夢の中のヒト ”緋色の彼女” が登場します。

 

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緋色の彼女は、

私の夢の中に居ます。

 

たいてい 一人で静かに

ぼーっとしている時に、彼女の気配を感じます。

 

そして声が聞こえる。

 

「--------」

 

たぶん、私の名前を呼んでいる。

 

(でも、聞こえない。

 "あいわ"って言ってるはずなのに)

 

 

 

 

彼女の気配が近づく。

 

『こんにちは』

 

彼女の声が聞こえる。

感情の波も、伝わる。

 

(今は、とてもフラット。特に何もない)

 

 

 

「こんにちは、彼女。」

 

私は、彼女の名前を知らない。

だから”彼女”と呼んでる。

 

彼女の方も、気にしない

 

 

 

でも、このままでいいのだろうか?

 

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私と 緋色の彼女はチームを組んでいます。

 

一緒に行動することで、

お互いの望みに近づく。

なんとなく、そういう認識がある。

 

 

私たちは、頭の中を繋げているので、

お互いの感情や感覚も、ある程度 伝わります。

 

 

 

・・・・彼女の頭の中は、とてもクリアだ。

 

感情と行動が直結していて、モヤモヤ感が一切ない。

やりたいと思ったら、やる。

すごくシンプル。

 

そして、彼女は 自分の望みを諦めない。

妥協しない。追い続ける。

 

 

彼女のそういう姿勢に、

私は いつも背中を押されている。

 

(ありがたいなぁ・・・)

 

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私たちは お互いだけなので

名前を呼ぶ必要が、特にない。

 

でも、最近 ”彼女”と呼びかけるのに

違和感を感じてきた。

 

だから、彼女に聞いてみました。

 

 

 

「あのさ、キミの名前ってあるの?

 ・・・・・教えてもらっても、いい?」

 

彼女は私の言葉を聞き、

私をじーっと見ている。

 

何かを言おうとしている。

 

 

 

(何を考えているのかな?)

 

頭の中を のぞいてみても

深い層になっていて、水底が見えない。

 

んー?と思っていたら、

彼女が口を開いた。

 

 

 

『私の名前は、たしかに存在する。

 

 でも、それを音にして表現するのは、あなたなの。』

 

 

(??? どういうこと?)

 

 

『私は ここに居るけれど、

 

 私を認識するのは あなただけでしょ?

 

 だから、あなたが言い表すしかないの。』

 

 

 

『私が どういう存在なのか、

 

 私を どう呼ぶべきなのか、 あなたが考えて。』

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

彼女の言うことは、一応 理解できる。

理解できるんだけれど・・・・・

 

(・・・・・それ は、難しいんじゃないかな?

 いい表現が思いつかない)

 

 

戸惑った私の顔を見て、彼女が目を深くする。

声も一段 深くなる。

 

 

『別に、今じゃなくても かまわない。

 でも、あなたは いつか見つける。

 

  わたしのことを ちゃんと見て、

  ふさわしい言葉を見つけてね。』

 

ふふ。

 

 

 

彼女の言葉が終わった。

次は、私のターンだ。

 

・・・・何と言えばいいのか、わからないけど。

 

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どーしよう。重い課題だ。

 

 

彼女がどういうヒトなのか、

ちゃんと私にわかるだろうか?

 

私の思い違いに終わるんじゃないか?

 

それこそ、彼女がいつも言っている

 「あなたって、全然わかってないのね(呆れ)」

みたいになるんじゃないのか?

 

 

 

彼女は たぶん、

私を待っててくれるだろうけど、

 

私は、どうすればいいのか わからない。

 

 

彼女から渡された課題が

手の中に残っている。

 

 

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緋色の彼女 については こちら↓

3  知らないうちに 変わってる

2  二人分の夕焼け

1  彼女の やさしさについて