東洋医学講座 No.41 病因と気血津液の関係 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


昨日の長野はめちゃ寒かったです。今にも雪になりそうな雨でした。夜は雪になったんじゃないかなぁ。天気予報に合わせて、コート+マフラーでしっかり防寒対策をしってって良かった~。


こんなふうに急に寒くなるときは、風寒邪に気をつけなくちゃなりません。外邪も含めて、病気の原因(病因)が気血津液にどんなふうに影響するのか、おさらいをかねてまとめてみましょう。


1 風寒邪・寒邪(→No.27 No.28

急に寒くなった、強い風が吹いて冷え込んだ、長時間水にぬれて冷えたなどがあると、風寒邪が体内に侵入します。風寒邪の場合は、症状は上半身に出やすく、頭痛や悪寒、発熱、鼻水など、いわゆるカゼの初期のような症状が出やすい。寒邪は、胃腸を直撃して、下痢を起こすこともあります。そこまでいかなくても、からだが冷えたり、寒邪が進入した場所で気や血の流れが固まって、痛みを発したりします。脈は緊張した感じに。


2 風熱邪・熱邪(→No.27 No.28

熱邪は暑邪・火邪を含みます。急に暑くなった、蒸し暑い場所に滞在した、長時間熱風の当る場所にいた、風寒邪が熱に転化したなど。風熱邪の場合は、風寒邪と似たような症状が出ますが、悪寒よりも発熱が顕著で、急に高熱が出るのが特徴です。あるいは熱中症のように、熱がからだの中にこもってしまいます。顔や舌が赤くなり、舌の上にできる苔が黄色っぽくなり、脈が速くなります。津液を損傷しやすいため、唇が乾いたり、のどが渇いたりします。


3 風湿邪・湿邪・寒湿邪・湿熱邪(→No.27 No.28

雨の日が続いた、雨に打たれた、湿気の多い場所に長時間いた、湯あたりをしたなど。風湿邪の場合も、風寒邪と似たような症状が出ますが、悪寒や発熱よりも、からだの重だるさやむくみなどが際立ちます。もともと脾胃の弱い人は、特に湿気の影響を受けやすいため、食欲不振や軟便などを生じやすい。これに、寒湿の場合は冷えが、湿熱の場合は熱が加わります。湿邪のたまったところで、気の流れが滞るため、はったような痛みが出ることも。


4 七情内傷(→No.30

感情が激しく動いたとき、特に怒りはからだの状態に影響しやすいものです。肝気が滞って、疏泄機能が低下すると、他臓腑での気の流れも滞りやすくなるため、胸や胃のあたりがつっかえたような感じになります(詳しくは→No.35 )。また、必要以上にあれこれと思い悩み、取り越し苦労をしていると、脾気が滞ったり減ったりして、湿が体内にたまりやすくなり、3と似たような症状が出ます。


5 労働過度・房事過度・大病・慢性病・出産(→No.31

いずれも気や血を消耗します。特に脾胃や肺が弱って、気の補充がうまく運ばないと、ますます気を消耗して気虚に。すると、疲れやすい、力が出ない、暑くもないのに汗が出るなどの症状が出ます。放っておくと、血や津液も作りにくくなるため不足してきます。血や津液も不足すると、精を補充することもままなりませんから、最終的に精も不足することになります。


6 過食・偏食(→No.31 No.32

暴飲暴食は、脾胃に負担をかけます。甘いもの・脂っこいもの・味の濃いものの過食は、脾胃に痰湿(痰飲)を滞らせます。生もの・冷たいものの過食は、脾胃に寒湿を滞らせます。いずれの場合も、脾胃の働きを悪くしますので、気の滞りや不足を招きます。


もともと虚弱体質・老化現象などで正気が弱くなっている場合は、外邪や内傷にやられやすく、症状も悪化しやすいので気をつけなければなりません。たとえ元気な人でも、外邪や内傷による病いが長期化すると、気血津液を徐々に消耗して、虚弱体質の人と同じような状態になります。


からだの状態は、陰陽の動的なバランスの上に成り立っています。自律神経が、交感神経と副交感神経との切り替わりで調節されているように、陰陽がぶれながらもほぼ一定範囲内におさまるようになっているのが健康体です。その範囲も、個々の体質や生活環境によっても異なりますから、同じ風寒邪にかかったとしても、症状の出方は異なってくるはず。そこをトータルに診ていくのが東洋医学なんです。


これまでの東洋医学講座はこちら→「東洋医学講座 目次」


次回からは東洋医学的な体質のとらえ方についてお伝えしていきますね。

一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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