気象庁の統計によると、各地で猛暑が続いた8月は、全国にある154の観測点のうち半分の77か所で平均気温が観測開始以降、最も高くなったという。
さらに、6月から8月までの3か月間の夏の期間でも、観測地点の3分の1にあたる55地点で観測開始以降、最も高くなり、先日 39.9度という9月の国内最高気温を観測した京都府京田辺市。
通風筒に夏草が巻き付いていた問題ですが、「近隣の観測地点のデータと比較するなどしたが、異常は見られない」と、現時点では観測記録を有効とみなす方針です。
気象庁は9/1日、8月末までの天候まとめを発表し、30年に一度の「異常気象」と認めました。
この夏の猛暑で、エアコンや扇風機などが売れ、特に扇風機は家電販売店でも在庫切れになるなど、異常な品薄状態になったのだとか。
また、意外な商品やサービスに特需が出ており、暑くて台所で火を使いたくないという主婦らの間でスーパーの揚げ物総菜が人気のほか、熱中症対策の梅干しや冷房による体の冷えすぎに対応した商品も好調だそう。
いままでの季節感覚だと、お盆を過ぎると少しずつ暑さが和らぎ、秋の気配が感じられたものだが、今年は9月に入っても猛暑は弱まる気配はない。
この暑さの中、熱中症で倒れる人が相次ぎ、全国で5万2千人以上にのぼり、うち65歳以上の高齢者が半数を占める。
今、暑さが過去の常識を超えたところまできている。 高齢者、児童などの熱中症対策など、既存の概念にとらわれず適切な対策を講じることがこれからは必要かもしれない。
今年の猛暑、異常気象は世界的で、観測史上最もひどい猛暑となったロシア西部では森林火災が収まらず、中国では豪雨に伴う洪水被害が南部から東北部に拡大、パキスタンも甚大な水害に見舞われた。
動画はこちら→「ロシアの森林火災 」、「パキスタン大洪水 」
ロシア穀倉地帯はこの10年で最悪ともいわれる干ばつに見舞われており、小麦の国際取引価格高騰の一因になりつつある。
また、中国でも農作物の被害も約886万ヘクタールにおよんでおり、経済的損失は18億元(約2兆3千億円)に達しているという。
パキスタンの今回の水害は1929年以来最悪で、パキスタン全体で約100万人が被害を受けた。
逆に南米では7月中旬から強い寒波に見舞われ、各地の合計で少なくとも200人以上の死者が出ており、ブラジル南部のマトグロソドスル州では牛約3千頭が低体温症で死んだという。
南米の寒波は、ジェット気流の影響で低気圧が北上し、南極の冷たい空気が流れ込んだことが原因とされている。
これらは「ラニーニャ現象」、「エルニーニョ現象」の猛威、また 温室効果ガスが空気の対流を旺盛にし豪雨を誘発していると分析されている。
これらが異常気象の主な原因と思われているが、それらが地球温暖化によるものかどうかはまだはっきりしない。
しかし、地球温暖化が確実に異常気象の一因になっていることは否めないだろう。
地球温暖化の中で、異常気象の度合いが気温や降雨量などをみても、これまでの経験では推測することができないレベルにまできているのは否めない。
この異常気象で農作物や果実はもちろんのこと、動物などの生態系も変わりつつあるようだ。 今年の日本の秋刀魚不漁などはその一例でもあろう。
国連国際防災戦略(ISDR)の専門家は、「自然災害とは言っても、その背景には人類によってもたらされた影響が色濃い」とし、「自業自得だということもできる」と指摘している。
ここ数年、異常気象がだんだん異常でなく、通常になりつつあるのが怖い。