通商産業省の自動車運転手が大臣秘書官を私用のため乗車させて自動車を運転し他人を負傷させた場合と民法715条
損害賠償等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和30年(オ)第547号
【判決日付】 昭和30年12月22日
【判示事項】 通商産業省の自動車運転手が大臣秘書官を私用のため乗車させて自動車を運転し他人を負傷させた場合と民法715条
【判決要旨】 通商産業省の職員として専ら自動車運転の業務に従事する者が、従来常にその自動車に乗車していた通商産業大臣秘書官を乗車させ通商産業省の自動車を運転中他人を負傷させたときは、たとえ秘書官の私用をみたすため運転したものであつても、右事故は、通商産業省の「事業ノ執行ニ付キ」生ぜしめたものと解すべきである。
【参照条文】 民法715
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集9巻14号2047頁
民法
(使用者等の責任)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。