日本人の家庭で醤油を置いていないところはほとんどないと思います。しかし、実際には醤油ではなく「醤油風調味料」を置いていることが少なくないようです。

 

「醤油風調味料」とは、本物の醤油とは異なる製造方法で作られた醤油の代替品です。スーパーなどで安く売られているものは、醤油ではなくほとんどが「醤油風調味料」です。

 

醤油の原料は、大豆、小麦、塩、麹です。麹から作られた酵素が、大豆や小麦のタンパク質をアミノ酸に変え、デンプンを糖分に変え、醤油の旨みとなります。醤油の色は、アミノ酸が糖の一部と結びついたときに出る色です。糖分ができたりアミノ酸ができる過程ではアルコールが出来て、そのアルコールは醤油の保存性を高めます。一般の醤油には1.54%のアルコールが含まれています。

 

このように、醤油は全てを麹によって作られるもので、手間も時間も必要で、出来上がるまで一年以上かかります。

 

「醤油風調味料」は、より早く低コストで作ることができます。醤油の旨みであるアミノ酸を時間をかけずに作るために、タンパク質を塩酸で分解します。また、原料となる大豆も普通のものではなく、油を絞ったあとの脱脂加工大豆を使いコストを抑えます。

 

こうやって作ったものだと、醤油のような味も香りもしません。そのままでは売れませんので、添加物を使って醤油らしくするための工夫をしています。

 

まず、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)によって旨みを加え、甘味料で甘みを、酸味料で酸味を出しています。色はカラメル色素で着色し、香りを付けるために本物の醤油を少量入れます。日持ちさせるために保存料も加えます。

 

こうした努力によって、「醤油風調味料」は1カ月もかからずに作ることができます。しかし、本物の醤油と比べると複雑な旨みはなく、煮たり焼いたりして火を加えると本物の醤油との差は更に際立つようになります。

 

本物の醤油と「醤油風調味料」を見分ける方法があります。「丸大豆醤油」と書かれて売られているものは本物の醤油です。「醤油風調味料」は「丸大豆醤油」と称して販売することはできません。

 

但し、少しでも「醤油風調味料」のイメージを良くするために”本醸造”と表記したり、”有機”という言葉を使ったりしています。

 

原材料欄を見ると「醤油風調味料」は「丸大豆醤油」に比べて、非常に多くの添加物を使っていることが分かります。「丸大豆醤油」の原材料は、大豆・小麦・塩です。

 

それに対して「醤油風調味料」は、大豆・小麦・塩の他に、アミノ酸液ブドウ糖果糖液糖グルタミン酸ナトリウムカラメル色素ステビアなどの甘味料アルコールなど多くの添加物が使われています。大豆ではなく脱脂加工大豆だけを使用しているものも少なくないです。

 

また、「丸大豆醤油」でも、保存性や香り付けのために原材料としてアルコール添加していることがあります。これは、発酵過程でのアルコールの不足を補うために、アルコールを混ぜているということです。塩分が少ない醤油は、保存性が低くなるのでアルコールを添加することが多いようです。

 

醤油は、空気に触れると酸化して劣化していきます。夏場など温度が高い季節には、未開栓であっても冷蔵庫などで保存した方がいいようです。また、開栓していない状態であれば、ペット容器よりもガラス瓶入りの醤油の方が、酸化を防ぐことができるようです。


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