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2012-02-13 21:52:42

私が兄事する菊森淳文先生が

テーマ:ブログ
「長崎における国際観光客の観光行動とホスピタリテイを高める地域政策」
(Recommended Strategies for Improving the Quality of Tourism Hospitality based on a Research of the Behavioral Patterns of International Tourists to Nagasaki)
で日本ホスピタリテイマネジメント学会から特別賞を受賞なさいました。
 http://kikumoriatsufumi.com/blog/2012/02/03
菊森淳文先生は、私が圧倒的に敬慕する日本を代表する日本のための有識者であります。

建築エコノミスト 森山のブログ

その経歴は

財団法人ながさき地域政策研究所常務理事/日本ホスピタリテイマネジメント学会理事

1955年三重県生まれ。東京大学法学部卒。78年三井銀行(現三井住友銀行)入行。
83年米国シカゴ大学経営大学院(MBA)卒。2000年日本 総合研究所主席研究員。
04年から現職。長崎大学大学院兼任講師。
著著に「学習する会社のナレッジコラボレーション」(かんき出版)、
「こうすれば地域再 生できる」(長崎新聞社)他多数。全国で地域振興に向けた行政・企業コンサルを展開中。
食農連携コーディネータでもある。
良い人過ぎて、悪だくみの竹中平蔵とかの似非エリートたちに疎んじられたほどの人物。
私が、この人のためなら死んでもいい、と思う人の一人です。

私の会社の株主でもある。
という方なのですが、何がすごいかというと、

真のエリートとは何か、

本当に頭の良い人は何をなすべきか、
日本人が世界で果たす役割とは何か、
といったことを実地に検証検分される方。

地域やごく普通の方々へのやさしいまなざしと、

グローバル金融勢力への完膚なきまでの攻撃力。

現代の山田方谷、最近では坂本竜馬的なご活躍です。


常にいろいろとご教示いただいています。

このたびはおめでとうございます。

2012-02-10 22:11:06

亀岡の大石酒造さんに行ってみました

テーマ:ブログ
出町柳商店街の本郷酒店さんで見つけた凄いお酒
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飲み口がさわやかで、癖がなく、素晴らしくふくよかなお酒です。

今日、工事中の物件のタイルサンプルを取り寄せようとしましたら、
送付が間に合わないとのことで、直接配送センターまで取りにおうかがいしたんです。
そのタイル屋さんとは、設計事務所、工務店ではおなじみのオオムラさんです。
オオムラさんでは輸入タイルや大理石を格安直販しているので、
最近ではもっぱらここの製品を使うことが多いのですが、
京都北西郊外に位置する亀岡にあるんです。

でっかい倉庫でタイルを受け取って戻ろうとしたときに、
ふと、想い出したんですね。亀岡の大石酒造さんのことを

そうだ!もしかして近くなんでは!と思いましたら、
めちゃくちゃ近くでした。

私は、出かけた先で地元の蔵元を訪ねるのも趣味にしておりまして、
早速行ってみました。

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稗田神社の参道脇にありました。
大石酒造さんです。

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翁鶴(おきなづる)というのが、ここのブランドです。
いろんなお酒を試飲してくださいと言われましたが、、車で来てしまったので断念。
「純米 山廃仕込」と「初絞り」の二本を購入。
醸造所や蔵を見学させてもらいました。

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そこで、さらにサプライズが!
あの「探偵ナイトスクープ」に登場したイケメンのマネキンくんが居ました。

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こんなところに!

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稗田神社にもお参りしてきたのですが、
いっしょに行ったスタッフの岩野くんはお賽銭に小銭を出そうとして間違って500円玉を入れてしまいました。太っ腹ですね~。
きっとご利益があるでしょう。


2012-01-30 14:21:02

茨城で計画中の医院ですが

テーマ:ブログ
森山はマンガばっかり読んでいるんではないのか、、、
仕事はどうしたんだ、、とおっしゃる諸兄もいらっしゃいますが。

もはやマンガも仕事の内なのです。
ですが、建築もまあ、やっとります。

と、いうことでチラっとご紹介
すでに設計にとりかかって2年が経過した茨城の医院建築です。
歯科と内科と小児科の地域密着型の小規模複合医療モールです。

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めずらしく、ル・コルビュジェスタイルでやっています。
実はル・コルビュジェではなく、その第一の継承者リチャード・マイヤーのスタイルです。
この人は、モダンでありながらすごくフォーマルな装いの建築をつくる人なんです。
こんな感じにしたいのですが。

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Mercedes-Benz Forschung und Technologie 1989 Richard Meier Architects

リチャード・マイヤー先生は御年77歳にして現役のアメリカの建築家です。

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ちょっと風貌が谷口吉生さんに似ていますね。
1960年代に、ル・コルビュジェの継承者を自負するアメリカの若手建築家が5人展を開きました。

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チャールズ・グワスミー、マイケル・グレイブス、ピーター・アイゼンマン、ジョン・ヘイダックに
リチャード・マイヤーです。
モダンスタイル建築の巨匠ル・コルビュジェの影響を受けながらも、
そこから脱却を目指した彼らを称し「ニューヨーク・ファイブ」と呼ばれました。

その中でも、コルビュジェの観念的なコンセプトよりも、
具体的手法をより先鋭化し洗練させ、
住宅デザインレベルから大型建築へ応用可能な建築デザインのメソッドを開発した人です。

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プレーンな壁面にそれを規則正しく割り込んだ外壁パネル、
そこに組み込まれる窓とその桟の割り付け、
二重三重に重なり合う白い壁と、その抜けによる陰影

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建築というよりもスペースクラフトのような精緻な整合性が、
それまで、あくまでアートを解する趣味人向きのアヴァンギャルドであった
ル・コルビュジェのデザインスタイルを、大人のビジネスライクな風合いに変えました。

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             ▲ル・コルビュジェの設計による建物

ル・コルビュジェの唱えた「近代建築五原則」というものがありますが、
自由な平面、自由な立面、水平連続窓、屋上庭園、ピロティ(1階を浮かすこと)
この手法を強調するためにことさら大げさに作られていた個人的な建築デザイン手法を、
あらゆるビジネスシーンでも活かされるようにマイヤーが毒抜きして、
誰でも使える手法に普遍化したともいえます。

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自由な平面はエントランスとかホールなどの大空間に限定され、
自由な立面もアイキャッチなファサードでのみ展開
水平連続窓は、窓割りのリズムや窓枠の直線によって抽象化し、
水平な屋上は庭園というよりも設備スペースに、
ピロティは、エントランスアプローチや駐車場への導入路、
といったように、デザイン的手法を機能的処理に架橋したわけです。

軽さと安定性、知的で目を引く外観、製造工程を反映した幾何学、
派手さよりも論理性、適度な開放性、通風も可能な窓のプロポーション
といったように、
アヴァンギャルドなル・コルビュジェスタイルを、
大型案件やオフィスビルや学校や病院建築にも応用可能な、
デザイン的処理にまで進化させました。

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日本においてもこのリチャード・マイヤーの影響は計り知れなく、
特に、組織型設計事務所やゼネコン設計部において大きなヒントを与えています。

彼ら企業内部のアーキテクトは、個人住宅を設計するアトリエ型建築家のように、
自己責任で、それまでにないような無茶苦茶なデザインは出来ないんですね。
たとえていうなら、個人の絵描きではなく、
広告代理店や出版社内のデザイン室といった趣です。
だから、ある程度揉まれた手法、適応性が確認された処理、安全圏の範疇内で、礼儀正しく、かといってある種の新奇性にも言及しつつデザイン評価を受けなくてはなりません。

そんなときクレイジーでノイジーでスノッブなフランク・ゲーリーではなく、
ザ・モダンフォーマル、リチャード・マイヤーだったんです。
アメリカには、そういったビジネスソリューション的な大人のデザインをする建築家は
数多く居ます。その中でもファインアートの領域からも評価を受けたのが
リチャード・マイヤーなんですね。

という意味で、茨城の海に近い中核都市に建設する医院のデザインスタイルは、
医院として求められる建築空間に必須の要素、安心感、明るさ、清潔感、
そして海に面する高台の緑多き、青空溢れる敷地環境において、
礼にかなったランドマークとなるように、

そのデザインメソッドを今回リチャード・マイヤーにリスペクトしてみましたよ。



2012-01-29 23:46:16

まどマギ考察のおかげでしょうか

テーマ:ブログ
アメブロのランキングがエラいことになってました。
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アイドルマスター公式ブログと競っております。

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こちらは井上和香さんと競っております。
ありがとうございます。
2012-01-24 22:35:39

友人の中西さんがすごいエントリー

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カレーうどんはなぜ飛び散るか、、、、悪魔の妄想
http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20120121/p1

カレーうどんを食べるときの物理モデル

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うどんの振動運動を見切って、
上死点にあるときにだけうどんを
たぐり寄せれば、
カレーは飛び散らないってことになる、、、、

ということのようです。
2012-01-22 22:47:38

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察⑥最終

テーマ:たてもの二次元

「魔法少女まどか☆マギカ」を見たわけですが

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察②

 「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察③

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察④

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察⑤

ちょっと空いてしまいましたが、
「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察の続きです。

例の洗面所ですが、やはりこの大きさは尋常ではないですよね。
おそらく、ダンスとかバレエを練習するジムのような空間だと思います。

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左右のスパンも10メートル以上ありますし、かなりの大空間。
にもかかわらず、柱が細い。

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100角ほどしかありません。
だとすると、この建物は平屋でしょう。
天井高さは二層分ありますが、巨大なガラスの箱です。
そうなると、この壁面の格子はカーテンウォールということになります。

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カーテンウォールというのは、
建築物において外壁面に加重を負担させない構造システムのことです。
上記写真はドイツのデッサウにあるバウハウスの校舎ですが、
ものすごい未来的に見えますが、実は1920年に実現されたものです。

そのカーテンウォールの枠にミラーをところどころ打ち張りして、
内部と外部の光景を遮断したり写し込んだりして空間把握を幻惑してるようです。

このミラーの手法は結構効果的で、狭い空間を広く見せたり、光を取り入れながら
外からの視線をさえぎることができ、店舗向けです。
実は3年ほど前に、私たちのところで設計した美容院でやってみました。

スタジオアルファプラス- 菊水HAIR(菊水ヘア)

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外が見えているところと、中が見えているところが入り混じって不思議な感じでしょう?

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外向きにもミラーを張ってあるので、中をのぞく意識がないと移りこむ風景の方を見ますから、視線の意識を遮断する効果があります。

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しかしながら、
「魔法少女まどか☆マギカ」の鹿目家がやっかいなのは、
どうやら壁面が4面ともこのガラスカーテンウォールっぽいんですね。


マドカたちの正面のミラーは木を写しています。

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このことが何を示すかというと、
鹿目家のこの洗面所空間は母屋と接していない、ということを物語ます。
既存の住宅とこのガラス空間が同じ建物の一部であれば、
少なくとも1つの壁面は壁であって欲しかった。

ところが、そうではない。
ならば、どう考えるのか。

ズバリ!答えは「森の中」です。

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もう、これはパビリオンとか、離れとか、東屋ということになります。
キッチンがあったのとは別棟です。
しかも、地下でつながっている可能性です。

結果としてこんな不思議な大豪邸となってしまいました。
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こんなのはアリなんでしょうか

まあ、世界の名建築には結構ありますね。
有名なところではアメリカの巨匠フィリップ・ジョンソンの自邸があります。

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ジョンソンは広大な自然敷地の中に数棟の建築物を時代ごとに建てています。
まわりの森もすべて自分の土地です。
このガラスの家以外にも数棟が敷地内に存在し、これらのすべてを地下でつないでいるという伝説がまことしやかに言われておりました。

家ではありませんが、白井晟一による祈念館の設計案

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への字型の建物から水に浮いているような建物には、いったん地下に降りなければアプローチできません。

宮脇檀の「もうびいでぃっく」、これも戦後のエポックメイキングな住宅デザイン

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鯨のような母屋の脇にある丸いテラスの下に、
いったん地下に下りていく部屋が隠されております。

では鹿目家ではどこにそのような仕掛けがあるのか、、というと

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ありました。
最初のシーン朝が弱いママをマドカに起こしてくるようにお願いしたパパが、
家庭菜園からプチトマトを摘んでいるシーンに、はっきりと。

ただ、なぜかいったん外に出ないといけない位置にあるんですが、

「いったん外に出て傘をささないと生活できない家」は、
建築界ではトンチが効いた最上級の手法と言われていますから、

やはり、二世帯で事業系の用途も考えつつ、デザイナー住宅としての評価も狙うという、ヤリ手のマドカママの思惑が満載の家ですね。

というわけで、ちょっとお時間をいただきましたが、だいたい鹿目マドカの家のプランは整合をみたといっていいんじゃないでしょうか。

ただ、
「魔法少女まどか☆マギカ」にはいっぱい面白い建築空間が出てきますから、
まだまだ考察しなくてはならん建築的な対象が存在しており興味がつきません。


それにしても、昨年のまどマギ旋風は凄かったですね。

第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞。
日本SF大賞は惜しくものがしてしまったようですが、
なぜ「魔法少女まどか☆マギカ」を大賞に選ばなかったんでしょうかねえ。
小学生時代からの圧倒的なSFファンとして、早川書房ファンとしても、
これはちょっと首をひねりますねえ。
選考委員の先生方は以下のようですが、、、
冲方丁・貴志祐介・豊田有恒・堀晃・宮部みゆき
本当に全話ご覧になったんでしょうか。

小説ならなんとか飛ばし読みして全体像を把握できるんですが、
アニメですからねえ、飛ばして見れないでしょうし、特に中盤にさしかかると
「ああ、もう、この繰り返しなら、残りは見なくてもいいや、、なんで大賞候補なの?」
くらいに思われてしまったのかも。

非常に惜しいですよ、今回のSF大賞を「魔法少女まどか☆マギカ」に出していれば、
SF大賞の格も上がったというのに、、残念です。
というのも、「魔法少女まどか☆マギカ」はちょっと今までにはなかった世界観ですから

見てる人はもう見てると思いますから、多少ネタバレありで簡単に解説すると
「魔法少女」というのは、魔法という超人的な力を持った少女ですが、
基本、世の中のため、かわいそうな人たちのため、世界の平和のために、
悪をを倒すために、この魔法を手に入れます。
そのためには代償が必要なのですが、
通常は、滝に打たれて修行だとか、自分の浮世の幸せ放棄とか、家族と離れ離れとか、
個人的な欲求を封印します。

「魔法少女まどか☆マギカ」では、この代償というのがよくわからないんです。
魔法少女として「キュゥべえ」という不思議な生き物、
一見かわいいなりをしていますが、目が死んでいる白いイタチです。
こいつと契約しなくてはなりません。
「鹿目まどか、それと美樹さやか」、「僕と契約して、魔法少女になってよ」
と言います。
ちなみに、相手のことはいつもフルネーム呼び捨てです。

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よく考えてみると、魔法伝授の順番が違っていて、
「願い事をかなえてあげるから、僕と契約して、魔法少女になってよ」
なんですね。
なんか変なんです、願い事もかなえてもらって尚且つ超人的な力を授ける、と言うんです。
で、悪である魔女と戦ってそれを倒せるようにな力を得ると言います。

最初見たときはこの仕掛けに気づけないんですが、、、
実は魔法少女になることは第一段階なんですね。

で、魔女を倒しに行き、魔女を倒すと「魔法少女の心=物語ではソウルジェム」が少し穢れます。
まあ、しょうがない、悪とはいえ、何か得体の知れないものとはいえ、
倒した、殺したんだから、そういうことはあるでしょう。
良心の呵責とか、精神的疲労とかですね。

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その穢れを放置しておくと、どんどん心が汚れていくので、
魔女を倒すごとに得られる「魔女の心の芯みたいなもの=物語ではグリーフシード」に
穢れというか邪を吸い取らせる。で、また魔女を倒しに行く。という魔法少女正義の循環です。

ところが、、なんです。
この悪を倒すという正義をおこない続けていると、どんどん穢れが溜まっていき
ソウルジェムのある一定の邪のキャパシティーを超えたとき、爆発的な変化を起こすんです。
それは、今まで正義から見て悪だと思い込んでいたもの、
悪の顕現、邪の化身、である魔女になってしまう。

敵というよりももっと邪悪でクレージーな世界観で、
悪の結界を作り出す禍々しい魔女に変化することが運命付けられているんです。
これは、ですね。本当に空恐ろしい設定でしたね。
だからこそ、暁美ほむらがあれほどダメだ、契約しちゃダメだ、と言い続けていたのかと。

む~ん、すごいな。考えさせられました。
と、同時にこの設定は荒唐無稽なものに思えて、世の中の地獄を象徴的に捉えているな。
と感じました。

若いころに「世の中を変えなきゃ!こんな弱いものから搾取する巨大な敵を倒さなきゃ!」
とか、「今の世の中はおかしい!悪が大手を振って歩いている、ゆるせない!」
ということで活動に身を投じる人たちがいます。

最初は純粋な動機だった、
家族や身内友人がひどい目にあってる、ご近所のかわいそうな人たちを助けたい、
遠い異国の地で虐げられ、飢えに苦しむ人たちがいる、世界を変えなくては!
そのためにある種の団体や活動組織と契約をする。で、魔法少女になる。

魔法少女として華々しく活動する、街頭で、マスコミで、シンポジウムで、
訴える、正義を、世の中の悪を糾弾する、悪の既存組織や悪の政治家を、
しかしながら活動を続けるためには、ずっと正義ばかりではいられない、
多少の邪も喰らわなくては、もっと悪い奴らがいるんだからこれくらいはかまわない。
自分の邪を吸い取ってくれるもっと悪いやつがいる。だから、自分は綺麗なまま。
そして、一定のキャパシティーを越える。

強くなっている、周囲に邪の結界を張り巡らし、近寄るものを狂わせる。
すると、今まで弱者の見方であったはずの自分が、
いつのまにかそうではなくなっている、

むしろ組織活動のためには、何をやってもいい、テロでもいい、
もしくは、
政権や権威を奪取したら、大儀の前には弱者切り捨てもやむなし、
気が付けば、正義の味方であったはずのかわいい自分が醜い魔女になって、
次の世代の魔法少女から攻められ、魔女として殺されていく。

そのような繰り返しの無間地獄です。

これは、「魔法少女まどか☆マギカ」、かなり怖いな、、と思いました。



こんなややこしい話ですから、あの物語空間は、夢の中の風景のように、
シャフト&イヌカレーのデザイン空間のように、

カラッと浮世離れしていてくれてるのが救いなのかもしれません。


 おわり。


2012-01-17 19:56:35

岸上勝彦特集4 まとめ

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前回ご紹介した家は正面こんな姿をしておりまして、
意外と、、どころか、かなり現代的なシャープなデザインをしております。

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この建物正面の1層目が横方向への大きなスライド扉になっています。
ここでも、マニアックな処理が施されています。
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上写真をぱっと見ではわかりませんが、扉の敷居溝がコンクリート打ち放しです。
だから、この木の扉には枠がありません、コンクリートと木が直接でっくわしています。
こんな処置は、通の通にしか通じないと思いますよ!岸上さん!

コンクリートのままでガラスを入れたはめ殺し窓はよく見ますが、
可動の建具を入れ込んでいる物件は初めてみました。

続いて、こちらの案件はコンクリート打ち放しの船体に、
艦橋としての木造部分がのっかったもの
大航海時代の海賊船の趣です。
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ここではコンクリートの箱型ではなく、面と面が組み合わさった立体という処置
そのために壁の端部をわざわざ飛び出させたりへっこませて、
壁をスパッとカッターで切りっぱなしたようなデザイン。
この処置も型に流し込んで固めるというコンクリートの素性に対し、
真逆の取り扱いです。

壁の交差も90度ではなく微妙に角度がつけてありますね。
コンクリートの壁で防御された砦のようにも見えますね。

中庭の部分では亜鉛どぶ漬けメッキされたパイプの透けた大扉があって
中から柴犬が見張ってました。


続いて、岸和田に移動。
現代美術家の方の家、そのような施主さんから依頼を受けるとは。
この施主さんもすごい建築の目利きなんではないでしょうか。
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ここでは2階のテラスの前に大きなコンクリートにフレームが遺跡の列柱のように立っていますよね
表現として整然と並んでいるのではなく、一部壁化したり、ピッチがズレていたりして
太さや奥行きを違えてあるので、もしかしたら増築を想定した構造フレームなのかもしれませんが、
将来の増築を暗示するというより、かつて内装されていた家が長い年月を経て朽ち果てて、
その石積みのフレームだけが残ったといったイメージの方が適切かもしれません。



続いても岸和田案件。
コンクリートというより石の塊を切り欠いたような物体。
奥まで続く路地が迷宮の趣ですが、
これはコンクリートの表面具合もちょっとザラついていて、
鈴木恂先生設計のGAギャラリーと良く似た雰囲気でした。

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エントランス壁の上に渡し掛けられた黒い角材が多少朽ちて灰色に変わりつつあり、
コンクリートになじむと共に、かつてそこに存在したかもしれない木床の存在を暗示するものとなっています。

すべてに共通して感じ取れるのは、堅くゴツゴツしたコンクリート構造物と、そこに絡む枯れて乾いた木材の構成物、その構造的に異なる二種の構築物がどのように関係するのか、、といったことが隠れテーマとなっております。

いったん完成したコンクリート構造部に付加的に乗っかっていた木構造部が、
だんだんコンクリート構造物の内部や構成要素に入り交じっている、堅い空間に柔らかな要素が浸潤していっている。
建物のスカイラインをコンクリートの壁で水平に終わるのではなく、木部が輪郭をあいまいにしようとしている。
工事途中で放置されたコンクリートの廃墟に、木の角材で増改築を施して家にしていっているような印象です。
そういった意味では、
これらの全てまだ未完成のような、
もしくはかつての姿をとどめつつ朽ちているまっ最中
コンクリート部分以外は、どうなっていってもいいんだよ
といっているようなスケルトン
スケルトンインフィルという言葉がありますが、
スケルトンネヴァーフィルとでもいうんですかね。
永遠に内装が終わらないような建物です。



以上のように、岸上さんの今までのお仕事は、
ミニマルアートのような文脈で設計デザインされているのです。

あれっ?漢(おとこ)岸上の勢いや野太いその素材感や繊細な業物(わざもの)の話しだったはずが、
ミニマルアートとか文脈とかいった言葉が出て来ると、
なんだかめんどくさそうな気がしてきますよね。

これは美術とかをやっている人たちがちゃんと説明しないことに原因があります。
どういうことかというと、美術、特に西洋美術というものは歴史的体系にのっとって
なんらかの意味が載せてあるんですね。

その意味というのは、
たとえば、時間に遅刻しそうになって、「今から走っても意味がない、、」とか、
風邪のときに下痢止めの「正露丸を飲んでも意味がない」とかいったような、
役に立つとか、効能のことをいうのではなく
「意図」とか「解釈」のことです。これがないとアートとみなさない。
逆にそこを抑えることが出来れば、一見ゴミでもアートです。

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これは有名なマルセル・デュシャンの「泉」という作品です。
作品といっても建材屋で買ってきた便器です、デュシャンが手を加えたのは
1.サイン、2.タイトル、3.ギャラリーに展示
の3つですが、これが「意味」をもつのは、
「美術館・ギャラリーという規定の枠組みの中に、あえて工業製品の便器」
という状況を用いて美術環境と芸術評価構造に「問い」を投げかけたから、
です。

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もちろん、金箔で鶴を描いた素晴らしい蒔絵といったものも芸術なのですが、
上記の西洋美術の大系では、どちらかというと「工芸」。
金箔で鶴を表現するその意図とは何か?をロジカルに説明できないとダメなんです。

そういった意味では、現代美術というのは、技を競うのではなく、歴史哲学に近い。
どんだけいっぱい知っているか、知っていることの連なりを踏まえて、
さらにその説明の論理が新しいか、その理屈に、へえってなるか、を競っています。

だから、その意味を受け取る側も勉強してないと楽しめないという世界です。

金箔に漆で鶴を素晴らしく描いた、人間技とは思えないような細い線を見てビックリする。といったような感覚的な感動のみでは不十分とみなされるんですね。

ただ、この概念の枠組みを理解すれば非常に面白い謎かけのような、
哲学的なパズルのような世界でもあり、そこが現代美術の魅力です。
そしてその解釈についてこれるかどうかで、鑑賞者を峻別します。
いうなれば「とんち勝負」ですかね。

ちょうど、お茶の世界で、花入れと香合と掛け軸の取り合わせに意を凝らし、
「これをなんと解く?」、「そのお心をお聞かせ願いたい。」とやっているのと同じ。
もっとくだけた言い方なら、板尾創治のしりとり竜王戦の面白味に近いでしょうか。

ミニマルアートというのも、それまでの抽象絵画の不条理性を笑い飛ばすように登場したポップアートに対する対抗概念なんです。

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絵ではなく有名人のポートレートを使って現代における絵画、
ビジュアルアートの意味を揺らがしたアンディー・ウオーホール

ポップアートが使った大衆性やゴミとか社会の現前たる事物のマスコミ的表現に対し、純粋な形態の組み合わせや恣意的な処理を排したハードエッジな即物的処理を提示といった具合に

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ただ、画面を分割する黒い枠と線だけで、その太さや方向性のバランスの妙。
ここに何事かの意味を探査させようとするソル・ルイットの絵画

その傾向が1970年代以降、建築の世界でも支配的になっています。

普通の町に溢れる広告や大衆的な看板、手垢のついた事物、ほのぼのと雑多な
鉢植えや、暖簾や、生け垣とかいったノイジーな街並みの中で、
ミニマルな表現は、なかなか目立つんですよ。と、同時に作家の恣意性とかいった
ものを一見覆い隠してくれます。

これはほぼ磯崎新さんが仕掛けた枠組みだと思うのですが、
ちゃんと歴史哲学美術を勉強をした人たちと人たちの間でだけ交わされるような
スノッブな世界であればよかったのですが、
本来サブカルチャー的な現代美術的な建築デザインの取り組みが建築業界の権威となって数十年経過してしまいました。

だから、使えるのか使えないのかわからないような公共建築、
意図的に構造上の不合理性を表現してみたり、
ただの駅舎の丸い屋根のカタチを綺麗に銅版で葺くだけでは褒めてもらえないから、
必死のドヤ顔で「極小の宇宙」と呼んでみたり、
「一点から等距離に設置した事物の集合体としての蓋然性」とか説明してたり、
「ローマのパンテオンの写しとしての相互依存的な新しい公共空間」とか、
わけのわからない解説をしているのを見たことがあるでしょう?
あれ、設計者も自分の言ってることがわかってないんですよ大概においては。

そうした環境要因が、たとえば川越の「ドヤ建」を産み落としてしまったのです。

川越で見た「ドヤ建」|建築エコノミスト 森山のブログ


だから、業界内部で一定の地位を確保しようとすると、どうしても機能や効能より
西洋美術の流れの中にある現代美術の文脈を優先せざるを得ない。
場合によっては、教育者がその価値感の中から脱却できませんから、
後者の方にのみ特化した設計者を教育している機関も多いんですね。

そのような評価構造の中から、
数十年は使用しなくてはならないはずの公共建築や30年ローンの住宅が、
数年で機能を損なってしまったり、土が未来とか言ってみたり、
芸術概念のトレンドは動くので数年後には陳腐化するデザインだったり、
個人の出世欲がそのままカタチになって、
ノイズのような街並みができあがってしまってるんですね。

そういった建築と芸術の評価環境、評価構造の中でも、
ゆるがないような建築の価値を求めてギリギリのところで、
事物からくる感動、手仕事からくる驚き、

岸上さんはがんばっておられるのです。

だから、その岸上さんが「瓦」に手を出している。

現代建築を設計する人たちが絶対避けて通ろうとする瓦屋根。
磯崎新さん、伊東豊雄さん、安藤忠雄さんたちが絶対やらない、
屋根とか庇とか瓦とかに取り組んでいる。

コンクリートの構造体に木造がとりつくのではなく、
コンクリートを木造が呑み込み始めている今回の住宅デザインは
いろんな意味で、大きな可能性を秘めていて、
だからこそ
今回わたくしが、速攻見に行っているんですよ。

岸上勝彦 + 明建築工作舎

岸上勝彦特集4 まとめ
岸上勝彦特集3

岸上勝彦特集2

謹賀新年・岸和田にて
2012-01-16 23:06:04

岸上勝彦特集3

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岸上勝彦特集2

謹賀新年・岸和田にて


というわけで、岸上勝彦特集1および2を読まれた方は、
岸上さんって、なんか漢、なんか自然派、といったように、
樹の心が聞こえる系の一見山男風の心根は優しいが、
案外粗雑なフォークロアな建築家を想像されていると思うんです。

ところが違うのです。

現代美術のジャンルで1960年代から台頭した「ミニマリズム」。
フランク・ステラとかドナルド・ジャッド、ソル・ルウイット、といったような
物質と形態の即物的かつ単純化した表現の中から、
哲学的な意味を拾い出すといったタイプの建築を設計しているんですよ。

フランク・ステラ
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ドナルド・ジャッド
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ソル・ルウイット
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まずは岸上さんが鈴木恂先生のところを卒業されて最初の建築。
現物見ましたけど写真撮り忘れたのでHPからの引用です。

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コンクリートの塊としてのタワー、そこに木のフレームが載り上げた格好をしていますね。
いわゆる狭小住宅の一種なんですが、現物を見ますと、
コンクリート打ち放しの構造躯体に木製サッシがいい具合に絡んでいます。

続いて案内された、この建物。
コンクリートの基壇の上に覆いかぶさるような木のフレームという構成です。

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しかも、この木のフレームは黒いんですが、写真ではわかりずらいのですが、
キシラデコールというドイツ製の防腐剤の黒ではありません。
炭です。
いわゆる「焼き杉」というやつです。
この仕上げ方法は、日本各地で見られますが、
特に備中地方、倉敷とか早島、鴨方、笠岡などの民家でよく使われています。
その焼き杉を木の木目が消えるまでに炭化させたギリギリの素材です。

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実は、僕も本物を見るまでは、たぶんキシラデコールだろう、、とたかをくくっていました。
キシラデコールの黒塗りというのは定期的に建築デザイン界に現れるブームみたいな仕上げなんです。
武者鋭二さんのカラス城、鯨井勇さんのプーライエ、原広司さんの粟津潔邸、内藤廣さんの海の博物館、阿部仁史さんの読売メディアミヤギゲストハウス、といった風に、
とりあえず、異形の異端のデザインっぽい狙いのときには、「色は黒」なんです。
コムデギャルソンみたいに、とりあえず黒にしとけば、
絞り込んだイメージで、かっこいいじゃん、そんなときには、
日本の建築家はみんな、「板張りしてキシラデコール黒塗装」なんですよ。

ところが岸上さんは炭でした。墨色とか黒に塗るではなく正真正銘「炭仕上げ」ですよ。
だから、黒色といっても光の具合によっては、チャコールが反射して金属質、ガンメタルな輝きなんですね。
で、この寄りのディテールのように、壁の端部を切りっぱなしてあるのがわかりますか?
建築のデザインの良し悪しというのはコーナー、角のディテールに現れるんです。
コンクリートの端部にプレーナー掛けで止めたワイルド木肌の角材に、
30ミリ厚の羽目板の噛み合いの断面がそのまま現れていますよね。
この使われた素材断面をそのまま見せるっていうのは非常に難しいんです。
岸上さん以外では、国内にはこんなこと考える人はいなくて、強いていえば、
ポルトガルの巨匠建築家アルバロ・シザのとこにいた、これまた巨匠ソウト・デ・モウラがやってました。


次に見たのが、これ。

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コンクリートの箱型を途中から板張りの被覆が覆いつくし、透けていっていますね。
そういった全体構成のシャープで良いんですが、
ちょっとビックリしたというかたまげたのが、サッシワークです。
写真でもわかりずらいし、プロでもわかりずらいんですが、
このサッシ、ガラスのブラインドみたいなサッシでジャロジーといいます。
このジャロジーは特段すごくないです、メーカーの既製品ですから、
何が凄いかといいますと、このサッシ、完全にコンクリートに埋め込まれているんです。
普通、サッシというのはコンクリートでも木造でも、建築の壁が出来た後に設置します。
だから、壁とサッシの間には取り付けた後でコーキングというボンドと粘土のあいのこみたいな、
ブニュブニュした防水材料を隙間に詰めてあるもんなんです。

だから、案外綺麗に見えるデザイナー住宅でも寄りで見たら、撮影したら、
サッシ枠と壁の隙間が汚いんです。あくまでビジュアル的にですが、、、
ところが、岸上設計のこの家のサッシとコンクリート躯体の間にはコーキングがないんです。
実は、隙間もない。

つまり、型枠といっしょにサッシを打ち込んであるんですね。
アメリカ最後の巨匠ルイス・カーンとかベネチアの巨匠カルロ・スカルパみたいな仕事です、こんな普通の泉州の街中で。

岸上さん!これジャンカも気泡も出てないですけど、コンクリート工事屋泣かせまくりでしょう?
っていったら、凄い答えが返ってきました。

「ああ、ここのところのバイブレーターはわしや。」

うわあ~、、、凄いわ。コンクリート打ちのとき自らバイブレーターもやってるんだこのおっさん。

どういうことかといいますと、
コンクリートというのは型枠というベニヤの箱にコンクリートを流し込んで固めるんですが、
ちょうど、プリンとかシャービックを作る要領ですね。

しかしながら、コンクリートがドロドロしているといっても、
プリン原液やケーキ生地みたいにサラサラではないんです。
焼く前のお好み焼きぐらいにドボドボなんです。
だから、案外綺麗に型枠になじまない、平気で隙間やスが入るんです。

それを防ぐためにコンクリートを型に詰めた後、
周りから振動を与えてなんとかキチキチに詰めるんですが、
それはいわゆる土工さんの仕事で、設計士の仕事じゃありません。
そこのところを自らやっているとは、、、

「うまいこといくかどうかわからんかったからね。」とは岸上さんの弁。

私も齋藤裕先生のところにいたスタッフのころはやらされましたけど、
先生御自らはやってなかったですよ。

岸上さん、サッシひとつにクレージー過ぎますね、、

「でもな、これ(サッシを躯体に打ち込むこと)が一番確実に水止めると思うで。」

いやはや、水止めるとかいった機能的な話になっていますが、

そうじゃねえだろ!デザインの話だろ!
ということで、
この建物のサッシ周りはマクロ撮影しても大丈夫なくらいの仕上がりです。
サッシ枠にピシっと打たれてピン角立ったコンクリート壁初めてみましたよ。


つづく

岸上勝彦 + 明建築工作舎

岸上勝彦特集4 まとめ
岸上勝彦特集3

岸上勝彦特集2

謹賀新年・岸和田にて

2012-01-14 19:54:24

岸上勝彦特集2

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  岸上勝彦さんの工事中現場に乱入してみたわけなんですが、

現場で施工中の大工さんとお打ち合わせ中だったんです。

ざっと現場見学した後、
「ほな、ちょっと大工さんと話してるから、、図面でも見る?」

ええ、見せてください!!

ということで図面見せてもらいました。
実は、この設計図面というものはプロにとっては、
ただ建築物を完成させるための指示図面といった以上のものが
表現されていたり、設計者の性格や意図とか思想といったもの、
そんなものがにじみ出ているものなんです。

それに加え、手書き図面の線の綺麗さや強さといったものも、
その設計者のスキルを推し量ることも出来たんです。

しかしながら、この10年くらいの間で、設計図をぱっと見たのでは
その設計者の意図や力量などが見えにくくなってきたんです。

なぜかというと、
コンピューターソフトで図面を書くのが一般化したからなんですね。
通称CAD(キャド)といいます。
 Computer Aided Design Systemの略ですが、
もともとは航空機の設計のためにアメリカ国防総省で開発されました。
1960年ごろのことらしいのですが、
その後40年を経て、パソコンの普及と廉価化により、
現在では町の小さな設計事務所や工務店でもほぼみなCAD化しています。

CAD化するとパーツのデータ化をはかったり、以前の図面をコピペしたり、
何本も線を引かなくてはならないタイルの目地とか、フローリング表現などが、
1秒で終わる。手書きで5時間の製図作業が30分くらいで終わったり、
設計製図のスタッフの人数が会社から必要なくなってきたりしちゃったんです。
この10年で、、

とはいうものの、CAD図であってもプロ同士であれば変に語り合わなくても、
図面とその表記内容や壁芯の振り方など見れば、
相手の力量というか、どれくらいやれるヤツなのか、一目瞭然。

それを、いとも簡単にさらっと、見てみる?というのも岸上さんらしい所作。
「どないやねん」という。

で、見せてもらいました。

こんな感じ、、さすがアニキです!

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うわっ、まだ手書きかよ!!コピーじゃなく青焼きなんだ!
やっぱ、やるなーーーー!!

設計作品を見る前に、この図面を見ただけでも
その勢いが伝わってきますよね。

この青焼きというのは、かつては日本のすべての設計事務所が使っていた
感光式の図面コピーシステムです。
トレーシングペーパーに書いた図面を感光紙に重ねて、紫外線に当てる。
その後、アンモニア系の現像蒸気で感光したところのみ白く抜けて、
鉛筆の線のところのみ群青色の線になって残るんです。
こんなの見たことないですか?
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この青焼き図の上から、
2Bくらいの太芯鉛筆でゴリゴリと壁や柱の位置が書き加えてあります。
建具周りの施工がシビアそうなところにはメモ書きや注釈があったり、
ぐるぐるした太陽の方位なんかもありますね。
人の動きに加え、橙と黄色で照明位置とかもすでに決まってるみたい。
これだけガッチリ書いてあるんですが、寸法などの数字は極力省いてある。

これ、わかりやすいっすね!

「とりあえず、図面は全部これだけ、あとは現場でアドリブ。」

とか言っちゃって、どこまでかっこいいんだよ!岸上さん。

ということで、丹念に図面を追って現場を見てたんですが、
岸上さんはどんな打ち合わせしてるのか、、と思いきや

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現場の方に、ケミカルアンカーの打ち方教えてました!

現場のこれどないすん?という質問に
「ドリルで下穴開けて、この薬入れて、ボルトをハンマーで打つ。」
とか言いながら、ささっと一本打って、なおかつボルト締めしてましたよ。

「森山くん、まだ時間あんねやろ?近所に僕がやった建物何軒かあるから見てよ。」
というわけで、泉州貝塚、岸和田の岸上建築めぐりとあいなりました。

つづく

岸上勝彦 + 明建築工作舎

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岸上勝彦特集3

岸上勝彦特集2

謹賀新年・岸和田にて


2012-01-10 12:56:09

謹賀新年・岸和田にて

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お正月に久しぶりに実家のある岡山に行ってきたのですが、
その前に立ち寄ったのが、岸和田の岸上さんのところです。

以前、「ビフォアー・アフターの匠」としてご紹介したこともありますが、
私の先輩です。
岸上さんは、泉州を基盤に素晴らしいお仕事をされているのですが、
今回は、RC打ち放しメインではなく在来木造軸組の建物を設計工事中とのことで、
これは!いっぺん見とかなくては!と、
松の内にもかかわらず現場に突撃取材してきました。

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約束の時間よりちょっと早めに着いたんですが、、
じゃーん!なんだかものすごく立派です。

それもそのはず、今時めずらしい本瓦葺きです。
しかも男瓦の直径が極太なヤツを使ってある、、む~、、やるなあ。
と感心してましたら、

岸上さん、さっそうとツーシーターのカーで登場です。
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「もう、来たん?まあ、適当に見とってよ。」
とどこまでも気さくなアニキです。

「なしたん、瓦?初めて使うてみたんやけけど、軒の丸鼻が太うてええやろ?」
いいです、いいです。太くていいですよ~。

泉州のもんですか?
「太いん探してみたら、けっきょく奈良の瓦や」
なるほど~、天平の甍ですね。

「中はなあ、まだまだやねん。」
と言われ内部におじゃますると、、

いや~、、いいわ。
いきなり杉板型枠使ってるし。

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その岸上さんのトレードマークともいえる骨太なコンクリート壁に木が絡んでいきます。
何?この木?コンクリートに負けないような強い感じの檜使ってますねえ。

「せやろ?紀州の檜やねん。一等材なんやけどアカミがええやろ?」
うん、いいですよ~。

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「このな、コンクリの壁にな、梁は載せてないんやで?4号やからな」
えっ、これ混構造じゃないんですか?

「うん、めんどくなるやろ?せやから構造的には純木造やねん。」
いやいや確かに木造ですが、、この力強さは木でありRCであり、、なんなんでしょうねえ。

これ古材ですか?
「おう、前の家を倒したときになんぼかとっといた材や」
へえ~、梁はそのままですか。
えっと、じゃあこの茶味のある柱はケヤキ?

「ええとこ見とるな、この柱もこの家の古材やねんけど、製材し直してん。」
「せやから、角に製材しても燻製みたいな味が出てんねん」
なるほど~

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コンクリート打ち放し、杉板打ち放し、古材、製材古材、新材が混在する
素材迷路みたいな現場です。

で、2階に上げてもらったんですが、、梁の上をスイスイ渡ってきます。

岸上さん怖わくないんですか?
「ええ、君かて建築やってんねやろ?しかもちょうどええ、君の好きな鉄骨渡りや」

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はあ、確かに、、そろりそろりと2階の方へいってみました。

この木と同化しているような、
ラグビー選手みたいなおっちゃんが岸上さんです。
で、スルスルと、上の方に上っていっちゃんですよ。

ということで続きます。

岸上勝彦 + 明建築工作舎

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