【転記】+社会とは何か~社会科学の学び方・入門書紹介+ | 矯正知力〇.六

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メモ的ブログ

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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『社会科学の学び方・社会とは何か』

自然科学が「自然」を対象とするように
社会科学は、「社会」を対象にします


●じゃ~その「社会」とな何なのか?

人と人とが関係を結んで
その結んだものがたくさん集まったものが社会です
一見、同義語反復(トートロジー)のようですが


●人はなぜ関係(集団化、いわば社会化)を結ぶの?

生きていくためです

今年の干支の寅のように
大自然の中で、孤高の存在として
人は生きていけないからです
集団で狩りをしたり作物をつくったりしないといけません

これは種の保存のための、生存関係と言えますし
本能的なものと言えるでしょう

この関係を、他の言葉で言い換えると
「経済関係」です

経済的な利益のために
(それがなければ人は生きていけませんから)
人と人とは関係を結び、集団化し、社会化して
社会を作るのです


●社会の基礎は、経済関係

上で述べてきたように
社会を知ろうとしたら
まずは、基礎的、土台的部分である
「経済」を学ばないといけません


法学、歴史学、歴史学など、社会(人文)科学を
本当に理解しようとすれば
また
様々な社会問題を理解しようとすれば
「経済」を学んでいなと
理解できないのです

「人権」は、近代以降の社会の
最重要キーワードですが
それを本当に理解しようとすると
経済を分かっていないといけません

「万人は生まれながらに人権を有す」

これはもう普遍的な概念ですが
ただこの言葉を暗記して
これを前提として、法や、様々な社会問題に取り組んでも

なぜ?
人は生まれながらに人権を有するのか
それが、事実に基づいて理論的に理解し
身につけていないと

人権の概念を利用して解かないといけない問題を
解くことが出来ない場合も、少なくありません


●ところが・・・

じゃ~経済を学ぼうと思っても
今の学校では、こういう原理論的な経済学は
教えてないんだよね(´・ω・`)

私の周りにも、ネット上の知人でも
本当に真面目に、勉強している学生の方もおられるんですよね
だけど、学校では教えてくれないんだから
どんなに本人たちが真面目でも
意欲的でも
なかなか、社会科学の基礎的分野に
たどり着くことが難しいんですよね

もちろん、自力でたどり着ける人もおりますけど
多分に運に左右されます


●学ぶのは、ちょっと難しい面もある

私はこれまで、幾度か手ほどきしてきましたが
理解できる出来ないは
お勉強が出来る、出来ないとかは、関係ないんだよね

偏差値の高さでこの世を渡っていこうとする人が
入学したがる大学に通っている人でも
理解できるかというと、そうでもないんだな

家庭の主婦とか
ごく普通の、大学も行ってない、学問にも縁がない会社勤めのおっちゃんとか
そういう人が、冴えまくって
「頭が良い」と言われている人よりも、習熟度が高かったりする

どんな原理論でも、偏見や余念、余計な予備知識を捨て
あと、プライドなんかも邪魔をするから
全てを脱ぎさって
真っ白な状態から学ばないとダメなんだよね
これが案外、難しいんだけど


●科学的なモノの見方、方法論を学んでいると良い

同時に、そういうモノを学んでいるといいよね

原理論は、そういうモノのエッセンスの塊でもあるので
論理的、科学的な思考ができると
理解しやすい

ここでは、社会科学の基礎である経済を学ぶことについて
述べていますけど
自然科学でも、他の分野の学問でも共通する部分ですから
それらの基礎が、キッチリ身についている人であれば

「科学的方法論」を学んでいなくても(いずれ学ぶ必要があるけど)
経済学の原理論的なものを学びやすいです

これは、突き詰めていけば
日常の生活的なもの、商売とかお仕事などや
芸術やスポーツでも、共通してる部分があるから
学問に縁がない人でも
論理的、科学的なモノの見方、思考が
うまく出来る人もいますすね


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【転記】+科学の方法+ 抽象化

【転記】原発問題を考える際に大切なこと~科学的態度


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>しかし、地動説は現在でいえば
どういう立場の違いであれ、科学的見解に違いはでません
天体観測技術が、未熟な時代では違います
関係を規定する基準が、異なるから
科学的見解は、立場によって異なりますよね

ここの部分ですが、例としては出されるには
ちょっと疑問を感じました。

自然科学と社会科学が混同しているかなぁと。
すなわち、自然科学の方法論と社会科学では
研究対象が異なりますし、方法論も異なります。
実験・観察という手法を用いて説明するのか、
社会との相関関係の中で因果関係を説明するのか、です。

自然科学は実験・観察で証明されますから
技術の発達とともに真理が塗り替えられていきます。
目に見える形で証拠が提示されますから
立場もへったくれもありません。間違いだと思うなら
実験によって反証すればよく、これも目に見える形です。
結核が不治の病であった時代はそれが真理でしたが
今はそれが真理ではありません。

社会科学は実験するという訳にはいかないので
実証的方法論を用いて社会現象を分析しますが
どの方法論を用いるかによっても
どの立場からみるかによっても
解釈が変わるのが社会科学の特徴かと思います。
それを戒めるのが
「歴史的社会的立場拘束性を有している存在」
としての自覚なのかなぁと。


誰からみても、合理的にその結論に至ることが理解できる
そういうことを言いたいんですね
でも、時代によっては、それは叶わなかったりしますよね
その時代の限界があります

身分制社会の本質は、現代になってようやく分析できるのであって
封建時代には、今日のように社会科学で明らかにすることは出来ません
資本主義の時代になって、はじめて解明できることです

このような意味で、時代には規制されるけれど
その時代じだいによって、立場によって影響されるけれど
現代では、現代なりの、誰からみても同じ結論であることがわかる
客観的なモノがある
そう言いたいんですよね

財界が、己の立場にたち、己の利益のために
民主主義を切り崩す、否定するようなことを言います
労働法制の改悪なんて、その具体例です
しかし、それは彼らの立場による、彼らの科学的真実、客観的真実かといえば
そうじゃないです
彼らの立場であっても、現代においては
民主主義の本質を、理解することが出来ます
「民主主義」は、合理的に明らかにされた、客観的な概念ですから


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参照
【転記】「国民」や「国民主権の原理」ついての原理的解説
【転記】+法原理の解説~天賦人権論の必然性、理論的根拠+
【転記】自由と権利・義務と権利
人権は数量化できない

【転記】+社会問題への論理の立て方・アプローチの手順+


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社会問題はさ、科学だからね
自然を対象とするから自然科学
同じように社会を対象としたら、それは社会科学

自然科学を理解するのに
自然の法則性を学ぶように
社会問題を解決しようとしたら
社会科学の法則性を学ばないといけない

橋が落下したとき
どういう力が働いたか
物理法則に沿って解明するよね
社会問題もそれと同じだよ


そこで何を学ぶかっていうと
いちばん基本となるのは、『資本論』だからさ
それ読んでないと、話にならないよ

なぜ今の社会に、人権が必然性を持って現れたのか?
人権が今の社会が成立する上での、必要条件なのか?
そもそも人権とは何なのか?

資本論読んでないと、わかんないよ

そこを学ばないと、一生分からないよ
俺とその他全員(俺と同じレベルで理解している人をリベラル系ブログでは見たことない)
との違いは、そこだよ
社会科学の基礎原理を学んでいるかいないかの違い



いろいろ社会科学について解説日記書いるけどさ
死刑問題なんかは
物の見方(もろ哲学や科学哲学、科学論そのもの)的な部分が出ているので
分かりやすいと思う

【転記】刑法・刑罰体系の致命的欠陥

この死刑論が、当たり前だと思えるくらいになったら
一人前の、実戦でちょっとは使える論理力がついたといえるかな


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人権学習の指針を示しといてあげよう

「万人は生まれながらに人権を有す」
この命題あるよね
法学で習う程度では、あくまでも社会的合意を根拠にしていて
言葉遊びにすぎない

でも、社会科学の法則性によって
その命題の必然性が証明されるんだよね

それが分かるようになれば、人権学習は合格!


ちなみに同じように経済学でいうと
「富はどうして生まれるのか?」
これが取り合えず分かれば、経済学の初歩はおk!

アベノミクスで本当に景気がよくなったら
腹切ってやると俺はあちこちで公言してるけど
それを確信をもって言えるくらいじゃないと
経済学の初歩すら理解してない


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経済学入門書紹介

どんなに頭の良い人でも
いきなり資本論から読むのは無理がありますので
入門書から始めるといいのですが
その入門書がの大半が、理論的誤謬があったりとろくなもんじゃありません

『経済学入門』 林直道
↑これが、私が知りえる限りにおいて
もっとも平易に解説してり、理論的に安心して読める入門書です
入手しやすさの点も合わせて、唯一のお勧めです

これを一通り学んでみて
あとは新日本出版社系の本、恐らく中古でしか手に入らないですが
『資本論の学習』など、資本論の学び方や方法論について解説してある本を
読んでいくといいです

また、唯物論的弁証法(ヘーゲルは観念論的弁証法)を学ばないと
資本論をちゃんと理解するこは出来ません
多くの経済学者が、たとえマルクス系の学者だっても
間違って解釈するのは、それを学んでいないからです



○経でしたら

『経済学入門』 林直道 青木書店

これがいちばん平易に書かれていますね

○経をはじめて学ぶ人
経済学をはじめて学ぶ人
そもそも学問にはじめて触れる人

そんな方々でも
万人に分かるように書かれております
でも、巷の「一番わかりやすい」などと銘打たれた
○経の解説書にありがちな
平易にしたけれど、その実
読んでもなんのことやら分からないような
肝心な部分がいまいちな本よりは
ずっと良いです


次に、平易でありながら論理的誤謬の兼ね合いを損ねない本は
林先生の本についで分かりやすいのが

『経済学 上 資本主義の基本的理論』 金子ハルオ 新日本出版


『資本論』に挑戦するなら
これらを読んでから、『賃労働と資本』を読み終えてからのほうが
学びやすいですね

学生の人なら、半年で読めと
近経に進もうが司法試験を目指そうが
○経に反対する立場であっても
基礎学力として、三回生になる前には読了してろと(笑)


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法学入門書紹介

原理的なところからの理解をするには
経済学を学ばないといけないですが
法学の範囲で学ぶには!


◆はじめての人でも痛くない、やさしい文献紹介

どれも、はじめての方に向けた本で
法律のあれやこれやについて
やさしく書かれております

内容はとても素晴らしく
初めて学ばれる方だけでなく
法学を学ばれた方がお読みになっても
「目から鱗」だと思います


現代の様々な問題(外国人参政権や憲法改正など)を絡めて
その解説をしてあり
それを読みながら法について学べる本は

『憲法への招待』 渋谷秀樹 岩波新書

これは超おすすめです!
外国人参政権、靖国問題、ポルノ規制
そういう事例を、具体的にわかりやすく解説してあります


『高校生から分る 日本国憲法の論点』 伊藤真(司法試験でおなじみ) 

こちらは、改憲問題を中心に
憲法とは何か、分りやすく解説してあります


『憲法読本』 杉原泰雄 岩波ジュニア新書

憲法の前文から条文、一つひとつについて
そして、そもそも憲法とは何かも含めて
分りやすく解説してあります


上から二つが、特にお勧め
最後のやつは、ちょっと教科書的
実際の問題に触れながら解説してある
上の二つが
最初に学ぶには、分りやすいと思います



『「人権」についてのお勧め書籍』

憲法論の中でも、とりわけ人権条項について
学ぶのに良い本を、お勧めしようと思います

◆『法学セミナー』 2008年5月号

これは雑誌ですが、この号の特集が「憲法 人権論入門」です
特集についての総論がひとつに、4つの短い論文で特集が組まれております

特に、九州大学の南野森先生の最初の総論は
「人権」について、とても良くまとめられており
量も僅か6ページです(他の論文はもっと短いですけど)
これを読むだけでも、超お勧めです!

【転記】「法学セミナー」憲法/人権論入門 Ⅰ憲法学と人権

唯一欠けている点は、これから「人権」がどうなっていくかといところですが
これは現在の「人権」について説明しているので
そこを指摘しても、そこまでを目的として書かれた論文ではないので
意味がないですね

ここに書かれているくらいのことは十分に理解している
その上で、じゃ~これからどうの?という質問であれば応じても良いですよん♪
でも、自称「分かってるちゃん」が質問してきそうなので
面倒くさいからやっぱり受付たくないなw


テストで出てきて答案用紙にここに書かれていることを書けたとしても
実際にそれが血肉となって身についているかと言えば
そうじゃない人が、大半ですね
弁護士だろうが法務省のエリートだろうが
身に付いていない人を何人も知っております


次ぎに紹介する二つの書物は、新書です
法学セミナーより、より初学者向けで
誰にでも分かるように書かれております
でも、中身はめっちゃ濃い~ですよ!

これらの書物を、初心者向けだと笑えるような人は
私がこれまでミクシイを見渡した中では、まずいませんね(笑)


◆『憲法読本』 杉原泰雄 岩波ジュニア新書 471

「ジュニア新書を進めるなんて、舐めるな!」と怒らないでください
「ジュニア」と銘打ってはおりますが
憲法学の入門書として、法学の定番の一つでもあります
大学生、大人が学ぶのに、最適です


◆『憲法への招待』 渋谷秀樹 岩波新書 758

隠れた名著ですが、人権とは何かが、よ~く分かります



大学院で憲法を学ばれるときに
『法学セミナー』の森野先生の総論や、『憲法読本』と『憲法への招待』
これらに書かれていることは
何も詰まることなく当たり前のように感じて
空で言えるくらいが、基本中の基本だと思います

でも、法学を学ぶ上で落とし穴があるのですが
これを、法学(憲法学)だけで学ぶと
本当の意味で身につかないです
歴史学や経済学の知識がないと、血肉となるまで理解が及ばないです

そういう総合的な社会科学、人文科学の学習をしていないから
若手弁護士や法務省の役人などが
時折、「コイツ法律の勉強してないんかい!?」と思えるような
ビックリするようなことを言うんですよね



『憲法への招待』は、本当に良書ですよね
現在の世間で話題になる法律に関する問題を
ほぼ網羅していますよね

法学者は、上段に構えて庶民を下にみるばかりで
肝心の庶民に働きかけることをしないと
私は常々批判的なことを言ってましたが
この著者の渋谷先生は
私と同じ立ち位置、同じ目的、同じ方法論を持って
この本を書かれてますよね
やっぱり本物の学者は、優れた本を書きますよね!


ただ、これについてもやはり
書かれていることを本当に理解しようと思えば
例のあの本くらいの内容は
理解していないと無理なんですよね

昔の法学を学んだ人は、特に学者になったような人は
例の本を学んでいるんですよね
確かに、それくらい読んでないと
「近代市民社会」とか「近代市民法」がなぜ生まれたのか
理解するのは不可能です

法学だけじゃなく、あらゆる社会科学の基礎中の基礎ですから
それくらい読んでないと、議論に参加もさせてもらえなかったと
先輩の先輩の先輩くらいの世代の方からは、聞いています


『「法学セミナー」憲法/統治機構論入門 近代立憲主義』


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