バウの修理(その6 ”まぬけ”な失敗。。。) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

『バウの修理(その5 地獄のサンディング 前編。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11883175118.html からの続き。。。


(続きとは言っても時系列ではありません。。。)



2014年6月20日、金曜日。


僕の誕生日。


ハーバーへ地獄のサンディングに行く前に、古いエポキシの硬化実験を行いました。。。


用意したのは材料は

・購入日が分からないほど古いエポキシ樹脂の主材

・購入日が分からないほど古いエポキシ樹脂の硬化剤(だと思っていた。。。)

・1年半前に購入したエポキシ樹脂の主材

・1年半前に購入したエポキシ樹脂の高温用硬化剤

・新しく購入したエポキシ樹脂の主材

・新しく購入したエポキシ樹脂の硬化剤

・以前の修理で余った400g/㎡のダブルバイアスのEグラス

・余っていたマイクロバルーン

・スタイロフォームとカネライトフォームの端材

・4mmシナ合板の端材


用意した道具は

・数種類のディスポビーカー(使い捨ての計量カップ)

・紙コップ

・刷毛

・へら(本当はゴムヘラが欲しかったけど、以前使用していたのは劣化したので捨ててしまった)

・割り箸

・サランラップ

・新聞紙

・ハサミ

・カッター

・アセトン

・ウエス

・合板


まず、作業台の上に、さらに作業用に合板に荷物の梱包に使うサランラップのようなものを養生のために巻いたものを用意。

更にテストピースを作るために合板にサランラップを巻いたものを用意。

エポキシ樹脂とサランラップは付かないので、剥離剤の代わり。


ディスポビーカーで一番古いエポキシ樹脂の主材を200mlと、一番古いエポキシ樹脂の硬化剤(だと思っていた)を50ml量り、混合して良くかき混ぜる。。。


かき混ぜたものの、しっかりとかき混ぜれているかどうかが分からない。。。

『こんなんだったかな?』と疑問に思いながらも積層してみる。。。


何故かは良くわからない(理屈で理解する気がない)けど、早くしないと、容器の中のままだと早く発熱して硬化が始まり白い煙が上がる、、、はず。。。


で、何故かわからないけど、積層するために塗り伸ばすと硬化時間が長くなる、、、はず。。。


なので、しっかりとかき混ぜれたかどうか疑問に思いながらも、テストピースを作るためにラップで巻いた合板の上に、合板とほぼ同じサイズに切断したダブルバイアスのEグラスを置いて、刷毛でエポキシをペタペタと塗っていき、ヘラ(本当はゴムヘラがいいみたい)で余分なエポキシを軽く押し出しながら気泡も抜いていく(脱泡作業)。。。


ポリエステル樹脂の脱泡作業はポリエステル樹脂の粘度が高いため、一つずつ脱泡ローラーで押し出していかないといけないけど、エポキシ樹脂は粘度が低いため、ヘラで”スクイージング”すると簡単に脱泡できる。


脱泡ができたら、もう一枚ダブルバイアスのEグラスを置いて刷毛でエポキシをペタペタ。。。


そして、スクイージングをして脱泡。。。


脱泡ができたら、ピールプライを置いて、刷毛でエポキシをペタペタ。。。

たぶんピールプライの上からはエポキシを塗らなくてもいいのかも知れない。。。検索検索。。。


で、同じようにスクイージング。。。

これで、硬化を待つだけ。。。



さらに、エポキシ樹脂を接着剤にするため実験も。。。


エポキシ樹脂にマイクロバルーンという中空のガラスやプラスチックの粉を混ぜると、比率の違いで接着剤にも、充填剤(パテ)にもなる。。。


エポキシ樹脂は流動性が高いので、その流動性をマイクロバルーンでコントロールすると流れないで部材と部材をしっかりと接着するようになる。


接着剤として使うにはマイクロバルーンは少な目、充填剤として使うにはマイクロバルーンは多め。。。


この茶色い粉末がマイクロバルーン。。。ほとんど重さを感じない。。。

ここにエポキシ樹脂を適当に入れて、接着材を作る。。。


今回は実験なのでマイクロバルーンの量の調整はせず、適当。。。


とりあえず、エポキシとマイクロバルーンが混ざったら、スタイロフォームとカネライトフォームとシナ合板の端材どおしを接着してみる。。。


初期硬化は10分程度で始まるはず。。。


なので、作業の片付けをしてから、ハーバーへ向かう直前に硬化が始まったかどうかをチェック。。。


しかし、まったく硬化が始まらない。。。


『こんなんだったかな?』と思いながら、ハーバーへ。。。


ハーバーから帰って来てから再チェック。。。


が、固まっていない。。。


初期硬化は絶対に始まっているくらい時間が経っているのに。。。


なぜ?


予想した原因は、

1、硬化剤の保存期間が長すぎた。(硬化剤の寿命)

2、少量だったので、混ぜ合わせる時に、容器の中からすべての硬化剤が出ていなかった。

の二つ、、、だと思っていた。。。


あまり、無駄な樹脂を使いたくないし、もう二度と失敗したくないので、メーカーに問い合わせのメールを送る。。。



2014年6月21日、土曜日。


パートナーの誕生日。僕と1日違いのバースデー。


パートナーが来るまで再び実験。。。


今日は、まず、新しく買ったエポキシ樹脂を使ってみた。。。



今日は新しい樹脂と古い樹脂の2つをテストするために、サランラップで巻いた合板もダブルバイアスのEグラスもピールプライも2セット用意。。。


まずは、新しいエポキシ樹脂の主材300mlと硬化剤100mlを用意。。。

以前は主材4に対して硬化剤が1の割合だったのが、新しくなって主材3に対して硬化剤が1の割合に変わったそうだ。。。


でも、主材は共通なので古い主材に対しても新しい硬化剤を3:1の割合で混ぜると使えるそうだ。。。


新しい硬化剤は少し黄色っぽくて、とても臭い!!

出入り口や窓を開けて風通しを良くして作業。。。エポキシ樹脂には発がん性物質が含まれているというし。。。本当は防毒マスクをして作業するほうがいいのかも知れない。。。

閉鎖空間で作業をするまでにマスクのフィルターを買っておこう。。。塗装用だけどたぶん使えるはず。。。


混ぜながら何となく以前の記憶が。。。


そうそう、こんな匂いだった。。。


そうそう、こんな色で、混ざり合っていくのが分かるようになっていた。。。


などと。。。


透明の主材に対して黄色っぽい硬化剤を入れて混ぜ、色が均一になったのを確認してから念のためにもう少しかき混ぜ、先日と同じように、Eグラスとピールプライを積層し、マイクロバルーンで接着剤を作り、テストピースを接着。。。


しばらくすると、ディスポビーカーに残っているエポキシが反応を起こして煙が立ち始めた。。。


急いで新聞紙を丸めてビニール袋に入れて余りのエポキシを新聞紙に吸わせて、倉庫の外に出して硬化するまで放っておく。。。


ディスポビーカーの中の残っていたエポキシが反応するのとほぼ同時に、紙コップの中のマイクロバルーンとエポキシを混ぜた接着剤も反応を起こし煙が出始めた。。。

これはそのまま外に放り出す。。。


反応が起きたということは当然硬化実験は成功!!


新しいエポキシの硬化実験の片付けをしているとパートナーがローソンで買ってきた『ブラックタピオカストロベリーミルク』を持って登場。。。


ちょっと休憩。。。



休憩してから、なぜ先日のエポキシは硬化しなかったのか再び検証。。。


先日と同じように主材200ml、硬化材(だと思っていた)を50ml。。。


???新しい硬化材とは明らかに違う。。。古い硬化剤(だと思っていた)は粘度が高く、匂いもない。。。
粘度が高いので計量したディスポビーカーから綺麗に流れ出てくれない。。。

新しい硬化剤は水のように流れ出てくれたのに。。。

エポキシを扱いなれた人は僕の”まぬけ”な一面にそろそろお気付きでしょうか?


とりあえず、積層すると固まらなかった場合の処理が大変なので、ディスポビーカーの中で混ぜ合わせてポットライフ(樹脂が流れなくなる前の状態)が経過して、発熱するのを待つ。。。

しかし、どれだけ待っても発熱せず固まる気配がない。。。


頭の中では”?”がいっぱい。。。


何となく、床に置いてあった1年半ほど前に買ったエポキシの主材を手に取ってラベルを眺める。。。

ラベルには

『General Purpose Epoxy Resin』

と書いてある。。。


更に、横に置いておいた1年半ほど前に買ったエポキシの硬化剤のラベルを眺める。。。

ラベルには

『混合比4:1 HT9000 ハードナー1L 高温用 25℃以上』

と日本語で書いてある。。。

以前購入した時はすべて英語で書いてあったオリジナルの容器だったけど、たぶん大容量の容器で輸入して、国内で小分けにして販売したんだろう。。。


何となく、すべての容器のラベルを眺める。。。

『General Purpose Epoxy Resin』、、、、『General Purpose Epoxy Resin』、、、

『混合比4:1 HT9000 ハードナー1L 高温用 25℃以上』、、、『General Purpose Epoxy Resin』、、、『Standard Hardener』、、、『General Purpose Epoxy Resin』。。。


???


『Standard Hardener』!!???


何かか違うと初めて気が付いたのは、この瞬間!!


もう一度良くラベルを見ると、


『General Purpose Epoxy Resin』には、さらに『Part A』と記載されている。。。


『Standard Hardener』には、さらに『Part B』と記載されている。。。


すべてをよ~く見比べて見ると、間違いに気が付いた!!


『硬化剤だと思っていた一番小さな容器に入っているのも主材なんだ!!』


と、いうことに。。。(//・_・//)


今まで僕が買ったのは4:1の5Lのセットだけ。。。

この5Lのセットの硬化剤のオリジナルの容器は、確かこの一番小さな容器に入った主材と同じ容器だったはず。。。


なので”まぬけ”にも間違えていた!!


先日の失敗はようは、『主材と主材を混ぜていた。』ということ。。。


硬化剤を混ぜないと固まらないよね。。。(・・。)ゞ


自作者の中には経験したことがある人は多いのでは?

自作記を読んでいると、”硬化剤”の入れ忘れはよくあるよう。。。


写真の一番左の金属製の容器はアセトン。

奥の3つの同じサイズの容器は4Lの主材。

写真手前の左の少し大きな容器が最新の3:1の硬化剤。

写真手前の右の透明な容器に入っているのが高温用の硬化剤。


で、


写真手前中央の小さな容器が硬化剤だと思っていた1Lの主材。。。


しかし、1Lのセットなんていつ買ったんだろう、、、と思って調べてみると、15年ほど前の前オーナー時代のもの。。。

そういえば、正月に倉庫を片付けていたら、小さなボトルの硬化剤が固まっていたので捨ててしまったな。。。


折角なので実験。


いつ買ったかわからない4Lの主材200mlと、15年ほど前の1Lの主材50mlを混ぜたものを、200mlにして、高温用の硬化剤を使って硬化実験を。。。

積層も接着もうまくいって、すぐにゲル化が始まった!!


余ったエポキシパテは今はまだ秘密の物体のフェアリングパテとしても使用。。。


片付けをしてからハーバーへ。。。


ハーバーへ行く前にパートナーが、

『誕生日プレゼントに”靴”を買うから靴屋さんへ!』

ということで、靴を2足もプレゼントしてもらいました。о(ж>▽<)y ☆


パートナーとは1日違いのバースデー。


バースデーといえば、

ですよね!!ヾ(@^(∞)^@)ノ

しかも、靴をプレゼントしてくれたのに、水没させてしまったiPodの代わりに新しいiPodまでプレゼントしてくれた!!о(ж>▽<)y ☆


でも、僕、サングラスしかプレゼントしていないんだけど。。。(・・。)ゞ


この日は修正した補強板を仮合わせしてチェックしただけで、作業は終了。

パートナーが以前から行きたがっていたレストランの”神戸屋”で、ちょっと豪華なディナー。


誕生日とクリスマスくらいはちょっとだけリッチに過ごします。。。

おかげで螻蛄。。。(x_x;)


パートナーを送ってから、ただの”まぬけ”な失敗だったので、メーカーに”まぬけ”な経緯の説明のメールを入れる。。。



2014年6月22日、日曜日。


朝から雨。。。

作業は天気が良くなければ進めれません。。。

なので、関西ヨットクラブのポイントレースにT・D艇の助っ人として参加。。。

助っ人なのかな?お邪魔虫だったりして。。。



2014年6月23日、月曜日。


実験の結果を調査。。。


コンコンッ!新しいエポキシも古いエポキシも、しっかりと固まっています。


ピールプライも簡単に取り除くことが出来、表面もかなり滑らか!!これでサンディングなしで2次接着ができるなんて夢のよう!!このまま塗装を厚くすれば仕上げとしても十分かも。。。


離型剤代わりのサランラップからも上手く外せました。


エッジの部分は適当にエポキシが付いているだけなので、中央で切断してみます。

400g/㎡のダブルバイアスのEグラスを2枚積層すると、厚みが約1.5mm程度のFRP板ができました。


マイクロバルーンを入れて接着剤にしたエポキシのほうは、材料を折ろうとすると接着剤の付いているところと、付いていないところの境目で綺麗に割ることができました。


カネライトフォームを取り除いてカッターの刃を軽く当てるだけで、エポキシ・マイクロバルーンの接着剤が簡単に現れました。何かと役に立ちそうです。。。


メーカーのKさんからは質問に対して丁寧な返信がありました。


このエポキシは、『HT9000』というエポキシの中でもかなり高価なエポキシです。


貧乏な僕がなぜこんなにも高価なエポキシを使うかというと、修理に関して色々とアドバイスをくれたビルダーの指定のエポキシだからです。。。

なので、他社製品との比較などもせず、ビルダーを信じて使っているだけ。。。


南半球なら3分の1の価格で手に入るエポキシなんだけどな~。。。危険物の輸入に手間がかかるのかな?せめて倍の価格に抑えて~!!(/TДT)/


アドバイスによると、


・主材はほとんど変質しない。

・硬化剤の保存は2年ほどだけど、ゲル化さえしていなければ使用可能。

・硬化剤は漏れると自然硬化する。

・古い主材に新しい硬化剤は使える。

・硬化剤は低温用と常温用の2種類になった。(高温用はなくなったけど、常温用の使用範囲が広がった。)

・高湿度時は避けたほうがいいけど、特に制限はない。

・低温用は5度以上なら問題ない。昼間10度以上あって、夜0度になるようなコンディションでも問題ない。


ということでした。


まあ、ドライで20度~25度程度が一番いいFRPができるんだろうけどね。。。


兎にも角にも実験しておいてよかった~。。。いきなり本番の材料に主材と主材を混ぜたものを塗ったらとんでもないことになるところだった。。。


『バウの修理(その7 補強板。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11884227658.html へ続く。。。