙事件脱退原告を除く。)および乙事件参加人の,その余を被告の各負担とする。

  7 この判決の第1項ないし第3項は,仮に執行することができる。

       事実および理由

第1 請求

 1 被告は,甲事件原告協同組合X1,乙事件原告協同組合X2,乙事件原告社団法人X3,乙事件原告社団法人X4および乙事件参加人に対し,485万2224円およびこれに対する平成13年5月15日(甲事件原告協同組合X1の訴え(平成13年(ワ)第8592号)の訴状が被告に送達された日)から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 被告は,甲事件原告協同組合X1,乙事件原告協同組合X2,乙事件原告社団法人X4および乙事件参加人に対し,56万6092円およびこれに対する平成13年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

   本件は,甲事件原告,乙事件原告らおよび乙事件脱退原告と被告との間で締結された被告による同時再送信における著作物使用に関する契約に基づき,甲事件原告および乙事件原告らおよび乙事件参加人(以下,併せて「原告ら」という。)が,被告に対し,契約に定められた使用料(平成6年度から平成11年度分)の支払いを求めている事案である。

   原告らの主張に対し,被告は,①原告らは,著作権法上,被告によるテレビ番組の同時再送信について何らの権利を有していないのに,著作物使用に関する契約に基づき使用料を請求し得ると主張しているものであって,契約自体錯誤無効であるし,そうでなくとも原告らの請求は著作権法に反するものであるから認められない,②被告による同時再送信は,原告らが放送事業者に対して許諾した著作物の使用の範囲に含まれているものであって,そもそも原告らは被告に対して使用料等の請求をなし得る立場にないので,本件各契約はその要素に錯誤があり無効である,③原告らの請求は判例あるいは信義則に反する,④乙事件原告社団法人X4(以下「原告X4」という。)は,本来被告に対して著作隣接権を行使できる立場にないのに,同時再送信について著作隣接権を有するかのごとく被告を欺罔して契約を締結したものであるから,上記契約は,少なくとも原告X4に関する部分については詐欺により取り消されるべきものであるか,錯誤により無効である,⑤原告らの請求は,契約期間満了または消滅時効により認められない等と主張して争っている。

 1 前提となる事実関係(証拠により認定した事実については,末尾に証拠を掲げた。)

 (1)当事者

   ア 甲事件原告協同組合X1(以下「原告X1」という。原告X1の前身は,協同組合Cであるが,以下においては両者を区別することなく「原告X1」という。),乙事件原告協同組合X2(「以下「原告X2」という。),乙事件原告社団法人X3(以下「原告X3」という。)および乙事件参加人(以下「参加人」という。)は,著作権管理事業法に基づき文化庁長官の登録を受けた著作権等管理団体であり,著作物の管理等を行っている団体である(なお,原告X1,原告X2および原告X3は,平成13年10月1日の著作権等管理事業法施行前においては,著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律(以下「仲介業務法」という。)に基づき著作権に関する仲介業務をなすことの許可を受けた著作権仲介団体であった。)。

     原告X4は,著作権法第95条,95条の3,104条の3に基づき,文化庁長官により「実演を業とする者の相当数を構成員とする団体」として指定を受けた団体である。

   イ 乙事件脱退原告社団法人X5(以下「脱退原告」という。)は,平成13年10月1日の著作権等管理事業法施行前においては,仲介業務法に基づき著作権に関する仲介業務を行うことの許可を受けた仲介業務団体であり,著作権等管理事業法施行後においては,同法に基づき文化庁長官の登録を受けた著作権管理団体であった。平成15年10月1日,参加人は,脱退原告から著作権管理業務と共に本件A契約および本件B契約(以下,両契約を併せて「本件各契約」という。)に基づき被告に対して有する債権を承継した。

     これに伴い,参加人は,民事訴訟法47条1項に基づき本件訴訟に参加し,脱退原告は,被告の同意を得て本件訴訟から脱退した。

   ウ 被告

     被告は,有線テレビジョン放送法(以下「有テレ法」という。)による放送事業等を目的として,昭和62年4月3日に設立された株式会社であり,平成元年9月8日,有テレ法3条に基づき,有線テレビジョン放送施設の設置について郵政大臣の許可を受け,平成2年10月28日からサービスを開始し,以後現在に至るまで,有線テレビジョン放送を継続して行う有線放送事業者である。

(後略)

 

土地売買契約の過程において当事者の一方が契約の成立を不可能にしたことが不法行為になるとされた事例

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和55年(オ)第148号

【判決日付】      昭和58年4月19日

【判示事項】      土地売買契約の過程において当事者の一方が契約の成立を不可能にしたことが不法行為になるとされた事例

【判決要旨】      土地売買契約締結の過程において、当事者が互いに契約条項をすべて諒解し、公正証書の作成をもつてすることとした契約締結の日を取り決めるなどして、買主となる者が交渉の結果に沿つた契約の成立を期待し買受代金の調達などの準備を進めるのが当然であるとみられるような段階に達した場合に、売主となる者がその責に帰すべき事由によつて契約の締結を不可能にすることは、特段の事情のない限り、不法行為となり、買主となる者は、買受代金にあてる資金を借り受けたため金融機関に支払を余儀なくされた利息相当額の損害につき、売主となる者に対しその賠償を求めることができる。

【参照条文】      民法709

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事138号611頁

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

泥酔者は刑法第218条第1項の「病者」にあたるか

 

 

              保護者遺棄致死事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷/昭和43年(あ)第979号

【判決日付】      昭和43年11月7日

【判示事項】      泥酔者は刑法第218条第1項の「病者」にあたるか

【判決要旨】      高度の酩酊により身体の自由を失い、他人の扶助を要する状態にある者は、刑法第218条第1項の「病者」にあたる。

【参照条文】      刑法218-1

             刑法219

             刑法217

【掲載誌】        最高裁判所裁判集刑事169号355頁

 

刑法

(遺棄)

第二百十七条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)

第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 

第16章 施行日

・ 令和元年改正意匠法のほとんどの規定は令和2年4月に施行済み。

・ 複数意匠一括出願手続の導入(第7条)、物品区分の扱いの見直し(第7条)、手続救済規定の拡充(第15条第1項、第60条の10第2項及び第68条第1項)についての規定は、令和3年4月に施行。

複数意匠一括出願手続の導入

・ 意匠登録出願は、意匠ごとに出願しなければならず、一つの出願に一つの意匠しか含めることができない。

・ 近年、製品に一貫したデザインコンセプトを用いてブランド価値を高める企業が増えている中、出願手続の負担が生じている。

・ 複数の意匠登録出願を一の願書により一括して行う手続について省令で規定した。

改正法第7条

意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分ところにより、意匠ごとにしなければならない。 複数の意匠登録出願を一の願書により一括して行う手続について意匠法施行規則第2条の2等で規定した。

改正後(現行の出願方法も維持)

(1意匠ごとに1つの意匠権を発生させるという原則は維持)

・ 出願手続後、手続番号が通知され、方式審査が行われる。

・ 方式審査完了等の要件を満たした後、個別の意匠登録出願に出願番号が通知される。

・ 実体審査や意匠登録は、現行制度と同様に個別の意匠登録出願について行う。 複数意匠一括出願手続 手続番号通知 方式審査手続補正等

手続補正等

・ 一括可能な出願数上限:100

・ 一括可能な意匠の範囲:無制限

・ 出願手数料:16,000円×出願数

・ オンラインによる手続可

・ DAS利用可

証明書の提出

(法定期間内)

複数意匠一括出願手続の終了

※新規性喪失の例外適用を受けようとする場合は、提出可能期間が経過するまで、優先権を主張する場合は、証明書が提出されるか証明書の提出可能期間が経過するまでは複数意匠一括出願手続は

終了しない。

・ 複数意匠一括出願手続の願書は、様式第二の二により作成しなければならない。

・ 願書の一部の記載は、含まれる全ての意匠登録出願について、当該事項と同一の内容の事項が記載された願書によりされたものとみなされる。

・ 意匠に係る物品、創作者情報、意匠に係る物品の説明、意匠の説明の欄は、意匠ごとに設けなければならない。

手続書作成例(様式第二の二)

• 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所

• 代理人の氏名又は名称及び住所又は居所

• 秘密意匠を請求するための記載事項(必要書面提出省

略時)

• 出願人が意匠登録を受ける権利の信託の受託者である場合の記載事項

• 共同出願において出願人の権利について持分の定めがあるなどの場合の持分割合

• 新規性喪失の例外適用を受けようとする場合の記載事項(必要書面提出省略時)

• パリ条約に基づく優先権を主張する場合の記載事項(必要書面提出省略時)

• 共同出願において手続をするための代表者を定める届出を特許庁にしたときの記載事項

全ての意匠登録出願が、これらを記載した願書によりされたものとみなされる。

願書とともに提出された書類の扱い

・ 複数意匠一括出願手続において提出された一部の書類は、その提出日に、含まれる全ての意匠登録出願に対し提出されたものとみなされる。

• 新規性喪失の例外適用を受けようとする旨を記載した書面

• 新規性喪失の例外適用証明書

• 秘密を請求するための必要事項を記載した書面

• 優先権を主張するための出願番号記載書面

• 優先権証明書又はアクセスコード等を記載した書面

全ての意匠登録出願に対し提出されたものとみなされる。

複数意匠一括出願手続の

願書・図面 その他の提出書類

複数意匠一括出願手続に含めることができない出願等

・ 分割出願や変更出願などの一部の出願については、複数意匠一括出願手続に含めるこ

とはできない。

・ 特徴記載書等の一部の書類は、複数意匠一括出願手続について提出することができな

い。

• 特徴記載書

• 出願放棄書

• 出願取下書

• 複数意匠一括出願手続に含まれる意匠登録出願の数を変更する手続補正書

複数意匠一括出願手続に含めることができない出願

複数意匠一括出願手続において提出することができない書類

• 分割出願

• 変更出願

• 補正却下決定後の新出願

• 国際意匠登録出願

※特徴記載書、出願放棄書及び出願取下書は、複数意匠一括出願手続終了後に個別の意匠登録出願について提出することができる。

優先権証明書の交付等の請求

・ 優先権証明書の交付、意匠登録に関する書類の謄本等の交付及び閲覧の請求は、複数意匠一括出願手続番号によって請求することで、当該手続に含まれる複数の意匠登録出願について一括請求することが可能。(出願番号通知後も請求可能)

・ 従来どおり、出願番号によって請求することで、個別の意匠登録出願について請求することも可能。

優先権証明書の交付、意匠登録に関する書類の謄本の交付及び閲覧請求

複数意匠一括出願手続番号で請求

出願番号で請求

物品の区分の扱いの見直し

物品の区分の廃止

・ 物品区分表の機動的な改定が困難であり、どの物品の区分にもあてはまらないという

不都合を回避するため、願書に記載すべき物品の粒度を定めている「物品区分表」を

廃止し、経済産業省令に「一意匠」の対象となる基準を設けることとした。

現行の「意匠に係る物品の区分」が記載された

意匠法施行規則別表第一(7条関係)

出願や審査の便宜という観点から願書に記載すべき物品の粒度を揃えるために、経済産業省令で「物品の区分」を定めることとしていた。

改正後

意匠法第7条の「経済産業省令で定める物品の区分により」の部分を削除するとともに、「意匠ごと」と規定される客体である「一意匠」の対象が不明確となる恐れがあるため、「一意匠」の対象となる「一物品」、「一建築物」、「一画像」の基準について、経済産業省令で定めることとした。

改正前

「一意匠」の粒度

・ 意匠に係る物品等の用途及び機能を明確に認識できる場合に、一意匠として適切な粒度で出願されたものと判断される。

・ 意匠に係る物品等の用途及び機能を明確に認識できるか否かについては、願書の「意匠に係る物品」の欄の記載のみならず、願書のその他の欄の記載及び願書に添付された図面等から総合的に判断される。

改正意匠法施行規則第7条

意匠法第7条の規定により意匠登録出願をするときは、意匠登録を受けようとする意匠ごとに、意匠に係る物品若しくは意匠に係る建築物若しくは画像の用途、組物又は内装が明確となるように記載するものとする。

意匠審査基準 第Ⅱ部第2章1.

審査官は、出願された意匠が、この要件を満たしているか否かを判断するにあたり、願書の「意匠に係る物品」の欄の記載のみならず、願書のその他の欄の記載及び願書に添付された図面等を総合的に判断し、意匠登録を受けようとする意匠の意匠に係る物品等の用途及び機能を明確に認識できる場合は、この要件を満たしたものと判断する。

(1)願書の「意匠に係る物品」の欄の記載として適切なものの例

「意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き」別添の一覧表「意匠に係る物

品等の例」参照

(2)願書の「意匠に係る物品」の欄の記載のみでは、出願された意匠の意匠に係る物品等の用途及び機能を明確に認定することができないものの、願書の記載及び願書に添付した図面等を総合的に判断すれば、用途及び機能を明確に認定することができるものの例

意匠に係る物品等の用途及び機能が明確なものの例

(意匠審査基準第Ⅱ部 第2章 3.3 )

意匠に係る物品等の用途及び機能が不明確なものの例①

(1)願書の「意匠に係る物品」の欄の記載が、以下に該当するもの

① 意匠の属する分野において、日本語(国際意匠登録出願の場合は英語)の

一般的な名称として使用されていないもの

(例:日本語(国際意匠登録出願の場合は英語)以外の言語によるもの、一般的な名称として広く認識されるに至っていない省略名称、商標や商品名等の固有名詞を付したもの。ただし、日本語の場合、アルファベットによる略称表記

(例、「LED」、「DVD」等)を含むものであっても、一般的な名称として使用されているものである場合には、問題のないものとして扱う。)

② 用途及び機能を何ら認定することができないもの

(例:「物品」、「もの」)

(意匠審査基準第Ⅱ部 第2章 3.2 )

意匠に係る物品等の用途及び機能が不明確なものの例②

意匠に係る物品 「産業用部品」

意匠に係る物品 「装飾部品」

意匠に係る物品の説明(記載なし)

【斜視図】

本事例では、「意匠に係る物品」の欄の記載が不明確であり、図面の記載を考慮しても、何を装飾するものであるのか等、用途及び機能が明らかでなく、この意匠の意匠に係る物品等を明確に認定することができない。

(意匠審査基準第Ⅱ部 第2章 3.2(2) )

(2)願書の記載及び願書に添付した図面等を総合的に判断しても、出願された意匠の意匠に係る物品等の用途及び機能を明確に認定することができないもの

意匠に係る物品等を例示した一覧表「意匠に係る物品等の例」

・ ユーザーが出願する際、願書の「意匠に係る物品」の欄の記載の指針となるよう、意匠に係る物品等を例示した一覧表「意匠に係る物品等の例」(日・英)を作成し、特許庁ウェブサイト上に「意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き」の別添として公表予定。

・ 「意匠に係る物品等の例」は、従来の意匠法施行規則別表第一を基としつつ、近年の登録実績を元にした追加・削除、掲載順や古い表記の見直し等の修正を行っている。

手続救済規定の拡充

拡充される手続救済

・ 出願人に対する救済措置を充実させるべく、特許法を準用し、指定期間経過後の請求による指定期間の延長、優先期間経過後の優先権主張を伴う意匠登録出願(正当な理由があるときに限る)、優先権書類の未提出通知を受けた後の優先権書類の提出を認めることとした。

指定期間経過後の請求による指定期間の延長

優先期間経過後の優先権主張を伴う意匠登録出願

(期間内に出願できない正当な理由があるときに限る)

優先権書類の未提出通知を受けた後の優先権書類の提出

特許法の準用によって拡充される手続救済

意匠法第六十八条第一項で準用する特許法第五条第三項

意匠法第十五条第一項で準用する特許法第四十三条の二

意匠法第十五条第一項及び第六十条の十第二項で準用する特許法第四十三条第六項及び第7項

指定期間経過後の請求による指定期間の延長

・ 補正指令や拒絶理由通知等に記載された、特許庁長官等の指定する期間(指定期間)

を、当該指定期間経過後2か月以内であれば、出願人の請求により2か月間延長することができる。(1手続につき1回限り)

・ 手数料は4,200円(拒絶理由通知に記載された指定期間の延長は7,200円)。

・ 指定期間内に拒絶理由通知に対する応答をしたときは、延長請求することはできない。

〔特許庁〕

〔出願人等〕

指定期間 2か月

補正指令・拒絶理由通知等 期間延長請求書+手数料

指定期間を2か月間延長できる。

※期間延長請求は1回限り

(4,200円。拒絶理由通知に記載された指定期間を延長する場合は7,200円)

※拒絶査定不服審判請求後の拒絶理由通知等については、対象外

指定期間内の請求による指定期間の延長

・ 指定期間経過後の請求による指定期間の延長を可能としたことに伴い、これまで認められていなかった、国内居住者による指定期間内の延長請求も可能とする。

・ 国内居住者、在外者ともに、指定期間内の請求によって延長される期間は2か月。

・ 手数料は2,100円。

・ 指定期間内の請求により延長された指定期間について、指定期間内・指定期間経過後にかかわらず、再度の延長は請求できない。

〔特許庁〕

〔出願人等〕

指定期間 2か月

補正指令・拒絶理由通知等

期間延長請求書+手数料

指定期間を2か月間

延長できる。

※期間延長請求は1回限り

出願人 従来 R3.4~

国内居住者 不可 2か月

在外者 1か月 2か月

指定期間内の請求によって

延長される期間

(2,100円)

※拒絶査定不服審判請求後の拒絶理由通知等については、現行のまま

出願

優先期間経過後の優先権主張を伴う意匠登録出願

・ 優先期間内に出願できなかったことについて正当な理由があるときは、優先期間経過

後2か月以内にした意匠登録出願について優先権を主張することができる。

〔特許庁〕

〔出願人等〕

優先期間(6か月) 2か月

• 優先権主張を伴う意匠登録出願

• 回復理由書及び証拠書類

〔第一国官庁〕

優先期間内に出願できなかったことについて正当な理由があるときは、優先権を主張できる。

・ 期間徒過の原因となった事象が予測可能であるといえる場合(例えば、計画的な入院による代理人の不在、計画停電によるオンライン手続不能等)は、出願人等の講じた措置の如何を問わず、原則として「正当な理由」に該当しないと判断される。

・ 期間徒過の原因となった事象が予測可能であるといえない場合は、回復理由書の記載に基づき、出願人等が手続をするために事象の発生前・後に講じた措置が相応の措置といえるか否かの観点、及び措置を講ずべき者(出願人等及び代理人)の観点を含めて、「正当な理由」であるか否かについて判断される。

「正当な理由」について

※詳細は特許庁HP「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン(四法共通)」参照

優先権書類の未提出通知を受けた後の優先権書類の提出

・ 優先権書類の提出期間(3か月)内に優先権書類の提出がなかったときは、特許庁長官は注意喚起のための通知をし、通知を受けた者は通知から2か月以内に優先権書類を提出することができる。

〔特許庁〕

〔出願人等〕

優先権証明書提出期間(3か月)

2か月

注意喚起のための通知

優先権証明書又はアクセスコード等を記載した書面

提出期間内に提出なし。

優先権証明書又はアクセスコード等を記載した書面

通知の日から2か月以内に提出できる

優先権主張を伴う意匠登録出願提出期間内に証明書の提出がなかったときに通知される

経過措置

(1)複数意匠一括出願手続の導入、物品区分の扱いの見直し、

手続救済規定の拡充(優先期間経過後の優先権主張を伴う意匠登録出願)

令和3年4月1日以後に出願された意匠登録出願に適用

(2)手続救済規定の拡充(優先期間経過後の優先権主張を伴う意匠登録出願を除く)

令和3年4月1日以後に指定期間・優先権書類提出期間を経過する意匠登録出願に適用

令和3年4月1日

法定・指定期間

救済規定の適用可

拒絶理由通知等

 

後援会の結成並びに、その準備中における行動が選挙運動と認められた事例

名古屋高金沢支判昭和37年8月16日 高等裁判所刑事裁判速報集296号 下級裁判所刑事裁判例集4巻7~8号648頁
公職選挙法違反 
【判示事項】 後援会の結成並びに、その準備中における行動が選挙運動と認められた事例 
【参照条文】 公職選挙法221 
       政治資金規正法6 

政治資金規正法
(政治団体の届出等)
第六条 政治団体は、その組織の日又は第三条第一項各号若しくは前条第一項各号の団体となつた日(同項第二号の団体にあつては次条第二項前段の規定による届出がされた日、第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体として新たに組織され又は新たに政治団体となつた団体にあつては第十九条の八第一項の規定による通知を受けた日)から七日以内に、郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便によることなく文書で、その旨、当該政治団体の目的、名称、主たる事務所の所在地及び主としてその活動を行う区域、当該政治団体の代表者、会計責任者及び会計責任者に事故があり又は会計責任者が欠けた場合にその職務を行うべき者それぞれ一人の氏名、住所、生年月日及び選任年月日、当該政治団体が政党又は政治資金団体であるときはその旨、当該政治団体が第十九条の七第一項第一号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨及びその代表者である公職の候補者に係る公職の種類、当該政治団体が同項第二号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨、同号の公職の候補者の氏名及び当該公職の候補者に係る公職の種類その他政令で定める事項を、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならない。
一 都道府県の区域において主としてその活動を行う政治団体(政党及び政治資金団体を除く。次号において同じ。) 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会
二 二以上の都道府県の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府県の区域外の地域において、主としてその活動を行う政治団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
三 政党及び政治資金団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
2 政治団体は、前項の規定による届出をする場合には、綱領、党則、規約その他の政令で定める文書(第七条第一項において「綱領等」という。)を提出しなければならない。
3 第一項の規定による届出をする場合には、当該届出に係る政治団体の名称は、第七条の二第一項の規定により公表された政党又は政治資金団体の名称及びこれらに類似する名称以外の名称でなければならない。
4 第一項の文書の様式は、総務省令で定める。
5 第一項及び第二項の規定は、政党以外の政治団体が第三条第二項の規定に該当することにより政党となつた場合について準用する。

公職選挙法
(買収及び利害誘導罪)
第二百二十一条 次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮こ又は五十万円以下の罰金に処する。
一 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。
二 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対しその者又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。
三 投票をし若しくはしないこと、選挙運動をし若しくはやめたこと又はその周旋勧誘をしたことの報酬とする目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し第一号に掲げる行為をしたとき。
四 第一号若しくは前号の供与、供応接待を受け若しくは要求し、第一号若しくは前号の申込みを承諾し又は第二号の誘導に応じ若しくはこれを促したとき。
五 第一号から第三号までに掲げる行為をさせる目的をもつて選挙運動者に対し金銭若しくは物品の交付、交付の申込み若しくは約束をし又は選挙運動者がその交付を受け、その交付を要求し若しくはその申込みを承諾したとき。
六 前各号に掲げる行為に関し周旋又は勧誘をしたとき。
2 中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、参議院合同選挙区選挙管理委員会の委員若しくは職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、投票管理者、開票管理者、選挙長若しくは選挙分会長又は選挙事務に関係のある国若しくは地方公共団体の公務員が当該選挙に関し前項の罪を犯したときは、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。公安委員会の委員又は警察官がその関係区域内の選挙に関し同項の罪を犯したときも、また同様とする。
3 次の各号に掲げる者が第一項の罪を犯したときは、四年以下の懲役若しくは禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。
一 公職の候補者
二 選挙運動を総括主宰した者
三 出納責任者(公職の候補者又は出納責任者と意思を通じて当該公職の候補者のための選挙運動に関する支出の金額のうち第百九十六条の規定により告示された額の二分の一以上に相当する額を支出した者を含む。)
四 三以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の地域のうち一又は二の地域における選挙運動を主宰すべき者として第一号又は第二号に掲げる者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者

「本件各控訴の趣意は、被告人両名の弁護人の控訴趣意書、各記載のとおりであるから、これ等をここに引用する。
  各所論は要するに、原判決の事実誤認と法令適用の誤りとを主張し、その理由として、原判決は被告人両名がそれぞれ石黒忠1から、同人が原判示候補者佐伯宗義に当選を得しめる目的を以て、同候補者のための選挙運動の報酬等として供与することを知りながら、現金5、000円の供与を受けた旨、罪となるべき事実を認定判示しているが、右金員は佐伯宗義後援会の結成並びにその準備活動における労務の対価として授受されたものであって、決して選挙運動をしたことの報酬として授受されたものではない。而してそのことは、原審において取り調べた各種の証拠によって明らかである。そもそも右後援会は、政治資金規正法に基づき、所轄選挙管理委員会に届け出て設立された政治団体であって、同法により必要経費の支弁が認められ、而も右金員の支出は、同後援会会計責任者から、同委員会に報告ずみである。然るに原審が右金員を選挙運動の報酬等と認定し、これが供与を受けた行為に対し、公職選挙法の罰則を適用したのは、事実を誤認したかまたはこれ等関係法規の解釈適用を誤ったものであって、原判決は破棄を免れない、と言うのである。
(中略)
所論は被告人両名の行為が後援会の結成またはその準備行為であることを理由に、選挙運動であることを否定するのであるが、ひとしく後援会と称する政治団体の結成またはその準備行為であっても(それが更に後日選挙管理委員会に届け出られたとしても)、その目的並びに行為の実質において、前掲選挙運動の観念に該当する限りは、刑罰法上において、これを選挙運動と観取されることは、やむを得ないことであるから、所論は採用の限りでない。」

 

通商産業省の自動車運転手が大臣秘書官を私用のため乗車させて自動車を運転し他人を負傷させた場合と民法715条

 

 

              損害賠償等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和30年(オ)第547号

【判決日付】      昭和30年12月22日

【判示事項】      通商産業省の自動車運転手が大臣秘書官を私用のため乗車させて自動車を運転し他人を負傷させた場合と民法715条

【判決要旨】      通商産業省の職員として専ら自動車運転の業務に従事する者が、従来常にその自動車に乗車していた通商産業大臣秘書官を乗車させ通商産業省の自動車を運転中他人を負傷させたときは、たとえ秘書官の私用をみたすため運転したものであつても、右事故は、通商産業省の「事業ノ執行ニ付キ」生ぜしめたものと解すべきである。

【参照条文】      民法715

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集9巻14号2047頁

 

民法

(使用者等の責任)

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

 

法人税法施行令六九条一項(過大な役員報酬の額)が規定する内容からは、相当と認められる金額の予測が不可能であるから、法人税法三四条一項(過大な役員報酬の損金不算入)は憲法八四条に違反するとの上告人会社の主張が、右施行令が定めている当該役員の職務の内容、当該法人の収益及び使用人に対する給料の支給の状況という判断基準は上告人会社自身において把握している事柄であり、同業種・類似規模の法人の役員報酬の支給状況についても入手可能な資料からある程度予測ができるものであることなどから、相当であると認められる金額を超える部分であるか否かは、申告時において上告人会社においても判断可能であるとして排斥された事例


法人税更正処分取消等請求上告事件
【事件番号】    最高裁判所第3小法廷判決/平成7年(行ツ)第110号
【判決日付】    平成9年3月25日
【判示事項】    法人税法施行令六九条一項(過大な役員報酬の額)が規定する内容からは、相当と認められる金額の予測が不可能であるから、法人税法三四条一項(過大な役員報酬の損金不算入)は憲法八四条に違反するとの上告人会社の主張が、右施行令が定めている当該役員の職務の内容、当該法人の収益及び使用人に対する給料の支給の状況という判断基準は上告人会社自身において把握している事柄であり、同業種・類似規模の法人の役員報酬の支給状況についても入手可能な資料からある程度予測ができるものであることなどから、相当であると認められる金額を超える部分であるか否かは、申告時において上告人会社においても判断可能であるとして排斥された事例
【判決要旨】    省略
【掲載誌】     税務訴訟資料222号1226頁

法人税法
(役員給与の損金不算入)
第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)
二 その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭又は確定した数の株式(出資を含む。以下この項及び第五項において同じ。)若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る第五十四条第一項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式若しくは第五十四条の二第一項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないもの(当該株式若しくは当該特定譲渡制限付株式に係る第五十四条第一項に規定する承継譲渡制限付株式又は当該新株予約権若しくは当該特定新株予約権に係る第五十四条の二第一項に規定する承継新株予約権による給与を含むものとし、次に掲げる場合に該当する場合にはそれぞれ次に定める要件を満たすものに限る。)
イ その給与が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない内国法人が支給する給与で金銭によるものに限る。)以外の給与(株式又は新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係るものとして政令で定めるものを除く。)である場合 政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしていること。
ロ 株式を交付する場合 当該株式が市場価格のある株式又は市場価格のある株式と交換される株式(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格株式」という。)であること。
ハ 新株予約権を交付する場合 当該新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格新株予約権」という。)であること。
三 内国法人(同族会社にあつては、同族会社以外の法人との間に当該法人による完全支配関係があるものに限る。)がその業務執行役員(業務を執行する役員として政令で定めるものをいう。以下この号において同じ。)に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあつては、適格株式又は適格新株予約権が交付されるものに限る。)で、次に掲げる要件を満たすもの(他の業務執行役員の全てに対して次に掲げる要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限る。)
イ 交付される金銭の額若しくは株式若しくは新株予約権の数又は交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、若しくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務を執行する期間の開始の日(イにおいて「職務執行期間開始日」という。)以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標(利益の額、利益の額に有価証券報告書(金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)に規定する有価証券報告書をいう。イにおいて同じ。)に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の利益に関する指標として政令で定めるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。イにおいて同じ。)、職務執行期間開始日の属する事業年度開始の日以後の所定の期間若しくは職務執行期間開始日以後の所定の日における株式の市場価格の状況を示す指標(当該内国法人又は当該内国法人との間に完全支配関係がある法人の株式の市場価格又はその平均値その他の株式の市場価格に関する指標として政令で定めるものに限る。イにおいて同じ。)又は職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の売上高の状況を示す指標(売上高、売上高に有価証券報告書に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の売上高に関する指標として政令で定めるもののうち、利益の状況を示す指標又は株式の市場価格の状況を示す指標と同時に用いられるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。)を基礎とした客観的なもの(次に掲げる要件を満たすものに限る。)であること。
(1) 金銭による給与にあつては確定した額を、株式又は新株予約権による給与にあつては確定した数を、それぞれ限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2) 政令で定める日までに、会社法第四百四条第三項(指名委員会等の権限等)の報酬委員会(その委員の過半数が当該内国法人の同法第二条第十五号(定義)に規定する社外取締役のうち職務の独立性が確保された者として政令で定める者((2)において「独立社外取締役」という。)であるものに限るものとし、当該内国法人の業務執行役員と政令で定める特殊の関係のある者がその委員であるものを除く。)が決定(当該報酬委員会の委員である独立社外取締役の全員が当該決定に係る当該報酬委員会の決議に賛成している場合における当該決定に限る。)をしていることその他の政令で定める適正な手続を経ていること。
(3) その内容が、(2)の政令で定める適正な手続の終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他財務省令で定める方法により開示されていること。
ロ その他政令で定める要件
2 内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3 内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
4 前三項に規定する給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとする。
5 第一項に規定する業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の同項の内国法人又は当該内国法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額又は数の金銭又は株式若しくは新株予約権による給与及び第五十四条第一項に規定する特定譲渡制限付株式若しくは承継譲渡制限付株式又は第五十四条の二第一項に規定する特定新株予約権若しくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、又は消滅する株式又は新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいう。
6 第一項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。
7 第一項第二号ロ及びハに規定する関係法人とは、同項の内国法人との間に支配関係がある法人として政令で定める法人をいう。
8 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

法人税法施行令
(過大な役員給与の額)
第七十条 法第三十四条第二項(役員給与の損金不算入)に規定する政令で定める金額は、次に掲げる金額の合計額とする。
一 次に掲げる金額のうちいずれか多い金額
イ 内国法人が各事業年度においてその役員に対して支給した給与(法第三十四条第二項に規定する給与のうち、退職給与以外のものをいう。以下この号において同じ。)の額(第三号に掲げる金額に相当する金額を除く。)が、当該役員の職務の内容、その内国法人の収益及びその使用人に対する給与の支給の状況、その内国法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する給与の支給の状況等に照らし、当該役員の職務に対する対価として相当であると認められる金額を超える場合におけるその超える部分の金額(その役員の数が二以上である場合には、これらの役員に係る当該超える部分の金額の合計額)
ロ 定款の規定又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により、役員に対する給与として支給することができる金銭その他の資産について、金銭の額の限度額若しくは算定方法、その内国法人の株式若しくは新株予約権の数の上限又は金銭以外の資産(ロにおいて「支給対象資産」という。)の内容(ロにおいて「限度額等」という。)を定めている内国法人が、各事業年度においてその役員(当該限度額等が定められた給与の支給の対象となるものに限る。ロにおいて同じ。)に対して支給した給与の額(法第三十四条第六項に規定する使用人としての職務を有する役員(第三号において「使用人兼務役員」という。)に対して支給する給与のうちその使用人としての職務に対するものを含めないで当該限度額等を定めている内国法人については、当該事業年度において当該職務に対する給与として支給した金額(同号に掲げる金額に相当する金額を除く。)のうち、その内国法人の他の使用人に対する給与の支給の状況等に照らし、当該職務に対する給与として相当であると認められる金額を除く。)の合計額が当該事業年度に係る当該限度額及び当該算定方法により算定された金額、当該株式又は新株予約権(当該事業年度に支給されたものに限る。)の当該上限及びその支給の時(第七十一条の三第一項(確定した数の株式を交付する旨の定めに基づいて支給する給与に係る費用の額等)に規定する確定数給与(ロにおいて「確定数給与」という。)にあつては、同項の定めをした日)における一単位当たりの価額により算定された金額並びに当該支給対象資産(当該事業年度に支給されたものに限る。)の支給の時における価額(確定数給与にあつては、同項に規定する交付決議時価額)に相当する金額の合計額を超える場合におけるその超える部分の金額(同号に掲げる金額がある場合には、当該超える部分の金額から同号に掲げる金額に相当する金額を控除した金額)
二 内国法人が各事業年度においてその退職した役員に対して支給した退職給与(法第三十四条第一項又は第三項の規定の適用があるものを除く。以下この号において同じ。)の額が、当該役員のその内国法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その内国法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を超える場合におけるその超える部分の金額
三 使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与で、他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したものの額


 

1、政治資金規正法第23条第2項の罰則の解釈

2、同法第3条第8条にいわゆる「候補者」

3、同法第18条の解釈

 

札幌高判昭和29年4月17日 高等裁判所刑事判例集7巻3号391頁

政治資金規正法違反被告事件

【判示事項】 1、政治資金規正法第23条第2項の罰則の解釈

       2、同法第3条第8条にいわゆる「候補者」

       3、同法第18条の解釈

【判決要旨】 1、政治資金規正法第23条第2項の罰則は、代表者等を処罰するには必ずその前提要件として団体等が現実に処罰されることを要するものではなく、団体等に違反があつた場合には、その代表者等の責任者をも罰することができるものとしたものと解するのを相当とする。

2、同法第3条、第8条にいわゆる「候補者」とは、すべて届出後の候補者を指称するものであって、未だ立候補の届出を完了していない者、すなわち、「候補者たらんとする者」は右の候補者の中には含まない。

3、同法第18条は、団体の組織として支部独自の代表者または主斡者および会計責任者の定めがあり現実にある程度本部とは別に独自の意思決定に基いて政治活動をなす能力を有するものは、その団体としての実体に着目して本法の取締をなすべきものとしたのである。

【参照条文】 政治資金規正法23 、3 、8 、18

 

政治資金規正法

(定義等)

第三条 この法律において「政治団体」とは、次に掲げる団体をいう。

一 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体

二 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体

三 前二号に掲げるもののほか、次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体

イ 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること。

ロ 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること。

2 この法律において「政党」とは、政治団体のうち次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を五人以上有するもの

二 直近において行われた衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた参議院議員の通常選挙若しくは当該参議院議員の通常選挙の直近において行われた参議院議員の通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の二以上であるもの

3 前項各号の規定は、他の政党(第六条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により政党である旨の届出をしたものに限る。)に所属している衆議院議員又は参議院議員が所属している政治団体については、適用しない。

4 この法律において「公職の候補者」とは、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条の規定により候補者として届出があつた者、同法第八十六条の二若しくは第八十六条の三の規定による届出により候補者となつた者又は同法第八十六条の四の規定により候補者として届出があつた者(当該候補者となろうとする者及び同法第三条に規定する公職にある者を含む。)をいう。

5 第二項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定、同項第二号に規定する政治団体の得票総数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。

 

(届出前の寄附又は支出の禁止)

第八条 政治団体は、第六条第一項の規定による届出がされた後でなければ、政治活動(選挙運動を含む。)のために、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない。

 

(政治団体の支部)

第十八条 政治団体(政治資金団体を除く。)が支部を有する場合には、当該政治団体の本部及び支部は、それぞれ一の政治団体とみなしてこの章の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第六条第五項、第六条の二、第七条の二第三項、第十四条(前条第四項において準用する場合を含む。)及び次条の規定は、当該政治団体の支部については適用がないものとし、第九条第一項第一号リ中「その他の収入」とあるのは「その他の収入(寄附並びにイ、ホ及びチの収入並びに第十八条第三項に規定する交付金以外の収入をいう。)」と、第十二条第一項第一号ヌ中「リの収入」とあるのは「リの収入並びに第十八条第四項に規定する交付金」とし、その他のこの章の規定の当該政治団体の本部及び支部についての適用に関し必要な技術的読替えその他必要な事項は、政令で定める。

2 前項の場合において、政治団体の支部が第十九条の七第二項に規定する政党の支部であるときは、当該政治団体の支部は、第六条及び第六条の三から第七条の二までの規定の適用については、それぞれ一の第十九条の七第一項第一号に係る国会議員関係政治団体とみなす。

3 第一項の場合において、政治団体の会計責任者は、第九条第一項の規定による会計帳簿の記載をするときは、当該政治団体の本部又は支部から供与された交付金に係る収入について、その本部又は支部の名称及び主たる事務所の所在地並びに当該交付金の金額及び年月日を併せて記載しなければならない。

4 第一項の場合において、政治団体の会計責任者は、第十二条第一項又は前条第一項の規定による報告書の記載をするときは、当該政治団体の本部若しくは支部から供与された交付金に係る収入又は当該政治団体の本部若しくは支部に対して供与した交付金に係る支出について、その総額及び次に掲げる事項を併せて記載しなければならない。

一 当該政治団体の本部又は支部から供与された交付金に係る収入については、その本部又は支部の名称及び主たる事務所の所在地並びに当該交付金の金額及び年月日

二 当該政治団体の本部又は支部に対して供与した交付金に係る支出については、その本部又は支部の名称及び主たる事務所の所在地、総務省令で定める項目の別並びに当該交付金の金額及び年月日

5 第一項の場合において、政治団体の本部は、当該政治団体の支部が解散したときは、当該支部の代表者及び会計責任者であつた者に代わつて、前条第一項の規定による届出をすることができる。この場合においては、当該政治団体の本部は、当該支部の代表者及び会計責任者であつた者に対し、当該届出をした旨を通知しなければならない。

 

第二十三条 政治団体が第八条の規定に違反して寄附を受け又は支出をしたときは、当該政治団体の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、五年以下の禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。