前回に続いて特別支援を要する子への対応を書いていきます。

 

(前回記事)

<特別支援を要する子どもへの対応① 〜関係作り〜>

 

 

 

今回は、授業中の対応を書いていきます。

 

 

<心構え>

 

最初に心構えとして、子どもはすぐには変わらないということです。

 

どの子もやって見て、失敗して、教えられ、またやってみて・・・

 

何度も繰り返しながら覚えていきます。

 

発達障害を抱えている子どもも同様で、時間もかかります。今できないからといって、感情に任せて怒っても何も変わりません。

 

長い目で見て、今できる最善の対応を行い。その子の成長が少しでも見られたら、ほめてあげる。

 

諦めなければきっと改善します。結果を焦らないことが大事です。

 

 

<触れ合い>

 

授業中にじっとしていられず、教室を出てしまう。学校を徘徊してしまう。

 

今までの経験で、見たことがある方もおられるのではないでしょうか。

 

その子の状況によって、対応はかなり変わってきます。

 

・先生の授業がつまらないので、飛び出してしまう。

・どうしても教室の外でやりたいことがある。

・会いたい人がいる。

・外に出ることが悪いことと思っていない。

 

 

それは、子どもの状況によります。

 

もし授業の時間に、喋り続ける、用意をしない、関係ないことを言う、などの行動があった上で外に出る場合は、先生との触れ合いが少ないケースが考えられます。

 

好き勝手に行動するのは、触れ合いや関わりという愛情を求めている場合が多いので、授業中でも、ハイタッチや握手などの身体接触や笑いかける、褒めるなどの関わりで大人しくなることもあります。

 

これは、身体接触や褒めるという行為をすることでセロトニンという物質が発生するからです。

 

セロトニンは、脳の前頭葉の働きに関わるドーパミンという物質を増やす物質です。

 

前頭葉は、論理的思考や計画的に考える時に使われる部分です。セロトニンが不足すると前頭葉の働きが落ちるので、落ち着かず、見境のない行動が増えてしまいます。

 

なので、

 

 

・落ち着かない子どもが席に着いたら、ほめる。

・子どもが先生を見てきたらニコッと笑いかける。

・そわそわしていたら、握手をしながら授業を進める。

 

 

セロトニンを継続的に出す活動を取り入れることで、徐々におとなしく活動できる時間が増えていきます。

そして、できたことはどんどんほめていきましょう。

 

まずは、子どもを観察して、先生を見はじめていないか?そわそわしてないか?子どもの動きを見ることから始めると良いかと思います。

 

 

 

また、教室から出てしまうことを悪いことだと認識していないケースもあります。

 

発達障害の子どもは、良いことと悪いことの区別がつかないことが多くあります。

 

一つひとつ教えていくことが重要です。

 

 

私はデジカメの動画機能で、不適切な行動をした場合の映像を撮って子どもに見せるという方法をやっていました。

 

「教室から飛び出す」「暴れる」「先生の話を聞かない」「挨拶を無視する」などこれらの映像を録画します。

 

その後、きちんとできている瞬間も映像を撮ります。どんな子でも24時間、問題児である子どもはいません。例えほんの少しでも、できている瞬間があるはずです。

 

その映像も撮影します。

 

 

そして、落ち着いている時にその映像を見せます。

 

先生「ちゃんと授業受けてる?」→子ども「受けてるよ!」

映像を流す。→子ども「できてない!」

 

ここで、自分がちゃんとしていないということを理解します。

 

その次に、できている時の映像を見せます。→子ども「この時はできてる!」

 

すると、できている状態を理解し、かつ自分もできている、という印象を持たせられます。

 

一つひとつ自分のことを振り返り、覚えていくことで、時間はかかりますがきっとできるようになります。

 

 

 

 

また、知的に問題はないADHDの子どもの場合は、トラブルの後には振り返りカードを書かせるという取り組みもあります。

 

 

「何度言っても変わらない」という子どもは、ワーキングメモリ(短期記憶)が少ない場合があります。自分のやったことをすぐに忘れてしまうので、同じトラブルを起こしてしまいます。

 

その時に、自分の行動を振り返り、理解するために、

 

「どんなトラブルで」

「何が原因で」

「正しい行動、学校のきまりはこうで」

「次はどうすればいいのか」

 

まで自分の言葉で書かせます。

 

時代遅れの反省文のようにも見えますが、目的は「トラブルを起こしてしまうことは悪いことではないと知り、自分のしたことを自分の言葉で振り返り、同じことは繰り返さないことが大切である」ということを学ぶためです。

 

自分の行動の振り返りの質を上げることで、トラブルも減り、成長につながります。

 

 

 

ざっくり書いてしまいましたが、このような方法があることを知っておくと、どこかで役に立つかもしれません。

 

参考にしていただければと思います。

 

 

この他にも、学習する時の環境の変化で行動が変わることがあるので、次は学習環境について書いてみたいと思います。

 

 

 

 

PS:その他に、今まで書いてきた記事の中に、特別支援的な考えを取りれた学級経営の方法を書いたものを載せておきます。

 

⑴授業の型を変えることで、子どものストレスを軽減させる方法

<大事と思われていることをやめてみる> 

⑵じっとしているのが困難な子どもへの一斉授業の方法

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「反抗する」「暴れる」そんな問題児に、どう接していくか?

⑷子どもの指示の方法

指示を出しても動かない子への対応

⑸発達段階に応じた、伝わる言い方

子どもに伝わる「叱り方」

⑹ほめる時のコツ

<「すごいね!」ではなく「ありがとう!」>

 

 

 

 

 

 


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