「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
まじめで何が悪い
★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2013年/日本/133分)
【 監督 】
石井裕也
【 原作 】
三浦しをん
舟を編む 【単行本】
【 出演 】
松田龍平
宮﨑あおい
オダギリジョー
黒木華
渡辺美佐子
池脇千鶴
鶴見辰吾
伊佐山ひろ子
八千草薫
小林薫
加藤剛
宇野祥平
森岡龍
又吉直樹
斎藤嘉樹
波岡一喜
麻生久美子
【あらすじ】
出版会社“玄武書房”の、うだつの上がらない営業マン・馬締光也は、言葉の能力を買われ辞書編集部に配属される。、
辞書編集部では、新しい辞書“大渡海(だいとかい)”を編纂中であり、馬締は辞書を編集する魅力に惹かれ没頭していく。
時を同じくして、アパートのあばさんの孫・林香具矢という女性に出会い、辞書編集と恋心が葛藤しながら時は流れていく―
【コメント】
今週は目ぼしい映画もDVDもないな~なんて思っていて、ふと「そういや妙に評判のよろしい映画があったな」と、遅ればせながら鑑賞したのが本作『舟を編む』。
個人的には特段注目していたわけではなかったが、絶賛の声が多かったことと、監督を見て「あ~『川の底からこんにちは』の人か!」というわけで一丁観てみようかと足を運んだ次第であります。
いや、面白かった。
これはいわゆるアレですね、“仕組みが分かる”映画ですね。痴漢冤罪の仕組みが分かる『それでも僕はやってない』や、昨年観た貧困ビジネスの仕組みが分かる『任侠ヘルパー』のような、NHK教育テレビの社会科見学的な。そこにドラマも織り交ぜて、説明クサさを無くしつつ、工程が理解できるという。気のせいか、そんな感じの映画日本に多い気がします。
しかし、辞書作りってのは本当に地道な作業だな~というのが本作からヒシヒシと伝わってきますね~。辞書作りという仕事に視点を置いたことがまず凄いと感じつつ、実際はもっともっと地味で地道で、根気と集中力が必要な過酷な作業であることがよく伝わってきます。
本編も、そんな地道な作業とドラマがとてもバランスよく配置されていて、決して恋愛やお涙頂戴がでしゃばってこない。すごく丁寧に作った感じが伝わってきますね。やはりこの監督はすごい。
僕は学生の頃、マジメと言われるのがすごく嫌だったんです。なんか、それしか取り柄がないみたいに言われてるみたいでね。メガネかけてるだけなのに。本作で言うとオダギリジョーみたいな感じのタイプが人気が高かったりするんですね。
けど大人になって改めて思うんです。まじめで何が悪いとね。
何かを成し遂げるためにひとつのことに集中する。そのためには、まじめじゃないと何も始まらないんですよね。
例えばテレビやなんかで、チャラチャラしたお笑い芸人やミュージシャンなどを見て「ちゃれぇなこいつ」と思うのはいいと思いますが、彼らの実力は、陰での相当地道な努力の賜物だったりするんです。話す力、笑わせる力、楽器を弾く力、作詞作曲する力、ダンスする力。センスに合わせて相当な努力が必要なんです。そのためには芸事にまじめに向き合わないと掴めないものなんですね。
と、最近芸人を見てそんなことで感心しつつも、自分も“まじめ”に向き合わんとな~と本作を観て改めて感じた今日この頃です。
【2013年度 Myランキング】(5/26時点)
本作は、本年度の次点にランクイン。
満島ひかりが妻とかいいよな~
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:愛、アムール ★★★★★
2位:燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘 ★★★★☆
3位:シュガー・ラッシュ ★★★★
4位:レ・ミゼラブル ★★★★
5位:HK 変態仮面 ★★★★
6位:ジャンゴ 繋がれざる者 ★★★☆
7位:アウトロー ★★★☆
8位:テッド ★★★☆
9位:デッド寿司 ★★★☆
10位:ラストスタンド ★★★☆
次点:舟を編む ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ライジング・ドラゴン ★★
2位:ダイ・ハード/ラスト・デイ ★★
3位:中学生円山 ★★☆
<その他ランク外一覧>
96時間/リベンジLOOPER/ルーパー脳男ゼロ・ダーク・サーティキャビンプラチナデータクラウド アトラスグレイヴ・エンカウンターズ2SUSHI GIRL大魔術師Xのダブル・トリックフランケンウィニーアイアンマン3
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