昨日竹の話題を取り上げさせていただいたところ、みなさんから多くの竹についてのコメントいただきました。
やはり、ここ20数年での変化がいちじるしいんでしょうね。
まず、タケノコが安い中国製になっている。
ざるがプラスティック、うちわがプラスティック、ものさしがプラスティック、釣竿がカーボンファイバー、物干し竿がアルミニウム、遮断機の棒がプラスティック、麻雀牌がプラスティック、竹垣がネットフェンス、照明器具がプラスティック、そんな具合でしょうか
茶事では様式化されているので、茶杓も茶筅も竹製ですが、身近な生活用具ではありません。

私もいろいろと調べてみたのですが、各地で竹山が荒れており、その利用促進のために新しい竹の利用方法を模索しているようです。
竹粉-肥料になるそうです。
竹フローリング-集成材として。
竹パルプ-紙の原料として。
竹炭-水質浄化や健康素材として
竹酢液-殺菌効果があるそうです。
といった竹の利用アイデアや実行がなされているようですが、工業用途として現在あるものをいきなり代替するほどの勢いがいまだ感じられません。
特殊な用途ではなく、もっと身近なものか、もっと枯れた技術、もすこしローテクな世界での利用が、普及と繰り返し継続には必要だと思います。

建築業界ではどうなのでしょうね
かつて試みられたもののひとつとして竹筋コンクリートというものがあります。

戦前に物資としての鉄が不足していたときに数件の試験的建物や橋が建造されています。
竹を鉄筋の代わりに使った建物というのが現在でも実在しています。
それが岩国にある小さな博物館岩国徴古館です。

建築エコノミスト 森山のブログ
早稲田大学の大隈講堂で音響設計もおこなった建築家の佐藤武夫による昭和20年の建物です。


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もうひとつ現役で使われているものとして
長崎県の松浦鉄道福井川橋梁というものがあります。

私は、これは結構いけるんではないか、と考えています。

もちろん、大型の案件やビルなどにおいては、鉄筋に比較して強度が落ちるので柱、梁系が大きくなり大変ですが、この竹筋コンクリートは木造住宅の基礎に向いていると思うのです。

木造二階建て住宅の基礎は現在の法律でも、地盤が極端に悪くないかぎり直径1センチくらいの鉄筋シングル配筋でいいということになっています。この程度の鉄筋でも当然構造強度も十分出ています。むしろ過剰スペックともいえなくはない。

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この木造住宅二階建て基礎用なら、
竹の引っ張り強度から構造計算してみても、竹筋でも十分に同等の強度が出せます。

現在、この竹筋コンクリートは戦時中の幻工法のように言われていますが、この木造住宅とか小規模木造用途に限って、たとえば地場産業支援策のようなかたちで、基礎への使用を認可してみたらどうなんでしょうか

ちょうど土壁の小舞竹のように、簡単な技術でも確実に効き目がある。
コンクリートの中で錆びない。
鉄リサイクルに比べてCO2削減効果も期待できるのではないでしょうか

この竹筋コンクリートを研究されている方として、米子工専の玉井先生がいらっしゃいます。
国立米子工専 玉井研究室 http://brtc.at.webry.info/