翌朝目が覚めたら、なんと8時半でした..。
前の晩、ホテルのレストランで夕食の後、部屋に戻って夫にシャワーを浴びてもらい寝かせたのが22時過ぎ。
それから、コインランドリーで洗濯、乾燥待ちが、2時間弱。
コインランドリーには、パジャマでは行けませんので、洗濯物をとってきてからお風呂に入ったりしていたら、寝たのが1時を過ぎていました。

姉も疲れていたらしく、ぐっすりと眠っていました。
それにしても8時半とは。
バイキングの朝食が終わっちゃうー!(笑

夫を外に連れ出して食事するのは難しいだろうと思って、6泊共、朝夕食付きで予約してあり、それぞれの食事券をもらっていました。
朝食券は、ランチにも使えるということだったので、朝食はパスすることにしました。

そうと決まれば、のんびりとできます。
夫を起こしました。

残念なことに、ベッドは湿っていました。
少し前からおむつの作り方(?)を変えて、それがうまくいって、このところ失敗なしだったのにとがっかりしました。
ホテルで防水シートを用意してくれていて、本当に助かりました。
1枚は持って来ましたが、それが濡れたら、洗濯乾燥で2時間がとられ、朝早くでかけるのが不可能になったところでした。

気を取り直して、夫を立たせ二人がかりで歩かせて、借りている肘掛け椅子に連れてきました。
OS-1と、フェルガードを飲ませました。
ここまではいつもの手順です。
いつもは、この後そのまま浴室に連れて行くのですが、今日は、時間もあるし、トイレに座らせようということになって、トイレに連れて行きました。

歩くのは二人がかりならばなんとか安定して歩けます。
でも、方向転換が難しい。
トイレに入って、正面に便器があるので、そこで後ろを向かなければなりません。
足が思うように動かなくなります。

このときも、方向転換させるのにもたついていました。
そうしているうちに、例の臭いがしてきました。
あれー?う●ちかしら?とか言いながらおむつを外そうとした瞬間、いいう●ちが沢山出てきました。
私は夫の正面にいて、姉は脇から支えていたのですが、姉は焦って咄嗟におむつを持って受け止めていました。そのまま落としてくれてもよかったのに。(笑

日常では、火金と、浣腸で排便をさせていたので、最終排便は前の週の金曜日です。
時々自力での排便もありますので、そろそろ、いつ何時排便が起きるか、クルーザーの上だと困ったなぁ..と、それが悩みの種でした。
この時出てくれたおかげで、少なくとも翌日はその心配がなくなりました。

その後、浴室に連れて行きました。
洗い場に私が入り、夫が入り、姉が入り、夫の下半身を石けんで洗ってから、プラスチックの椅子を入れました。
ぎりぎり浴槽側に体をよけて、椅子を入れ、やっとの思いで、ガラスのドアを閉めました。
夫を椅子に座らせ、ほっと一息。
頭と、残りの部分を洗いました。

あらかじめお湯を張って置いた浴槽に、まず、私が入りました。姉は椅子にかけた夫を支えてくれています。
家でならば、座面が回転するシャワーチェアなのですが、ここではプラスチックの椅子です。
片足ずつ持ち上げて、浴槽に入れました。
お尻がこすれて、痛そう。(笑
でも、なんとか浴槽に無事に入れることができました。

正面の壁に手すりがついていました。
立ち上がらせて、手すりを持たせ、私が背中から抱きかかえるようにして支えて、今度は姉が片足ずつ浴槽から出してくれました。

すっかり身支度させた後、姉と顔を見合わせて、明日からは、朝はシャワーだけだねぇと意見が一致しました。
ふぅ...。(笑

この日は一日曇り空でした。
ランチの後、ホテルの隣にあるスーパーマーケットに買い出しに行きました。
飲むヨーグルトのBIO、OS-1、噴霧できる消臭剤などを買いました。

夕食はホテルのレストランです。
ブッフェスタイルで、毎日同じ料理だったのですが、種類も多くおいしくて飽きませんでした。
滞在中、3回このお料理を食べました。
デザートも豊富で、夫の好きなアイスクリームもあり、満足そうでした。
写真を全く撮らなかったので、お借りした画像を載せておきます。


レストラン

http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/29412/CUSTOM/GW29412100622134725.html

写真の手前にある四角い器に入っているのが、アグー豚のしゃぶしゃぶです。
これが殊更おいしかったです。


ここのホテルの従業員の方達は、皆、とっても親切でした。
接する機会の多かったこのレストランでは、すっかり顔なじみになり、いろいろお声をかけて頂きました。
また、周りにいるお客さん達からも、奇異な目で見られることもなく、居心地よく食事を楽しむことができました。

夫が自分で食べることができなくなってから、極く限られた、以前から行っていたところにしか連れて行けなくなっていました。
エプロンをさせて、私が食べ物を口に運ぶのを見たら、雰囲気を壊すんじゃないかと、なんとなく気後れがしていたのです。
でも..
連れて行っても、おそらく、大丈夫じゃないのかな?..と、そんな気にさせてくれたレストランでした。


さて、いよいよ次の日は、待望の南の海です。
でも、まだ梅雨が明けてない...




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6泊7日の沖縄旅行へ行き、土曜日の夜無事に帰って参りました。
ほんとに行ったんだ、行けたんだなぁと、感無量です。


22日、日曜日の朝、約束の時間に、夫は身ぎれいに支度してもらい、デイの人に送られて待ち合わせ場所に到着しました。
ほぼ同時に、姉達も到着して、夫を甥の車へ乗せ換えました。
いよいよ出発です。

甥が空港まで送ってくれ、その後は、姉と3人で搭乗手続きをしました。
ANAで行ったのですが、とても障害者に対して配慮して下さっているようでした。
夫が歩けなくなってからは、初めての空の旅です。

車いすは、航空会社のものに乗り換え、係の人がずっと押して下さって、保安検査を通り、搭乗口まで連れて行って下さいました。
搭乗の時には、一番最初に案内してもらい、別の係の人達が座席まで連れて行って下さいました。
飛行中もなにかと気を配って頂きました。

那覇空港に着いて、出口を出たところにHさんが待っていてくれました。
夫は、Hさんを認めた表情をし、にっこりしたので、私たちはびっくりしてしまいました。
一回しか会ってないし、覚えているわけはないと思うんですけど。

空港の外に出て、迎えに来て下さったダイビングサービスのIさんの車に乗りました。
梅雨空ですが、雨は降らず、快適なドライブを30分位して、ダイビングサービスに到着しました。
ここには、レンタルする器材などを確認するために立ち寄りました。
夫がオーダーしたウェットスーツも届いていました。
ちょっと残念だったのは、どこかで連絡ミスがあり、頼んでいた黒地にアイスブルーがオレンジ色になっていたことです。(>_<)

ここでは、他のスタッフの方達とも顔合わせしました。
Tさんという女性と、Aさんという男性スタッフです。
両方ともベテランのダイビングインストラクターです。
この方達が、夫のダイビングをサポートして下さいます。

冷たい飲み物を頂いて、ひとしきりおしゃべりした後、ホテルまで送ってもらいました。


ホテルは、海に面した素晴らしいロケーションです。
案内された部屋は、南と西に大きなテラス戸があり、バルコニーがぐるりと回ってついている角部屋でした。

ホテル


長いすと一人がけのソファと、それに、プールサイドで使っているというメッシュの肘掛け椅子が用意されていました。
想像していたのとは違って、大きくゆったりしていて、部屋にあっても違和感がありませんでした。

洗面所の奥に浴室がありました。
大きな窓がついていて、開放感があります。
洗面所との境も、ガラス張りです。
ドアもガラスのドアで、洗い場側に開くようになっていました。

でも残念なことに、洗い場が少し狭くて、貸してもらった椅子を、浴室に入れることができませんでした。
なんとか寸法的には入るのですが、大人3人が入って更にその椅子を入れるのは無理でした。

寝室に鏡台代わりの小さな鏡がついていました。
そこに小さめのプラスチック製の背もたれ付き椅子がありました。
入浴の時にはこれを使わせてもらうことにしました。

本来、この部屋はツインの部屋で、ベッドが2台の仕様になっています。
そこを3人で使うので、もう1台ベッドが入れてありました。
ベッドの間に隙間はなく、3台繋がって並べてありました。
右側と真ん中のベッドは横から乗ることが出来ず、足元から這って上がらなければなりません。

左側のベッドの脇には空間がありました。
更に、そのベッドには、シーツの下に防水シートが敷かれていました。
「防水シートを持参なさるとのことでしたが、こちらで用意しましたので、お使い下さい」とフロントの人に言われました。

こうなると、左側のベッドは夫用になりますが、今度はベッドから落ちないか心配になりました。
スーツケースなどを載せるスチールの折りたたみ台があったので、それをベッド脇に置き、その上に大きなクッションを載せました。
ベッドと同じ高さになりました。
これで、床に落ちる心配はなくなりました。

届いていた荷物を開け、必要なものを取り出しました。
ところが、ここには、引き出しというものがありませんでした。
衣類はスーツケースに入れっぱなしになります。
何の用途かわからないけど、コの字型の木の置物があったので、それを重ねて棚にして、細かいもの置き場にしました。

これで6泊7日を過ごす用意が調いました。
ダイビングは、火曜から木曜の3日間です。
月曜日はゆっくり休んで、旅の疲れをとる予定です。


 ※前置きもなく、いきなり人名がでてきたりしてわかりにくいかと思います。
 お時間があれば、「もう一度海へ 1」から通しで読んでやって下さいませ。




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さきほど夫はいつも通り、週末のお泊まりデイにでかけました。
私は洗濯したり、片付けものをしたりして、ほっと一息ついています。

明日の朝、待ち合わせ場所までお泊まりデイに送ってもらい、そこから空港に向かいます。
待ち合わせ場所には、姉と、甥がきます。
タクシーで空港に行こうと思っていましたが、甥が送ってくれるそうです。

最近では、私一人で、朝ベッドから起こし、シャワーを浴びさせて着替えさせるというのは、不可能になりました。
仮に、なんとかできたにしても、どれだけ時間がかかるのか読めません。
挙げ句の果て、また床に寝転んでしまったりしたらお手上げになります。

そういうリスク回避のために、お泊まりデイにお願いしました。
イレギュラーなお願いも快く引き受けてくれ、沖縄行きを応援して下さっています。


このところ毎日、沖縄地方の天気予報を見ながら少し落ち込んでおりました。
沖縄地方の例年の梅雨明けは23日、去年は11日に明けているようです。
それなのに、今年は..。
曇り一時雨とかの予報が並んでいます。(>_<)

夫にとって最後の海..

海は、お天気次第で、全く違ったものになります。
晴れ上がった日の透明感は素晴らしいです。
そういう海にもう一度入れて上げたいのですが、こればっかりは運だし仕方ないなと思っていました。

今回お世話になるホテルに、電話をしました。
明日からよろしくとご挨拶したら、開口一番、気象庁ではまだ梅雨明け宣言してないけど、2、3日前からお天気がよくなって、海がとってもきれいになりましたと言って下さいました。
これから、梅雨明けまで、時々スコールはあるけど、海は穏やかでしょうと予想して下さいました。
俄然希望が出てきました。

木曜日に発送した宅急便は、もう届いているそうです。
海の見えるお部屋を準備していますので、楽しみにして来て下さいと言って下さいました。


私一人では何も出来ないけど、こうして、いろいろな方達の力をお借りして、夫を南の海に連れ出すことができます。
本当にありがたいです。

さて、これから、手で持っていく荷物を詰めます。
リュック一個に納めるつもりでいましたが、とてもそうはいかなくて、その他に大きめのトートバックが満杯になりそうです。

それでは、非日常の世界へ行ってきます。






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先週、2台目の車いすを借りました。
1台めは外用で、今回のは室内用で二階で使います。

特養のショートステイから、ひどい状態で戻って来て以来、お泊まりデイの尽力のおかげで、ある程度歩行は回復していました。
でも、方向を変えるときなど、重心の移動がうまくできないことがあり、足が竦んでしまって踏み出せないことがよくあります。

また、傾きがひどかったり、後ろにものけぞったりで、私一人で歩かせるにはものすごく不安定になっています。
これまで、お散歩と称して、二階を二人でぐるぐると歩き回ったりして、足の運動をしていたのですが、それができなくなっていました。
歩かせない → 尚更歩けなくなる の悪循環を、わかっていてもどうしようもありませんでした。

最低限の、食堂からトイレへ、トイレから居間のソファへ、ソファからトイレへ、トイレから食堂へ、必死になってなんとか連れて行っていました。
毎日が、薄氷を踏む思いでした。
バランスを崩して、何度も床の上に寝っ転がらせてしまいました。
一人ではどんなことをしても起こせないので、その度に、訪看さんや、お泊まりデイに電話して助けに来てもらっていました。


私一人で歩かせるのが、とても危険だと思い、2台目の車いすを借りました。
借りた車いすには、車輪が6個ついています。
中央に大きな車輪が左右に1個ずつ、前後に小さな車輪がそれぞれ2個ずつついています。
狭い場所も通れるし、小さく回れます。
というより、その場で転回できます。
肘掛けは、跳ね上がるようにできていて、横への移乗が楽になるようになっています。
よく考えられていると思いました。

早速乗せて動かしてみました。
なかなか操作性はよさそうです。

車いす自体はいいものです。
歩いているうちにバランスを崩す心配はなくなりました。


でも...
乗せるまで、或いは下ろしてからが相変わらず困難です。(>_<)

ソファや食堂の座椅子には、肘掛けがついているので、車いすの方の肘掛けを跳ね上げても、横への移動はできません。
トイレでの移乗も、2階のトイレは車いすを横付けするほど空間がありません。
一旦立たせて、方向を変えて、便座に座らせなければなりません。
まぁ仮に横に移動ができたにしても、夫の体重を支えながら動かすというのは、難しいかもしれませんが..。
なにかコツが必要な気がします。


立ち上がらせた時が危険です。
他に人がいるときには全然大丈夫なのに、私一人の介助の時は、足元が思い切り不安定です。
先日も、やっとの思いで、トイレでの身支度を済ませ、食堂に連れてきました。
車いすから立たせて、座椅子に座らせようとしたとき、バランスを崩し、後ろにのけぞり、足に力が入らない状態になって、へなへなと崩れ落ちてしまいました。
こうなると、どんなに頑張っても私には支えきれません。

車いすを使えば、この苦境から脱出できると思ったけど、やっぱりダメか..。
もうダメなのかな..私。
しばらくの間、茫然自失として、私も床に座り込んでいました。

後で振り返って思い出してみると、バランスを崩しそうになったとき、私は金切り声を上げています。
きっと鬼の形相だったに違いありません。
それがいけなかったのかもしれません。
私のパニックが移ってしまって、それで尚更足に力が入らなくなったような気がします。

他の人がいるときは、もしも床に寝そべってしまっても起こすことができますから、気持ち的に余裕です。
だから夫も安心して、普通に立ったり座ったりができるのかもしれません。
実際の所、他に人がいるときに倒れ込んだことはありません。
もっとも、バランスを崩しても、どちらかがすぐ支えられるので、大事に至ってないだけかもしれませんが。


特養のショートから戻って以来、歩く時間が極端に減りました。
それが現状を作っているのだと思います。
これを打開するには、やっぱりもっと歩いて足の運動をしてもらわねばと思います。

車いすは借りましたが、歩行をあきらめてしまったわけではありません。
幸い、まもなく沖縄旅行があります。
ずっと姉がいてくれるので、安心して歩行練習ができます。
海とダイビングを楽しんでもらうのが第一目的ですが、せっせと歩いてもらって、少しでも安定して歩けるようにしたいと目論んでいます。




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沖縄へは今月下旬に行きます。
梅雨明けして、まだ夏休み前でそれほど混まない時期ということで、選びました。
梅雨、明けてくれるかな..ちょっと心配です。

まだ少し早いと思いましたが、ボチボチ持って行くものなどを揃え始めています。
以前二人でダイビングに出掛ける時は、出発の前の日ぎりぎりまで仕事をし、帰ってきてから荷物を詰めたりしていました。
こんなに事前に準備するのは初めてです。
却って忘れ物をしそうです。


先日ユニ○ロで夫のズボンを大量に買いました。
このところ急激に太ってしまって、去年までのズボンがきつくなってしまったのです。(>_<)
綿麻混紡の長ズボン2着、同じく半ズボン2着、綿100%ウエストゴムの半ズボン3着。
長ズボンは行き帰り用、半ズボンは現地で過ごす時用、綿の方は海用のつもりです。
足りるかな...。
汚しても、ホテルにコインランドリーがあるとのことなので、なんとかなるかしら。

水着も2着買いました。
一回きりしか使わないと思うので、なんでもいいと思いましたが、やっぱり昔から着ていたarenaにしました。


ダイビングの器材は全部現地で借りることになっているので、何も持っていきません。
夫のウェットスーツは、できあがったら直接現地のダイビングサービスに発送してもらうことになっています。
プールに入るかもしれないので、ゴーグルだけは持って行こうと思います。

ダイビングの器材がないので、スーツケース1個と、段ボール1個で収まるかなと思っています。
スーツケースには衣類や、細々したもの、段ボールには、おむつ関係を入れて行きます。

去年、湯治旅行へ行ったときは、スーツケースと段ボールが2個でした。
今回は1週間だし、おむつ関係はなんとか段ボール1個に詰め込みたいと思っています。


ホテルの予約がとれて間もない頃、電話して夫の状況などを話し、相談しました。
ホームページの部屋の写真を見ると、ソファと肘掛けなしの椅子しかないようなので、肘掛け付きを借りれないか聞いてみました。
プールに置いてある椅子を貸してくれるとのことでした。
濡れてもいいので、お風呂場でも使えるからいいでしょうと言うので、ありがたく借りることにしました。
ベッドはもし汚しても、掛け布団は洗えるし、シーツも汚したら洗いますから気にしないでと言って頂きました。
気持ちがすーっと軽くなりました。
シーツの下に敷く防水シーツだけもって行くことにしました。


飛行機に乗るのは、4年前の与論島以来です。
歩行が覚束なくなってからは初めてです。
車いすを使って行くので、あらかじめ航空会社に連絡しました。
乗っていった車いすは預けて、航空会社の車いすを借りて乗り込むことになるようです。

この日から座席の予約ができるという日に電話しましたので、座席も予約することができました。
座席に座らせたり、立ち上がらせたりするときに正面にいないと無理なので、列の途中じゃなく、前が壁になっている席を予約しました。


無謀というより、荒唐無稽に近いこのダイビング旅行。
行く手には何が待ち受けているのでしょうか。
夫は、海を楽しんでくれるでしょうか。

一瞬でも、また海に帰ってきたんだとわかってくれればそれでいいと思っています。
今、私は、心配事はさておいて、夫を南の海に連れて行けるという喜びに浸っています。





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要介護5になると、一ヶ月で使えるポイントが、35,830単位となります。
大体1単位10円に相当しますが、住んでいる地域によって、若干変わってくるようです。
簡単にするため、1単位10円と考えると、月に358,300円まで使えるということです。
限度額一杯まで使ったとして、このうちの1割、35,830円が自己負担になります。
これを超える分は、全額自己負担になります。

ここまでは、すんなりわかっていたのですよね。
それで、ともかく限度額を超えないように四苦八苦をしておりました。


要介護4の時のポイントは、30,600単位です。
この差、5,230単位が、要介護5になったことによって増えた分です。
同じサービスを使っていても、介護度が上がると単価も上がりますので、単純に5,230単位分の使えるサービスが増える訳ではありません。

この増え方が、なんとも微妙で...。

訪問看護は、現在自立支援医療を使って来てもらっています。
この場合、使える時間に上限はありません。
どれだけ使っても、使っただけ、1割の自己負担をすればいいのです。
(週に4回以上になった場合は、そこから自費になるとかの制約はあります)
これが介護保険を使って来てもらうとなると、限度額を超えた時点で、全額自己負担になります。


ところが、

介護の先輩にあたるお友達に会ったら、「高額介護サービス費支給制度」というものがあるのを教えてもらいました。
時を同じくして、読者さんからも、同じような内容のメッセージを頂きました。

高額介護サービス費支給制度とは、自己負担額が一定の上限を超えた時に払い戻しをしてくれるという制度です。
所得によって、その上限が決まっており、第一段階~第四段階に分かれています。
第一段階は、個人で15,000円、第四段階は、世帯で37,200円となっているようです。
つまり、自己負担額がいくら高額になっても、それ以上の支払いはなくなるということです。

おお~これはいいんじゃない?と思いました。
それなら、訪問看護を介護保険の方に入れて、形的にもすっきりするかなと思いました。


現在、入浴介助と就寝介助と通院乗降介助に、お泊まりデイからスタッフさんを派遣してもらっています。
介護保険は要介護4の時点で既にいっぱいなので、障害福祉サービスを使っておりました。
介護保険をいっぱいまで使っていないと、この障害福祉サービスは使えません。
要介護5になったことによって、微妙に余裕ができてしまいました。
前述した5,230単位では、この全てをまかなうことはできません。

結局、面倒だけれど、介護保険がいっぱいになるまで入浴介助を入れ、入らない部分を障害福祉サービスを使うことにして頂きました。
その月によって、デイサービスの合計時間が違います。
残りの時間をその度に計算して、入浴介助に振り向けなければなりません。
市に提出するための書類を、ヘルパーさんが、毎回書き込んでいるのですが、これからは、介護保険用、これは障害福祉サービス用と分けて書かなければいけないことになるんじゃないかと思います。

もし、訪問看護の方を介護保険に入れられるならば、今まで通りのやり方で済みます。
お泊まりデイにご迷惑かけなくて済む~と思って、早速裏付けのために、あちこちを検索してみました。


ところが..。再び、ところがです。

私の読み取った範囲では、この「自己負担額」とは、あくまで、介護保険を使ってその1割分を負担する「自己負担額」のようです。
介護保険の限度額を超えて支払った「自己負担」は該当しないようです。
同じ「自己負担」という言葉なので、とても紛らわしいですけども..。

やっぱり世の中、そんなに甘くないですね。
結局、お泊まりデイに、面倒な手続きをお願いしなければなりません。

でもまぁ、要介護5になって、ちょっとあたふたしましたが、夫がこれまで通りの生活ができそうなのがありがたいです。




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市役所から新しい介護保険証が届きました。
要介護5でした。
覚悟していたとはいえ、来るところまで来たなという感じです。

夫がアルツハイマーと診断を受けたのが、2006年の秋です。
主治医は、これから介護して行く上において、受けられる支援、必要な手続きなどを教えてくれ、手配をしてくれました。
精神障害者手帳も、介護保険も、自立支援医療も、翌年早々には受けられるようになりました。
障害者医療証というのももらえて、これがあるおかげで、認知症以外の病気の自己負担分を助成してもらえます。

最初の介護度認定は、要介護2でした。
その頃は普通の人と変わりなく、日常のことは全て自分でできていました。
言葉が出にくくなって来たけど、充分意思は通じるし不自由なことはありませんでした。
それでも要介護2なんだと思って、ちょっと違和感はありましたが、実害はないし、そのまま受け止めていました。

次に介護度が変わったのが、2010年5月です。
要介護4になりました。
この頃は、時々不穏になることが出てきて、トイレも怪しくなって来た頃でした。
ウォッシュレットはもう使えず、大便を拭いた紙をどこに捨てればいいかわからず、棚の上に置いたりしていました。

でも、全く普通に振る舞う時もあり、言葉はある程度通じていました。
この頃、山城新吾さんが、特養で最後を迎えたというニュースがありました。
テレビでそれを見て、夫は、「ボクは?」と聞きました。
私は、胸が塞がる思いがして、「なるべく家で死ねればいいね」と、やっと答えたのを覚えています。
この年の6月に、これが最後と思って、与論島に行きました。
夫はシュノーケルをつけ、のびのびと泳いでいました。

介護度4って、こういうのかなーと、この時も違和感がありましたが、まぁいいやと思ってそのまま受け止めました。


そして今、要介護5です。
5に不足はありません。
むしろ、2年前の認定調査の時に、5にならなかったのが不思議な位です。
入院の後で、既にほとんどの事が介助なしではできなくなっていました。

要介護5になって、困ることがあります。
介護保険の単価が高くなるのはまぁ、仕方ないとして、使えるポイントが増えたことにより、ヘルパーさんが使えなくなるかもしれない危機に陥っています。

介護保険の要介護4の分は、お泊まりデイと、レンタル費用で使い切っています。
(宿泊部分は自費ですが、日中のデイに夜まで預かってもらう延長分が加算されます)
それで、市の障害福祉サービスを使って、入浴介助、就寝介助のヘルパーさんに来てもらっています。
これを使える前提が、介護保険でまかないきれないから、なのです。

要介護5になったことによって、介護保険に余裕ができます。
ところが、増えた分を使っても、ヘルパーさん分はまかなえません。
介護保険がいっぱいになるまで介護保険を使って、残り分は障害福祉サービスを使うのはできないこともないらしいです。
でも、おそらく、ヘルパーさんを派遣して下さっているお泊まりデイの事務処理が大変なことになるだろうと思います。

それなら自立支援を使っている訪問看護の方を、介護保険に入れようかということになりましたが、これまた問題があるのです。
週一で定期的に来てもらってる分だけなら充分入ります。
でも、訪問看護がものすごくありがたいと思うのは、時間を問わず、緊急の時に来てくれることなのです。

今のところ、体調が悪くて来てもらったことはありません。
ベッドから落ちたとか、日中、私が支えきれなくて、床に倒してしまった時に来てもらっています。
このところ、体のバランスが良くなくてすぐ倒れてしまい、来てもらうことが多くなりました。
この先、こうしたことが頻発するのは、充分予想されることです。

介護保険からはみ出た分は、全て自費になります。
上限がないので、どの程度増えてしまうのか、恐ろしいです。
(ちなみに自費だと、30分で4800円?位らしいです)


今使っているサービス、どれもこれもが必要なものばかりです。
明日、介護度変更を受けて、担当者会議があります。
よく相談して、この苦境を乗り切りたいと思っています。





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今年1月から、入浴介助に加えて就寝介助のヘルパーさんに入ってもらっています。
入浴介助も就寝介助も、お泊まりデイのスタッフさん達が、交代で来てくれています。

最初の頃は、毎日、朝夜と誰かが来るという生活に、ありがたいながらも多少ストレスを感じていましたが、今ではすっかり慣れて、むしろ心待ちにしています。

シフトの関係で、突発的に他の方が来ることもありますが、Aさん、Mgさん、Myさんの3人に落ち着いてきました。
このうち、Mgさんは管理者的立場にいる人で、3年前に初めて会ったときは、なんだか、冷たそうで融通の利かない人みたいだなーとあまりいい印象ではありませんでした。
ところがどっこい!
すごーく明るくて、おしゃべりしても楽しいし、何より利用者のことをよく考えてくれる人でした。

夫は、皮膚が弱く、すぐかぶれて湿疹ができてしまいます。
夜は紙おむつで仕方ないけど、日中は木綿のボクサーパンツに尿取りパッドの組み合わせで、できるだけ皮膚への負担を少なくしています。
以前お泊まりデイに、お願いしてみたところ、快く引き受けて下さって、以来、夫は日中布パンツで過ごしています。

この前、Mgさんが教えてくれました。
夫が布パンツにしてから腰周りの皮膚の状態がとてもよくなったので、他のかぶれがひどい利用者さん達の家族に話して、布パンツを用意してもらったそうです。
そしたらてきめんに良くなってきたそうです。
それを嬉しそうに話してくれました。

紙パンツは家族が負担するわけだし、デイとしては、紙パンツの方が扱いも楽です。
わざわざ面倒な事をする必要もありません。
それにもかかわらず、デイの方から申し出て布パンツにしてくれたというので、私は、その利用者さん達のためにも、嬉しくてなりませんでした。

Mgさんは、介助力も素晴らしいです。
Mgさんが入浴介助に来てくれるときは、私はほとんどやることがなくて、他の仕事をしていられます。


入浴の時の手順は、夫を浴室に連れて行き、立たせたままパジャマのズボンを下げ、おむつのままシャワーチェアに座らせます。
スリッパ、ズボンを脱がせ、また立たせて、今度はおむつを外します。
パジャマの上も脱がせて、壁についている手すりを持たせて、シャワーをかけます。
シャワーチェアに腰掛けた時洗えなくなるお尻周りを、石けんをつけた垢すりで洗ってもらいます。
それからシャワーチェアに座らせて、後はゆっくり頭から体から洗ってもらいます。

洗い終わったら、再び立たせて、シャワーチェアを浴槽ぎりぎりまで移動してまた座らせます。
シャワーチェアを回転させながら、片足ずつ浴槽に入れていきます。
両足が入ったところで、浴槽の中に体全体を移動させます。
この時、以前お見せした、斜めの手すりが役に立ってくれています。
手を滑らせてなんていう高級技はもう使えませんが、しっかり握ることはできるので、体を移動させるときに、多少安心です。


ちなみに、木製のバスボードは購入したのですが、結局使っていません。
バスボードは、厚手の集成材でできており、中央に金属製の溝が埋め込んであります。
取り外しのできる同じく集成材でできた円形のものの裏に、ベアリングが埋め込んであって、そのベアリングを溝に宛がって、浴槽に足を入れた後に、簡単に滑らせて、体を中央にもっていくことができます。
出るときも、座らせて、浴槽の端まで体をもっていくのが楽です。

他の形式のバスボードと違って、これは素晴らしいと思ったのですが、いかんせん、円形のものが小さすぎます。
それをめがけて座らせるのが、ものすごく大変でした。
そして、足を持ち上げて浴槽に入れるときに、体が後ろにそってしまい、円形のものからお尻が外れてしまいます。
これなら、シャワーチェアを使った方が安定するねということで、使用をやめました。
このバスボード、もう一回り大きければとてもよかったのにと思います。


湯船にのんびりと浸かってもらって、その後、二人がかりで、両側から手を引いて立ち上がらせます。
二人がかりだと、今のところすんなり立ち上がってくれます。
そして、自分から足を浴槽から出そうとします。
浴槽を跨ぐほど脚が上がらないので、後ろで支えてもらいながら、私が脚を持ち上げて出します。
その日によって、浴槽の後ろについている手すりを持ってくれることがありますので、その場合はより安心して脚を持ち上げることができます。

Mgさんが介助の時は、裸になった時点で、もう大丈夫だからと言ってくれ、次に呼ばれるのは浴槽に入れるときです。
しかも、もう夫は、浴槽のそばまで移動してあるシャワーチェアに座っています。

他の二人の場合は、裸にしてお尻周りを洗って、シャワーチェアに腰掛けるまで、ついています。
体を洗い終わった時点で、呼ばれて、立ち上がらせて移動するところから手伝います。

夫がお風呂に入っている間に、洗濯したり、着替えを用意したり、片付けものをしたり、結構忙しいので、Mgさんの時は助かります。
まぁでも、これは他の二人の方が普通で、Mgさんはスーパーヘルパーさんなんだろうと思います。


AさんもMyさんも、お泊まりデイではよく夜勤でお世話になっている人達です。
Aさんは、とっても温かい人柄です。おしゃべりも大好きです。
この間、ひじきご飯をしょっちゅう食べるという話をしていたので、おいしそうだねーと言ったら、なんと作って持って来てくれました!!(笑

Myさんの方は、夜の就寝介助にもよく来てくれます。
最初とっつきにくい人だなーと思っていましたが、話してみると全然そんなことはありませんでした。

この人はデイのこともよく話してくれます。
デイの社長さんは、うるさい人で、特に温度管理がうるさいそうです。
それから、日光浴をさせなければいけないとうるさいそうです。
晴れた日には、車いすの人からなにから、駐車場になっている中庭に連れて行って日光浴をさせるそうです。
利用者にとってはほんとにありがたいことです。

二人とも、家にヘルパーで来るようになって、夫の家での様子や、私のやり方、夫への接し方がわかって、よかったと言ってくれています。


私も、Aさん、Mgさん、Myさんに助けてもらいながら、なんとか夫を家においておけます。
とってもありがたいです。







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夫の歩行は、ありがたいことに、ほぼ以前と同じ位まで復活しました。
まだ心配で、私一人の時は、片手引きでは歩かせられないですが、反対側に人がいる場合は、片手引きで歩かせています。
時々ですが、自力で自立している時もあります。
そんな時は、握っている手が、ふっと軽くなるので、自力で立ってるなーとわかります。

方向を変えるときに重心の移動がうまくできなくて、そのまま傾いて倒れそうになるのは治っていません。
足がうまく出せなくなってしまったようです。
これは病気の進行に依るものかとも思いますが、あきらめずにこれからも歩かせていきたいと思っています。



先月、体が傾いてしまって、食事を摂るのも困難になってきたのに対処するため、肘掛け付き座椅子を設置しました。

実際に使ってみて、やはりそのままではうまくいきませんでした。
夫は右側に体が傾きます。
傾きがひどいときには、お尻が左側にずって行き、ほとんど体が横になってしまうほどでした。
この肘掛け付き座椅子で、お尻の移動がとまったので、その点は解決しました。

この座椅子は、なぜかわからないけど、座面の中央部が膨らんでいました。
ただでさえ、体を反らせて前方へ滑り落ちそうになるのに、この中央が高い状態では尚更でした。
また、お尻と座面の摩擦は結構あるので、単純に滑り落ちるのではなく、座椅子ごと前に滑ってくる感じでした。


座椅子のカバーにファスナーがついていたので、開けてみました。
中には、上下にウレタンが入っていて、それが接着剤でぴったり貼り付いていました。
ちょうどお菓子の、もなかのような状態でした。
もなかの皮をびりびりと引きちぎって開けてみると、スポンジでできた小ぶりの座布団が入っていました。
この座布団が、座面中央の膨らみを作っていたのです。
座布団もウレタンに貼り付いていましたが、容赦なくびりびりと剥がして取り除きました。

それから座面の手前になる方に、細長く羊羹状に切ったウレタンを入れました。
これで、手前の方が少し高くなって、お尻が乗る部分が少し低くなる状態を作り出すことができました。


次に、ベンチを動かして、後ろに空間を作り、座椅子の背もたれ部分を、ベンチの座面と背もたれの間の隙間に差し込みました。
背もたれの厚みと、隙間がちょうど同じで、ぎりぎりでしたが、なんとか差し込んで向こう側に引き出すことができました。
背もたれを立てて、ベンチを戻して完了です。


座椅子
背もたれの厚み分だけ、座面が短くなってしまいましたが...


実際座らせてみると、お尻が入る部分が窮屈そうでした。
そこで、もう一回ファスナーを開けて、羊羹状のウレタンの幅を狭くして、手前が高くなる部分を小さくしました。
これでなんとかなりました。

相変わらず、相当、かなり...違和感があります。(笑
でもとりあえず、傾きが出ても食事を摂れなくなるほどではなく、座椅子ごと前に滑り出さないようになりました。

後は、この座面の短くなったところを何かを使って補填しようと目論んでいます。





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先週の日曜日、特養には行かないつもりでしたが、いても立ってもいられなくなり、少し遅くなったけど、行ってきました。

玄関を入ったところで、入所担当のTさんにバッタリと出会い、立ち話をしました。
私が、全て特養側のやり方を受け入れたところで、まだ入所させるかどうかの結論は出ていなくて、今回と来月、様子を見て判断するということでした。

夫のところへ行ってみると、夫は肘掛け付きのソファに座らされていました。
眠ってはいなかったですが、ぼーっとした顔つきで、私を見ても反応しませんでした。
お散歩しようねと言ったら頷いたので、立ち上がらせようとしましたが、全く立てませんでした。
少し離れたカウンターの中にいた若いスタッフさんが、あ、行きますと言ってくれ、すぐ来て立ち上がるのを助けてくれました。

腰砕けにはならなかったものの、かなりひどい状態でした。
大丈夫ですか?とその人が心配してくれました。
お礼を言って、大丈夫ですからと言って、両手で引っ張りながら、少しずつ歩かせました。

ソファは窓際にあり、そこから反対側の廊下に出るまで、何も寄りかからせるものがありません。
内心、支えきれないんじゃないかとハラハラしながらやっと廊下まで連れ出しました。
後ろにのけぞるので、全力で引っ張らないとだめで、腕が抜けそうでした..。

やっと廊下まで連れ出し、手すりがついている壁に寄りかからせて休ませようとしました。
後ろにのけぞっている夫の向きを変えて、壁に背中を向けさせるのが大変でした。
悪銭苦闘していると、そばにいた人が支えてくれました。
お礼を言いかけたとき、その人は、私を無視して、別の人に、「車いすを持って来て。危ないから」と言いました。
言われた人は、どうしていいかわからなかったのでしょう..ちょっと戸惑っていました。
それを見てイライラした様子で、「ほら、早く持って来て!」と重ねてきつい口調で言っていました。

私は、「いや、大丈夫ですから」と言ったのですが、そこで初めてその人は私の方を見て、「だって傾いていますよ。ほら、手を離したらこうなるから」と言って、パッと手を離しました。
夫は少し傾いたけど、すかさず私が向きを変えて、背中が壁に当たるようにして安定させました。

「もっとひどい時も歩かせていますので、大丈夫です」と言いましたら、その人は何も言わずにプイっと向こうに行ってしまいました。
私は、あっけにとられて見送りました。
他のスタッフさん達とは雰囲気が違って、もしかしたら看護師なのかな?あの命令口調から判断するとおそらく役職を持っている人なんだろうなと思いました。

そうか...こういう私の行動自体が迷惑なんだなとひしひしと感じました。
だから、断られるんだろうなと思いました。
特養側にとっては、歩けなくなろうが、認知症が進もうが関係ない。
ただ怪我をさせないのが、一番大事なんだ..。
生かさず殺さずってやつか。


とにかく、ここで転倒させるわけにはいきません。
慎重に慎重に夫を歩かせました。
廊下を斜めに横断するようにして、すぐ反対側で休ませました。
ジグザグに歩かせて、二つ目の角まで行き、そこにあったソファに二人で腰掛けて休みました。
へとへとになりました。

休憩の後、立ち上がってくれるかどうか心配しましたが、案に相違して簡単に立ち上がってくれました。
また歩かせて、次の廊下の半分まで来たとき、向こうからスタッフさんが二人来て、トイレに連れて行きたいと言うのでお願いしました。

部屋のトイレに入ると、一人が支えていて、もう一人が「失礼します」とだけ言ってズボンに手を掛けました。
私は、ズボン降ろすよ~と声をかけました。
声かけが大事だと気づいてくれればいいんだけどなと思いました。
これから何をされるのか、わかるのとわからないのとでは、不安感がまるで違うと思いました。

ズボン、ズボン下の下は布パンツでしたが、なんと、更にその中に紙パンツを履かされていました..。
私は思わず、え?紙パンツ?と言ってしまいました。
一人のスタッフさんは、あれ~?紙パンツは帰る日だけですよね?と言っていました。
私は、そうなんだけど、紙パンツでも構わないけど、でも、その上に布パンツ履かせるのは意味ないよねと答えました。

もう一人のスタッフさんが、いやーおかしいと思うけど、上の方の指示でこうなっているかもしれないので、聞いてみないとどうにもできないですと言いました。

そうなんだろうな..。
この人達は、全て上にお伺いを立てないと動けないんだろうな..。
利用者のためによかれと思ってしたことでも、上の考え方次第ではは叱責される。
だんだん、自分でものを考えなくなる人になって行くんだろうなと思いました。

紙パンツをおろして、二人がかりで便座に腰掛けさせましたが、のけぞった態勢のまま座らせていました。
座り直させますからと断って、足の位置を直し、一旦立ち上がらせて、いつものように座らせました。

尿取りパッドはびっしょり濡れて、紙パンツを通してズボンまで濡れていました。
私が歩かせていたときには、ズボンが濡れているようには思わなかったので、ここに来るまでに出たのかもしれません。

とりあえず、下半身は総取り替えになりました。
紙パンツでも布パンツでも、結局は同じなんですよねと私が言ったら、スタッフさんはズボンを脱がせながら、そうなんですよねーと同意していました。

夫は、腿やらあちこちを掻きむしっていました。
ここしばらく湿疹も治まって、きれいな肌の状態になっていたのに、逆戻りで、あちこちが赤くなっていました。
皮膚が弱いので、どっちみち同じならということで、布パンツを履かせているんですよと言ったら、その方がいいですよとスタッフさんは言っていました。

大きめの尿取りパッドを持って来て、替えの布パンツを履かせてくれ、そのままズボン下、ズボンを履かせ、トイレは終わりました。
とりあえず、この時は紙パンツは履かせませんでした。
その後はどうなのかわからないけど..。

部屋で少し休んで、その後コーヒーを買いに行こうとしていたら、入所担当のTさんが入ってきました。
紙パンツの報告を受けて来たようでした。
上の指示とは、この人のことだったのか。

現場の判断で、紙パンツの方がいいということになれば、紙パンツにしてもらいますと言うので、それで構いません、紙パンツの上に布パンツを履かせていたので、あれ?と言ったのですと言いました。
私は布パンツを履かせてもらいたいと要求したわけではなく、今までの経験で紙パンツを履かせていても漏れるときは漏れるし、布パンツでも、びったりしたボクサーパンツならほとんど変わらないので、できれば布の方でとお願いしていただけです。
でも、紙パンツがいいなら、それで構いませんと重ねて言いましたら、それで構いませんと言われるけど、不満があったまま入居して頂いても、こちらとしては心苦しいし、やはり来月の様子を見て判断させていただきますと繰り返し言われました。

なーんか、うまく言えないけど、私としてはどうすりゃいいんでしょ..。
特養側のやり方に全て従うと言っているのに、それでは、心苦しいからとか...。
前回ここから帰った時のポカポカ心が温まる感じは、もうありません。
砂を噛んだような苦い気持ちで家路につきました。
その日は、かなり大勢のスタッフがいる感じでした。
とても顔を覚えきれないけど、いい人と、冷たい人が混在しているようでした。
ここには夫を入れたくないなと思いながら帰ってきました。


翌々日の火曜日、夫が帰って来ました。
ひどい状態でした。
次の日になっても回復しませんでした。
私一人ではもう歩かせることが難しくなりました。

入浴の後、マッサージがある日は、マッサージの人が二階まで送ってくれます。
食堂のベンチに座らせて、食事をします。
食事が済んだらトイレに連れて行き、その後、リビングのソファへ連れて行くのですが、それがもう無理じゃないかと思いました。
ソファの手前で傾きがひどくなり、私は支えきれずに夫は倒れ込んでしまいました。

これまでは二階でそうなった場合は、階段まで引きずって行って、段を利用して立たせていましたが、もうとてもそんな状態じゃありませんでした。
立ち上がらせることができたとしても、階段を登らせることはもうできそうになかったからです。
訪問看護ステーションに電話して来てもらい、起こしてもらいました。

ずいぶん前から外へお散歩に連れ出すのは、私一人では無理になっていました。
家の中は大丈夫でしたので、よく家の中を一緒に歩いていました。
でもそれもいよいよだめそうです。
歩かせなければ歩けなくなるのですが、私には歩かせることができませんでした。
やはり3日間放置されるのは、夫にとって重大なことでした。
結局週末のお泊まりデイにでかけるまで、改善しませんでした。

お泊まりデイでは、二人がかりで歩かせてくれていると思います。
特に気をつけますと言ってくれました。
それでどれだけ回復するかわかりませんが、今はそれに期待するしかありません。


海に面した素晴らしい景色、家から電車一本で行ける手軽さ、そこに入所時期もこちらの都合に合わせてくれるという条件に目が眩んでいました。
夫は、歩けるか歩けなくなるかの瀬戸際です。
それなのに、その場で立ち上がらせることすら特別の対応になるからと拒否してきた特養..。
ケアマネさんとも相談して、この特養はあきらめることに致しました。
6月までショートステイの予約はとれているのですが、それを断ってもらいます。
このまま歩けなくなれば、早晩、他の施設を探さなくてはなりませんが..。

でもそんなことより、来月、また夫をあの特養に預ける気がなくなったのです。
前回の記事に頂いた皆様のコメント、本当に助けになりました。
ありがとうございました。



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