トランス脂肪酸の摂り過ぎはうつ病のリスクを高める | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


1年前、「日本人女性30~40代の3割はトランス脂肪酸の摂り過ぎ」 というニュース記事をご紹介しました。どうやらお菓子の食べ過ぎじゃないかって話。


トランス脂肪酸は、天然の油脂類にも含まれますが、マーガリンやショートニング、コーヒークリームなど、加工油脂類に特に多く含まれていることは、ご存知ですよね?


トランス脂肪酸を摂り過ぎると、心臓病のリスクが上がるってことは以前から懸念されていて、認知症、不妊症、アレルギーやアトピーなどとの関連も示唆されています。


また、「トランス脂肪酸の摂り過ぎは子宮内膜症の発症リスクを高める」 ことも、ハーバード大学での研究報告が昨年発表されました。


今度は、トランス脂肪酸を摂り過ぎると、うつ病のリスクも上がることが、スペインでの調査で明らかになったそうです。(“Dietary Fat Intake and the Risk of Depression: The SUN Project ” PLoS ONE 6(1): e16268, 2011)


調査対象は、平均年齢37.5歳の大卒12,059人(男性5,038人、女性7,021人)。調査期間は1999~2010年。調査開始時には、うつ病ではなかった人たち。


期間中2年ごとに、食事に関する質問票に回答してもらい、トランス脂肪酸の摂取量を算出。その間、うつ病の診断を医師から受けた、あるいは抗うつ薬を飲んだかどうかの報告をしてもらったもの。


その結果、657人が調査期間中にうつ病を発症。脂質の摂取量によって5段階のグループに分けて比べた場合、トランス脂肪酸の摂取量が「もっとも多い」グループは、「もっとも少ない」グループよりも、うつ病のリスクが48%も高かったとのこと。


しかも、野菜や果物をしっかり摂るように心がけていても、トランス脂肪酸の摂取量が多いほど、うつ病のリスクが高いそうです。


そのうつ病リスクが高かった「もっとも多い」グループが摂取していたトランス脂肪酸量は、平均して1日当たりの総エネルギー摂取量の0.6%だったとのこと。ちなみに「もっとも少ない」グループは0.2%。


さて、その0.6%という数字、どのくらい多いんでしょうね。日本人の摂取量はどんな状態なんでしょうか?


日本の食品安全委員会が出しているファクトシート によると、平成20年度の食用加工油脂の国内生産量から推計した日本人のトランス脂肪酸摂取量は、平均1.4gで、総エネルギー摂取量の0.7%だそうです。


なんてこと!スペインでの調査で、高リスクとされた「もっとも多い」グループよりも、多いじゃないのっ!! しかも、それ、平均の数字だから、中にはもっとたくさん摂ってる人もいるってことでしょ?


おまけに、平成18年度は平均1.3gで0.6%だったそうだから、2年の間に増えちゃってるのよ~。日本でうつ病が増えてるのは、もしかしてトランス脂肪酸への対策が遅れてるせい?


そういえば、「こころを安定させる脳にいい食べ方」 でご紹介してますが、溝口徹先生も『うつは食べ物が原因だった!』の中で、「トランス脂肪酸を避け、オメガ3系・オメガ6系脂肪酸をバランスよく摂る」ように勧められてましたね。


どんな食品に含まれているかについては、農林水産省が「食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量」 を公表しています。また、『食品と暮らしの安全』という月刊誌を紹介しているサイトには、マーガリンなどの商品別に、調査報告 が掲載されています。


トランス脂肪酸の摂取量をゼロにするのは不可能です。どう対処すればいいのか、何に気をつければいいのか、代替医療師Vanillaさんが「健康油シリーズ」 を書かれてますので、そちらをご参照くださいね。これに関しては、いつもVanillaさんにおぶんにだっこ(笑)。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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