「話を聞かない男、地図が読めない女」 は、何年か前にベストセラーになった本なので、読んだ方も多いでしょう。
私は、「男女平等」「男女同権」が声高に叫ばれたなかで育ち、「男と女は本来同じはず」と思っていました。これに対し、「男と女は、もともとのつくりが違う」というこの本は、目からうろこでした。
たとえば、男の子は車のオモチャや、やんちゃな遊びを好み、女の子は、お人形や、ままごと遊びを好みます。これも、小さい頃からそういうオモチャを与えられ、男の子、女の子それぞれの育てられ方をしたからだと、私は思っていました。
この本には、イスラエルの農業共同体 キブツの話しが出ています。キブツでは、子どもを育てるとき、性別による違いをもうけず、服や髪型も同じ、遊びや、裁縫、料理、木登りも、同じようにさせて育てているそうです。その結果はやはり、男の子は、物理や工学、スポーツを、女の子は教職、カウンセラー、看護などの職業に多く進んでいるそうです。
本のタイトルは、「話を聞かない男、地図が読めない女」ですが、本の中では詳しく書いてあります。たとえば・・・
女は、視野が広く、人の心の動きを読むことに優れ、一度にいろいろなことを考えられる。
男は、視野はせまいが、遠近感、空間能力にすぐれ、一度に一つのことしかできない。
ユーモアを交えて、具体例がいろいろ書いてあるのですが、「そうだよなァ」と思い当たることばかりです。
私の妻は、リビングのドアを開けて入ったとたんに、子どもが脱いだままにしている靴下が、部屋のすみにあることに気が付きます。
私は、「冷蔵庫に、ジャムがあるわよ」と言われて、冷蔵庫をあけても、すぐ目の前の棚にある新しいジャムのビンに気が付きません・・・。
私の妻は方向オンチではありません。でも、ドライブに行くと、道の覚え方が、私と全く違うのです。私は、頭の中に地図を描いて、「今、あのあたりを走っているはずだから、もうしばらく行くと、右折だな」と考えながら運転しています。妻は、まわりの景色やランドマーク(目印)で、道を覚えているのです。前方に交差点が近づくと、「あっ、次を右折よ」と教えてくれるのです。
「今、私の話し、聞いてないわね」・・・これ、妻に1日に数回言われます。
男と女にはなぜこのような違いができたのでしょう。この本では、人類の進化の過程で、違いが生まれたとあります。
男と女が異なる進化をしてきたのは、その必要があったからだ。男は狩りをして、女は木の実や果実を採った。男は守り、女は育てた。それを続けた結果、両者の身体と脳は、全く別のものになった。
「日本人は、狩猟民族ではなく、農耕民族だけど、これって当てはまるのかなァ?」などと考えたけど、農耕を始める前は、やはり狩猟をしていたはずなので、まあ、いいことにしました。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、「平均するとそういう傾向がある」ということであり、「男と女がすべてそう」ではないということです。
下の図を見てください。「地図が読めない人」「話を聞かない人」をその程度に応じて分布をとってみると、こんな感じかかなという、イメージ図です。
男と女の平均は、このように、差があります。でも、一人一人に着目したらどうでしょうか。
図の中のAさんは女ですが、平均的な男より、「地図が読める」人です。女性にも、遠近感や空間能力が優れた人はいるということです。アメリカの航空会社で働くパイロットのうち、女性が占める割合は1%にも満たないそうですが、ゼロではないのです。
この図を頭に描いて、「バラツキがある」を意識しておくことは、「個性」や、「人はそれぞれみな違う」ということを認める手助けになるような気がします。(51話へ つづく)
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