デブラ・ウィンガーを探して

テーマ:

 あんまりドキュメンタリーって好きじゃない。お金を払うなら、日頃の生活と全く違う時間を味わいたいから。

 そんな私がこの映画を見たのは、タイトルに惹かれて。
 タイトル選手権があれば、私は審査員特別賞を上げたいです。今では誰か知っているが、見る前はデブラ・ウィンガーをよく知りませんでした。
 それでも、このタイトルには、むちゃくちゃ引きがある。
 デブラ・ウィンガーって誰?
 どうして彼女を探すの?


 そんなわけで見てみたら、割と……予想しないくらい面白かったです。
 40代になって、仕事と家庭の両立について困難を感じている、ロザンナ・アークェットが、色々な女優にインタビューするという内容です。
 女優たちはそれぞれの悩みを持って、語る……のだが、そこはさすが女優。どいつもこいつも自己主張が強い。明らかに本筋でない話をしだしたり、と、その演技しない存在さえ「女優」という生き物なのだなあ、と、思い知りました。

 「女優」というのは普通の人間にはムリだ。

 あれは、ごく一部の「女優」の素質のある人にだけ、出来る職業だ。少なくとも、ハリウッドではそう。
 素質というのは、何も誉めてるわけじゃなくて、その中には、一般社会でいれば壊れた人と言われる脆さや危うさだって含んでいるものだと思います。
 演じることというのは、たぶん、そういう危険を持った出来事なんでしょうね。


 ただ一人、男性のインタビュー(ロジャー・エバート)が入っていて、ハリウッドの現実をあっさり語っていました。
 いい意味でも隙間家具の集合みたいなこの映画で、そこだけきっちり身のあるインタビューなあたりが皮肉で面白かったです。
 今、若者の嗜好が昔と変わっている、と、彼は語るのですね。
 今の17歳が求めるのは、セクシーな女じゃなくて強い女だ、と。
 なかなか面白い皮肉で、笑ってしまいました。


 女優達が、映画の中で嘆く男性社会の映画業界。その男性社会は「強い女に庇護されたいと思う男」に世代交代していくみたいですよ?


『デブラ・ウィンガーを探して』
Searching for Debra Winger(2002/米)


監督:ロザンナ・アークエット
製作:ロザンナ・アークエット、デヴィッド・コディコウ、ハッピー・ウォルターズ、マット・ウィーヴァー
製作総指揮:マーク・キューバン、トッド・ワグナー
撮影:ジャン・マルク・バール、オリヴィエ・ブークルー、コート・フェイ、ジョーイ・フォーサイト、ネイサン・ホープ、マイケル・G・ウォシェシャウスキー
出演:パトリシア・アークェット、ロザンナ・アークェット、エマニュエル・ベアール、カトリン・カートリッジ、ローラ・ダーン、ロジャー・エバート、ジェーン・フォンダ、テリー・ガー、ウーピー・ゴールドバーグ、メラニー・グリフィス、ダリル・ハンナ、サルマ・ハエック、ホリー・ハンター、アンジェリカ・ヒューストン、ダイアン・レイン、ケリー・リンチ、ジュリアナ・マーグリーズ、キアラ・マストロヤンニ、サマンサ・マシス、フランシス・マクドーマンド、キャサリン・オハラ、ジュリア・オーモンド、グウィネス・パルトロウ、マーサ・プリンプトン、シャーロット・ランプリング、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、テレサ・ラッセル、メグ・ライアン、アリー・シーディ、エイドリアン・シェリー、ヒラリー・シェパード、シャロン・ストーン、トレイシー・ウルマン、ジョベス・ウィリアムズ、デブラ・ウィンガー、アルフレ・ウッダード、ロビン・ライト・ペン

AD

マトリックス・リローデット

テーマ:
 マトリックスシリーズを会社の人から借りたので。
 レボリューションまで見終わったら、なんだかリローデットの記憶がうっすらしらしているよ……。おかしい。映像は大迫力だったのに。

 そんなわけで、オボロげな記憶で書きます。
 印象に残っているもの。
 ・白塗りツインズ
 ・スミスのハゲ
 ・モニカ・ベルッチの色気

 ……えっと……。
 おかしい。映像は大迫力だったのに(笑)。
 『マトリックス・リローデッド』は見てる時は面白いのだけれど、見事なまでに胸に何も残らない映画でした。でも、見てる間が面白いというのは映画としての本分を全うしてるわけだから、文句ありません。(だいたい、今回、お金払って見てないし)
 もしかして、 ジェット・リーがセラフで出てくれてれば、ちょっと違ったのかしら。
AD

アンブレイカブル

テーマ:

 TVで見ました。『アンブレイカブル』。
 わわわわ、面白いではないの!
 公開の時の低評価も、見れば納得です。この映画、オタクじゃないと本当の面白さは実感できない気がします。
 『シックス・センス』は、ものすごくシナリオがうまかったので、普通に一般の人が面白く見られる作品でした。そういう前提で見に行ったら、そりゃツラいでしょう。例えてみれば、釣りバカを見に行ったのに、スクリーンで上映されたのは『X-MEN』だった……てなもんだもんねえ。


 この映画は、アメコミを、少なくともヒーローものの構造を知らないと楽しめない物語です。
 公開当時の宣伝には、チラリともアメコミに触れたものはなかったような気がしますが……ダメだよ~。アメコミを知らずして、作品の真髄は楽しめないんだから。(細かく知ってる必要はありません。私もそんなに詳しくないし)
 映画会社があさっての方向で宣伝してくれた結果、私は結構まっさらな状態でこの映画を楽しめました。


 そして、ラストで知った、ヒーローの構造についての衝撃の事実。


 まったく、日本じゃウケないだろうなあ、この映画!(笑)
 微笑みながら、心の中では傑作のハンコを押してみました。


 しかし、冒頭のコミック(アメリカ映画なので、この場合、アメコミ)についてのナレーション。
 コレクターは平均して3223冊の本を持っているそうな。アメコミの薄さだから3223冊でもいいんだよね、と、ちょっと遠い目になりました(笑)。

AD

ウィンブルドン

テーマ:

 3月に飛行機の中で見ました。感想が遅刻で申し訳ない。


 実は私、飛行機の中では「可能な限り休む!」を身上としてまして、機内食をぶっ飛ばしても睡眠を心がけております。(たぶん、出張で乗ることも多かったせいでないかと思います)
 今回、1本丸々見たのは、時間帯がデイフライトということもあったわけですが、つまんなかったら音楽でも聴いてるので、映画自体の面白さのせいでもありました。


 主人公のピーター(ポール・ベタニー)は、ウィンブルドンに出場すると1回戦負けという実力のテニスプレーヤー。今回の出場で引退を決意している。
 ところが、優勝候補のリジー(キルスティン・ダンスト)と知り合い、始めて初戦を突破し、さらにはリジーの応援に力づけられて2回戦も突破。事態はピーターの想像を超えて転がり始める……、と、いった感じのストーリー。


 よく考えるとストーリーのポイントポイントはありがち(しかも、少女マンガっぽい展開だ!)なのに、あまりそう感じないのは料理のうまさでしょう。
 なんといっても、主人公のモノローグの多さがいい。ほとんどぼやきまくり、妄想しまくりで、アンタは青年誌の主人公かい、と、ツッコミたくなります。
 そして、ここいらの感覚が妙に日本人にフィットするんですね。
 力技のハリウッドのコメディではなく、あくまで地味にさりげない。島国根性の日本人(私のことさ)としては、しみじみとおかしいのです。たとえていうなら「つまらないものですが」と差し出す感じで押し付けがましさがありません。


 あと、なんといっても、主人公ペーターのスポーツ選手としての立場の微妙さ加減もいいと思います。
 これくらい地味な位置の選手の悲哀というのは、中間管理職の悲哀を思わせて、シニカルに楽しい。同じくらいのランキングの練習友達との会話なんか、楽しくてたまりません。(どこの国でも、スポーツ選手ってゲンをかつぐんですね)
 ヒロインのキルスティン・ダンストも、スパイダーマンを見た時には、「なんて地味なヒロインなんだ」と思いましたが、スポーツ選手となるとしっくり来ます。ハリウッド女優にしては、ややたくましい二の腕は、かなりいいサーブを打ちそうです。


 あとは、やっぱりウィンブルドンが魅力的。
 この映画で、はじめてセンターコートで撮影がOKになったとか。そっくりのセットじゃなくて、そこで、その場所で撮影するって、やっぱり違うと思うんですよ。
 ウィンブルドンの中継で、日に日に少なくなっていくセンターコートの芝を見るだけでも、なんだかドラマチックを感じたりしますものね。

真夜中の弥次さん喜多さん

テーマ:

 見てきました。
 割と人を選ぶ映画だな、と、思いましたが、こんなに客席がざわめく映画は久しぶりでした。好きな人はとことん好き、嫌いな人は絶対受け付けないという映画です。自分のいい加減な体質がありがたいですわ(笑)。


 江戸、とあるボロい長屋。ワイルドで男らしい商家の若旦那、弥次さん。
 そして美貌でヤク中の役者、喜多さん。
 二人はディープに愛し合っている。喜多さんのヤク中を治すため、そしてリヤルを探すため、二人はお伊勢さまを目指して旅に出る。
 東海道を進む2人が出会う人々と事件、そしてリヤル探しの旅の終わりに待ち受けるものとは果たして?


 私は渋谷で見たんですが、帰りにセンター街で売ってたドラッグより、こっち(映画)の方が酩酊感が強いと思いました。(いや、ドラッグ買ったことないけどさ)
 それくらい、ある意味乱暴で、登場人物やエピソードの奔流は暴力的なほど。
 だからこそ、乗れた時の快感が楽しいんじゃないかなあ。
 心底体調が悪かったら見られない映画かもしれない。こういうものを見ていると、自分の中の「心の動体視力」を試されている気がして、「こなくそー。見切ってやる!」となります(笑)。


 でもでも、かわいいんですよ、弥次さんと喜多さん。
 長屋でディープに愛し合う時も「おいら」と「おまえ」のゆかたを来て。弥次さんは喜多さんのヤク中をなんとか治したいと思って必死で、ワイルドでモテモテのくせに喜多さん一途。喜多さんがいないと情けなくベソベソ泣く!(笑)
 劇中キスシーンもあるのに、長瀬も中村七之助もよく出た!よくやった!って感じです。
 特に七之助はホモのヤク中と、以降の役者生活をちょっと心配するようなキャスティングなのに、これが素敵。かわいくカッコよくやってて、この役者さんを見直しました。(私の中では今まで「『ラストサムライ』に出た歌舞伎の人」だった)
 中村勘九郎もぶっとんだ役で出ていて、「このおっさん尖った人だなあ」と、本当に感心しました。歌舞伎の人ってベースがしっかりしているせいか、ある意味前衛的なものに関して一番抵抗がないのかもしれません。


 小池栄子にもびっくりしました。実は、この映画の中で役者として一番見直したのは彼女だったりします。そのうち大化けする予感たっぷりの怪演でした。


 こんなに悪趣味(誉めてる)のに、「リヤル探し」でいきついたところが、「お互いにどれだけ相手を強く思えるか」なところが、一番奇想天外だったかもしれません。
 愛に迷った時にぜひ。



監督・脚本:宮藤官九郎、 原作:しりあがり寿(第5回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞)、、撮影:山中敏康、美術:中澤克巳、音楽:ZAZEN BOYS、衣装:伊賀大介、特撮:柘植靖司
CAST:長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、柄本佑、生瀬勝久、寺島進、竹内力、森下愛子、岩松了、板尾創路、桑幡壱真、大森南朋、おぎやはぎ、皆川猿時、古田新太、山口智充、清水ゆみ、しりあがり寿、松尾スズキ、楳図かずお、中村勘九郎、毒蝮三太夫、研ナオコ、ARATA、麻生久美子、妻夫木聡、荒川良々

阿修羅城の瞳

テーマ:
 映画『阿修羅城の瞳』を見てきました。
 新感線好きの知人から
「今でもトラウマ」
と、いわれたのでどれほどかと覚悟していったのですが、

なかなか「デビルマン」を越える作品にはめぐりあえないものですね。

 いや、それはともかく(笑)、結構よかったです。
 すべては、小日向文世の南北につきる感じ。あの、のほほーんとした顔と口調で、ものを作る人間のゴリゴリの業を演っちゃうところがとってもイイ。もう、キャスティングの勝利ですね。
 この映画の主人公、はっきりいって南北でした。(私には)
 小日向ファンは必見です。

 ところで、世間の評価が低いのは、ストーリーの説明不足なんじゃないかと思います。
 演劇って生身の役者さんが目の前にいるから、ぶっとんだ設定でもスコーンと説得させられちゃうんですが、映画だとなかなかそういかない。「阿修羅城…」の舞台を見て知ってる人はともかく、まったく知らない人が見たらシンドイよなあ、と、思いました。
 普段あまり考えないけど、同じように役者さんが出てお芝居しているのに、舞台と映画って別物なんですね~。

 あ、音楽もよかった!
 映画のサントラなんで10年以上買ってないけど、買おうかな。

 すみません。内容について一切書いてませんでした(笑)。

 ハリウッド超大作が好きな人には全くおすすめしませんが、面白かったです。


 この映画のテーマは記憶。
 つらい恋の記憶を消せたら、と、恋に苦しんだ人が一度は考えることを、実際に病院でできるとしたら。

 恋人とのいさかい。聞きたくないようなひどい言葉。そして、自分がいってしまった暴言も。
 ひとつひとつ消していくうちに、どんどん心の深い階層にやってきます。


 どんな恋にもはじまりはあり、ときめく思いも、きらめく瞬間もあったはず。
 だから、この思い出だけは消さないで。
 切ない主人公の叫びに容赦なく記憶はデリートされていきます。


「もっと深いところに私を隠して」


 記憶の中の恋人が彼にささやき、彼は彼女の手をひいて、どんどん記憶の中を逃げ回る……。


 って、ちょっと説明不足なんだけど、この映画は説明してもあんまり良さがわからないかも。
 わからない人はわからないし、好きな人はとても好きでしょう。
 恋が進化して、だんだん当たり前になって、やがて倦怠が来る切なさを知ってる人にはピンと来るものがあるかもしれません。


 あとは私の勝手な役者感想だと……

 『トゥルーマン・ショー』の時にも思ったけど、ジム・キャリーは切ない演技をさせると天才的にうまいと思う。
 あと、脇で素敵だったのが、イライジャ・ウッド。
 ケイト・ウィンスレット扮するヒロインのパンティーを盗むんだけど、同僚からつっこまれて
「洗濯済みのやつだよ。清潔だ!」
と、自己主張するあたりが、とってもナイスでした。
(映画館中の人が「そういう問題じゃないって!」と、ツッコんだと思われ)
 超大作に出ちゃったけど、案外、こういうエキセントリックなヘタレ男の方がハマるのかもしれないなあ。

エターナル・サンシャイン

テーマ:

 見てきました。

 既に、レイトショーというのでしょうか。昼間はやっていないので、夕方から出動です。


 朝起きてみたら、冷蔵庫に4日前に買ったナムルとヨーグルトしかありませんでした。ヨーグルトの賞味期限はぎりぎりですが大丈夫です。ナムルは微妙です。と、いうよりハッキリとアウトです。
 でも、出かけるのは夕方。
 今、調子が悪くなっても、夕方までに直せばいいか。


 予想通り、おなかの調子は悪くなりましたが、3時頃には復旧。私の勝ちです。(調子が悪くなった時点で、勝ってないぞ>自分)


 いい気になった私は、映画館そばのケンタッキーに入り、鳥を食べました。(←ばか)
 映画を見はじめてから10分くらいたって、みるみる胸焼けがしてきました。心なしか、おなかの痛いのも復活してきました。


 隣のお嬢さんたちはポップコーンをほおばってます。
 いいなあ。
 でも、私が今、欲しいのは、そのポップコーンの大きなカップです。これが飛行機だったら、間違いなく前のポケットからディスポーザルバッグ(通称:ゲロ袋)を取り出していたことでしょう。


 はらはら。映画の終りまで持つかしら。

 ジリジリと汗をかきながら考えます。


 なんだか映画のジム・キャリーがすごいいい男に見えます。
 そうか、これが吊り橋効果ってヤツか。

 そんなわけで、ジム・キャリー再認識、あんどふぉーりんらぶの1作。