めぞん一刻館は今建てられるのか?1
めぞん一刻館は今建てられるのか?3
めぞん一刻館は今建てられるのか?4
めぞん一刻館は今建てられるのか?5
めぞん一刻館は今建てられるのか?6 最終章
今、一刻館を建てようと思っている大家候補さん、管理人さんは、
かなり気合を入れてがんばらないといけません。
それは、
現在の建築法規に照らし合わせると、板張りの建物は結構工夫をしないと建てられなくなっているからです。
その法律というのは、板張りをさせないように、二つの方向から攻めてきます。
その二つとは、用途と防火地域指定というもの、
そして、そのときにおける規模です。
なぜ、用途かというと、建築の法律が一番ゆるいのは、戸建住宅です。
そして、不特定多数の人たちが使用しそうなもの(これらは特殊建築物と呼ばれているのですが)に向かって、だんだん厳しくなっていくように設定されています。
そして、耐火建築=コンクリートか鉄骨で耐火被覆したもの、準耐火建築=木造でもモルタルとかPB(せっこうボード)で内外を燃えない素材で固めたもの、
にしなくてはならない。
用途というジャンルから攻めてくる法律、建築基準法第27条の特殊建築物の別表第一に記載されており、
一刻館は、
共同住宅、旅館、下宿、寄宿舎、ホテル、病院、診療所、というジャンルに入れられています。
意味としては、夜間に人が就寝することがありえる建物なんだから安全にしとけよ、ということでしょうね。
そして、
3階以上の階にそんな用途があるなら、耐火建築にせよ
2階の面積が300㎡(約95坪)以上の広さがあるなら、準耐火建築にせよ
そんな攻め。
防火地域指定というのは何か?というと日本中の土地に、建物の燃えにくさはこの程度にしとけよ、というものが実は指定されているのです。
日本は江戸時代からけっこう大火に見舞われており、地震も多く発生するということから、家の防火性能や耐火性能を上げることを目標に建築のルールを設けていったんですね。
江戸の火消しがやる仕事というのは、消火もさることながら、燃え盛る家の近隣をぶっ壊すことだったというのを聞いたことがありませんか、不注意で火が出たらその家を消火するのと同時に、これ以上火事が広がらないように、近くの燃えやすいものをなくして、延焼ラインを後退させるのです。
だから、既に繁華街になってびっちり建物が建っているところ、繁華街になりそうなところほどこの防火地域指定は厳しくなっています。
一番厳しいのが、「防火地域」次に「準防火地域」、「22条地域」、「無指定」。
「防火地域」
だいたい商業地域でこの指定になっているところが多いです。
100㎡(約33坪)を超えると耐火建築に、3階建ても耐火建築にせよ、
「準防火地域」
商業地域の周辺だけでなく、たいがいの住宅地がこの準防火地域になっていることが多いです。
4階建ては耐火建築にせよ、
1500㎡を超えると耐火にせよ、
500㎡(約150坪)から1500㎡(450坪)の間は準耐火建築でもいいだろう。
でも3階建てならもうすべて準耐火建築にせよ。
そんな攻め。
一刻館は2階建て、
では、2階建てのときはどうなんだ。
一刻館の間取りは不明瞭な部分も多いですが、1階で約120㎡(約40坪弱)、2階で約80㎡(約25坪)くらい
規模と階数ではクリア。
しかし、
2階建てでも、延焼の恐れのある部分(1階なら隣地から3メートル、2階なら隣地から5メートルの範囲)が、
防火構造であること!という、最後の関門。
みんな、ここであきらめる。音無響子さんになることを。
大概の工務店、設計事務所も板は外壁に使えないと決めてかかっている。
この防火構造というのは建築基準法2条8号において定められた、外壁および軒裏に必要とされる防火性能のこと。この防火構造について、実は画期的な法改正がおこなわれていたんです。
それは木材の板の遮熱性です。寒いときでも木材はそんなに冷たくならない、暑いときでもそんなに熱々にならない。熱を伝えにくい、なら燃えるまでに実は結構時間が稼げる素材ではないのか、木材は!
という解釈。
このことはあまり知られていないようなんですね、地場産材の積極的利用や木材の活用推進をはかっている(財)日本住宅・木材技術センターのホームページをご紹介しておきます。
平成12年6月、(財)日本住宅・木材技術センター
http://www.howtec.or.jp/kokomademokuzai/fireproof/3-3h.html
しかし、土塗り壁40ミリ厚とか、モルタル塗り20ミリ厚とかを左官工事で塗るのは、
予算がない案件では結構大変です。しかも見えないところでもあり、しっくい真壁仕上げならともかく、
工期のことを考えたりすると左官仕上げが下地ではちょっと贅沢になってしまう。
それを解決する画期的な簡易工法があります。
それが、現在の伊藤忠と丸紅と呉羽を合わせた規模だった、戦前の巨大財閥大建産業株式会社 、その林業部が富山で独立しベニヤ製造を始めたことを発祥とする
大建工業株式会社のダイライト
この素材は構造壁も兼ねることができるベニヤみたいな板、そして燃えない、だから外壁側の仕上げを木材フリーにしてくれるんです。
外壁板張り+ダイライト+内部PB(せっこうボード)、という組み合わせで、認定防火構造になるんです。
設計図面の外壁仕上げに、下記の魔法の言葉(大臣認定番号)を書けばOK
「PC030BE-0853」(在来木造ウレタン断熱の場合)
「PC030BE-0925」(在来木造グラスウール断熱の場合)
「PC030BE-0726」(2X4木造グラスウール断熱の場合)
これで、建つ、外壁板張りの家。
これ、覚えておくといいですよ、ちょっとした裏技です。
あと続きの3では、内装基準や
22条地域という防火地域における取り決めについても書いときますね。
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今、一刻館を建てようと思っている大家候補さん、管理人さんは、
かなり気合を入れてがんばらないといけません。
それは、
現在の建築法規に照らし合わせると、板張りの建物は結構工夫をしないと建てられなくなっているからです。
その法律というのは、板張りをさせないように、二つの方向から攻めてきます。
その二つとは、用途と防火地域指定というもの、
そして、そのときにおける規模です。
なぜ、用途かというと、建築の法律が一番ゆるいのは、戸建住宅です。
そして、不特定多数の人たちが使用しそうなもの(これらは特殊建築物と呼ばれているのですが)に向かって、だんだん厳しくなっていくように設定されています。
そして、耐火建築=コンクリートか鉄骨で耐火被覆したもの、準耐火建築=木造でもモルタルとかPB(せっこうボード)で内外を燃えない素材で固めたもの、
にしなくてはならない。
用途というジャンルから攻めてくる法律、建築基準法第27条の特殊建築物の別表第一に記載されており、
一刻館は、
共同住宅、旅館、下宿、寄宿舎、ホテル、病院、診療所、というジャンルに入れられています。
意味としては、夜間に人が就寝することがありえる建物なんだから安全にしとけよ、ということでしょうね。
そして、
3階以上の階にそんな用途があるなら、耐火建築にせよ
2階の面積が300㎡(約95坪)以上の広さがあるなら、準耐火建築にせよ
そんな攻め。
防火地域指定というのは何か?というと日本中の土地に、建物の燃えにくさはこの程度にしとけよ、というものが実は指定されているのです。
日本は江戸時代からけっこう大火に見舞われており、地震も多く発生するということから、家の防火性能や耐火性能を上げることを目標に建築のルールを設けていったんですね。
江戸の火消しがやる仕事というのは、消火もさることながら、燃え盛る家の近隣をぶっ壊すことだったというのを聞いたことがありませんか、不注意で火が出たらその家を消火するのと同時に、これ以上火事が広がらないように、近くの燃えやすいものをなくして、延焼ラインを後退させるのです。
だから、既に繁華街になってびっちり建物が建っているところ、繁華街になりそうなところほどこの防火地域指定は厳しくなっています。
一番厳しいのが、「防火地域」次に「準防火地域」、「22条地域」、「無指定」。
「防火地域」
だいたい商業地域でこの指定になっているところが多いです。
100㎡(約33坪)を超えると耐火建築に、3階建ても耐火建築にせよ、
「準防火地域」
商業地域の周辺だけでなく、たいがいの住宅地がこの準防火地域になっていることが多いです。
4階建ては耐火建築にせよ、
1500㎡を超えると耐火にせよ、
500㎡(約150坪)から1500㎡(450坪)の間は準耐火建築でもいいだろう。
でも3階建てならもうすべて準耐火建築にせよ。
そんな攻め。
一刻館は2階建て、
では、2階建てのときはどうなんだ。
一刻館の間取りは不明瞭な部分も多いですが、1階で約120㎡(約40坪弱)、2階で約80㎡(約25坪)くらい
規模と階数ではクリア。
しかし、
2階建てでも、延焼の恐れのある部分(1階なら隣地から3メートル、2階なら隣地から5メートルの範囲)が、
防火構造であること!という、最後の関門。
みんな、ここであきらめる。音無響子さんになることを。
大概の工務店、設計事務所も板は外壁に使えないと決めてかかっている。
この防火構造というのは建築基準法2条8号において定められた、外壁および軒裏に必要とされる防火性能のこと。この防火構造について、実は画期的な法改正がおこなわれていたんです。
それは木材の板の遮熱性です。寒いときでも木材はそんなに冷たくならない、暑いときでもそんなに熱々にならない。熱を伝えにくい、なら燃えるまでに実は結構時間が稼げる素材ではないのか、木材は!
という解釈。
このことはあまり知られていないようなんですね、地場産材の積極的利用や木材の活用推進をはかっている(財)日本住宅・木材技術センターのホームページをご紹介しておきます。
平成12年6月、(財)日本住宅・木材技術センター
http://www.howtec.or.jp/kokomademokuzai/fireproof/3-3h.html
しかし、土塗り壁40ミリ厚とか、モルタル塗り20ミリ厚とかを左官工事で塗るのは、
予算がない案件では結構大変です。しかも見えないところでもあり、しっくい真壁仕上げならともかく、
工期のことを考えたりすると左官仕上げが下地ではちょっと贅沢になってしまう。
それを解決する画期的な簡易工法があります。
それが、現在の伊藤忠と丸紅と呉羽を合わせた規模だった、戦前の巨大財閥大建産業株式会社 、その林業部が富山で独立しベニヤ製造を始めたことを発祥とする
大建工業株式会社のダイライト
この素材は構造壁も兼ねることができるベニヤみたいな板、そして燃えない、だから外壁側の仕上げを木材フリーにしてくれるんです。
外壁板張り+ダイライト+内部PB(せっこうボード)、という組み合わせで、認定防火構造になるんです。
設計図面の外壁仕上げに、下記の魔法の言葉(大臣認定番号)を書けばOK
「PC030BE-0853」(在来木造ウレタン断熱の場合)
「PC030BE-0925」(在来木造グラスウール断熱の場合)
「PC030BE-0726」(2X4木造グラスウール断熱の場合)
これで、建つ、外壁板張りの家。
これ、覚えておくといいですよ、ちょっとした裏技です。
あと続きの3では、内装基準や
22条地域という防火地域における取り決めについても書いときますね。
めぞん一刻館は今建てられるのか?1
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めぞん一刻館は今建てられるのか?4
めぞん一刻館は今建てられるのか?5
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