日本酒は米と米麹を材料にして、酵母を使って発酵させて作ります。米麹が米のタンパク質をアミノ酸に変えて旨み成分を作り出します。
つまり、日本酒というのは「純米酒」なのです。しかし、巷に出回っている日本酒は「純米酒」ではない物の方が多いのです。
「純米酒」以外には、「本醸造酒」「普通酒(一般清酒)」「合成酒」があります。それぞれの原材料は以下のようになっています(メーカーにより若干の違いはあります)。
ちなみに、「吟醸」や「大吟醸」は、米の精米度合いによるもので、材料として使う米をどれだけ削るのかによって決まります。米は中の方が糖質が多いので、米の中心部の方だけを使うと糖分が多くなり、甘みのある日本酒ができます。
「吟醸」の「純米酒」は「純米吟醸酒」、「大吟醸」の「純米酒」は「純米大吟醸酒」です。「吟醸」の「本醸造酒」は「吟醸酒」、「「大吟醸」の「本醸造酒」は「大吟醸酒」です。
「本醸造酒」は、3割以上精白(精米歩合70%以下)した米を原料にします。醸造用アルコールの添加量が、米1トン当たりアルコール120リットル以内の酒です。
醸造用アルコールを添加するのには、二つの理由があります。一つは、酒質を安定してクリアになることや劣化にくくなること、香りを良くすることです。
もうひとつは、コストを下げて酒を安く作ることです。純米酒のように、醸造用アルコールを添加せず、米を発酵させたアルコールだけしか含まないようにすると、やはり製造コストが高くなります。
アルコールを添加してアルコール度数が高くなると、水を加えてアルコール度数を調整します。水を加えてしまえば、その分旨みは薄くなってしまいます。
「純米酒」と「本醸造酒」は、麹歩合が15%以上でなくてはいけません。
「普通酒」になると、精米歩合や麹歩合といった制限はありません。アルコールを添加すると、当然アルコール度数を調整するために水を加えます。本醸造酒に比べると、添加するアルコールと水は多くなります。その分製造コストは低く抑えることができます。
しかし、日本酒の旨みは、米麹が米のタンパク質を変えて作られますので、米や米麹が少ないと美味しくなりません。そのため、糖類や酸味料などを添加して味を調節します。これを「普通酒」と呼ぶのは何か変ですね。
「合成酒」は、もはや日本酒とは言えないような酒で、日本酒のような風味にしたアルコール飲料です。普通酒よりも更に安く作ることができます。風味付けのために、日本酒の成分を入れることもあります。日本酒は米が原料なのに、米を全く使わずに作られた「合成酒」は、「人工日本酒」と言った方がいいかもしれません。
「普通酒」や「合成酒」は、戦中や戦後に米が不足していた頃に、仕方なく作られたものでした。その後、米不足でなくなったにもかかわらず、安く作ることができるので、現在でも存在しています。
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