建築エコノミスト 森山のブログ

マンガ建築考の森山高至が「たてものと生活と社会と文化」を考えています。
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 めぞん一刻館は今建てられるのか?2
めぞん一刻館は今建てられるのか?3
めぞん一刻館は今建てられるのか?4
めぞん一刻館は今建てられるのか?5
めぞん一刻館は今建てられるのか?6 最終章

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最近、サラリーマン大家さんを希望する方の相談を受けることが多いです。
要は、不労所得としてのアパマン経営を目指している方が多いってことなんですが、
そんな方々が考えていることは、アパマンって儲かるんですかってことです。

そんなときにお話するんですが、大家さんになる気はどのくらいあるんですか?ってことなんです。
実は、アパマン経営っていうのは、ただ単に家賃が黙っていても流れ込むってコトではないんです。
要は、「大家」っていう職業につくことなんです。
「大家さん」っていうのはひとつの仕事なんですね。

そんな中で、いくつか大家さん像の理想として、「めぞん一刻」の音無響子さんというものがあるみたいです。
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「めぞん一刻」というのは高橋留美子による人気漫画ですが、
ちょうど日本が高度成長期の終わりから、円高不況を経てバブル経済を迎える直前の、エアポケットみたいな真空状態。
昭和の最後の方、なんとなくクリスタルな時代に、
ふっと沸いたなんとも評価しがたい、ふわふわした時代のひとつのメモワールとして、
1960年代から1970年代生まれの人たちの一種の理想的モラトリアム状態の桃源郷のような存在みたいなんですね。

つまり、自分の運営するアパートはめぞん一刻館みたいな建物にしたいんだけど、大手ハウスメーカーや土地運用会社のお勧めする事業案件は、どうやらめぞん一刻館みたいのとは違う。
資産運用はしたいんだが、私の希望はあんな建物ではない。
なんで音無響子さんが管理しているようなアパートではないんだ!
といった相談ですね。
それは当然です、使用部材がメゾン一刻仕様ではないからです。

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そもそも、めぞん一刻館とは何か?というところから検証する必要があるのですが、
めぞん一刻館というのは、建築構造的には木造モルタル二階建てというジャンルに分類されるものです。
しかも、めぞん一刻館は、建築基準法上の特殊建築物のうち、「多数の人が生活する共同住宅、寄宿舎、下宿及び類似の用途である長屋」という分類に属する建物でして、まあ、一般的に原則準耐火建築物にしなくてはならないんですね。
この準耐火建築物というのが結構ややこしくて、壁の仕様についていろいろと規定が決まっています。
外壁はこうしろ、とか内壁はこうしろ、といった規定ですね。


つまり、たいがいの建て物で、普遍的な敷地条件で、めぞん一刻館のような、下宿、共同住宅という用途の建物にしようとすると、準耐火構造要件というものがあり、いちいち面倒くさいから普遍的な建築仕様でいっとけ、と思うと一般的な準耐火構造仕様となり、窯業系サイディングと呼ばれるなんかツルツルしたタイルっぽい模様のついたパネルの外壁で、内部は石膏ボードというものに不燃クロス仕上げといカタチで流されている案件が多いんです。


窯業系(ようぎょうけい)サイディングというのは、窯業?焼き物?なんだかわからないものですが、セメント系の素材とガラス繊維などと混ぜ込んで模様型抜きしたパネルのことです。タイル目地や板目のへこみや色柄を付けてあり、食べ物でいってみればカニ風味かまぼこみたいなもんです。

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で、大体今現在建てられている建売住宅や大手ハウスメーカー住宅を中心とする住宅の7割がこの外壁材になっています。ここでは、タイルや石目調にはしたいんだけど、汚れ防止も兼ねなきゃならないし、、、というメーカー側の弱気が作用して、本物っぽい凹凸感に偽者っぽいツルツル感があいまって、正直ニセもんなんかホンもんなんか判断がつきにくい、不可思議な建材です。
仕様の良し悪しや素材価格は、厚みによるというのも理解しがたい建材のひとつですね。

まあ、この窯業系サイディングが日本全土の建築デザインを貧しくしている要因のひとつなんですが、オーナーのひたすらメンテナンスをしたくない、、定期的な建物の面倒を見たくない、、という怠慢もこの材料をはびこらせている原因のひとつではあります。

で、ほっとくと日本国中がこのニセもんかホンもんかわからない窯業系サイディング天国になっていってしまうんですね、
このままでは。
こんなことは諸外国では起きていない事態なんです。

実は、めぞん一刻館は、そんな偽モノ材料では出来ていなかったんです。
外壁はおそらく、よろい板張り
に漆喰もしくはモルタル塗りという仕上げの組み合わせなんですね。
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この杉板よろい板張りというのが現在では非常にやりにくくなってしまっている素材仕様なんです。

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その理由は、防火地域の指定と絡んでいるんですが、次に続きます。


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