食後すぐ寝ると牛になる? | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


昨日お届けしたアクティブ・レスト 、ゴロゴロ・ダラダラに思い当たる節のある方は私だけじゃなかったようで、安心しました(笑)。


そのゴロゴロ・ダラダラを、東洋医学では安逸過度といいます。東洋医学講座のNo.31「東洋医学にみる疲労と健康の関係」 で取り上げてますが、病気の原因のひとつになるんですよ。


それは、もちろん、気血のめぐりが悪くなるからですね。とくに脾気の働きが弱るとされています。 は消化吸収の要でもありますから、これが弱ると、結果的に気血の不足にもつながっていきます。


また、長く横になっていると、肺気を傷つけます。 は呼吸と気をつかさどるので、これが弱ると、気のめぐりも水分代謝も悪くなります。


長いこと座りっぱなしという状態も、脾を弱らせます。仕事で座りっぱなし、週末はゴロゴロしっぱなしでは、脾にとってはダブルパンチです。さらにむくみがひどくなって、ますます疲労感も増すというもの。


ね?東洋医学的に考えても、アクティブ・レストは有効なんです。


益軒先生も、『養生訓』の「労働の大切さ」 の中で、「時に動き、時に静かに過ごせば、気が全身にめぐって滞ることがない。静かにし過ぎると気が塞がり、動き過ぎれば疲れてしまう。動も静も長時間続けてはいけない。」っておっしゃってました。


また、「身体と運動」 では、食後にウォーキングする時間を持つことで、鍼灸治療を受ける必要のない健康を手に入れることができるとも、おっしゃっています。まさに、アクティブ・レストでしょうか。


食後のウォーキングで思い出したのが、「食後にすぐ寝ると牛になる」という言い伝え。これには根拠があるんでしょうか?それとも、単に「お行儀が悪いことへの戒め」なんでしょうか?


益軒先生は「動くことが養生の道」 で、「食後すぐに臥したり、昼寝したりするのは、最も禁ずべきことである。夜でも消化しないうちに早く寝てしまうと、気が塞がって病いを生じる。養生の道では、こうした事を最も避けなければならない。」と書かれています。


現代医学的には、食後30分ほどゆったりと休むのは、消化を助けるのに良いとされています。とくに胃腸の弱い人や肝臓の悪い人は、右側を下にして横になるといい、といわれますね。


でも、食後すぐに眠ってしまうと、食後に量の増えた血糖が使われないことになります。すると、そのまま脂肪として蓄積されやすいので、メタボのもとになっちゃいますね。


ということは、短時間「横になって休む」のはいいけれど、長時間「眠ってしまう」のはよくない。つまり、益軒先生のおっしゃるように、「寝てしまう」のはよくないってことでしょう。


食後しばらくして、ウォーキングのような軽い運動をすることは、メタボ予防にはうってつけ。その点から考えると、「牛になる」たとえは、あながちお行儀への戒めだけとは限りませんね。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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