『バウの修理(その116 ステム裏層の表側の補強、後編。』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12151996376.html からの続き。。。
2014年6月から始めたバウのレストア修理作業。。。
早いものでもう2年も経とうとしています。。。
今まで色々な失敗をしてきました。。。
エポキシの主材と主材を混ぜて『固まらないよ~』と嘆いたり、、、
(『バウの修理(その6 ”まぬけ”な失敗。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11883687346.html
)
『スプリングバック』という積層のトラブルを経験したり、、、
(『バウの修理(その11 補強板の積層。失敗は成功の基!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11890252672.html 、『バウの修理(その12 補強板の反転。超簡易モールドその2)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11891893599.html 、
『バウの修理(その86 アンカーウェルハッチの受けの部分の成型開始。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12045506383.html )
積層途中でエポキシのゲル化が始まり大急ぎで最後の層のガラス繊維を剥ぎ取ったり、、、
(『バウの修理(その15 補強板の裏の積層。失敗は最小限に!!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11894865104.html )
アンカーウェルの底板のコアの接着途中で『マイクロバルーンエポキシパテが少なかったかも』と焦ったり、転圧のための錘を忘れて焦ったり、、、
(『バウの修理(その24 アンカーウェルの底板のサンドイッチコアの接着。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11929806168.html )
補強板をデッキ裏に接着するために作ったマイクロバルーンエポキシパテの粘度が低すぎてチョコレートファウンテンの中に居るみたいになっちゃったり、、、
(『バウの修理(その30 補強板の接着。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11930775534.html )
細長い繊維を準備して伸びるわ上向きで積層しにくいわでイライラしたり、、、
(『バウの修理(その33 補強板とハルのオーバーレイ積層 前編。失敗は成功の基!!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11932170742.html )
2度に渡ってコアの接着に失敗したり、、、
(『バウの修理(その68 外板コアの接着、、、失敗編。。。orz。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12033914177.html 、『バウの修理(その70 ・ ・ ・ グレてやる。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12035135555.html )
雨養生が甘くバルサコアを濡らしてしまったり、、、
(『バウの修理(その76 オリジナルデッキの裏層の再建のための下準備)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12038598423.html )
気温が上昇する前に積層して風船のような気泡を作ってしまったり、、、
(『バウの修理(その82 デッキの表層の復活!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12043565767.html 、『バウの修理(その84 外板の表層積層。)』http://secret.ameba.jp/oceansailor/amemberentry-12044706928.html 、『バウの修理(その87 追加の1層。)』http://secret.ameba.jp/oceansailor/amemberentry-12059684232.html )
気温が高いのに多くのエポキシを作って途中でゲル化して残りの積層が後回しになったり、、、
(『バウの修理(その88 金具取り付け部の補強積層。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12059836130.html 、『バウの修理(その49 クラッシュバルクヘッドの固定の続き。。。後編。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11949962616.html )
気温が低くエポキシの硬化速度が遅く上向きの積層なのにゲル化が始まる前に脱泡を終え『樹脂枯れ』という積層のトラブルを起こしたり、、、
(『バウの修理(その95 ステム裏層の積層。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12109793256.html )
他にもゴミ袋が風で飛んで海に落ちたのを回収したり、、、作業用のボロ靴に履き替えクロックスを炎天下の下に置いておいたらクロックスがムンクの叫びのように縮んでしまったり、、、コアの接着で少し隙間ができてしまって補修したり、、、回転しているグラインダーを足の上に落として怪我しかけたり、、、パールレースに行ってしまったり、、、強引な修理を2艇も引き受けてしまったり、、、
まあ、今では笑える失敗や今でもムカつく失敗
も多くありました。。。
それでも今までの失敗は小さなものや勉強になるもの、まあ、作業が遅れる程度のこと、、、だけど今回の失敗は、、、
エポキシの主材と硬化剤の分量を間違えて混合して積層して固まってしまった〰
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
(x_x;)
2016年4月19日、火曜日。
いつものように積層が終わって家に帰ってスマホで撮った写真をPCに写して選別して加工して、ブログに貼りつけて、メモを書いている最中に、、、
『鳩みたいな形のガラス繊維が430g、、、430g、、、430g、、、よんひゃくさんじゅうぐらむ』
と確認している最中に気が付いた。。。
『よんひゃくさんじゅうぐらむ』
エポキシをガラス繊維の重量比率は1:1
ローラーや刷毛に付着して残る誤差を考えて、、、『450g』エポキシ樹脂を用意した、、、
450g、、、450g、、、450g、、、よんひゃくごじゅうぐらむ
エポキシとガラス繊維の重量比率は1:1、、、
なので、、、
ガラス繊維430gに対して誤差のゆとりを持って450gのエポキシを用意して完璧なはずだった、、、
このブログは備忘録がメイン、、、時々、ブログ内にも記載していること、、、それでも『備忘録やな~、誰もあんな内容見てへんで~。』なんて言われる時がある。。。別に見てくれんでいいわい!『備忘録』やねんから
で、ほぼ100%自分では見直してまで計算しないと思うけど、積層するときはガラス繊維の重量を量っている写真をアップして今までどれだけのガラス繊維を使ったかがわかるようにしている。。。
ガラス繊維とエポキシ樹脂の重量比が1:1なので知ろうと思えばすべてのガラスの重量を計算し倍にすればオリジナルよりどれだけ重たくなったかがアバウトながらわかるようにしてある。。。
当然、撤去した積層部分やコアの重量も量って記録している。。。
しかし、この日は何故か計算を間違えた、、、
ガラス繊維が430gなんだからエポキシが450g用意出来れば理想的、、、
そこで僕が用意したのは、、、
300gの主材と150gの硬化剤で合計450gのエポキシ樹脂、、、
300:150、、、300:150、、、300:150、、、さんびゃくたいひゃくごじゅう
ってこれって2:1じゃん
今、僕が使っているエポキシはHT9000、、、
以前のHT9000は4:1、、、
現在のHT9000は、、、3:1
ガーン
主材300なら硬化剤は100じゃん
硬化剤150なら主材450じゃん
ガラス繊維が430gなら3:1でエポキシを作るなら330:110じゃん
以前に何度か450:150で600のエポキシを作っていたのでその450という数値が頭の中で独り歩きしたみたい。。。
ベース部分の最後の2層を積層するときに気温的に400以上作るなら2回に分けようと決めていたのにそれすら忘れていた。。。
気が付いてからはずっとネットで硬化剤を入れすぎたエポキシがどうなるのかを調べるも、、、
『強度がでない』『硬化不良』というような言葉しか出てこない、、、
失敗したらどのようにして対処するのかなどの情報も皆無。。。
『強度がでなく、硬化不良ならスクレパーで簡単に取れないかな~?』なんて考えたり、、、
僕が信頼する修理屋さんの話では、
『硬化後のエポキシの表面のべたつきは余った硬化剤が浮き出てきているから。』
という言葉を思い出し、もしかしたら多く入れすぎた硬化剤はすべてピールプライの上に浮かび上がっているかもなんて考えたり。。。
『中途半端に固まって削り落とさないといけなかったらどうしよー』と考えたり、、、
頭の中はいっぱいいっぱい
2016年4月20日、水曜日。
本当はこの日は昼から神戸大学のヤマハ26Cのトイレの取り付けのお手伝いに行くはずだったけど、水谷の段取り不足のせいで延期。。。
普段なら軽く助け舟を出せたような段取りだったけど、もう自艇の事で頭がいっぱい
冷たく『延期!』と言ってしまった。。。水谷ごめんm(_ _ )m
しかし、間違えたことに酷く落ち込んでいる僕は、同じくやり直しで落ち込んでいるであろうI君のところへ行って、I君のやり直しを手伝いながら気分転換。。。
I君に
『俺、間違えて、今、自艇に行きたくないねん。。。』
と愚痴ると、、、
I君が
『〇〇さんでもそんな失敗するんですね。』
だって、、、
ずっと言ってるじゃん!僕はプロでも何でもなくただ学生よりはヨットの構造に詳しくエポキシ樹脂で修理するならある程度できるだけで、責任は持てないからアドバイスはするけどボランティアでお金は取らないって!
上記のようにいろんな失敗してまっせ〰
失敗から学ぶことも多いよ~
なので失敗は隠しませんよ~みんなで共有しましょ~
しかし、今回の凡ミスは、、、
重い腰をあげてハーバーへ着いたのは20:30。。。
まあ、たぶん人が少ないかなと思って、、、
もし、削り取ることになったら長時間発電機を使わないといけないので、、、人が居ると迷惑になるだろうから。。。
ピールプライを剥がすだけで問題がなければいいんだけど〰。。。
ピールプライを剥がす前に全体を見ると、、、全体的に白い、、、
特にピールプライから押し出されて余った部分のエポキシがいつもより真っ白、、、
いつもならガラス繊維とエポキシが完全に一体化してほぼ透明になり透けているはずなのに、、、繊維の形が分かる、、、
完全にいつもとは違う、、、兎に角、失敗。。。
さらに問題は、、、失敗したのに硬い、、、粘土みたいにスクレパーで簡単に剥がせるのを期待したのに。。。
すべてをサンディングするのはしんどそうなので、、、ノミとハンマーを使って層ごとに剥がしていくことに、、、
カンカンカンっ
ほ、本当に剥がさないとダメなのかな~
最後に積層したのはダブルバイアスのEグラスが3枚、、、つまり6方向への繊維、、、織られた繊維ではないのでダブルバイアスの一方向の繊維ずつなら幅5~15mmずつ程度ならきっかけさえ出来れば何とか引き剥がせる、、、ただそのきっかけを作るにはノミのクウォリティーが、、、砥石がない、、、
1方向ずつでも何度も途中で切れる、、、というか折れる、、、
ノミのクウォリティーが悪く繊維間に上手く刃先を入れれずだんだんとガタガタになってきた、、、
何とかデッキ面は6層をほぼ確認できたものの、ハルサイドは、、、
ハルサイドはもうノミが入らない、、、
ということでグラインダーに40番のディスクを付けて、、、
ウィーン。。。
丁寧に削っていくとダブルバイアス1層分くらいで綺麗な面が、、、
ひょっとして3層すべて削り取らなくてもいいんじゃないだろうか?という気になってくる。。。
信頼できる修理屋さんによると余った硬化剤は浮き出てくるということなので、きっちりと主材と硬化剤が結合した初めの2層くらいは問題がないのかも知れない。。。
しかもここは積層とは言ってもオリジナルの裏表の積層の間の単板にするためのコア部分、、、ハードスポットにならないように段階的に積層しているだけ、、、これだけ硬くしっかりと接着されているならもういいような気がする。。。
船首尾線に対して、斜め斜めの一番上の層はほぼ削れ、その次の前後左右の層もほぼ削れ、、、その次の斜め斜めの層もほぼ削れ、その次の前後左右の層もほぼ出てきた。。。
しかし、ノミと金槌で撤去し始め、グラインダーでサンディングをしてほぼ4時間半、バウハウスの中で立ちっぱなしで作業しっぱなし、、、ライトはヘッドライト、、、今一よく見えないし集中力も体力もなくなってきたのでざっくりと足場の上に落ちた粉塵だけを掃除機で吸ってから撤収〰。。。
2016年4月21日、木曜日。
失敗&削らないといけないという精神的ショックで引きこもり。。。
2016年4月22日、金曜日。
艇に穴開けて沈めたい衝動に駆られていたので気分転換にサンディングに行かずコアの段取り。。。
2016年4月23日、土曜日。
雨予報だったので何もせずにパートナーと艇でのんびり。。。
2016年4月24日、日曜日。
何とか気分転換できたので作業再開。。。
まずは引き剥がした積層の片付けから。。。
引き剥がした積層が片付いたら掃除機で掃除。。。
前回、積層を引き剥がしてサンディングした分だけでもそれなりにきれいになっているみたい。。。
デッキ面はノミと金槌で順番にかなり剥がせたからほぼ完璧。。。
問題はサイド、、、かなり凸凹しているけど船首尾線に対して45度の斜め斜めと船首尾線に対して前後左右に準備してきたガラス繊維は尖がりバウに合わせてサイドに巻きこむように積層しているのでサイド部分は斜め斜めや前後左右ではなくてちょっと複雑、、、オマケに順番に大きく積層したベース積層もあるし。。。
なのでどこがどれだけ高くなっているか分かりやすくするためにもう一度マーキング。。。
マーキングをすると一目瞭然。
完全に立ち直っていないので後はパートナーとのんびりと。。。
2016年4月25日、月曜日。
先日、片付けてマーキングして少し手直しの先が見えたので気分スッキリ
知識として硬化剤を入れすぎたらどうなるかがはっきりと分かっているわけではなく、入れすぎも入れすぎ、HT9000は少しの誤差は問題ないみたいだけど、3:1を2:1にしたのはどう考えても誤差ではなく失敗なのですべて撤去してしまいました~
失敗がはっきりと分かったのは全体がいつもより白くなっていたから、、、冷静になった今、もう一度原因を考えると、、、
『エポキシは水と反応すると白濁する。』
『エポキシの硬化剤は親水性である。』
『硬化後の表面のベタ付きは結合しなかった硬化剤が浮きで手いる。』
この3つを総合すると、、、白くなっていたのは、、、
『分量を間違えて硬化剤を多く入れすぎ、硬化せずに余ってしまった硬化剤が表面に出てきていたがピールプライの表層だけではなく、ガラス繊維の上のほうにまで硬化不良部分(余った硬化剤)が層になってあり、親水性の硬化剤が明け方の高湿度のせいで白濁したもの。』という風に自分では理解したつもり。。。
まあ、測定機器などを使って見極めたわけではないので信憑性には欠けるけど、、、
でも、結合せずに余ってしまった硬化剤の部分は当然強度があるわけがなく、、、『硬化不良』ということになる。。。
でも、全体的には固くなって、普段はただのベタ付きで感覚で分からないくらいの薄い層の硬化不良になっているので、その硬化不良分を普段はピールプライで剥がしているだけなんだろう。。。
今回も触った程度ではわからないくらい固くなっていたし、ノミを当てても感覚的には分からなかった。。。
今でも思う、、、
本当に剥がさないとダメだったのかな~
んっ?
じゃあ、主材に対して硬化剤が必要量の半分しかあ入れなかったらどうなるのかな???
余裕が出来たら実験してみよ。。。
とりあえず、、、3層+αを撤去したので4層積層しよ。。。
『バウの修理(その118 ステム裏層の表側の補強 終了編)』へ続けばいいな~。。。