中国の食肉加工会社「上海福喜食品」が使用期限切れの鶏肉を使用していたことが発覚し、日本にもマクドナルドとファミリーマートが同社の鶏肉を輸入していたことから、関連の商品の販売が中止になっています。

 

上海福喜食品では、床に落ちた肉を調理鍋に入れたり、使用期限が半月過ぎた鶏肉や青カビが生えた牛肉を日常的に使っていたりするなど、ずさんな衛生管理の実態が明らかになりました。

 

同社以外にも、これまで日本へ輸入される際に摘発された中国食品には、大腸菌まみれの蒸し鶏、漂白剤が残存するキクラゲ、ヒ素検出の清涼飲料水など、非常に危険なものもあったようです。

 

中国からの輸入食品にこのような問題が起きているのは、生産業者の衛生観念や規範意識の低さ、安全性よりも利益を優先させること、業者間の競争が激化していることが要因だと考えられています。


 

中国産の食品の安全性を見るために、日本に輸入する際に食品衛生法違反となった件数を調べてみました。下の表は、輸入届出件数が10万件以上の国の届出・検査・違反数量と違反率です(全体はこれらの国以外も含めた総輸入量)。

 

生産・製造国別の届出・検査・違反状況(H24年度)
生産・製造国別の届出・検査・違反状況
資料出所:厚生労働省「平成24年度輸入食品監視統計」

注)違反率は、検査数量に対する違反数量の割合。

 

違反件数は予想通り中国がトップとなっています。しかし、違反件数が多くなっているのは、輸入件数が多いからです。実は、違反率でみると、全体よりも低くなっています。一方で、日本への輸入が最も多いアメリカは、重量ベースでの違反は最も多く、違反率は件数・重量ともに他国よりも高くなっています。この表から分かるように、実はアメリカ産にも注意が必要ということです。

 

検査については、輸入した食品に対して全て行っているのではなく、サンプリング(約10%)して検査をしていますので、違反が見つからずに国内に出回っているケースも十分考えられます。

 

また、床に落ちた食品をそのまま加工したり、使用期限が過ぎていたりしても、検査に引っ掛からないことも考えられます。衛生上や品質上に問題があっても、食品衛生法の基準を満たしていれば検査を通過してしまうからです。

 

日本では報道されていませんが、中国では食品事故で死亡することは、そんなに珍しいことではないようです。アメリカ産の肉や乳製品についても、成長ホルモンであるエストロゲンが多く含まれ、発癌のリスクが高まり、子供の異常な発育が起こるなどの影響があります。

 

やはり安いのにはそれなりの理由があるので、単に安いからといって選んでしまうと、後で取り返しのつかないことになるかもしれません。小売店では素材の産地が表示されていることが多いので、産地を見て判断することができますが、問題は外食や惣菜などです。自分の身を守るためには、産地が分からない外食や惣菜を避けることも必要かもしれません。


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