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ADHD(注意欠陥多動性障害)

ボーダー息子の育児日記

 

 

 

 

2003年2月7日(金)

 

 

学校から帰宅。

おへそから下 びしょぬれで帰ってきた。

 

 

「どうしてそんなにぬれてるの!?」 

 

と聞いても最初のうちは

 

「なんでか忘れちゃった」 とか 

「わからない」 と言うばかり。

 

 

しばらく追求していたら 

友達数人と通学路ではない場所から帰ってきて

夏休みによくザリガニ釣りをした水たまりがあり

そこでふざけて遊んでいて落ちたらしい。

 

 

ランドセルが浮きになったのか

下の方が濡れていた。

 

この寒空の下 

もっと水深があったらどうなっていたか…

と思ったらゾッとした。

 

 

息子もかなりびっくりしたようだが

事の重大性をわかっておらず

話をすりかえようとしたので

 

「死んでいたかもしれないんだよ!!!」 

 

とかなりきつく叱った。

 

 

後で息子とその現場を見に行ったが

ゴミがたくさん浮いていて

そんなに深そうにはまったく見えなかった。

 

 

水のある所には子供だけでは絶対に近づかないよう

改めて約束した。

 

 

 

2003年2月11日(火)

 

 

近所の幼なじみYちゃん姉妹と

ららぽーとのプレイキングダムに行った。

 

往復の車の中でYちゃんと2人 

後部座席に座り 大喜び。

 

Yちゃんとは一緒にふざけあったり 

いろいろなことを話していたようだ。

 

 

昼間は機嫌が良かったのに 

夜 あまりに妹にちょっかいを出すので叱ったら

自分の部屋に閉じこもってしまった。

 

どうしてそんなに手を出すのか

と抱っこして聞いてみたら

今まで言えなかった心の中にあった不満を吐き出した。

 

 

「ママがきつくしかるのがいやだ。

 

パパは妹ばかりかわいがる。

 

気持ちが100ずつあったら 

ママは50ずつだけど 

パパの100は全部 妹に行ってる。

 

だからオレはママの50しかない。

妹は合わせて150もあって不公平だよー 

 

オレは失敗してばかりだし…

 

パパにもっとかわいがって欲しいんだよぉー!!」

 

と大泣きした。

 

 

今まで頭痛やウンチが出てしまうのを

学校の友達とのトラブルのせいだと思っていたが違った。

 

パパとママの接し方に問題があったとハッキリわかった。

 

 

息子と一緒に 私もしばらく泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

【ADHDを持つ子に効果的な指導法】

 

 

「きびしく叱って鍛え、育てる」

 

この教育法が1番と信じる人は多いでしょう。

 

 

「修行はきびしいもの」に代表されるように

「ほめて育てる」欧米の教育法とは正反対の教育理念です。

 

 

この2つの教育法はどちらも正しいし 

どちらも正しくないと言えます。

 

つまり 教え方は

その子にいちばん適した方法を選ぶことが大切

ということです。


 

そして ADHDを持つ子に関して言えば 

ほめることが人一倍彼らのやる気の元になり

叱ることは自信喪失・希望喪失につながります。

 

なぜなら ADHDの行動の特性により 

多くの子が苦もなく出来ることが

彼らには出来ないからです。

 

 

普段 親(周りの大人)が何気なく言ってしまう 

 

「何でそんなことが出来ないの?」 

「もっとしっかりやれ!」 

「努力が足りない!」 

 

という言葉は

集中力・注意力・衝動性・多動性を

自分でコントロールできないADHDを持つ子達に

劣等感を抱かせ 向上心を低下させ 

教育的効果がほとんど期待できないことを

理解していただけるでしょうか。

 

 

 

【セルフエスティーム(自尊心)を高める】

 


子供を指導する上で重要なことの1つは

セルフエスティーム(自尊心)を高める 

 

つまり

 

自己に対してよいイメージを持ち 

自分が価値ある人間と思え 

向上しようという気持ちを持たせること

 

だと思います。

 

 

自分がダメな人間と思ってしまっては

努力して何かをやる気にはなれません。

 

このセルフエスティームが低いと

厳しい指導は逆効果になり

本人はますます落ち込み

自暴自棄になったり反抗的態度をとるようになります。

 

 

ADHDを持つ子はその障害の本質上

人が簡単に出来ることが出来ないので

セルフエスティーム(自尊心)が低くなりやすいのです。

 

ですから 彼らには特別な心のケアも必要です。


 


【共感すること】

 

 

ADHDを持つ子は 

怠け者とか乱暴者とレッテルを貼られることが多く

なかなか理解が得られません。

 

ほめられる機会が少ないこともあり

ほめ言葉を素直に喜べない子がいます。

 

そんな時は

まず 共感してあげてください。

 

 

共感とは 

相手の気持ちをともに感じること 

相手の感情に焦点をあて 

その感情を表す言葉を口に出すことです。

 

 

問題行動の多いADHDをもつ子を叱る場合は

日常茶飯事でしょう。

 

しかし 叱責する前に

「キミも努力しているのに

   うまくいかなくてイライラするよね」 とか 

「忘れ物がまたあって がっかりね」 と 

一言 共感を示してあげると 

 

彼らは 

「ああぼくのことをわかってくれる人がいる」

と思え 心が穏やかになり

反抗的な態度が不思議とやわらぎ 

素直になれるのです。


 

共感の方式 = 

 

感情の原因 + だから + 感情を表す言葉 + なのね

 

 

例: 

 

やりたいのに 

整理整頓がうまくできないから 

イライラするのね

 

だれもわかってくれないから 

淋しいのね

 

仲間はずれにされたから 

怒っているのね 

 

など 

 

 

これを実践した方は

 

「お母さんが急に優しくなった と子供に言われた。」 

 

「今まで心の中に押し込めていた感情を

 涙ながらに話し出した。」

 

「信頼関係が出来始めた気がする。」

 

「次に言った注意を素直に聞いてくれた。」

 

と共感の効果を肌で体験しています。

 

 

あなたもぜひ試してください。

 

言葉のかけ方ひとつで

ADHDを持つ子をサポートすることが出来ます。

 

 

(注意欠陥/多動性障害を理解するための手引き 

「ボクたちのサポーターになって!1」 より)

 

 

 

 

息子に対する言葉がけを 

私は上記のようには出来ていませんでした。

 

まず「叱って正す」ことに意識がいっていました。

 

 

 

息子が水たまりに落ちた時

 

「そんなにぬれて寒かったでしょう。」 

 

と私が一言 共感していれば

息子はすんなり

状況を説明してくれたのかもしれません。

 

 

それまでの対応で

 

「ママに怒られる!」

 

という思いが息子に染みついていて

本当のことは言わないようにしよう 

としていたのではないかと思います。

 

 

共感なしの叱責に

息子のセルフエスティーム・自尊心が低下していった

のは当然のことです。


 

夫も戦争で徴兵体験のある父親に

自分が厳しく育てられたことから

「男の子は厳しく育てる!」

という方針を曲げずにいました。

 

 

妹には甘く接していた夫。 

 

息子と妹への接し方の差は

私の目から見ても歴然でした。

 

 

 

言葉がけももちろん大切だと思いますが

息子が心情を吐き出すきっかけになったのは

 

抱っこ でした。


 

その時は私ももう余裕がない状態で

息子にどう言葉をかけたらいいのかもわからず

 

”思わず”抱っこしたのですが 

 

息子はそれまでに見せたことがないほど泣きじゃくり

思いを吐き出しました。

 

 

私も子供の前で

親は「泣いてはいけない」 

「しっかりしなくちゃ!」

と思っていたので 泣いたことはなく

息子に泣き顔を見せたのも 

その時が初めてでした。
 

 

 

この時は 

 

「子供にこんな思いをさせてしまった」 

 

「泣くことしか出来ない自分が情けない…」

 

と思うだけでしたが 

息子も私も泣けてよかったんです。

 

 

それまで思いをこらえて

グッと入っていた力がフッと抜けましたから。

 

 

感情を出すこと 大事です。
 

 

なにか言えなくても 

ただ抱きしめる ハグするだけでも

親の気持ちは子供に伝わると思います。

 

(ただ体に触れられるのを嫌がる子もいるので

 底は注意が必要ですが)


 

親も人間。

 

いつも しっかり

ちゃんと出来なくたっていいんですよね。

 

 

弱みを見せるからこそ

信頼感や絆が深まることもあります。

 

 

 

(10)子どもは親の心の鏡

 

 

 

【追記】

 

 

 

(緑)パワーオブフラワーカード 5 Violet スミレ

 

意識変革 相違の尊重 共感   真性

 

男女 雄雌 陰陽 異なる色の2つの木の実

エデンの園を表したカードに描かれているのは相対性

 

相反するものが組み合いながら

新しいものの見方を教えています

 

どちらがいいか悪いか 

正しいか間違っているか

などという二分法ではない

新しい考え方や受け取り方を

あなたは今学んでいるところ

 

「そういう考え方もあるのか!」と共感出来た時

自分と違うものに対して尊重する気持ちが生まれ

ハートはバランスを取り戻し 

本来の自分へ還るでしょう

 

 

 

 

 

 

 

(橙)ソウルメイトカード 13 Unity 統合

 

相違を受け容れ みんなで輝きましょう

 

ダイヤモンドが美しいのは 

色とりどりのまばゆい輝きで光っているから

 

様々な色を統合した美しさと言えるでしょう

 

私は赤だから 赤だけが○

そんな風に自分の持つ正しさだけを掲げていては

心をまばゆいばかりに輝かすことは出来ません

 

自分とは違っても どれもが輝きなのです

他を尊重し受け容れ 楽しく輝き合いましょう

 

 

 

 

 

 

 

(赤)ジプシーカード 43 Sorrow 悲しみ

 

嘆き 失望 心の傷 泣く

 

とても深い悲しみを味わったのですね

 

思い切り泣きたかった

でも 自分を責めて 責めすぎて

泣けなかったのかもしれませんね

 

心はあなたに泣いて欲しいって言ってます

 

1人になる時間も必要です

涙は癒しと元気をもたらしてくれると信じましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

(わ)すれもの してしまうぼくも ひとつのぼく

 




 

(ぬ)くもりがほしいよ ちょっとでいいからハグしてね

 



 

 

 

 

 

 

 

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