↑【絵画制作】ゆり呼さん
↑この絵はビリーさん。
「豊潤なる実りの季節」
駆けゆく山羊の群れと群れ、
四方八方、踵鳴らして遠く小さく、
離れずにいる仔の一頭が雪の音色の鈴を残した、
空白へと果てた原野へ、踵を返す山羊使い、
伸びた影の長い手足に、重ねた日々が育てた体、
藁で編んだ靴を素足に、剥がれて赤いままの指、
花飾りのティアラを君に、忘れまいと憶い出せずに、
恋人といた夏の日の、静かな風に揺れた穂のことを、
いまや沈痛、枯れ果てたる真冬の景色、
呼吸すらもままならない、息の絶えた山羊の骸が傍ら眠るヒトに添う、
豊潤なる実りの季節は夢にまで見た金の草原、
僕たち確かに生きていたって、駆ける風だけ憶えてる、
君はいない、僕もいない、耳鳴りだと錯覚するほど孤独なる、
雪の原野でヒトは思った、
光は一瞬、そしてまた目を伏せる、
豊潤なる実りの季節、其れが何であったのか、
記憶のなかの君は知らない、いまの僕は其れを想うこともない、
だけど確かに存在してたと、眠る前の僕は虚ろながらに夢を見る、
此処にいるのはかつての君と、傍ら笑う幼い僕と、
繋いだ手のひら、その温もり、消えないようにと祈っていただけなんだ、
↑この絵もビリーさん。
【補足】
この記事はある女流画家さんとメールのやり取りのなかからふと描いたイメージを文字に起こしました。
⇒ゆり呼さんとのコラボレーション「豊潤なる実りの季節」です。
構成の違いはあるかと思いますが、そちらも同内容の記事になっています。
この記事はある女流画家さんとメールのやり取りのなかからふと描いたイメージを文字に起こしました。
⇒ゆり呼さんとのコラボレーション「豊潤なる実りの季節」です。
構成の違いはあるかと思いますが、そちらも同内容の記事になっています。
この記事のテキスト部分は、そもそもがゆり呼さんとのトーク(メール)・セッションのなかから生まれたものです。是非、ご覧ください。
他愛もない話……「納豆にアボカドを刻んで入れたら美味しい」みたいなことで、「コラボやりませう」みたいな話ではなかったんですが、ふとこのテキスト部分を送らせてもらって、それから話が発展しました。
また、この「豊潤なる実りの季節」は以下リンクの記事と連続した時間にあるものです。
「四季詩篇」と題し、最終にあたるエントリーがいずれ登場すると思います。
【追記】
金曜なのでコメント欄を開けています。この記事であれ、今週の他エントリーであれ、なにかご意見などあればどうぞ。(←これ、毎週書くの面倒だから省いてもいいですかね?)
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