建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例 最3小判 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例

 

最3小判昭和38年10月29日 民集17巻9号1236頁 判例時報363号24頁

所有権確認請求事件

【判示事項】 建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例

【判決要旨】 2階建木造建物の階下の一部を賃借した者が、判示事情のもとに賃貸人の承諾をえて賃借部分をとりこわしその跡に自己の負担で店舗を作つた場合には、右店舗の一部に原家屋の2階が重なっており、既存の2本の通し柱および天井の梁を利用していても、他に特段の事情のないかぎり、右店舗部分は従前の賃借人の区分所有権に帰すものと解すべきである。

【参照条文】 民法242

       建物の区分所有等に関する法律1 (建物の区分所有)

 

民法

(不動産の付合)

第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

 

建物の区分所有等に関する法律

(建物の区分所有)

第一条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。