山崎製パンは、パン業界では売上ナンバーワンの企業です。売上高が2位のフジパングループ本社の2倍以上であり、他の追随を許さない圧倒的な存在であるといえます。スーパーなどでも、山崎製パンのコーナーが別途設けられていることもあるのを見たことがある人がいるかと思います。

 

パン業界売上高ランキング
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同社のパンは、しっとりとしてソフトな口当たりのものやフンワリとした食感を特徴にしているものがあり人気があるようです。そのようなパンを製造するために、山崎製パンは臭素酸カリウムという添加物を使用しています。

 

臭素酸カリウムとは、パン生地の発酵を改善するための添加物です。発癌性が認められたことにより、厚生労働省が使用自粛を要請したために、各企業が使用を自粛していました。臭素酸カリウムを加熱によって分解し、高感度な分析法でも検出しないという結果が示されたことなどから、パンに残存していないことを条件に使用が認められています。現在国内では、山崎製パンだけが臭素酸カリウムの使用をしています。

 

しかし、EU、カナダ、中国では使用が禁止されており、アメリカでは州によって使用禁止になっていて、使用を禁止していない州ではパッケージに使用したことを表示させることになっています。FAO/WHOの合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は、現在「臭素酸カリウムの小麦粉処理剤としての使用は容認できない」と結論しています。日本でも、食パン以外の食品には使用が禁止されています。食パンに関しては、残存が検出されないのであれば認めることになっています。

 

残存が検出されなければ臭素酸カリウムの使用を認めるとしていますが、厚生労働省は細かくチェックをしているわけではなく、山崎製パンが測定しています。臭素酸カリウムは、パンを焼くときに分解されるということですが、製造工程で何かしらの不備があれば、焼き上がったパンに残存する可能性は否定できません。つまり、残存するかどうかは、山崎製パン側に全て委ねられているということです。厚生労働省は、消費者の安全を守るというよりは、自らに責任が降りかからないように自分たちを守ることを優先しているように感じます。

 

一方で、高感度な分析法ではパン1kgに臭素酸カリウム0.5μgが残存しているのかを検出できるようです。これで検出されなければ、健康への影響はないという意見もあります。しっかりコントロールされた製造工程で作成され、精度の高い分析法によって検出が確認できなければ、安全と言えるかもしれません。

 

山崎製パンの臭素酸カリウムに関しては、本当に健康への影響があるのかどうかは、はっきりとは分かりません。私個人としては、積極的に臭素酸カリウムを使用しているパンを食べたいとは思いません。絶対に食べないということではなく、どうしても食べたいときや他に食べるものがないときは食べますが、普段は出来る限り避けるようにしています。




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