夢の中のヒト ”緋色の彼女” が登場します。
名前ができあがるまで、待ってる の後日談です。
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先日、私のパートナーである 緋色の彼女から
宿題が出されました。
『私にふさわしい名前を考えて』
・・・・・・さっぱり 思いつきません。
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あれ以降も、彼女はいつも通りだ。
時々あらわれて
私と話をして
適当に過ごして
また 去る。
名前のことなんて、気にしていないみたい。
(もともと 彼女が何かを
気にしたり、悩んだりする場面を
見たことがないけれど。)
私は、ちょっと気詰まりを感じている。
だって、彼女を何と言い表せばいいのか
わからない。
彼女は、
偉そうで、高貴で、強くて、厳しくて、やさしくて
・・・・・・
全部そーなんだけど、
それだけじゃない。
それ以外の色々を
私は知っているはずなんだけど・・・・
(彼女は、「今すぐ名付けなくても いい」と言ったけど
”彼女”って呼びかけるのに
私の中で 違和感が大きくなる。
はぁ・・・)
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頻繁にモゴモゴと考え込む私の様子は
彼女にも伝わっていたのだろう。
ある日、彼女が言った。
『そんなに、気負わなくても いいのよ』
彼女の声が、柔らかい。
少し、くすぐったい。
(でも、だって、気になるんだもん)
『それなら、仮の名前をつけちゃったら?
仮でいいのよ、仮で。
とりあえずの目安になるから』
(仮の名前?
どーなんだろ?んん?)
『ほら、出てくるでしょ。』
『出てくる言葉を
つかまえるの。』
『ほら、もうじき来るわ』
(ええっ
えーっと えーっと)
『 来る 』
”緋和子”
(ひわこ?)
『ひわこ?』
・・・・・・・・
彼女の顔を見る。
彼女は
自分に名前を重ねている。
目が深まる。
悪くないかんじだ。
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と、いうわけで
緋色の彼女の名前(仮)ができました。
緋和子(ひわこ) です。
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緋色の彼女(緋和子) については こちら↓
(小話: ふたたび 砂漠へ)
(小話: 春告鳥(はるつげどり)の知らせ)
2 二人分の夕焼け