1ヶ月ぶりにベッドを起こし見た幸せ。でも術後後遺症が手術を後悔するほど辛く弱気に～九死に一生⑪～

頭の4本のボルトは
首の4本のボルトに。
私は目ざめ手術は成功
 ～九死に一生⑩～のつづき・・・

まだ薄暗い部屋の中・・・
カーテンのすき間から少し光が見える。
今何時だろ・・・

朝の採血、点滴交換、
採尿、ドレーン（血抜きの管）チェック、
検温、血圧チェックのため
看護師さんが来たみたい・・・

ケータイに手を伸ばし時間を見ると
5時半だった・・・

なんとか一日過ぎた・・・

今日から、重湯から食事も始まる。
飲み物もOKになる。
ベッドもななめにすることができるようになる。

考えると
これまでの寝たきりが嘘のように
嬉しい

傷の痛みは薬が効いているからかまし。
その他、麻酔の副作用と思われる
吐き気などもなく
手術の副作用の手足のしびれ
動きにくさもない。

私・・・
9月には家に帰れるかな

なんて夢を見ちゃうほど・・・

朝ごはんの時間・・・
1ヶ月ぶりにベッドを45度に起こして
周りの景色を見てみた。

個室にいながら
どんな部屋だったかも
わからなかったのよね

なんか嬉しかった

1日半ぶりのごはんが重湯・・・
正直美味しい物じゃない。

でもね・・・
寝たきりでスープ状のものは
一切食べられなかった私は
起き上がって自分でスプーンで
口に運ぶことが嬉しかった

ただ・・・
ずっと寝たきりだったからかな・・・
背中、お腹、足など体中が
私の体を支える筋肉がなくなってて・・・
すぐに横になっちゃった。

でも、これも一歩前進

私の手術を知ってか知らずか
色んな看護師さんが
声をかけにきてくれる。
「頭の輪っか（ボルト）取れたね

よかったね～

」
って・・・

その一言一言が
これまでの辛かったことも
忘れてしまいそうなくらい
その術後の今が嬉しかった・・・

そんな時間もつかの間・・・
やはり襲ってくる痛み・・・
とにかく傷が痛い・・・
どうしようもなく痛い・・・

これは日にち薬なので
薬で痛みを散らすしかないと言われ・・・
飲み薬、坐薬の併用・・・

さらに・・・
急な吐き気・・・

麻酔の影響はもうなくなっているだろう
と言われ・・・
胃酸を抑える点滴を追加されたが
治まらない・・・

治まるどころか・・・

嘔吐
（汚い話でゴメンナサイ）

一度だけでなく
何度も・・・

食べなくても
飲まなくても・・・

やってくる・・・

私・・・二日酔いでも
嘔吐したことないほどなのに
嘔吐・・・
嘔吐がこんなに苦しいものなんだと
初めて知ったほど・・・

起き上がれたら
少しはラクなんだろうけど
今の私には
まだ自力で起き上がり
座ることができない・・・
寝たままは・・・
気管に逆流しそうで
かなり苦しい・・・

痛いし、苦しいし・・・

朝、思った夢は・・・
本当にただの夢だったのか・・・

どうして手術が終わってまで
私を楽にしてくれないの

どうしてこんなに苦しめるの

本当にそんな気分だった・・・

その日は、結局痛み止めもMAX使用で・・・
吐き気止めの点滴も入り・・・
もうぐったりだった・・・

ナースコールをガマンする私が
この日だけは何度押しただろう・・・
「痛いです」
「なんとかしてください」
「辛いです」
と泣きながら懇願した・・・。

「もう、お薬使えないんだよ・・・
もう一日の量使っちゃったもん・・・」

でも、辛いんです。
お願いします。
なんとかしてください・・・

最後の手段と思ったのか・・・
ナースは、使える薬がもう一つだけある
（ここでは薬の名前は伏せておきます
一般的には癌性疼痛に使われる薬です）
でも、吐き気などの副作用も強い・・・
せっかく治まっている嘔吐が
またでるかもしれないよと・・・

職業柄できたら使いたくない薬
薬の名前を聞いてすぐわかった。
副作用がしんどいのもわかってる。
もう吐くのはイヤ・・・

でも・・・
とにかく痛みを止めて欲しかった・・・
出産なんてこの痛みにくらべたらラク！
って思えるほど・・・
本当に本当に
しんどかった・・・。

「痛み止めを打ってください」と
お願いした・・・。

薬の点滴には鎮静剤も含まれていたので・・・
そのまま・・・
気づいたら眠っていた・・・。

幸い、その注射による副作用はでなかった・・・

手術は成功だった・・・

起き上がれるようになった・・・

でも、痛みに嘔吐・・・
辛すぎる・・・

また弱ってしまいそうだよ・・・
本当に手術してよかったのかって・・・

つづく・・・