第49話)世界で一つだけの花 | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

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心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?


運動会で子どもたちが手をつないでゴールインするのをテレビで見たことがあります。中には障害があって走れない子もいるでしょう。障害はなくても、走るのが遅い子もいます。私も小学生のときは、かけっこはいつもビリでしたが・・・。「走る速さを競争させるのはよくない」ということのようでした。

でも、私はなんとなく違和感をおぼえました。個性を尊重するというのが、「違いを認め合うこと」なら、走る速さも個性の1つです。手をつないで走ることは、「走る」という運動能力の個性を、認めないことになるのではないでしょうか。個性を認めないだけでなく、「皆と同じであることがいいこと」「違うことをするのはいけないこと」、という間違ったメッセージを、子どもたちに送るような気がするのです。皆さんは、どう思われますか?

問題があるとすれば、「運動能力のない子はダメな子」であるとか、「テストの点が悪い子はダメな子」というように、1つの能力(個性)だけに着目して、それで人の価値を決めるような考え方ではないでしょうか。

ホームビデオの投稿で、ほほえましいものがありました。1着でゴールイン寸前の男の子が後ろを振り向いたら、ころんでベソをかいている友だちがいました。その男の子は、逆戻りしてころんだ子を起こし、手をつないでゴールまで走ったのです。もちろんその間に、他の子に追い抜かれたので、1着にはなれませんでした。でも、ゴールインの瞬間、観客全員からの大きな拍手がわきあがったのです。

この子は、走る速さで1着になることより、友達を思う心を選んだのです。それが、その子の個性だったのです。その個性が、観客を感動させ、大きな拍手を起こしたのです。もし、これが始めから手をつないで走っていれば、その子は自分の個性を見せることもできなかったし、感動もよばなかったでしょう。

私はビジネスマンなので、ついつい「目的はなに?」と考えてしまうのですが・・・。
運動会にも、目的があるはずです。競技の方法も、その目的に沿った内容にすればいいでしょう。

もし、「ふだん運動をしないから、体を動かす機会にする」が目的なら、「手をつないで走る」でも目的は達せられます。でも、それが目的なら、わざわざお父さんやおかあさんに見に来てもらう必要はないですよね。

あじさいさん から、こんな情報を頂きました。

我が家の三男の通う幼稚園では、運動会に手はつなぎませんが頑張ったみんなが一等賞という事で順位はつけません。統合保育をしているので車椅子の子どももいますが、車椅子のままか、先生が抱っこした状態で競技に参加しております。

この幼稚園は、よく考えられていると思いました。車椅子や先生が抱っこして競技に参加するということは、子どもたちの「運動能力」という個性を発揮するのが第1の目的ではないということです。「頑張ったみんなが一等賞」ということですから、「いっしょうけんめい頑張ること、その頑張る姿を見てもらうこと」が、第1の目的なのでしょう。運動能力という個性の発揮は、第2の目的なのでしょう。

ですから、「手はつながないが、順位もつけない」というわけです。これは、納得です。


「世界に一つだけの花」という歌があります。「はーな屋の みーせ先に なーらんだ♪ いーろんな はーなを みーていた♪・・・」というSMAPの歌です。私の大好きな歌のひとつです。

ただ、「いろいろな角度から物ごとを見る習慣をつけよう」(第17話 )と言っている私は、ちょっと斜めから見て、突っ込みを入れながら聞いています。

「もともと特別なオンリーワン♪」「一人一人違うのに・・・♪」と言いながら、「それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる♪」と、比べることを批判的に歌っています。でもどうでしょう、「オンリーワン」は、比べた結果わかることです。「違い」は、比べるから気づくことです。

「違いを認める」ということは、「比べてはいけない」ということではありません。比べた結果、何がどう違うかを認識し、その違いを尊重し、受け入れることだと思います。

SMAPファンの方に誤解されてはいけないので、もう一度言っておきます。「世界に一つだけの花」、私の大好きな歌のひとつです!

このところ、このブログでは「個性」とか「違い」が話題になっています。男女平等の世の中で、男女の本質的な違いに迫った本、「話を聞かない男、地図が読めない女 」を読んだことはありますか?( 第50話へ つづく)


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