先週、寝耳に水の出来事がありました。
去年、入所の件で話に来て下さった担当の方から電話がありました。

ショートステイで、夫には特別な対応をしているけど、時間が沢山取られるので、この先そういう対応は難しい。
引いては入所も難しいとのことでした。

朝、パジャマから着替えさせ、薬を塗るのに30分もとられてしまうので、他にも大勢の入居者がいるし、夫一人に時間をかけられない。
歩行訓練も難しい。
要は特別なことは何もできませんとのことでした。

入所したら、一切そちらのやり方で構いませんからと言って、とりあえず入所できなくなるのを避けようとしましたが、入所に関しては複数の人が担当しているので、私一人の判断では答えられないと、逃げ腰でした。


まぁ、入所を取り消すというわけではなさそうでした。
もし、入所できなくなったとしても、もういいかとも思いました。
でも、夫の状態は、明日にも歩けなくなってもおかしくないほどに悪い時もあるし、私自身、毎年受けている大腸がんの検診、今年もセーフだったけど、胃に潰瘍ができたりしていて、いつ何時どうなるかわからない。
こちらが、入りたいと言った場合、優先的に入れてくれるというのは、なにものにも代えがたい有利な点です。

我慢するしかないのかな...。


ケアマネさんが介入してくれて、ショートステイの担当のKさんが、来宅しました。
Kさんは、まだ若い人ですが、人当たりもよく、こちらの希望をよく聞いてくれる人だと思っていました。
細かいところを話しているうちに、いや、そうでもなかったんだと思えてきました。

以前、寝るときはパジャマに着替えさせてもらえるんでしょうか?と聞いた時、要望があればそうしますとのことだったので、お願いしていました。
ところが、パジャマに着替えるのは、自分で着替えが出来る人か、少しの介助でできる人じゃないと難しいとのことでした。
従って、どのみち着替えさせるのだから、その時に新しい肌着を着せて下さいというのは、無理なお願いだったようです。

私は歩行訓練とまではお願いしてなくて、Kさんがちょっと時間が空いた時にでも、5分位でいいから歩かせて欲しい、それが難しければ、その場で立ち上がらせるだけでもいいのでとお願いしていましたが、それもできないとのことでした。

また、ショートへの送迎は、玄関から玄関までが基本ですと改めて言われてしまいました。
玄関を入って、靴を脱がせて、上の床に上がるまではお手伝いしますとは前から言われていました。
その後は、(二階に上げられなくても)ショートの方では対応できませんので、ヘルパーさんにお願いして下さいと言われていました。
ケアマネさんにこの話をしたら、どのみち月一回は訪問するので、それをこの帰る日にしましょうと言ってくれて、帰って来たときの問題は解決していました。

先月、ショートに送り出す時に、二階から私一人では降ろせませんでした。
迎えの時間のずいぶん手前から、降ろそうとはしていたのですが、全然だめで、やっと踊り場まで来たときに、ピンポンピンポンと鳴りました。
踊り場で夫を離して出るわけにいかず、鳴るままにしておくほかありませんでした。
私が出て行かないので、Kさんが入ってきて、手助けしてくれて、すぐ降ろすことができ、無事にでかけていった経緯があります。

これをKさんは言っているのでした。
業務の範囲外だから、これは困ると。


特養のスタッフの方達は、一人一人はいい方で、みなさんよくしようとして下さっています。
でも全体でみた場合、それではうまくいかないんでしょうね。
それでKさんが、夫には手がかかりすぎるのでということで、入所担当に報告し、こういうことになったのだと思います。


ケアマネさんが、自分の知り合いのヘルパーステーションに連絡して、早速昨日の土曜日の送り出しのヘルパーさんを手配してくれました。
そして、夫は出かけて行きました。

私は何もかも嫌になって、しばらく落ち込んでおりました。
夫は、何も抵抗もせず、全て受け入れてくれています。
こうした周りの思惑で振り回されて、夜寝るときも昼間の服のままで、何日も汚れた肌着を強いられ、挙げ句の果てには、ずっと放っておかれる...。
私のしていることは何なんだろう。
いざという時に入所させられるからというだけで、夫をこういう環境に置いていいのだろうか。

今回はよく考える時間もなかったし、なにより入所を断られたら困ると思って、特養側の言うとおりに事を運びました。
今日、日曜日、いつもなら訪問して、お散歩するのが恒例になっていましたが、それも行かず、特養側の言う、普通の対応でどうなのかを見るつもりでおりました。
Kさんにも、今回は行きませんと伝えてあります。

でも、でも、たかが3日、されど3日です。
3日も放置したら、夫は、明日にも歩けなくなるかもしれません。

ちょっと遅くなりましたが、これから行ってきます。


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家の食堂には、ベンチが置いてあります。
昔の古い駅にあるような木のベンチです。

家を建てた時、食堂テーブルをどうするか考えました。
二人暮らしなので、普段は椅子が2個でいい。
でも、お友達を呼んで小パーティをするときはもっと沢山いる。
テーブルもそれなりの広さが欲しい。
ああ、でも、普段は邪魔だなー...。

あれこれぶつぶつと考えた末、L型のベンチを壁際に設置し、椅子は一個だけにすることで解決しました。

夫は私の正面のベンチにゆったりと座って、私は椅子に座って、いつもごはんを一緒に食べました。

ベンチには短手の方に2人、長手の方に3人座れます。
椅子の他に、上のものをとるとき用の踏み台代わりのスツールを置いていますので、最大7人座れます。
ベンチが壁際にぴったりついているので、大きめのテーブルを置いても場所をとらず、なかなかいい考えだったと自画自賛しておりました。

今ではお友達が来ることもなく、介護サービスの担当者会議などに使われるだけになってしまいましたが..。


薬のせいなのか、病気の進行のせいなのか、以前から夫は右側に体が傾く時がありました。
その度に快復して、また真っ直ぐに戻っていてくれたのですが、今年に入ってから、傾いたままの頻度が高くなってしまいました。

食事の時も、傾いて、ついにはお味噌汁などを飲ませるのがとても大変になってきていました。
ベンチなので、体の両側には何も支えるものがありません。
思いついて、「手作り脇息?」を作って凌いでいました。
段ボールに重いものを入れ動かないようにして、その上にスポンジが入っている使ってない枕を置きました。
新聞紙を束ねて、その間に入れて高さを調節しました。

傾きがひどくないときは、これで充分なのですが、更にひどい場合、右側は止まっているので、お尻が左の方にずれていき、しまいには枕の上に寝そべるような形になってしまいます。
当人も辛いだろうし、なんとかしたいと思っていました。


このベンチを捨てて、肘掛け付きの椅子を買えばいいのでしょうけど、その場合、他に何脚か椅子を買い足さないと、担当者会議もできなくなります。(笑
普通の椅子を置いたら、いきなり窮屈になるのは目に見えていますので、テーブルも小さいものに買い換えなければなりません。

やっぱりこのベンチは活かして、なんとかしようと思いました。

車いす用のクッションでなんとかならないかと思いましたが、クッションだけでは自立しているわけではないので、無理そうでした。

ネットで「座位保持装置」というのを見つけました。
丁度肘掛け椅子の脚の部分がない形状で、これならしっかり姿勢を保持してくれそうだと思いました。
ところが、これは子供用の大きさしかないのです。
残念です。

あれこれネットを彷徨っているうちに、肘掛け付き座椅子を見つけました。
ああ、これならいいかもしれないと思って、早速注文しました。
届いたのがこれです。

肘掛け付き座椅子
前方にずれて滑ってこないように、紐でベンチの背に固定しました


なんか、思ったより大きくて、相当、かなり、違和感はありますけど、まあ、これで夫が真っ直ぐに座っていられるならばOKです。
届いたばかりなので、まだ夫はこれに座っていません。
どんな具合なのか、ちょっと楽しみです。



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ダイビングをするときは、圧縮空気の詰まったボンベを背負って、潜水します。
この空気を、レギュレーターと呼ばれる器材を使って、周囲の圧力と同じ圧にします。
ダイバーは、レギュレーターを口にくわえて、口から呼吸します。

これを夫は咥えることができないだろうということです。
咥えることができても、すぐ外してしまうかもしれません。

Hさんは、フルフェイスのマスクを送ってくれました。
水中メガネと、レギュレーターが一体化しているものです。

これを正しく装着してさえいれば、呼吸はできるということになります。
ただ、現物を私も初めて見たのですが、ちょっと怖い。
「フルフェイスのマスクをつけられれば」と言われた意味がわかりました。
いきなりこれをかぶせたら、パニックになってしまうかもしれません。

そこで、Hさんは、練習できるようにと、事前に送ってくれたのでした。

フルフェイスマスク
後ろ側の黒いストラップを頭にかぶって、固定します
前方の丸く黒いものが、レギュレーターです
そこから突き出ている銀色の所に、タンクからきたホースを接続します


マスクが届いた時、夫に沖縄に行くんだよ~と話しました。
でね、でね、また潜るの!♪
Fさんが来て、手伝ってくれるから大丈夫だよ~。
クルーザーで行くんだよ、すごいでしょ~。
一緒に潜ろうねー♪

どの程度理解してくれたかはわかりませんが、夫は私が話す度に頷いてくれました。

これ、マスクなんだって。
ちょっと練習しないといけないんだって。
あたし、つけてみるね。

まず、私がかぶってみました。
ぴったりとして、かなり窮屈です。
水が入らないようにできているので、仕方ないんですけど。

次に夫にかぶせてみました。
怖がって抵抗されるかなと心配しましたが、全く嫌がらずにかぶってくれました。
でも、目を開けずにつぶったままです。
頭のストラップの長さを調整したりして、かぶせたままにしておきました。
そうしたら、しばらくして目を開けてくれました。

とりあえず、第一関門クリアしました。


先週土曜日に、Hさんが同じ団体の若い人と二人で、ウェットスーツの採寸に来てくれました。

昔、潜っていたころのウェットスーツ、未だに断捨離できなくて、クローゼットに眠っているのですが、それはもう着れません。
ウェットスーツは、普通の人でも脱着がかなり大変です。
体型に合わせてぴったりできています。
スーツと、皮膚の間に入り込んだ水が、体温で暖められて、それが保温材になるわけです。
水が動いてしまうガバガバのものでは、役目を果たしません。

今回作るオーダーのウェットスーツは、デザイン性には多少目をつぶって、長ぁ~いファスナーをつけて、脱着しやすいようにします。
それでも着せられるかどうか、心許ないです。
まぁでも、脚はももの上まで開くし、背中も、お尻近くまで開くようにしてもらえるので、なんとかなるでしょう。
色は黒をベースに、切り替えにアイスブルーをいれました。


土曜日はお泊まりデイの日ですので、Hさん達にはデイの方に来てもらいました。

初めてお会いしたわけですが、Hさんは海の男らしく、とても親しみやすくていい方でした。
もう亡くなってしまったけど、Hさんのお母様も認知症だったということで、認知症にも理解を持っていて下さって、そういう点でも安心できる方でした。

排泄が全然ダメで、もし失敗しちゃったら..と私が言うと、貸し切りのクルーザーなんだから、シャワーをかけて流せばそれでいい、なんなら、最初から、海水パンツを履かせないのも手だと言ってくれました。
大きな心配事の一つでしたので、それを聞いて、心が軽くなりました。


お泊まりデイには、これまでも何人かの人を連れて行っています。
この日も、一部屋貸して下さって、夫はそこに車いすで連れてこられました。
最初Hさん達を見ても、何も反応しませんでした。

ひとしきり、打ち合わせやおしゃべりをした後で、いよいよ採寸になりました。
Hさんは、座ったまま測ろうとしていましたが、立たせますからと断って、立たせました。
私が両手をとっていましたが、夫はふらつきもせず、ほぼ自力で立っていました。
Hさんは、お?立ってる立ってると喜んでくれました。
これまでのメールのやりとりから、全く立てないものと思っていたようでした。

採寸が済んで、デイで出してくれたコーヒーをみんなで飲んで、そろそろ帰るというころに、夫に笑顔がでました。

新しいウェットスーツ作ってもらうんだよ~ いいねー

と言ったら、更に大きな笑顔になりました。
完全にではないですけど、また海に行くということをわかっているんだと思いました。


それにしても、スキューバダイビングとお泊まりデイ、似合わない組み合わせ!!(笑




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きっかけは一通の年賀状からでした。
夫が病気になって以来、年賀状を頂いてもこちらが出すことはなくなっていました。
自然と枚数が少なくなっていきました。

その中で、昔のダイビング仲間が、こちらから全く出していないのに、年賀状を毎年下さっていました。
去年の初め、思い切って電話して、夫の病気を話しました。
その後、励ましのメールをもらいました。
ずっと返事を書けずにいました。


年末に、ご無沙汰のお詫びと、夫の近況と、それから、

「こんな状況なのに、もう一度海に連れて行きたいと、夢みたいなことを考えています。
車いすでなら、沖縄あたりならば、連れて行けるかなとか..。
連れて行っても、もう何もわからないかもしれませんが、南の海の空気を吸わせるだけでいいかなとか..。
おそらくは夢で終わることでしょうが、そんな事を考えながら毎日を過ごしております。」

というメールを出しました。


実は、去年、ある方のブログで、車いすで南の海へ行かれた記事を拝見し、車いすでなら連れて行けるんじゃないかと、すっかりその気になっていたのです。

でも、年末あたりから、夫の症状は思わしくなく、いよいよ私一人では介護が難しい状態になってしまい、そのためのヘルパーさんをお願いしなければならない位になりました。

海はおろか、どこにも旅行に連れ出せるわけはないよなぁと、気持ちはあっても、実際に連れ出すのは、夢物語に過ぎないと、消極的になっていたところでした。


そこにダイビング仲間のFさんからのメールが来ました。

「どうしても、沖縄の海に連れて行きたいなら、私の知り合いのダイビング団体でなんとかしてあげる事が可能です。」


えっ??!

ダイビング??!


いやいや、まさかね。
でも、もしももしも、連れて行けるならば、海を眺めるだけではなく、水に入らせて上げたいな..。
もう足元が定まらない夫を、浜辺まで連れて行き、そこから水に入らせるのは、到底無理だと思っていましたが、もしも彼が来てくれるのなら、或いは誰か海に慣れた男の人の手助けがあるのなら、それができるかもしれないと思いました。
水に入れる、ただそれだけで充分だと思いました。


ところが、Fさんは本気でした。
本気で、ダイビングに連れて行ってくれようとしていました。

スキューバダイビングをするためには、Cカード(Certification Card)が必要です。
これは世界的な組織で発行され、カードがあれば、世界中どこの海でも潜れます。
こうした組織はいくつかありますが、そのうちの一つの団体に連絡をとってくれました。

そこの方から連絡を頂き、電話でお話ししました。
その方、Hさんは、去年、ALSの方を潜らせてあげたそうです。

そうなんだー、それなら夫ももしかしたらまた潜れるかもしれない...。
いきなり夢が現実味を帯びてきました。

水深は浅いところにしか行けないだろう
器材は、フルフェイスのマスクが必要
ウェットスーツは、着脱しやすいものが必要
ボートはチャーターになる
サポートダイバーは4名必要

などなど、条件は沢山つきますが、不可能ではないということでした。
ご主人の可能性に賭けてみましょうと言ってくださいました。

今の夫にダイビングだなんて..、荒唐無稽な話だと思っていましたが、サポーターが、Fさん、Hさんを含めて4人いて、フルフェイスのマスクをつけられるならば、本当に海中に連れて行けるかもしれない。
夫は耳抜きができるだろうか..。
できないだろうなぁ..。
まぁ、その場合でも、1メートル位は潜れるからとのことでした。


幸い、姉が一緒に行ってくれることになりました。
これから解決しなければならない問題が山積みですが、一つずつクリアして、夫を沖縄の海に連れて行こうとしています。

首尾良く水中に行けたとき、夫は、一瞬でも、海の中にいることをわかってくれるでしょうか。
そして喜んでくれるでしょうか。




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ショートステイに送り出すにあたり、手紙を書きました。

前回のショートステイから帰ってきた時に、湿疹が増えていてなかなか治らなかったこともあり、肌に直接触れるものは、毎日着替えさせて頂ければ助かります、云々。

肌に直接触れるもの:半袖肌着、パンツ、肌着の上に着せる長袖Tシャツ、ズボン下、靴下は、着ているものを含めて6セット持参します。

上に着るセーター、ズボンはそちらの通常の対応で構いません。着ているものを含めて4セット持参します。

着替えした肌着類は、自宅で洗濯しますので、ビニール袋に入れてそのままご返却下さい。

などなど。


3泊のショートステイで、6セットで足りるかどうかです。
入浴で着替えさせる分は最初から取り除いてしまうので、特養の通常の対応だと、それ以外に3セット必要だということでした。
そこで前回までは4セット持参していたのですが、更に2セット増やしたことでまかなえるのか。

日曜の朝、月曜の朝に着替えをすると、火曜の朝の段階で4セット持参していた時と同じ条件になるわけです。
火曜はもう帰る日だし、日曜日以外は洗濯のスタッフがいて、汚したら洗濯してもらえるので、なんとかなるかなと考えました。

上に着るものについては、着替えなくてもいいことにしました。

とりあえず、鞄がパンパンでしたが、詰め込むことができました。



昨日の日曜日、いつものように特養を訪問しました。

前回の訪問のときは、こちらからご挨拶する感じでしたが、昨日は、スタッフの方達が、ホールのあちこちから、「こんにちは~」と声をかけて下さいました。

夫はホール手前の介護ステーションのオープンカウンターの前にあるソファに座っていました。
目をぱっちり開けて、調子が良さそうでした。
私を見つけると、おっ!という表情をして、嬉しそうに笑いました。

立たせてみると、家にいるときと同じ程度にすんなり立ち上がりました。
多少後ろに傾くのは、やむを得ません。
そのまま回廊にお散歩に行くことにしました。

少し歩くと、片手を繋ぐだけで充分安定してきました。
無人の他の人の部屋を覗き込んだり、窓側の中庭を覗き込んだり、立ち止まったら一緒に立ち止まり、歩き出したら一緒に歩いて、のんびりお散歩しました。

着ているものは、上着ズボンは一昨日私が着せたものでしたが、中のTシャツは、色が違ったので着替えさせてくれたのがわかりました。


スタッフの人に、自販機で飲み物を買ってきて飲ませていいかと聞いたら、構いませんとのことだったので、夫を再びソファに座らせておいてコーヒーを買ってきました。

貸してもらっている個室に椅子を運び込みました。
そのとき、サイドテーブルの上に、布で覆った何かがあるのに気がつきました。
布を上げてみると、そこには、透明なビニール袋に入った肌着の着替えが一式おいてありました。
ビニール袋には、「月曜朝用」と書いた付箋紙がついていました。

わ~お!こういう風にしてくれているんだーと、とても嬉しくなりました。

夫を連れてきて、部屋にあった肘掛けつきの椅子に座らせ、私は運び込んだ椅子に腰掛けて、二人でコーヒーを飲みました。
穏やかに晴れ上がったいいお天気で、部屋から見える海には、沢山のウィンドサーフィンのセイルが浮かんでいました。


コーヒーを飲み終わった頃、スタッフの一人が、部屋に失礼しますと入って来ました。
トイレどうしましょうか?と言うので、あ、じゃお願いしますと答えました。

まだ慣れてないものでとその人が言うので、私が立ち上がらせ、部屋のトイレまで連れて行き、便座に座らせました。
夫はいつもよりずっと私の声かけに反応してくれて、苦労することもなく、便座の所定の位置に座ってくれました。

その人は、はー、こうすればいいんですねとしきりに感心していました。
そして、私たちがやると、両側から抱え上げるようにしてしか歩かせられないし、座らせる時も無理矢理になってしまうんですと言っていました。
奥さんはちゃんと立たせて、普通に歩かせているし、すごいってみんなして言っているんですよと言われてしまって、なんかとても恥ずかしくなりました。

でも、そうして話題に出るということは、スタッフの皆さんが夫に関心を持っていて下さるということだと思いました。
今回調子がいいのは、おそらくスタッフの方達が、夫を気にかけて、声かけしてくれたり、時々立ち上がらせてくれているからじゃないかと思いました。

改めて、理解しなくても声かけしてやって下さいとお願いしておきました。
その人は、いや、わかってらっしゃるようですよ~と言っていましたので、やっぱり声かけをして下さっているんだなと思いました。


どうなることかと思った特養のショートステイですが、なんとかやっていけそうです。
気温が上がって春めいてきた空気の中を、心もポカポカしながら家路につきました。



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一番最初の記事を書いたのが2013年2月27日でした。
ただなんとなく始めたこのブログも、いつの間にか1年が過ぎていました。

書き始めて、これまでの夫の経過を残しておきたいと思うようになり、回想というカテゴリーを作りました。
発症してから7年の歳月が流れていましたので、いろんなことがあり、とてもまとめきれないなーと思いながら書いてきました。
前回の回想記事までで、このブログを始めた時の1年前までに追いつきましたが、息切れしています。(笑

振り返ってみると、前回の回想記事以降のこの2年間は、目立った大きな変化はありません。
ただ緩やかに、でも確実に病気は更に進行していき、同時に身体的にも止めようもなく下降線を辿りました。

朝ベッドから起き上がれなくなり、入浴の時、浴槽から立ち上がれなくなり、歩行が支えなしでは難しくなり、更には階段の昇降が困難になっていきました。

退院以降、体がとても硬くなり、特に右腕が上がらなくなってしまったので、主治医の勧めもあり、2012年1月末からマッサージの方に自宅まで来てもらうことにしました。
それまで、デイサービスは使っていたものの、自宅に誰かが来て何かをしてくれるというのはありませんでした。

最初、他の人が自宅に、しかも寝室に入ってというのに、抵抗がありました。
夫がマッサージを嫌がるんじゃないかと心配しました。
週一回、30分位のマッサージをしたところで、効果がでるのかなと半信半疑でした。

ところが始めてみると、それらは全て杞憂で、一回目から夫はとても気持ち良さそうにしていました。
それを見て、これは夫に必要なものなんだと納得がいきました。
他の人が家に来るのも気にならなくなりました。
一番最初に来て下さったマッサージの方が、とてもいい人だったせいもあると思います。
ほどなく、週二回に増やしてもらって、現在に至ります。

始めた頃には右腕が上がらず、服を着せるのもまず右腕を通してからとか、工夫が要りましたが、数ヶ月経った後には、問題なく着替えできるようになりました。

浴槽から立ち上がれなくなってしまって、これは私一人ではどうにもならないと観念し、2012年7月から、入浴介助のヘルパーさんに入ってもらうことにしました。

幸いお泊まりデイの事業所が、訪問ヘルパーも派遣してくれるとのことだったので、お願いしました。
デイやお泊まりで顔見知りのスタッフが来てくれるので、夫もリラックスしていて滑り出しから好調でした。
スタッフさんは男の人だったので、私が手伝う必要もなく、全てお任せしました。
簡単ながら、浴室のお掃除もしていってくれるのには驚きました。
私はすごく楽をさせてもらいました。

現在は、そのスタッフさんが、体調を崩し入院してしまったとのことで、代わりに女性のスタッフが日替わりで来てくれています。
体力的に夫を一人で扱うのは無理があり、立って体を流すときに支えていたり、浴槽への出入りは一緒にやっています。

電車に乗って主治医の所に受診に行くことが難しくなったので、通院乗降介助というのも頼みました。

身体的にとても弱くなってきていると感じていたこともあり、もし体調が悪くて救急車を呼ぶほどではないとき、どうしたらいいだろうと困っていました。

内科的なかかりつけのお医者さんはいないし、唯一かかりつけみたいなところが、健康診断で行っていた病院です。ここは往診をしてくれません。
なんでもないときでも、外に連れ出すのはかなり大変になってきていたので、まして具合の悪いときに受診のため連れて行けるとは、とても思えませんでした。

ひとつの解決策として、2013年4月から訪問看護師さんを頼むことにしました。
前の年から便秘がひどくなってきており、更にはたぶんそのせいで熱を出したりしたこともあって、やむなく浣腸を定期的にすることにしました。
訪問看護師さんには、排便管理ということで週一回来てもらうことにしましたが、全般的な体調も見て下さるので、とても助かっています。
またここは、緊急時は24時間対応してくれるので、安心感は絶大です。

ちなみに、排便の方は、お泊まりデイの看護師さんも週一回浣腸して下さるので、週二回は確保できています。


こうして、沢山の人達に助けてもらいながら、日々を暮らしています。
ブログを始める前は、いろんなことにその度に対処してきてはいましたが、いつも一人で心細く過ごしておりました。
私のやっていることで果たしていいのだろうか..。
私の考えは間違ってはいないだろうか..。
夫が病気になってから、極端に狭くなってしまったひきこもりの世界で、答えてくれる人もなく自問自答を繰り返しておりました。
ブログに書いて、皆様に見て頂くことにより、少し世界が広がったような気がしています。
また頂くコメントがとても嬉しくありがたく、これまで気づかなかった様々なことを教えて頂いています。

更新の少ないブログですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。



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先週の日曜日、また特養を訪問しました。

3回目ともなれば、顔を覚えてくれたのか、親しげに挨拶してくれる職員さんもいました。
困ったことに、名札がついてないので名前がわかりません。
しかも、インフルエンザ防止のため、皆さんマスクをしていらっしゃいます。
顔も名前も覚えられない...(>_<)
まぁでもこれはそのうちなんとかなるでしょう。

その日、夫はソファに座って眠っていました。
起こして立ち上がらせようとしたけど、やっぱり立ち上がれませんでした。
また手助けしてもらって立ち上がらせました。

その時、着ている服が、前日私が着せたものだと気がつきました。
さっき挨拶してくれた職員さんに聞いてみました。
寝るときはパジャマに替えて下さるとのことだったけど、そうじゃなかったんでしょうかと。
その職員さんは、フロアの責任者だったらしくて、前夜のことを調べてくれました。
そうしたら、パジャマには着替えさせているとのことでした。

えっ?
ということは、脱がせたものをもう一度着せたってこと?


ショートステイは、土曜日の午後から、火曜日の午後までの3泊4日です。
最初、着ているものを含めて、服を3セット持参しました。
ところが、一回目の訪問の時、これでは足りないと言われました。
日曜は洗濯のスタッフがお休みなので、汚しても洗えないからとのことでした。
2セット着替えがあるのに、なぜ?と思ったら、お風呂に入る時用に、初めから1セットは取り除いてしまうそうです。
ということは、着替えで使えるのは1セットのみとなり、これでは当然足りなくなります。
そこで、その次からは、4セット持参しています。

ちなみにセットの内容は、肌着、パンツ、ズボン下、靴下、長袖Tシャツ、上着、ズボンです。
病気になってから皮膚のトラブルが絶えず、紙パンツを履かせるとかぶれてしまうので、日中は木綿のボクサーパンツに尿取りパッドを使用してもらっています。
夜間はそれではとても間に合わないので、紙パンツを使ってもらっています。

この特養は、1週間に2回の入浴だそうです。
3泊4日のショートの場合、1回は入浴できるとのことでした。
特養の大抵の入居者さんは、夜寝るときも昼間着ているものをそのまま着ていて、入浴したときだけ着替えるそうです。
パジャマに替えて欲しい要望があれば替えますと言われていたので、お願いしていました。


パジャマに着替えて、翌朝起きたときに、前日脱いだものをまた着せるとは思っていませんでした。
上着ならともかく、パンツもそのまま履かせるとのことでした。
靴下もですか?と聞いたら、靴下だけは水虫の恐れがあるので、取り替えるとのことでした。

利用開始する前の打ち合わせで聞いたとき、ウール製品など以外は、施設の方で洗濯しますとのことだったので、てっきり全部洗濯してくれるものだと思っていました。
洗濯してくれるのは、汚した時と、入浴した時と、靴下だけだったようです..。


夫は皮膚が弱く、しょっちゅう湿疹ができたりかぶれたりしています。
特に今の季節、乾燥してかゆみが強くなり、掻きむしってしまうので、尚更悪化させてしまいます。
保湿クリームを全身に塗ることで多少それを押さえています。
保湿クリームはベタベタしているので、肌着、パンツ、ズボン下にも移ってしまいます。

そのべとついた肌着を、汚さない限りまた着せられるとは..。
パンツは、例え濡れていなくても非衛生な気がします。
せめて肌着関係だけでも替えてもらいたいと思うのですが..。
次回のショートの時まで、なんとか解決方法を考えねばと思っています。


帰って来た夫は、今回は、外階段を抱え上げられることなく、危なっかしいながらも自分の足で登りました。
お時間のあるとき、歩かせなくてもいいので、立ち上がらせるだけでもお願いしますと頼んだのをやって下さったのかもしれません。



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入院して、ベッドの上での排泄を余儀なくさせられた夫は、家に戻ってからもそれが当たり前になっていました。
連日、ベッドは大洪水で、背中はもちろん、首のあたりまでびっしょりと濡れていました。
上側は、カバーを通して羽毛の掛け布団まで濡れてしまっていました。


なぜなんだろう..なぜこんなに濡れてしまうのか。

考えられるのは、夜間の尿量が極端に多いということでした。
これは現在でも同じですが、日中の排尿は多くて2回ほどでした。
全くない時もありました。
その分、夜間に集中してしまっていました。  

もうひとつは、ある時気がついたのですが、ベッドの中でも、トイレでするのと同じ動作をしていたのです。

この部分は、以前記事を削除された表現でしか書けませんので、どんな状態か推し量って下さいませ。 

これでは辺り一面びしょ濡れになるのは当然のことでした。
なんとかこの状態を改善しようとして、いろんな方法を試しました。


手を入れられないように、ウエストにひもがついているルームウエアをパジャマ代わりに履かせてみました。
うまく行くときもありましたが、あまりきつくはできないので、結局手を入れてしまってダメでした。

次に、紙パンツの上から、ペットシートを腰に巻き、ビニールテープで止めてみました。
これは漏れた分を吸収してくれる効果もあり、なかなかよさそうでした。
ところがしばらく使っていると、背中の皮膚が赤くなってしまいました。
元々皮膚が弱いということがありますが、やっぱりペットシートは直接肌に当てるものじゃなかったです。
そこで、薄いタオルを一枚、間に挟んでみました。
そうしたら、今度は緩んでしまってこれまたダメでした。


ネットで、「紙おむつホルダー」というのを見つけました。
引っ張っただけでは外せないホックがついていました。
これを使うことにより、手を入れるのを防げるようになりました。
紙おむつホルダー
ちょうど2年前から使っているので、何百回も洗濯してヨレヨレですが、ホックはちゃんと機能しています

夏場はおむつの上にこれ一枚で、冬場はこの上にパジャマのズボンを履かせています。

背景に写っている白い布は、撥水性能のある掛け布団カバーです。
これもネットで見つけました。
もともとはペットがお布団の上で粗相した時用らしいです。
ちょっとお高いですけど、これを買ってから羽毛布団に浸みることがなくなったので助かりました。
「強撥水 掛け布団カバー」で検索すれば出てくると思います。


紙おむつホルダーを手に入れてからは、それまでのような首までびっしょりというのはなくなりました。
でも相変わらず、ベッドが濡れるのは止められませんでした。
夜間の尿量が多いことに対処できなかったからです。
紙パンツからテープ式のおむつへと、試行錯誤を重ねて現在に至りますが、その話はまたいずれ。


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お泊まりデイから戻った夫の着替えをしているとき、私は、夫の足のあまりの冷たさに愕然としました。
氷のようなという表現がありますが、まさしく氷のようでした。
触ると、こちらの熱が奪われるような冷たさでした。

夫の足は以前から外反母趾気味だったのですが、右足の親指の付け根の骨が、異様な位突き出していました。
そして突き出た部分が暗い赤紫色に変色していました。何とも言えない病的な色でした。
しかも、親指は不自然に曲がって、次の指に重なっていました。

足湯を使わせてあげるというのは思いつきませんでした。
ただ私の手のひらで、こすって暖めてやる以外どうしていいかわかりませんでした。


あるブログで、夫の足にそっくりな写真を掲載なさっているのを見つけました。
レビー小体型認知症のお母様を介護なさっている方のブログでした。
目を皿のようにして、その方のブログ、そしてそれについているコメントを読みました。

私が理解したところによると、レビーの人は自律神経の失調があり、手足が冷たくなる人が多い、褥瘡ができる可能性もあるということでした。
また骨の変形があり、足の指が重なってしまうことがあるのを知りました。

「褥瘡」という言葉自体初めて知りました。
「床ずれ」ならなんとなく知っていましたが、寝たきりの人に起こるものという位の認識しかありませんでした。


これまで夫に現れていた現象、薬に対しての過敏な反応、時々、空中に手を伸ばして何かをつまむような動作、何もないところを凝視していることがあること、親指が反対方向に反ってしまう手の指の変形、これら全てがレビー小体型認知症に現れる現象だということがわかりました。

夫はレビーなのでしょうか...。
ただこれまでの経過を見ていると、レビーとも言い切れないとも思いました。
アルツハイマー型の場合、その進行によっていくつかの段階に分けられたステージがあります。
それにほぼ合っているのです。
最初アルツハイマーで発症したけれど、後にレビーも発症してしまったのかもしれないと思いました。

何も確信はありませんでした。
主治医には、頭から否定されましたし、相談できる人が誰もいず、一人で抱え込んでいました。
でももしもレビーだった場合、下手すると取り返しのつかないことになると思い、レビーの可能性もあると考えて対処していかなければと思いました。



家に戻ってまもなくの12月中旬、けいれん発作を起こしましたが、明けて1月の中旬にもまた発作を起こしました。

主治医からまたデパ○ンを飲むように言われました。
身体的に何の問題もなかった頃でさえ、デパ○ンを飲んで数日すると、体が傾いたりふらついたり、具合悪そうな様子をしていたので、飲ませる気にはなれませんでした。
レビーかもしれないと思ってからは尚更でした。
その後も、2月と3月と月一回けいれん発作を起こしました。

アリセプトはその頃、5mgに減らしてもらっていましたが、5mgでも、もしレビーだったら多すぎると思って、なんとかしなければと焦燥感を感じていました。
3月になってやっと3mgに減らすことができました。
けいれん発作は、その後しばらく起きませんでした。
まぁ、偶然なのかもしれませんが..。


時々不穏になり介護拒否はありましたが、もう暴力を恐れる必要は全くなくなりました。
夫は、ちょっと指で突けば倒れてしまいそうな、そんな弱々しい体になってしまいました。

朝は自ら濡らした尿の洪水の中で目をさまし、ベッドから起き上がるのもなかなかできなくなりました。
お風呂に入っても、立ち上がることが出来ないときが増えていきました。

唯一お箸は使えたのですが、デイから戻った日は使えなくなっていました。
時間がかかるので、デイの方では介助で食べさせていたようです。
家に戻ってしばらくするとまた使えるようになるのですが、それもだんだんできなくなっていきました。


転げ落ちた坂道を振り返ると、そこには決して後戻りできない高い絶壁がそそり立っていました。
坂道の先には、救いのない絶望の平野が広がっていました。
これから夫はどうなってしまうのだろう...私は先の見えない不安に怯えていました。




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2年半ほど前から、毎週末をお泊まりデイにお願いしています。
当初は、夫の暴力がひどく、それから逃れるための緊急避難的な存在でした。
あんなに不穏な状態の夫の面倒をよくみてくださったと感謝しています。

暴力が収まって来た頃、今度は不幸な入院があり、戻ってきた夫は身体介助が必要な別人になっていました。
これまでとは違って、本格的に「介護」をしなければならなくなりました。
経験も無く、慣れないことをやって疲れきり、やっぱり週末はお泊まりデイにお願いしてのしばしの休憩が必要でした。
そんなわけで、引き続きお泊まりデイに頼り切りの生活が、今も続いています。

お泊まりデイにもいろいろあります。
最初にお願いしたお泊まりデイはひどかったです。
認知症対応を謳っていながら、暴力から逃れたくてお願いしているのに、興奮状態の夫を今すぐ引き取りに来いと言われた時には唖然としました。
ここの責任者は、それまで介護関係には無縁だった人で、ビジネスとしてこのお泊まりデイのフランチャイズを始めたようでした。
スタッフもほとんど認知症患者を扱う教育がなされてないようでした。

ずっとお願いしているお泊まりデイは、トップの方が利用者本位に物事を考えて下さっているし、現場の責任者もとても頼りになる方です。
もちろん、大勢いるスタッフの中には、なんだかなと思う人もいますけど、全体的に見て、ほんとにいいところに巡り会えたと感じています。


そんな中、特養のショートステイが、先月から本格的に始まりました。
月のうちの週末の一回をこちらのショートステイに当てる形にしました。
先々週の土曜午後から、火曜日の午後までの3泊が、2回目のショートステイでした。

先月も今月も、二日目になる日曜日に特養を訪問しました。
日曜はショートステイの担当の人が休みなので、スタッフは特養の人達のみと聞いていたからです。

この特養は、古いタイプの特養で、入居者は4人部屋に入ります。
海側の見晴らしのいい部屋は女性専用です。
男性は、人数が少ないこともあって、道路側の部屋が割り当てられています。

この入居者さん達に混じって、極く少数のショートステイの利用者さん達がいます。
ショートステイの場合は、個室が用意されます。
それほど広くはありませんが、一人には充分な広さで、専用の洗面所、トイレがついています。
バルコニー越しに、素晴らしい海の景色が広がっています。

いろいろな事がきちんとしていて、安心感があります。
ショートステイの担当の方も、なるべくこちらの意向に沿うように、努力して下さっています。


でもやっぱり...
訪問したときに、危惧していたことが現実だとわかりました。

私が特養に着いたとき、夫は、ホールの椅子にぼんやり座っていました。
呼びかけても反応がありません。
立ち上がらせようとしたら、立ち上がれませんでした。

スタッフの手を借りて、立ち上がらせました。
すぐ腰砕けになり、その場にしゃがみそうになりました。
一体どのくらい、座りっぱなしでいたのでしょうか..。

お願いしているお泊まりデイが、ほんとによくして下さって、他を使う必要がなかったせいもありますが、私がこれまでショートを使わなかった理由がこれです。
デイとショートは根本的に違います。
デイと違って、圧倒的に利用者の人数に比べてスタッフの数が少ないです。
一人一人に対応できるわけはありません。
ショートはあくまで生活の場ですから、トイレ介助に連れて行く以外は、積極的に歩かせてくれたり、なにかしらの働きかけはしてくれません。
必要な介助はしてくれるけど、それ以外どのように過ごすかは当人次第です。

活発で活動的な人ならばそれでいいでしょうが、夫の場合は、自分から何かをするということがありません。
座らせられたらずっと座ったっきりになってしまいます。
誰も話しかけてくれるわけでもなく、例え話しかけられたにしても返事はできませんので、ずっと一人で放っておかれることになります。

広いホールで、周囲には大勢の人達がいるのに、たった一人で何を思って時を過ごしていたのでしょうか。
見知らぬ場所で、時が過ぎるのをただただ待つしかない状態でした。
ぼんやりとして、体の機能も格段に落ちていたのも無理はありません。

ホールに繋がって、中庭を囲むように回廊がありました。
その廊下には、壁に沿ってずっと手すりがついていました。
なんとか、その廊下まで連れ出して、お散歩をしました。
手すりを使っての移動はできないので、両手引きで歩かせました。
1メートル歩く度に、手すりに寄りかからせて休みました。
そしてまた1メートル..
おそらく一周40メートル位なものだと思いますが、そこを1時間位かけて歩きました。
三周した頃には、片手引きでもなんとか歩けるようになっていました。

日曜以外は、ショートの担当の人がいるので、時間があれば、午前1回午後1回は歩かせて欲しいとお願いしてあります。
おそらくそうして下さったとは思うのですが、先月も今月も、家に戻った時はひどい状態で、外階段を登ることができず、抱え上げられるようにして、家に入りました。

いずれ特養にお世話にならざるを得ないかもと思うと、月一度のショート利用をやらないわけにはいかず、苦しいところです。
せめてスタッフの手薄な日曜に、毎回訪問して一緒に過ごし、少しでも機能低下を食い止めるしかないなと思っています。


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