第42話)自分は愛される価値のない人間 | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

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心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?


第41話では、親に見捨てられるという不安、恐怖を与え続けられた子どもが、どういう心境になるかを、「境界例と自己愛からの回復」 (eggs.atushiさん著)というサイトから紹介しました。

見捨てるという脅しが子どもの心に与える影響は、「自分は親から見捨てられてしまうような、愛される価値のない人間なんだ」という、間違った考えを形成してしまうことです。そして、親が自分に対して取った態度を、子どもは自分自身に対しても取るようになります。つまり、自分で自分を見捨ててしまうのです。(「境界例と自己愛からの回復」より)・・・これは、「子育てハッピーアドバイス」 の中に出てくるキーワード「自己肯定感」が、非常に低い状態と考えていいと思います。

そのようにして自分で自分を見捨てた子どもは、自立ができないだけでなく、恐怖感、孤独感、惨めさ、絶望感、怒り、不安など、それらが混ざり合ったような感情におちいります。その心理状態にはまり込むのを避けるために、さまざまな問題行動(心配な症状)が現れます。(以下、「境界例と自己愛からの回復」から要約)

◆自暴自棄型
親が自分を必要としないなら、望みどおり必要とされない人間になってやる、という心理。自尊心が低く、犯罪行為に走ったり、自殺未遂をくりかえしたりする。自暴自棄の状態。その行為の背景には、自分を見捨てようとする親への怒りが潜んでいる。また、そういう危険な行為を通して、本当に自分が見捨てられているか試しているような面もある。

◆依存強化型「お人形タイプ」
いいなりになり、「いい子」を通す。親の人生観や価値観をそのまま受け入れて生きているため、たとえば親の虚栄心に盲従して、一流大学を出て一流企業に入っても、妙な息苦しさを覚えたりする。自分の本当の考えを持っておらず、一見主義主張があるように見えても、他人の意見を借りているだけ。

◆依存強化型「世話焼き女房タイプ」
困っている人の面倒を見たり、相談に乗ることで、自分を頼ってもらい、「見捨てられ感」を消そうとする。自分で自分を見捨てているので、自分のことには無頓着で、他の人の抱えている問題に非常な関心を持つ。自分自身に「自分」というものがないため、「自分」を持とうとする他人に対して不快感を抱く。

◆自己愛型
見捨てられるみじめさを回避するために、惨めな自分とは正反対の自分を、想像の中でつくりあげる。自分の業績や才能を誇張し、それが認められることを期待したり、自分は特別な存在だと信じたりする。他人に対する共感に乏しく、自分が優れていると信じたいために、他人の能力や才能を過小評価する。他人から侮辱されたと思い込んだ場合、自分を守るために、非常に激しく怒ったりする。

また、自分に誇大感を持つ場合だけでなく、素晴らしい人を作り上げ、その人に奉仕している自分も素晴らしいと感じるケースもある。

◆攻撃型
自分を見捨てようとする親への怒りが、見捨てられる恐怖を上回ることがある。いい子の仮面をはいで、突然暴れだしたり、親に無限の謝罪を求めたりする。いわゆる家庭内暴力。それほど激しい怒りではなくても、社会の不正や不条理に対する怒りといった形で現れることもある。ズケズケとものを言い、挑発的であることが多い。

◆快楽型
見捨てられる恐怖感から逃れるため、バイクの暴走、飲酒、オナニーやセックスに走るケース。普段からブルーな気分いることが多く、すぐに気が滅入ったり、むしゃくしゃするので、短絡的な快楽を求める。健全な人の快楽と違う点は、自分で自分を見捨てているので、度を越したのめり込みや、危険をおかすこと。

◆引きこもり型
一人きりなら、それ以上誰からも見捨てられることはないため、いっそ孤独でいようとする。部屋に閉じこもると不便なはずなのだが、それよりも苦痛から逃れることを優先してしまう。それだけ苦痛が大きいということ。また、引きこもりほど極端でなくても、人間関係の中で、見捨てられる前に、身を引く傾向を持つ場合がある。そのたびに人生のリセットボタンを押し、人間関係を次々に失ったり、転職を繰り返したりする。

◆理想化型から分裂型
見捨てられる不安のない世界を求めて、理想的な恋人との巡り合わせを願ったりする。タチの悪いヒモに貢ぐ女のように、相手を理想の男性に仕立ててしまい、周囲の人が「利用されてるだけよ」と注意しても、聞く耳をもたない。理想的な関係を求めても、それが現実とずれたものであれば、不安定で崩れやすい。理想的な恋人が、突然憎悪の対象に変わったりする。無限に自分を受け入れてくれる人か、自分を見捨てようとする邪悪な人か、どちらかしかなく、中間がない。

これを読みますと、家庭内暴力や引きこもりなどの、「心配な症状」だけでなく、社会で起きているさまざまな事件の多くが、「見捨てられ感」とそれによる「自己肯定感の欠如」と結びつきます。たとえば、アメリカでたびたび発生する、学校での銃乱射事件。犯人は殺人という形で怒りをぶつけた後、自殺しています。まさに、自分で自分を見捨てた行動です。

前回、今回のブログ共に、これを読んで「元気が出る人」はいないと思います。むしろ、目をそむけたくなる、または苦しくなるかもしれません。ただ、eggs.atushi さんのサイト「境界例と自己愛からの回復」の中には、大きな救いと希望がありました・・・(43話へ つづく

 

 

 

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