日本の正味資産は約3000兆円~対外純資産は世界一 | あらやす日(本)誌

日本の正味資産は約3000兆円~対外純資産は世界一

日本政府と地方自治体の正味(純)資産(=資産-債務)は1991年末に350兆円を記録した。

その後、2000年頃には150兆円になり、2009年末には債務が資産を約49兆円上回り、
1980年の統計開始以来初めて債務超過の状態に陥った。

政府と地方自治体はたしかに正味資産は債務超過だが、
政府債務が約1,000兆円あっても政府の正味資産は資産-債務で若干赤字程度だ。

さて企業・国民を含む日本全体で見れば…どうか?

内閣府が2011年時点で試算した日本の国富=正味(純)資産=資産-債務は、

約2,955兆円。

2007年末の3,158兆円をピークに若干減少はしているが大きな黒字だ。

この正味資産には国内外の現金・預金・有価証券・不動産などが入っており、
技術などの企業や日本人自身のソフト資産を計上したらもっとも大きな金額になるだろう。

日本政府に約1,000兆円の国家債務があるとはいえ、
その90%以上は国内の銀行等から借りており、
この借金の3倍の正味資産がある日本がギリシアのような国家崩壊になる…
というのは悪質な自虐的なデマでしかない。

また、
2011年末の日本の対外資産と負債の状況をまとめた財務省作成の「対外貸借報告書」によると、
日本の政府や企業、個人が海外に持っている資産(対外資産)から、海外の政府や企業、個人が日本に持つ資産(対外負債)を差し引いた「対外純資産」は253兆円。
統計を公表している主要国の中で日本は21年連続で世界最大の対外純資産を持つ債権国。


この国富を防衛し、さらにいかにして増やしてゆくか?

日本人一人一人が債務超過の政府・地方自治体に金を貸しているという認識をもっとしっかり持って、「お上(かみ)」意識を捨てて国民が政治参加して監視してゆかないと先人が築いたこの莫大な国富をムダに浪費する危険性があることは間違いないだろう。

しかし、
国富の防衛も大事だが、
今の日本は国家債務1,000兆円のマイナス材料をスローガンにして、
夢のない超ケチな緊縮財政のお金持ちの国だと思われているのも事実だろう。

山中教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞に政府は向こう数年で約250億円の支援を行なうが、
アメリカだったら政府&民間ファンド等を組成して一桁多い額を投じるだろう。

iPS細胞の研究に数年かけて約250億円の投資額の約80倍、
パチンコに1年で約20兆円も投じる日本人はやはり「夢」を失っている。

【蛇足】
世界にカジノは、主に富裕層から余ったお金を年間18兆円集金している。民間賭博のパチンコは、日本だけの中流層から生活資金にするお金を年間20兆円集金している(競馬等の日本の公的賭博は全体で5兆円)。
世界の二大賭博市場は、世界のカジノVS日本のパチンコだが、競合することはない。