このカテゴリーでは、これまで実際に使って役に立ったと思うものを書いていきたいと思います。
介護生活に入らなければ、私はその存在すら知らないものもありました。
もしかして、当時の私のように知らないで、ただ困っている方もいらっしゃるかと思います。
なにかのご参考になればと思っています。

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浴室の手すりを、道具と呼ぶのは、ちょっと抵抗がありますが、おおざっぱに道具とさせてください。

家に戻ってきた夫は、入院前の夫と別人でした。
足腰が弱くなり、体のバランスをとるのが難しくなっていました。
浴槽に入るときも出るときも、危なっかしい様子で、ふらついていました。

手すりは必須になりました。
手すりは適切な位置につけないと、役目を果たさないものですから、どういう風に、どんな手すりをつければいいか検討しました。

家はユニットバスですので、もともとついている手すりがありました。
その手すりは、太さが握りやすく、滑らないように裏側がでこぼこしていました。
後付けの普通の手すりだと、細くて、滑り止めもないので、私は、もともとついている手すりと同じ形状のものを探してつけてくれるように頼みました。
幸い、ユニットバスのメーカーからその手すりを入手できました。

次に形です。
手すりは、直線のものと、L型のものと二種類あります。
L型を取り付けるのが一般的かもしれませんが、私はあえて直線を選び、それを斜めにとりつけました。
実際に洗い場から浴槽に入り腰を下ろすまでをシミュレーションし、ちょうどいい位置に取り付けてもらいました。

手すり
中央にある水平の手すりはもともとついていたものです
写真には写っていませんが、後ろ側にもう一本垂直の手すりをつけてあります。

洗い場に立って右手を伸ばすと、この斜めの手すりの一番上に手がいきます。
手すりを掴んで、右足から浴槽に入り、左足も入れます。
そのまま、手を滑らせながら腰を下ろすと、無理なく座ることができます。

立ち上がるときは、やはり右手を伸ばして、手すりの上の方を掴みます。
丁度いい高さを自分で選べます。
しっかり握れるので、安定して立つことができます。

この手すりは、しばらくの間、夫の入浴にとても役立ってくれました。
今では、手すりを握って体を支えるということがわからなくなりましたので、あまり役には立っていません。
握らせれば握れるのですが、一旦握るともう動かすことができません。
私が足腰が弱くなった時には役立ってくれると思いますが..。


ちなみに、左上にある写真は、窓がない浴室に窓の雰囲気を出すためのものらしいです。
通販で買いました。
これは水だけで貼り付いています。
家の浴室は窓があるので、いらないのですが、この海の風景に惹かれて買いました。

これ、タヒチなんだって~ モルディブに似てるねー
治ったらまた行こうね~

と、夫をお風呂に入れる度、毎回同じことを言っていました。
夫はその度に大きく頷いてくれました。

もう望みがないという観点から言えばウソなのだけど、でも、いいじゃないか...
希望を全部捨てなければならないってことはないじゃないか..
誰に迷惑かかるわけじゃなし
希望は全く持てないんだよと言い聞かせるより、100倍いいと思う
それは、ある意味、私自身に言っている言葉でした。

今ではもう、その言葉をかけることはありません。

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