かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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◎「オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na」



専門的には

「α-オレフィンスルホン酸塩」

もしくはそれを略して

「AOS」

と呼称される洗剤の一種です。


医薬部外品などでは

「テトラデセンスルホン酸Na」

というふうに表記される場合もあります。




これまであまり表舞台に現れることは少なかった洗剤ですが、


最近になって

シャンプー
ボディソープなどの

ベース洗剤に使用され始めました。



主に

ラウリル硫酸Na
ラウレス硫酸Na

などの刺激性の洗剤の代替用として使用されているようですね。




◎主な構造


これはとても特徴的な点なのですが、


このαオレフィンスルホン酸Naには

主に二種類の構造が考えられます。




↑これが一つ目の構造で、




↑これが二つ目の構造です。



本当はさらに

C(炭素)の数が14個の場合と15個の場合と16個の場合がある

のですが、

今回はC=14個と固定しています。


オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na

とは、

「C=14個~C=16個の混合物」

という意味になっているわけですね!




◎「二重結合(オレフィン構造)」を一個持つ


まずは

一個目の構造をご覧下さい。


構造の途中に「=」みたいなのが入っていますね?


これは有機化学では「二重結合」と呼ぶ構造なのですが、

このような構造を持った炭化水素を、

専門的には「オレフィン」と呼びます。



オレフィンの端っこにスルホン酸がついている。


だからオレフィンスルホン酸というわけですね。





また別称では「テトラデセンスルホン酸Na」と言いますが、


「テトラデセン」というのは↓のように、





(このキザギザの角には全部「C」があると考えてください^^;)



Cが14個の直鎖構造に、二重結合が一個どこかに入っている炭化水素


のことです。


なるほどC=14個に固定すれば、この呼び方も可能ということです。


(ちなみにC=16個の場合は「ヘキサデセンスルホン酸Na」になります)



二重結合の位置は固定ではなく、

上の画像以外の場所に入っているパターンもありますね。


それを考えるともっと多くの構造パターンが考えられます。



◎二重結合が無い場合も


しかし

実はこの「二重結合」というのは少々不安定な構造でして、


しばらく放っておくと紫外線なんかのエネルギーを得て

容易に水と合体(水和)して二重結合を無くす性質があります。


その結果↓のように真っ直ぐの構造にシフトしてしまう場合があるのですね。






つまりオレフィン(C14‐C16)スルホン酸Naは、

・炭素数が14個から16個

・二重結合の位置

・二重結合がある場合と無い場合

という様々な構造の洗剤の混合物であるということになるのです。



なるほど結構複雑な洗剤ということですね(^_^;)




◎洗剤の種類





ご覧のように親水基がマイナスに帯電するので、

アニオン界面活性剤の一種です。


また親水基の構造は「スルホン酸(-SO3)」ですね。


実はラウリルベンゼンスルホン酸Naの親戚です。



◎ラウリルベンゼンスルホン酸Naの改良型洗剤


簡単に言えば


ラウリル硫酸Naに問題があったから

ラウレス硫酸Naを作った…というように、


ラウリルベンゼンスルホン酸Na(LAS)に問題があったから、

このオレフィンスルホン酸Naが作られた
わけですね。



さて、どのような点を改良しているのでしょうか。



◎高級アルコール系…


一応高級アルコールの一種と言えなくもないので、

高級アルコール系といっておきますが、


原料はテトラデセンみたいな炭化水素ですから、

実際にはちょっと違います。


まぁ性質的には他の高級アルコール系とあまり変わりません。




◎高洗浄力・強タンパク変性


洗浄機能としては

LASとほぼ同等程度の洗浄力

を持ちます。


工業的にはスペックが落ちなかったということで

これは大変メリットですが、


生体適合性洗剤という観点で言えば

あまり嬉しいことではありませんね(^_^;)


LASってかなり洗浄力が強いですからね…。



あと、

親水基構造もLASと同様に強電離性の「スルホン酸」なので

ラウリル硫酸Naなんかと比較したらマシですが、


それでもそこそこ強めの刺激が予測されます。
(ラウレス硫酸Naと同じかそれよりちょっと強いくらい)



◎生分解性良好


LASから何が改善されたかというと、

この「生分解性」です。



LASの問題点は

↓のように構造中に「ベンゼン環」(六角形の部分)が入っていたため、



微生物からの分解を受けにくく

その他の合成洗剤と比較すると

生分解性に難点があったという弱点がありました。


そこでオレフィンスルホン酸Naでは

この部分をうまいこと取り去ることに成功したため、


自然界での分解性が格段に向上したということです。



なるほど、環境にはより優しい洗剤になったということでしょうか。




◎洗浄力・刺激などはラウレス硫酸Naと同等程度



確かにそのままのLASと比較すれば

環境適合性ですし改善されたのは間違いありません。


しかしこれはやはり基本は工業用の洗剤であって

人の体や髪を洗う洗剤としては

特に優れたものとは言えない

ものだと思います。



ラウリル硫酸よりはラウレス硫酸、

ラウリルベンゼンスルホン酸よりはオレフィンスルホン酸

なのは確かな話ですが、


「ラウレス硫酸よりオレフィンスルホン酸」


と言い切る根拠はどこにもありません。




個人的には

皮膚上への残留を懸念して分子量を大きくしたラウレス硫酸の方が、

まだ肌や髪を洗浄するのに向いているのでは?


なんていうふうにも思いますね…。



まぁどちらにせよ50歩100歩の差しかないので、

結局あまりオススメの洗剤ではない点では同じですが。





「ラウレスフリー」

とか言ってオレフィンスルホン酸を配合するというのは、

結局全然意味のない話なのですね。





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