第41話)辛すぎる底なしの寂しさ | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

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心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?


過保護、過干渉と、「心配な症状」との関係を探るなかで出会ったのは、eggs.atushiさんの「境界例と自己愛の障害からの回復」 というサイトです。

自ら「心配な症状」に苦しみ、そこからやっと回復することができたeggs.atushi さんが、その過程で得た知識や、回復への道のりを綴っています。eggs.atushi さん自身が、どのように育てられたかは詳しくは書いてないのですが、その頃eggs.atushi さんがどういう心境だったかを述べた部分を抜粋してみます。

◆(子供も一個の人間として扱われていたあるアメリカ映画を思い出して)私は未知の世界を知ってしまったように、強いショックを受けたのです。私の家族とはまったく別の世界でした。私の親のように、「お前なんか、うちの子じゃない」と言って、ゴミを投げ捨てるようにして、私を体ごと窓から外に投げ捨てたり、都合のいいときだけ「親子じゃないか」「家族じゃないか」と言って私を利用しようとしたりするような関係とは、まったく違う世界があるのだということを知ったのです。

◆(幼いころから思春期にかけて感じていた閉塞感について)あの、出口のない閉塞感。砂を噛むような空虚感。家族という狭い人間関係の中で、精神的にすりつぶされていくような閉塞感。薄暗い部屋の片隅で、家具の上にうっすらと積もったホコリを、じっと見つめていたときの、あの、どんよりと淀んだ、重苦しい閉塞感。

◆(高校三年生で就職の話しが出た頃を思い出して)そのころの私は、社会に出るということは人生の終わりだと思っていました。人生に何の展望もなくて、ただ精神的な苦しさを抱えながら、さまよっているような状態だったのです。

◆私が自分というものを取り戻そうとすると、そこには、かみ合わない親子関係という絶望的な壁が立ちはだかるのです。なにを言っても心が通じない、不毛な壁と直面することになるのです。そして、ここには苛立って消耗していく私、キレて暴れる私、感情を逆撫でするのがうまい私があるのです。(中略)私はまったく聞く耳を持たず、手段を選ばず、狂ったように我を押し通すのです。そんなとき、親から「痛い目にあわなければ分からないのか」と、よく言われました。しかし、何度痛い目にあっても、分からないものは分からないのです。なぜならば、私はただ親の一方的なやり方に対抗して、私自身も親を利用して一方的な自己満足を実現しようとしているだけなのです。(中略)私は自分を守るために、必死になって自分の言い分だけを押し通そうとするのです。このようにして、どんな犠牲を払ってでも、絶対に相手の言いなりにならない、かたくなな私が作られていったのです。

◆親子げんかのときに、「それが親に向かって言う言葉か!」と言われたら、私の方も「それが自分の子供に向かって言う言葉か!」と言い返したりするのですが、こうやってまさに「子は親の鏡」ということわざを、そのことわざ通りに実行して来たのです。こうやって、相手の行動や態度を映し出す鏡のようなことをやっていますと、私は親に利用されているという意識がありますから、親の悪い面だけを映し出す、非常に歪んだ鏡になってしまうのです。親に、自分はひどい親なんだという自覚を持ってもらいたいがために、親の悪い面だけを拡大コピーしてその醜さを見せつけようとするのです。

◆こうして、心の底に、少しずつ無言の憎しみが積もっていって、やがてその憎しみは、明確な殺意へと成長していくことになるのです。

◆問題行動(「心配な症状」と同じ意味)の背後にあるのは、やはり、見捨てられ感であり、見捨てられたときの果てしない寂しさなのです。キレて悪態をついたりするその背後には、気持ちが通じない事への怒りと、耐えるにはあまりにもつらすぎる、底なしの寂しさが潜んでいるのです。この果てしない寂しさと向き合うことが出来ないからこそ、無意識的に怒りをつのらせる方向に逃げてしまうのです。こうやって相手を憎んで攻撃してさえいれば、理解してもらえない寂しさや、気持ちが通じない寂しさとは向き合わずに済むのです。

「もう、これだけ読めば、十分だ!」と、耳をふさぎたく方もあるかも知れません。私もその一人でした。でもがんばって読みました。暴力をふるう子ども、非行に走る子どもに、親は「なんて事をするんだ!」と思います。どれだけの親が、そういった行動の奥にある、「辛すぎる底なしの寂しさ」に思いをはせることができるでしょう。私もこれを読むまでは、知りもせず、気付きもしませんでした。

では、そういった寂しさ、閉塞感、怒りが、どのような問題行動(心配な症状)につながるのでしょうか・・・(42話へ つづく

 

 

 

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