緋和子(ひわこ) は夢の中のヒトです。

現実には存在しません。

 

彼女は私のパートナーです。

 

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うふふ。

 

 

緋和子が、笑いながら来た。

 

『ねぇ、提案があるの』

 

(・・・・・なに?)

 

 

『わたしたち、大海原に行くんでしょ?』

 

(そーだけど、”海”と決まった訳じゃないよ。

 なんていうか、 でっかくて広々としたイメージがあるだけ。)

 

(でも、そこに行けば 私たち二人とも

 ”わぁーキラキラ” ってなる。たぶん。)

 

(・・・・ 私、行ってみたい なぁ )

 

そう、たぶん、素敵な所。

 

 

『ええ、そうね。』

 

緋和子の目を見る。

クリアで 熱い意志が、彼女の目に宿っている。

 

迷いなし。自信満々。

いつもの彼女だ。

 

・・・そして、楽しそう?

 

 

『それでね、

 どうせ行くなら、思いっきり 楽しんで、

 色々やっていくのが  いいと思うの』

 

『あなた、

 あれこれ 試したり 

 考えたりするの、好きでしょ?』

 

(え? ああ、うん。

 好き、だね。確かに)

 

『そうよね!』

 

緋和子が浮かれた感じで言う。

 

最近、静かだと思っていたら

急に陽気になった。

・・・・何があったんだろう?

 

 

『じゃあ、両手を出して!

 手のひらが上ね。』

 

言われた通りに

手を差し出す。

 

緋和子が その上に 手をかざす。

ちょうど、手のひらが 向かい合わせ になる形だ。

 

 

『さあ、イメージして。』

 

『なにか、好きなもの。 面白いもの。

 

 あなたの味方に なってくれるもの。』

 

 

( 味方?)

 

 

『そう。

 どうせなら、仲良くしたいでしょ。

 

 あなたにとって、親しみのあるもの。

 何か、好ましいものを 思い浮かべてみて』

 

 

(私の味方・・・・

 

 音 かな。

 

 振動、 伝わる 、 歌がひびく ・・・・)

 

 

『 響いて、どうなるの?』

 

 

(すぅーっと、音が通る。

 音が通る方向に、何か 素敵なものがある)

 

 

 

『・・・そうね。

 いいわ。  はい、どうぞ!』

 

 

緋和子が手をどける。

見てみると、 私の手の中に 音叉(おんさ) があった。

 

 

(・・・・・・おんさ?)

 

 

・・・・でかい。

手槍 くらいのサイズがある。

 

 

なんとなく、音叉を振ってみる。

 

 

"---------  ---------"

 

澄んだ音が、直進する。

 

 

( う わぁ  すごい。)

 

『いい音ね。

 

 これよ!

 

 これを、手に入れて! 』

 

 

緋和子が ぐっと念押し してくる。

 

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後から冷静に考えると、

 

音叉を振っただけで 音が鳴るわけ ないし (←叩いて音を出します)

 

そもそも 音叉なんて、中学の音楽の授業だけだった。

 

 

 

・・・そーなんだけど、

あの時は、なんとなく ストンと納得してしまった。

 

 

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そんな訳で

私の手元に、音叉チューナーがあります。

 

(夢の中より、だいぶ 小さい)

 

 

 

エナジー音叉チューナー

 

基本の音が8本+半音 5本 で 13本 です。

 

体と心に響いて、調律します。

 

 

これが、これから どうなるのか

ちょっとだけ ワクワクします。

 

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緋色の彼女(緋和子) については こちら↓

7  地の果てまで エスケープ

6  登山靴で、スキップする

5  名前ができあがるまで、待ってる _ 後日談

4  名前ができあがるまで、待ってる

   (小話: ふたたび 砂漠へ

3  知らないうちに 変わってる

   (小話: 春告鳥(はるつげどり)の知らせ

2  二人分の夕焼け

1  彼女の やさしさについて