バウの修理(その11 補強板の積層。失敗は成功の基!) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

『バウの修理(その10 アンカーウェルのハッチの”受け”の雄型と補強板の一体化)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11888514660.html からの続き。。。


2014年6月25日、水曜日。


積層準備のためにダブルバイアスのEグラスとピールプライを切っておく。。。

ダブルバイアスのEグラスは去年の12月に購入したもの。

ピールプライは今年の3月に購入したもの。


お世話になっている業者さんに造船所に見積もりをもらって、お金を貯めて貯まってから発注しておいたもの。。。

予算的に厳しいけど、単価が安くなるロールで購入しておいた。。。将来的な改造などを考えるとたぶん必要になってくるので。。。


そもそも必要量すべてを把握して割り付けを考えてなんてやっていたら永遠に作業が終わらないと思うし。。。


しかし、一度に購入するのはしんどい。。。お金があれば使ってしまうし。。。(・・。)ゞ


なので、徐々に買い揃えておきました。。。


ちなみに、


ダブルバイアスのEグラスは国産品で、『SHINDO』http://www.shindo.com/jp/ の『IMカンパニー』http://www.shindo.com/jp/products_technology/im.php というところで作られたものもようです。


商品名は『DB600-127』というもので、幅は1270mmで1ロール60m、重量45kg。

僕が購入したときは1ロール75000円なり~。。。

で、『600g/㎡のダブルバイアスのEグラスを手配してください。』と頼んでおいたので、たぶんこの”600”という数字は1㎡辺りのガラス繊維の重量を表していると思います。


なぜ600かというと造船所のアドバイスでデッキの修理には1200g/㎡のダブルバイアスのEグラスを使うことということだったのですが、1200g/㎡のダブルバイアスのEグラスが見つからない。。。

で、さらに詳しく聞くと、1200g/㎡とは600g/㎡であれば2枚重ね、400g/㎡であれば3枚重ねにすればいいとのことでした。


この1ロール45kgのEグラスを運ぶのが一苦労。。。実は倉庫は2階建てのプレハブ。。。使えるのは不便な2階部分。。。

この45kgのロールを揚げなければいけない。。。

大分腰はマシになっているけど超怖い!!

でも、体の前で持つのは不可能だけど、やっと体の横でなら重たい物も大丈夫になってきた。。。

だけど、こいつは流石に足にきた。。。持つところもないし。。。ロープでも掛けたらよかったかな?

ということで、こいつを揚げた日は他のことは何にもできずでした。。。



ピールプライはアメリカからの輸入品らしいです。

『AIRTECH』という会社の商品らしい。

商品名は『BLEEDER-LEASE-B-60』で、幅は1524mmで1ロール100ヤード(91.44m)。

プリプレグやインフュージョン工法など色々なレジン(樹脂)システムに使えるとメーカーのホームページ?に載っている。。。ポリエステルやゲルコートのパラフィンの除去にも使えるかな???

これのほうがダブルバイアスのEグラスより高く1ロール98000円。。。(/TДT)/


ピールプライにも色々な種類があってもっと高級品もあるそうです。。。違いは判らん。。。


なので、今年はレストアの時間も必要だし、お金もないのでレース参加を少なくしたのでした。。。

なので僕がレースに出ないからってあまり誘わないでよ~。。。断るのも辛いんだよ!!



とにかく、補強板を艇へ持って行って一体化させる前に型紙代わりにダブルバイアスのEグラスの上に並べて、


下敷き替わりの合板と、定規替わりの合板を使って三角形にカッターナイフでカット!!


ついでおも、、、強く新しくなるクラッシュバルクヘッドの分も切り出しておく。。。



2014年6月27日、金曜日。


ハーバーに行く前にピールプライも切り出しておく。。。


補強板用。。。


クラッシュバルクヘッド用。。。



2014年7月2日、水曜日。


『バウの修理(その10 その10 アンカーウェルのハッチの”受け”の雄型と補強板の一体化)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11888514660.html で思いついたアイデアで追加で購入してきたものとはこちら↓。


補強版やアンカーウェルのハッチの”受け”を丁寧にアセトンで拭いてから、この梱包用透明テープをアンカーウェルのハッチの”受け”の部分の雄型に貼りつける。


テープを貼っている最中に神戸大学のU君とA君が見学のために来艇。


その場で見ている人には最低限の説明でいいので手を動かしながら説明ができる。


見もしないでさらに将来的な質問はしないでください!!

理解をしてもらうために頭を使う時間がありません!!!

見学はOKです。でもその場でやっている作業の説明をその場その瞬間でしかしません。

僕の”時間”に入って来てください。

あなたの”時間”に巻き込まないで!!


梱包用透明テープの上に両面テープを貼って、その両面テープでピールプライを貼りつける。。。


切り出してきたダブルバイアスのEグラスの重量を量る。


約750g。。。これが表に2枚、裏に3枚の合計5枚。。。3750g。。。

確か補強板の重量は6560g。。。

当然、積層には樹脂が必要。。。このエポキシ樹脂の必要量を把握するために量ったんだけど。。。


エポキシ樹脂の必要量は基本的にEグラスの重量と1:1.。。

つまり、補強板6560g+Eグラス3750g+エポキシ樹脂3750g=14060g・・・


バウめっちゃおもた、、、いや~強く丈夫になりそうですね!!!


実際には積層した後に不要部分を切り落としたりするので14kg以下には収まるかな???


この重量は純粋に現状に追加される重量ということに。。。まあ、あえて言うならこの重量マイナス旧アンカーウェルのハッチの”受け”に使われていた合板分なんですけどね。。。


我が艇はクルージングボート?なのでこの程度の重量増加は問題なし!!


とりあえず補強板とアンカーウェルのハッチの”受け”の雄型にダブルバイアスのEグラスが馴染むかどうか置いてみる。。。

何となく馴染みそう。。。


余分な部分を適当にカット。。。


は、鋏が切れない。。。刃がボロボロ。。。切れない鋏で強引に切るとガラスの細かい切屑が多くなる。。。


しかも、ゴム手袋をするのを忘れた。。。

手にガラスの切屑が付いてチクチク。。。(>_<)


ピールプライも広げてみると、あっ!間違えてクラッシュバルクヘッドのために切り出した分を持ってきてしまった。。。Y(>_<、)Y


取りに帰るような時間はないので適当にカットして継ぎ接ぎ状態で合わせる。。。面積分はあってよかった~!!


念のためにもう一枚も量ると、まあ、大体同じ。OK!



ここからは写真はなし、、、と思っていたらU君が撮ってくれた。

о(ж>▽<)y ☆



Eグラスとエポキシは基本重量比で1:1だけど、1層目分だけは心材に吸い込まれる分をみてエポキシを1.5倍用意しておいたほうがいいそうだ。


で、エポキシの重量を量ってみると大体水と同じ比重かな?


なので1層目分は750g×1.5で1125gのエポキシが必要。


2層目分は750gのエポキシが必要。


ということで合計1875gのエポキシが必要ということに。。。



とりあえず、作業途中で硬化したら嫌なので一度にすべては混ぜず、計量カップを使って300mlの主材と100mlの硬化剤を5セット用意して、1セットずつ混ぜて、なくなればまたすぐに混ぜて使えるように段取りしておく。。。


硬化剤はすごい嫌な臭いなので、バウハッチへ向けて扇風機をセットして換気。

発がん性物質も含まれているというし。。。


で、1セット目が混ぜれたら、トレーにエポキシを移して、ローラーで全体にエポキシを塗って、その上に1層目のダブルバイアスのEグラスをゴム手袋をした手で押しつけるように貼りつけて、さらにエポキシをローラーで塗っていく。。。


1層目が終わったら2層目を同じ要領で上に貼りつけて、さらにエポキシをローラーで塗り伸ばしていく。。。

Eグラスにエポキシがすべて行き渡ったら白い部分がほぼなくなって、補強板が見える。。。


空気が入っていると白くなっているので、その部分はエポキシを増したり、刷毛やローラーやヘラで空気を追い出す。。。


エポキシはポリエステル樹脂より良く含浸するので脱泡作業は簡単。


とにかく、スピード勝負!!


エポキシが乾いて(固まって)しまう前にピールプライも貼りつける。。。


が、やはり問題が発生!!!


適当に段取りしたEグラスだったのでアンカーウェルのハッチの”受け”の部分には上手く馴染んでくれない。。。(><;)


なので、サランラップをこの部分だけ貼りつけて、ちょっと固めの刷毛で叩いて押し付けて中の空気を追い出す。。。

馴染まないのはガラス繊維が曲げられても伸びようとするから。。。


この伸びを抑えるには、形に合うように丁寧に切れ込みを入れるほうがやはりいいようだ。。。


でも、切込みを入れると別の小さなEグラスでその部分を補強しないといけないので、ちょっと手を抜いてしまった。。。(・・。)ゞ


たぶん切込みを入れて貼り合わせるより一体のほうが強いと思っていたし。。。

でも、綺麗な形にならないほうが問題だな。。。


そもそも前回使ったEグラスは400g/㎡でもっと馴染みがよく、しかもこんなに複雑な形状の部分に積層はしていない。。。


ということで複雑な形のFRP造形初体験!!


このサランラップも何年か前にホームページで観た記憶がある程度のテクニック。。。

内容は、

『浮き上がりを止めるためには空気が入らないようにサランラップなどで表面を覆うとよい。』という内容だったと思う。。。


さあ、成功するだろうか???

焦って最後手袋をするのを忘れたので手はベタベタ。。。


靴の裏もベタベタ~。。。


エポキシは固まる前はアセトンで拭き取れるので、手はアセトンでゴシゴシ。。。


靴はバウの修理が完了してから捨てることにして、この一連の作業の専用靴に。。。まあ、もういいだろうというくらい履いている靴なので。。。


ついでにズボンもベタベタ、Tシャツもチクチクなのでそのままゴミ袋へ。。。こちらももういいだろうというくらい着古して最後はペンキ塗り用になって、今回のFRP用に取っておいたやつだから。。。


僕の服や靴は、『普段着→ヨット着→ヨット作業着→一人の時用作業着→ペンキ塗り用作業着→FRP用作業着→破棄』というサイクルで回っているので、エポキシが付こうがガラスが刺さろうがお構いなし!でも、この場所で作業しているとすぐに今あるFRP用作業着がなくなって、ペンキ塗り用や一人の時用の作業着も使わないといけなくなりそう。。。


結局、段取りが悪く、20時頃に来たU君とA君はここまで頑張って見学して、帰ったのは午前様でした。。。


二人には『あれ取って、それ取って。』と見学だけではなくて助手も務めてもらいました。


だって、狭いバウで男3人、しかもA君のお腹がすれ違うのに邪魔なんだもん!!(#`ε´#)


ということで、良く考えたら、動いてもらえばいいんだということで途中からちょこちょこと助手になってもらいました。


A君U君ありがとう!!話も楽しかったよ!!


が、僕の腰的には自分で動いて時々腰を伸ばすほうがよかったかも、、、痛たたたた~。。。(x_x;)



A君とU君が帰ろうとした時にちょうど雨が降り始めました。。。


しかし、ずっと確認していたけど、天気予報の湿度予報からさらに20%くらい低い湿度が家の湿度。そして家の湿度からさらに20%低いのがキャビン内の湿度。


しかも通り雨程度ならほとんど湿度の変化もなし。。。


なので、天気予報で湿度70%台なら問題なくエポキシの作業はできそうです。


結局僕はすべて片付けて家に帰りついたのは2時過ぎでした。。。


失敗は成功の基というし、次の積層はもっとEグラスを馴染ませるように切込みを入れたりしっかりと段取りするぞ!!



『バウの修理(その12 補強板の反転。超簡易モールドその2)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11891893599.html へ続く。。。