ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!


   【当サイト暫定イメージ動画】The Journey Man   





「あの夏、僕らは流星になにを願ったんだろう……」
 2011年、夏。このブログでご好評いただいた小説「流星ツアー」を表題作にした短編集がAmazonペーパーバックとして出版されました。
 表題作「流星ツアー」の他、好評の小説3編(「スタンド・バイ・ミー」、「戦時のポストマン」、「楽園はイレギュラー」)を同時収録。
 Amazonにてお買い求めください。

★目標は書籍刊行化、及び商業作品化です。
★なお、本ブログに掲載されたテキスト、写真、イラストなどは本人によるオリジナルです。特定の表記がある場合を除き、著作権は本人に帰属します。


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【インスタグラム】NOMAD... (or) NO MAD?


 現在の部屋に引っ越して早二ヶ月。
 ウォーキング、ジョギングを日課とする人間なので、そのコースが設定されたときに現在地の生活の基礎ができた気がする。


……コースを設定しておくと歩数や時間を考えなくて済むからラクなんです。黙々と歩き、ひたすら走ればいい。多少の誤差はあっても、だいたい同じ歩数、同じ時間の運動量を維持できる。


 風景そのものも引っ越した真冬から春に移り変わりつつあるころで、ジョギングコースの道端に名もなき花が咲き始め(名前はあるだろうけど僕が知らないだけ)、風はわずかながら水気を含みつつあるようです。

 絶えず変化する。
 今回の引っ越し前に住んでいたところは一年と少し、その前に住んでいたところはわりに長かったけれど、いつも移住を考えていたので、おそらく、僕は定住には向かない人間なんだろうと思うわけです。
「明日からニューヨークで」なんてことが可能なくらい身軽な人間が好きだし、そうありたいと思う。

 現在の住処はそれなりに気に入っているけれど、別に生涯の住処と考えたことはなく、やがてはまた移住するときが来るのだろうと思う。
 僕は遊牧民のように定住に向かない人間なのです。飽きたら他に行く。煩わしいことがあれば住むところを変える。たぶん、死ぬまでそれを繰り返す。


 ごく稀に持ち家というものに憧れもするけれど(アメリカン・オールドハウスみたいな平屋がいいな)、そんなお金は持ってませんし(苦笑)、他の場所に移れない足枷を自分につくりたくないので移動しながら生きる方法を探ることになる。
 なんなら、キャンピングカーに暮らそうと思うこともあるような人間ですので。


 生活する場所が変わると見る景色が変わる。
 当然ながら、インスタグラムに投稿する風景も変わるわけです。以前は海の写真が多かったけれど、いまは海が遠くなったのでそんな投稿も減りました。

 ずっと憧れるロック・シンガーでバンドマンのチバユウスケさん率いる「THE BIRTHDAY」の新譜のタイトルが「NOMAD」だそうな。チバさんでなくても、ツアーばかりのバンドマンって遊牧民みたいな生活なのかな、やっぱり。

 住む場所、見る景色が変わっても、やはり変わらないこともある。
 ロックンロールやパンクが好きで、「引越のときに荷物は邪魔」と思いつつ、THE BIRTHDAYはCDを買ってしまうのだろう。アナログレコードも欲しい。
 昨年からお気に入りのバンド「ポルカドットスティングレイ」のアルバムも楽しみ(すごくカッコいいバンドです。ボーカル、ギターの雫嬢もセクシーだし、音楽的なセンスもすごくいい)。


 農耕民族まんまの姓のわりに土地に根差して生きられない。
 良いも悪いもなく、それはたぶん、単なる性分。
 ノー・マッドではなくてノマド。狂ってはいないと思います、たぶん。










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「あと少しだけ」


 あと少しだけ。あと少しだけでいいんだけどな……右斜め前の短い髪のつむじあたりを眺めながら私は思う。
 その向こう、黒板の右にかけられたカレンダーをじっと睨む。少し目が悪くなったみたいで印字された日数がぼやけて見えた。教科書に押しつぶされそうになっていたメガネ(……振り返られたときに似合っていないメガネ姿を見られたくない……)をかけて残りの日数を確認する。

 私の席は窓際のいちばん後ろ。南に向いていて真冬でも頬が赤くなるくらいあたたかくなる。同じ教室のなかでも廊下側と窓際では見える景色が違う。

 私はこの三年間でいちばん好きな席にいる。背の高さを気にして猫背気味になることもないし、陽射しに包まれてうたた寝だってした、それに。
 それに、右斜め前には三年間同じクラスなのに一度も話したことのない、いつもどこかでその姿を追いかけていた人が座っている。
 春になれば遠くへ進学するって笑ってた。
 話すこともないのかなって、でも、残りの時間に「ひょっとしたら」があるかもしれない、そのときにはメールアドレスを聞かれるかもしれない。

 メガネでクリアになった視界に右斜め前の背中が、小さな頭が映っている。今朝は慌てたのか、寝癖ではねたひと束。一度、コツンとゲンコツをしてみたかったなって思う。
 可愛くもないのに上目遣いを練習してみたり(睨んでるみたいだと言われた)、頬杖をついてアンニュイさを演出してみたり(「夜更かしでもした?」って聞かれた)、お弁当を小さくしてもらったり(お腹が空いて帰りにラーメン食べた)……いろいろ、いろいろとやってはみたんだから。
 だから、と言うのもおかしいけれど、せめて、この席で過ごせる時間が一秒でも長くなればいいのにって、カミサマにお願いだってしてみる。

 卒業式の要項が書かれたプリントがリレーされてくる。彼が振り返る、少し痩けた頬が過ぎた時間を感じさせる。私は慌ててメガネを外すけれど、きっと気づいてないんだろうなって思う。
 
 教壇では先生が残りわずかな高校生活についてのありがたい訓示を述べているところで、でも私はいつもどおり右斜め前の後頭部を見つめていた。

 あと少し。そう、あと少しの間はここでこうしていられる。
 いつかずっと未来、記憶が都合良く書き換えられてしまったとしても、この席で過ごした数ヶ月は忘れたくないなって思う。
「たまにはこっち向けコノヤロウ」って念じ続けた、情けなくて愛おしい時間のことを。

 あと少しだけ。いや、ほんの少しだけ時間が止まってくれたらいいって私は思う。だから目を閉じ深呼吸して、似合わないメガネをかけて、この景色がずっと消えてしまわないようにと彼の細い背中を見ていた。















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【備忘録】忘れじの人


 人は必ず死を迎えるものだが彼女はそれが早すぎた。25になる前だった。
 25で死ぬ人間はあまりいない。でも、死んでしまう人間もいる。
 彼女がそうだった。交通事故。25歳になる誕生日の数日前、雨の日の夜だった。

 美しい人だった。
 ファーの帽子をかぶれば冬の妖精に見え、裸足にサンダルを履けば夏の天使になった。 
 色素が薄いのだろう、薄い茶色の瞳は長い睫毛に飾られ、アジア人だと思えないほど肌が白かった。頰は柔らかそうにふっくらしていたが、抱き締めたら折れてしまいそうなほど華奢だった。
 春の花のように笑い、言葉を選んでゆっくりと話す人だった。
 華美な美しさではなく、可憐で控えめで、どこにいても風景と調和する人だった。


 恋人だったことは一度もない。
 お互いに恋人がいるときが長く、僕に恋人がいないときは彼女に恋人がいた、彼女がひとりのときは僕に恋人がいた。どこかすれ違ってばかりだった。

 僕は彼女に好意を持っていた。彼女もおそらく同じ想いを抱いていてくれたのではないかと思う。何度も夜を明かすまで語り合い、お互いに好きなアルコールで胃袋を満たした。旅先から電話をくれた彼女と笑い合ったこともあった。
 10歳の差があったが、それを感じたことはなかった。


 死んだ人間は思い出によって美化される。そもそもが美しい女の子なのだ、若くして死んだとなればなおのことだ。
 酔って潰れた彼女を背負い、送り届けた日のことをよく覚えている。

「いつか、生まれ変わったら、私とケッコンしましょうよー」
「生まれ変わらなくても、いまがあるけど?」
「んー……。じゃあ、このまま連れてって」
 どこでもいいから。彼女はそう言った。
 とても幸福な、肌寒い3月の夜のことだ。いまでもその夜を思うと歓びで胸が溢れる、そして詰まりもする。
 しかし、ふたりで過ごした時間はその日が最期だった。


「私はビリーさんの第1号のファンです」
 そう言ってくれた彼女に、「どんなかたちでも、必ず本を出すから」と僕は答えた。
「約束ですよ?」
「うん。約束する」
 その約束が果たされたとき、既に彼女はこの世にはいなかった。
 僕は「流星ツアー」を持って、彼女の仏前へ向かった。
 そこで笑顔を浮かべていたのは、あの心優しく美しい、ひとりの女の子だった。

 どうにか約束は果たせた。それからまた時間は続く。
 ご両親の想いから、ずっと置いておかれた携帯電話ももうない。ことあるごとに、僕はその携帯電話にメールを送っていたのだ。

「元気にしてる? 俺は変わらず、這いつくばるみたいに生きてる。そっちはどうかな。Tちゃんが笑ってくれてるんなら、それだけでいい。また、お墓に行くから」
 そんなふうに。


 彼女はいま、天上のゆりかごに体を預けて照れたように控えめな微笑みを浮かべている。睫毛をふせて下界を眺めている。
 そんな姿を想い浮かべる。

 僕の背中で眠り落ちそうになりながら、「きっと、なにもかも大丈夫」と、耳たぶをくすぐるような囁きのことを、ずっと、きっと忘れない。

 美しい憶い出はいつも僕たちをあたため続けてくれる。過去も現在も、そしておそらく、これからの未来も。










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