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2016-08-24 04:25:38

中国、「慢性疾患!」過剰債務が招く経済急減速と元安リスク

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日本経済入門の入門 中国発、世界大恐慌は 本当に起きるのか/サンクチュアリ出版

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IMFが匙を投げる
人民元相場風前の灯火

中国経済は、確実に衰弱過程に入っている。このブログでは、一貫して中国経済が危機に向かっている事実を指摘してきた。8月12日に発表されたIMF(国際通貨基金)による、対中国経済審査では、「衰弱」を裏付ける幾つかの指摘が出ている。

「座して死を待つ」という言葉がある。武器を持って戦わず、ただ死を待つことだ。中国政府は、過剰設備の処理が過剰雇用の整理につながり、それが社会不安を招くことから、思い切った過剰設備の整理に動けないのだ。この状態は、まさに「座して死を待つ」ことであろう。「死の時期」をずらす延命行為として、弾圧強化に向けて一段と精力を集中している。やるべきことが間違えているのだが、暴力で得た権力は暴力でしか守れない。そういう根本的な矛盾に遭遇している。

IMFが匙を投げる
IMF報告は、各メディアで断片的にしか報道されていない。よって、それをつなげながら分析したい。

(1)「国際通貨基金(IMF)は、中国のシャドーバンキング(影の銀行)関連の19兆元(約290兆円)に上る信用商品について、企業向け融資と比べハイリスクで、デフォルト(債務不履行)に陥れば流動性ショックにつながる可能性があるとの見方を示した。この報告で、こうした投資商品は信託・証券会社等により仕組みが決められ、株式もしくはローンなどの債務を基にしていると説明。ローンは段階的な損出しが可能だが、シャドーバンキング商品がデフォルトすればリスク回避のきっかけになり得、こうした動きは対応が難しいと分析した。報告によると、『ハイリスク』商品は利回り11~14%を提供、これに対しローンの金利は6%、債券は3~4%である」(『ブルームバーグ』8月13日付)。

IMFは、ハイリスクのシャドーバンキングで、約290兆円のデフォルトを予想している。今年の名目GDPの約26%にも相当する。これは、無視できない金額であり、いったんデフォルトの壁が崩れたら、収拾がつかない事態になる。ハイリスク金融商品は、利回りが11~14%である。これだけの高利でも借り入れた企業は、「生きるか死ぬか」の瀬戸際で、ともかく現金が必要という切羽詰まった企業である。倒産の危機がそれだけ高かったもの。それだけに、不気味さを覚えるのだ。

債券デフォルトも、今年は急増する気配である。「今年デフォルトした債券の数は少なくとも17件と、2015年通年(7件)の2倍余りのペースで増えていることから、中国の社債格付けが注目されている」(『ブルームバーグ』8月12日付)。中国の格付けは「インチキ」というのが定評である。高い格付けを得た債券がデフォルトになる確率が高いからだ。

すなわち、「中国国内で最高のAAAが付与されている社債を発行する上場企業のおよそ56%に不払いリスクがある。格付け各社は信用状態が悪化した借り手の格付けを急に下げることが多い。こうした点に不満の声を上げる投資家に対応し、中国当局は格付け会社への規制を強化。3月には中国証券監督管理委員会(証監会)が6社に法令違反の警告書を出している」(『ブルームバーグ』8月12日付)ほど。

IMFでは、シャドーバンキングのデフォルトを懸念しているが、格付けAAAをとっている債券すら5割以上のデフォルト懸念である。中国経済が「信用危機」に陥る可能性は十分ある状況なのだ。見過ごしできないところまで追い込まれている。

(2)「IMFは、対中年次経済審査で次のように指摘した。景気刺激策の質を高めるためには、中国の政策当局者は国内総生産(GDP)伸び率目標の設定をやめるべきとの認識を明らかにした。IMFは、『年成長率の(見通しではなく)目標を設定するという行為はこれまで、短期的かつ質の低い刺激策が重視されるという望ましくない状況を醸成してきた』と指摘。目標を設定するにしても、レンジ幅を広げたり、持続可能な数字にするなど、柔軟に運用すべきだとした」(『ロイター』8月12日付)。

IMFは、中国政府に対して、GDPの成長率に関する目標設定をやめるべきだと勧告している。この目標値を出す結果、政府は共産党の「無謬論」にしたがって、無理やり成長率「合わせ」の必要性に迫られている。この結果、「短期的かつ質の低い刺激策が重視されるという望ましくない状況を醸成してきた」と、ズバリ、中国政府の痛いところを突いている。無理やり、インフラ投資を行ってGDPかさ上げの辻褄合わせをしてきたからだ。将来、投資資金も回収できないような無駄な投資を続けることが、中国経済をさらに追い込む。この点については、私が口を酸っぱくして指摘し続けてきたが、IMFもついに目に余る行為として勧告したものだろう。

(3)「IMFは、2016年の中国GDP伸び率を6.6%と予想した。中国政府は6.5~7%を目標にしている。IMFは、GDPの伸びは今後数年、徐々に鈍化し、2021年には5.8%前後になるとした。IMFは中国の政策金利について、必要以上に引き下げられたとし、インフレ率が上向いた場合はそれに伴って引き上げるべきとした」。

IMFは、中国の政策金利が必要以上に引き下げられとしている。もはや、現行水準以下に引き下げる必要はないとの判断だ。これは、極めて重要な示唆である。政策金利を下げても資金需要が出ないとの見方である。「流動性のワナ」に入ったという認識なのだ。中国経済がこの状況にはまり込んだ以上、治療法は見当たらない。潜在成長力を引き上げるには、金融政策でなく真の「イノベーション政策」が求められる。

今後の中国経済の成長率は漸減状態に入ると明言している。2021年には5.8%前後にまで低下するとしている。一見、政策金利を下げれば経済成長率が回復するというイメージであろう。だが、労働力供給の低下や生産性の鈍化などの要因を考えれば、潜在成長率低下は不可避と見ている。こうしたなかで金融を緩和しても、ミニバブルを発生させるだけで、むしろ経済政策遂行上、邪魔になるとの判断であろう。

問題は、先に取り上げたように、金融危機の発生である。シャドーバンキングの破綻や債券デフォルトの発生を考えると、潜在成長率はさらに下振れの懸念が強まるのだ。IMFは、こういった「緊急事態」の発生を成長率算定には織り込んでいない。実際に発生すれば、3%台へ急落するリスクを見ておかなければならない。

(4)「IMFは、市場が経済においてより決定的な役割を果たすためには、より柔軟で市場が主導する為替相場が必要と指摘。2018年までに実質的な変動相場制に移行することが引き続き主要なゴールとした。IMF中国調査団長のジェームズ・ダニエル氏は、中国は改革が不十分であれば、経済が急減速するリスクは高いとの見方を示した」(『ロイター』8月12日付)。

今年10月から、人民元はIMFのSDR(特別引き出し権)に昇格する。現在は、資本規制と管理型変動相場制という偏った通貨だ。前記二つの制約条件の解除が求められている。IMFは中国からの強い要請を受けてSDR実現への旗を振った責任上、2018年までに実質的な変動相場制に移行するように求めている。現状では、実現不可能という見方が一般的である。自由変動相場制に移行すれば、人民元相場の急落は必至と見られている。それを織り込んで、外資流出に拍車がかかるからだ。中国経済にとって、最大の拠り所は、手厚い外貨準備高だけである。自由変動相場制移行は、相場急落予想を伴うので、事前に大量のドル資金の流出に見舞われるだろう。

人民元相場の先行きに、大きな下落要因が待ち構えていることは否定しがたい事実である。この点から、何かのきっかけがあれば人民元相場が大きく崩れることは不可避である。

人民元相場風前の灯火
『ロイター』(8月10日付)は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志氏の見解を次のように伝えている。

通貨ストラジストの村田雅志氏の見解は、大きな説得力を持っている。一見、平静に見える人民元相場だが、ちょっとしたきっかけがあれば、人民元は大きく売られるリスクと隣り合わせの状態にある。根本的には、中国経済が減速リスクの真っ只中にあることだ。バブル経済に伴う不良債権処理は、全くの手つかずどころか日々、増殖過程にある。こうした通貨が買われるはずもなく、基本的には「売り対象」通貨の烙印を押されているのだ。この厳しい現実を忘れているのは、中国人民解放軍とそれに絡まる一群の「中華の夢」に酔っている人々だけであろう。

(5)「5月から6月に下落が続いた人民元の対ドルレート(元レート)は7月に下げ止まり、8月も下値の堅い動きを続けていることから、一見すると安定感を増しつつあるように思える。しかし、中国の資本流出と景気減速は続いたままだ。なんらかのきっかけで、元売りの動きが加速し、耐え切れなくなった中国当局が昨年8月と同様に元の切り下げに動くリスクは常に意識しておくべきだろう。中国人民銀が緩急をつけながらも元安誘導を維持する背景には、中国の資本流出と景気減速の継続がある。中国の国際収支統計(速報値)によると、4~6月期の資本・金融収支は594億ドルの赤字と2010年7~9月期以来の大幅な赤字を記録した」。

中国人民銀行は、巧妙に人民元相場を操縦している。人民元を売ったり買ったりしてジグザグ模様を描いている。売り一方にも買い一方にも的を絞らせないやり方である。人民銀行は、「してやったり」とほくそ笑んでいるかも知れないが、「期間限定」の話しであろう。人民元相場を取り巻いている状況は改善どころか、悪化の方向をたどっているのだ。現に、4~6月期の資本・金融収支は594億ドルの赤字である。2010年7~9月期以来の大幅な赤字を記録したのだ。

(6)「直接投資は現行統計が始まった1998年以来最大の赤字(308億ドル)を記録。中国政府が推進する一帯一路(シルクロ―ド)構想に基づき中国からの対外直接投資が高水準を維持する一方で、中国への対内直接投資が世界的な金融危機が起きた2009年以来の低水準に落ち込んだことで赤字額が膨らんだ。資本流出と景気減速が続くのであれば、元安圧力が弱まることはない。元レートが元高方向に推移した7月の中国・外貨準備高は、ドル安効果も加味すると前月から100億ドル程度減少した模様だ。中国当局は元安ペースを抑制するために元買い介入を強いられている」。

中国の対外直接投資は、1998年以来最大の赤字(308億ドル)を記録した。中国国内の成長率鈍化を受けて、企業は積極的に海外進出を図っている。一方、中国への対内投資は減少傾向である。こうした点を反映して、資本流出と景気減速が続くのであれば、元安圧力が弱まることはない。この基調をしっかりと把握しておくべきである。間違っても、習近平氏の唱える「中華の夢」に引っかかって、中国経済安泰などと見誤ってはならないのだ。

日本経済と中国経済の根本的な違いは、円相場と人民元相場の違いである。円は、国際的な事件が起これば、「逃避通貨」として買われる潜在的な信頼感を勝ち得ている。人民元相場に異変が起これば、自動的に円相場が買われるのだ。よって、日本にとって不都合なことは、中国経済の「不始末」が瞬時に「円高」に跳ね返る点である。中国政府がいかに大言壮語して、日本経済を抜いたと言ったところで、通貨の世界では「子どもが騒いでいる」程度の話しなのだ。

(7)「人民元安圧力が根強い中、中国当局が元安ペースを抑制できているのは、世界各国で金利が低下し、ドルが伸び悩むといった外部環境によるところが大きい。しかし、外部環境が中国当局にとって都合のよいままである保証はなく、なんらかのきっかけで元売りの動きが加速する可能性は考えておくべきだ。例えば、南シナ海や尖閣諸島(中国名:釣魚島)などでの中国の威嚇行動がエスカレートすれば、中国が日本や日本の同盟国である米国と不用意に衝突する恐れも高まり、中国と日米の軍事衝突という連想のもと、市場のリスク回避姿勢を強め、元安(そして円高)を促す可能性がある」。

人民元が「慢性疾患」を抱えながら最近、元安ペースを抑えられているのは、外部環境の好転によるもので、中国の体質が良くなったわけでない。外部環境が変化する。例えば米国が再利上げできる状態になれば、人民元相場は売り込まれてくる。また、南シナ海や東シナ海で中国の軍事暴発が起これば瞬時に、人民元は売り込まれるリスクを抱えている。これを考えると、人民解放軍は、迂闊な軍事行動を起こせないという制約条件を抱えているのだ。

(8)「おそらく中国当局は、元売りの動きが強まる場面では、これまでどおり元買い介入を実施することで元安ペースを抑制しようとするだろう。ただ、元買い介入によって外貨準備高の減少が続けば、中国国内外で元の下落懸念が強まり、中国の資本流出も拡大する。資本流出の拡大は元のさらなる下落につながり、中国当局が元買い介入に踏み切れば、外貨準備高はさらに減少する。つまり悪循環に陥る」。

人民元相場は、不均衡のなかの「均衡」という、きわめて不安定な状態にある。ちょっとした風向きが変わるだけで、人民元は売り込まれる危険性に満ちている。こうした事態は、中国経済そのものの不安定性を示している。中国経済は、習近平氏の行動一つで影響を受ける点を考えると、世にもまれな「軟弱通貨」である。SDR昇格などおこがましい話しなのだ。

お願い:拙著『日本経済入門の入門』(定価税込み1512円 アイバス出版)が発売されました。本書は、書き下ろしで日本経済の発展過程から将来を見通した、異色の内容です。中国経済や韓国経済の将来性に触れており、両国とも発展力はゼロとの判断を下しました。日本経済にはイノベーション能力があり、伸び代はあると見ています。ぜひ、ご一読をお願い申し上げます。

(2016年8月24日)


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2016-08-23 04:24:46

中国、「大国病」韓国いじめに狂奔する「時代錯誤」の醜さ

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面前で侮辱する中国
宿命的な滅びの文明

中国が血迷っている。韓国は、THAAD(高高度ミサイル防衛システム)の導入を決めた。中国が、これに猛然と反発している結果だ。中国は、韓国や日本を探索範囲にする5500キロメートルの超大型レーダー2基を設置している。それを棚に上げて、THAADが中国の安保を危機に陥れるとして「恫喝」しているのだ。呆れた言動と言うほかない。

日本は、こういった中国の「悪意」をとうの昔から見抜いている。韓国は、「反日」をテコにして中国と共闘体制を組んできた。今や、その中韓蜜月が瓦解した。「敵と味方」の関係に分かれて、憎悪しあう関係に落ち込んでいる。日本から言えば、「だから、言ったでしょう」と余裕をもって韓国に忠告できる立場である。中国を信じ込んできた韓国が、「初心」(うぶ)過ぎたのだ。

中国メディアの『捜狐』はこのほど、米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」がまとめた報告書を引用し、中国にもっとも友好的な国はパキスタンであり、もっとも非友好的な国は日本であると伝えている。それによると、「米国の世論調査機関『ピュー・リサーチ・センター』の調査結果を引用し、中国を肯定的に評価する国民がもっとも多かったのはパキスタン。次いでガーナ、ロシア、マレーシアの順である。パキスタンでは82%が中国を肯定的に評価。一方、日本の同じ割合はわずか9%にとどまった」(『サーチナー』8月14日付)。

日本人が、世界でもっとも中国を嫌っているという結果だ。日本は戦後、中国の復興と発展に最大の支援をしてきた。だが、中国は感謝の言葉はなく、逆に「日本帝国主義」と「日本軍国主義」批判で応えてきた。日本の善意をことごとく裏切り、傲慢な振る舞いを続けている。日本人が中国を嫌うのは当然であろう。韓国はこれまで、中国の尻馬に乗って日本批判を続けてきた。今回の中国から受けている「嫌がらせ」や「恫喝」で、韓国は心底、目が醒めたようだ。1000年を超える中国の支配を受けながら、中国になおも尻尾を振っている。韓国は、ここまで酷い仕打ちを受けなければ、中国の本音が分からないのだ。余りにも鈍感過ぎる。

面前で侮辱する中国
『朝鮮日報』(8月14日付)は、論説主幹の楊相勲(ヤン・サンフン)氏が、コラム「大国病の中国に韓国はどう向き合うべきか」と題して、次のように論じている。

このコラムは、朝鮮日報論説主幹による「中国大国病」への警戒論である。かつては、中韓蜜月論を高らかに歌い上げ、返す刀で「日本帝国主義批判」を展開した朝鮮日報が、ここまで中国の本音を読み取った批判は貴重である。日本でもまだ「親中論」を展開している方々は、この韓国人ジャーナリストの叫びを聞くが良い。中国は、決して「平和の使徒」でない。領土拡張主義の帝国主義国家である。中国4000年の歴史には、「革新性」など微塵も存在しない。超保守主義が残っているだけである。近代国家が、中国の歴史から学ぶものは欠片もないのだ。韓国は、ドライに対応すべきだろう。

(1)「中国の『人民日報』が最近、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と韓中日3カ国のメディア関係者を北京に招いて『メディア協力フォーラム』を開いた。中国が『新シルクロード』として推進している『一帯一路プロジェクト』フォーラムの一環だった。ここに出席したが、思いもかけず中国人の攻撃的な姿勢に直面した。人民日報側のある発言者は『日本、フィリピン、韓国は中国の人民を深く傷つけた』と言った。日本は尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題、フィリピンは南シナ海問題、韓国は高高度防衛ミサイル(THAAD)問題で傷つけたというのだ。尖閣諸島は日本側にも言い分があること。南シナ海の南沙諸島は公海上にあり、距離もずっとフィリピン側に近いこと。北朝鮮の核で殺されないために韓国がやむを得ずTHAADを配備することなど、その理由には一切言及がなかった」。

人民日報が主宰した、ASEAN10ヶ国と日中韓3ヶ国のフォーラムは、中国が日韓比の3ヶ国を批判する場になったという。本来、この種のフォーラムでは主宰者が、自説を述べるのではなく、出席国の意見交流の場にすべきもの。そうした国際的な礼儀も知らないほど、中国は「田舎者」に堕している。GDP世界2位を鼻にかけた醜い言動が、他国からいかに軽蔑されているか分からないのだ。私が、一貫して行っている中国批判の根拠を、今回も中国が提供してくれている。本当に、無礼な国家である。

中国が大国意識を鼻先にぶら下げる経済は、まさに薄氷を踏む感じになっている。一般的に言えば、多くの人が経済に関わる基本的な知識を持っていないものだ。それ故、中国経済が未来永劫、発展拡大していくという錯覚に囚われている。それが完全な間違いである。大きな債務の雪崩が今にも起きそうな中で、大国意識をぶら下げられる期間もわずかである。後は、「泣き面に蜂」という厳しい状況が待ち構えている。それも知らないで、太平楽を言って他国を恫喝する。浅薄な振る舞いそのものである。

(2)「中国共産党は、ぞんざいにモノを言うためのサイトがネットにある。そこは考慮に値しない暴言であふれかえっている。ある人は、『そこが中国共産党の本心を反映している』という。そのサイトの責任者だという人物は、フォーラムで『韓国は必ず報復されるだろう』と語った。それは、メディアのレベルで互いに理解を広げようとする討議ではなく、脅迫であり、侮辱だった。『中国シルクロード』フォーラムの招請に応じて中国を訪れた、外国の報道関係者の面前で口にしていい言葉では決してなかった。見かねた韓国の報道関係者の一人が、『THAADは北朝鮮の核のせいであって、北朝鮮の核には中国も責任がある』と指摘すると、この機関員は興奮した。『南シナ海問題に埋もれてTHAADが適当にやり過ごせると思うな』という声も聞かれた」。

中国共産党は、本音(国内)と建て前(海外)を使い分けている。その本音部分は、国民に向けてサイトで包み隠さず言い放っているのだ。その責任者が、フォーラムで「韓国はTHAADで必ず報復されるだろう」と脅迫したという。「南シナ海問題に埋もれてTHAADが適当にやり過ごせると思うな」とも威嚇したのだ。中国人の「田舎大名」ぶりを遺憾なく示したものだが、韓国もここまで無辱されたのだから、目を覚まさなければなるまい。この程度の「にわか大国」へ「中韓蜜月論」を捧げてきた朝鮮日報も自らの不明を恥じることだ。本来は朝鮮戦争の「敵」であった中国を、政治体制の溝を超えて「盟友」と信じた愚かさは、永遠に消えないであろう。

宿命的な滅びの文明
(3)「今や、『こちらが大国だということを知らないのか』という中国人の大国病は、党の下の機関員までもが大っぴらに『大国』『小国』うんぬんと言うほどになった。今回のフォーラムでも『偉大な中華民族』という声を何度か聞いたと思う。THAADや南シナ海など、それぞれ考えが異なる国の間の問題では、お互い言い分があるものだ。こういうとき、中国は『大国対小国』という目で問題を見る。双方が衝突したら小国が引いて当然、という考え方だ。西海(黄海)の境界線を、等距離ではなく人口比率の通りに決めようという奇想天外な発想も、ここから来ている。南シナ海問題で中国人が一層腹を立てているのも、フィリピンという小国にやられたからだ。THAADも同じだろう」。

自ら、「偉大な中華民族」と大真面目に発言する中国人の頭脳は、どういう構図であろうか。戦時中の日本人は、「大日本帝国」と称していた。それと同じ意識、感覚であろう。「侵略戦争」を「聖戦」と称して、多くの若者が戦場に送られていった。あの頃の日本人の意識が、現在の中国人である。そう思うと、気の毒でもある。いずれ、その夢が破れる段階で、中国指導部への痛烈な非難となって跳ね返るだろう。習近平氏は、一人で13億人の非難に晒される運命だ。

「大国」と「小国」という分類は、始皇帝時代そのものである。中国人は、始皇帝時代の意識から離れられないのだ。念願叶って経済大国になれたのだ。思い切って、周辺国を「小国」と言って侮って見たい。まあ、子どもがオモチャを手にしてはしゃぎまくっている構図と何ら変わらない。米国が、相手国を小国と言って侮辱することがあるだろうか。民族差別に対して、もっとも敏感である。その根底には「平等」意識が根付いているからだ。米国と中国との国際感覚の差は、これだけ大きいのだ。

中国大国論は、国土・人口・歴史の三点セットを称しているにすぎない。肝心な「イノベーション能力」はゼロ同然である。「中国大国論」など、聞いて呆れる。これが、正直な感想である。民度の低い大国など、もともと存在しないし永続性がない。日本人が中国を嫌う背景には、こういった「にわか大国意識」が鼻持ちならないのだ。この民族が、国家運営で誤りなきを帰せるであろうか。人民解放軍に唆されて、無謀は戦端を開くのでないか。そういう懸念が付きまとう脅威の国家である。滅びの文明としか言いようがない。

(4)「筆者は、THAADについて『中国の立場も理解はすべき』という記事を2度書いた。中国のこの力が荒ぶるのを防ごう、という趣旨で書いた記事だった。今になってみると、無駄な期待だったようだ。ある人は、『韓国政府が誤りを犯して中国を説得できなかった』というが、どれほどうまくやっても、この『大国病にかかった大国』を変えることはできなかっただろう。もし中国が今回、最後まで『誰が大国で誰が小国なのか教えてやろう』という姿勢で来るのなら、韓国も『今の韓国は、事大をしていた国とは違う』ということを示すしかない。実に不幸で、防がねばならない事態だ。しかし、しくじると、再び中華秩序の下に組み込まれる。そこには正当な経済取引も、北朝鮮の核の廃棄も、統一もない」。

中国を説得することなど、できるはずがない。始皇帝を説得するような難事である。だが、これだけ「大国風」を吹かせてきた中国だ。始皇帝の死去後、5年目で崩壊した秦国の故事を考えるべきである。中国も、経済力が落ちればその二の舞になりかねない。外延的な発展策を求めるのは愚の骨頂である。内政を充実させて、国民の幸せを第一にするべきだが、そういうことは眼中にない。ただ、ひたすら威張り散らしたいだけなのだろう。この一事を持っても、未来永劫の発展は期待薄である。このマンモス国家の「頭脳」は、ネズミ同然に小さいと言ったら、言い過ぎであろうか。

韓国は、中国からここまで侮辱されているのだ。独立国家としての威厳を守らなければならない。「事大主義」で力のある国家に付き従う。これが現代は恥なのだ。事大主義の汚名を雪ぐには、同じ民主主義の国家と協力する以外に道がない。2200年前の秦の始皇帝時代に戻って、庇護を求めることの恥を知るべきだ。私がいつも持ち出すカントの『永遠平和のために』が明らかにしているように、共和国(民主主義国)は同盟を強化して、防衛に当たることである。中国から、仮に経済的な報復を受けても、「縁切り」の代金と思えば安いものだ。ここを耐え抜かなければ、さらに大きな侮辱を受ける羽目に陥るに違いない。それは、韓国内政への干渉がましい発言となろう。中国の顔色を窺ってはならない。断固、撥ね付けるべきだ。

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(2016年8月23日)


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2016-08-22 04:23:53

中国、「判決無視宣言」周辺国から警戒噴出「インフラ輸出に壁」

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国際ビジネスに無法国家は不利
タイが中国を嫌った本当の理由

中国政府は、南シナ海問題で常設仲裁裁判所の審決に対して、こともあろうに「紙くず」と悪態をついてしまった。国連常任理事国の一つである中国政府が、絶対に口にすべき言葉でない。この一言は、中国が信用できない国家であることを自ら宣言したようなもの。中国と真面目に取り決めをしても、いつ何時、その取り決めが後から「紙くず」呼ばわりされかねないのだ。

7月12日、前述の常設仲裁裁判所から、中国の主張する「南シナ海九段線」領海問題は、「歴史的にも根拠なし」と完全に否定された。その後2週間足らずの間に、中国による合計額で150億ドル(約1兆5300億円)以上に上る英国の原子力発電所建設と、オーストラリアの送電会社への出資計画が壁にぶつかっている。対外インフラ投資を進めたい中国にとって厳しい情勢を迎えたのだ。あの「紙くず」発言が、中国への信頼をなくしたと言われ始めている。

国際ビジネスに無法国家は不利
『ブルームバーグ』(8月13日付)は、次のように伝えた。

(1)「英豪の両国は中国国有企業が資金提供する投資案件の承認をそろって拒み、長期的な電力関連事業計画が相当進展した段階で待ったをかけた。これが事業の参加者を驚かせている。英国では原発計画の調印式典が急遽(きゅうきょ)延期された。法律事務所デッカートの陶景洲マネジングパートナー(北京在勤)は、『中国の外交政策がますます強引になる中で、英豪は徐々に中国からの投資に関する審査を強化している。姿勢の変化だ』と指摘する」。

英国では、EU離脱を巡る国民投票の結果、政権交代が起こってメイ氏が首相に就任した。前政権が、英中「蜜月」を謳っていたが、新政権はいたって慎重に構えている。英国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)出資では、オズボーン前財務相の「独断」があったと言われている。メイ首相は、かねてから中国への接近について慎重論であった。原発計画では、メイ氏の側近である政策チームトップが、「中国は原発のコンピューターに抜け穴をつくり、英国の電力に支障を生じさせうる」と唱えるなど筋金入りの中国警戒論者である。

この筋金入りの中国警戒論者にとっては、今回の中国政府の「紙くず発言」は、原発計画を見直させる良いきっかけになった。英国では、中国の「トロイの木馬」論が根強いのだ。「ニーハオ」と口では調子の良いことを言うが、腹の中は「真っ黒」という腹黒説が復活しつつある。南シナ海を巡る中国の「強気論」は、思わずところで対中国関係を見直す機会を与えているようだ;

(2)「英国ではメイ首相就任後、中国広核集団が出資することになっていた約20年ぶりの英原発新設計画を見直している。同社は、180億ポンド(約2兆3800億円)規模となるこの事業の約3分の1の資金を提供することで合意していた。同事業は数年前から計画が進んでいたのに対して、メイ政権は先月、審査にもっと時間を費やしたいと説明した。英政府の決定から2週間足らずの8月11日、豪州ではモリソン財務相が豪電力公社オースグリッドの海外企業への売却は国家の安全保障を脅かす恐れがあると表明した。関係者によると、中国国家電網と香港の資産家、李嘉誠氏の企業がオースグリッドの経営権取得をめぐり競い合い、拘束力のある買収提案をすでに提出していた」。

豪州ではモリソン財務相が、豪電力公社オースグリッドの海外企業への売却は国家の安全保障を脅かす恐れがあると表明した。モリソン財務相は同日記者会見し、オースグリッドが「企業や政府機関に重要な電力や通信を提供している」と説明。現在の応札企業に対する売却は「国家安全保障上の利益に反する」として認められないと述べた。モリソン氏は「安全保障上の懸念は特定の国に関するものではない」と強調したが、電力インフラの中国企業への売却には慎重さを求める声が政権内外から上がっていた。中国のサイバー攻撃に利用されるとの懸念に加え、南シナ海での中国の海洋進出への警戒が高まっているためだ。

中国による力づくでも相手をねじ伏せる。こういう強引な外交戦略が、あちこちで綻び始めている。私がかねてから言ってきたように、中国外交は2200年前の始皇帝の遺訓を継いでいる。「合従連衡」論がそれだ。相手陣営の足並みを崩して、隙を見て中国陣営へ強引に引っ張り込むやり方である。

こんな古くさいやり方が、今どき通用すると思っているところが可笑しいのだ。グローバリズムの支配する現代、どう見ても成功するとは思えない。始皇帝時代の秩序は、「力関係」で決まった。現代は、「正義」はどちらにあるかが問われる時代である。国家規模の大小関係は問わないのだ。中国に正義がなければ、中国は敗れる時代である。その意味で、軍備は正義と無関係である。習近平氏は、頭を切り換えるべき時期なのだ。

(3)「オーストラリア戦略政策研究所のピーター・ジェニングス所長は、『外交政策が一段と強行になればなるほど、豪州などの相手側はその国の投資を受け入れるのが難しくなる。中国にとっては受け入れ難いメッセージだろうが、必要なものだ』と話す。中国が南シナ海の海域で領有権を主張し、支配力を強めようとしていることに対し、オランダのハーグにある仲裁裁判所が違法だとの判決を先月下した。豪州や米国などは中国に判決を受け入れるよう促している」。

法が支配する現代、国際司法機関による裁決を「紙くず」と切り捨てる中国政府の国際感覚はいかなるものなのか。中国に不利な裁決は、一切拒否できる。そう信じている中国政府の「頭脳」は、どのような構造であろうか。最近、習近平氏の言動はヒトラーに似てきたという警戒論があるのも頷ける。今後も、中国の「横車」が続けば、世界から孤立するのは必至であろう。

中国は、GDP2位をひけらかして歩き、他国を侮辱する行動を改めなければ、中国期待の「インフラ輸出」に大きな障害になることは避けられまい。どこの国でも、「やくざまがい」の中国と取引する潜在的な危険性を避けたい。そう思うのは自然である。もっと、真面目で約束を守る国と取引したいのだ。中国は、その対象から外れてきた。

タイが中国を嫌った理由
タイも中国と契約することを避けた国の一つであろう。

『共同』(8月6日付)は、次のように伝えた。

(4)「日本、タイ両政府は8月6日、タイの首都バンコクと北部チェンマイを結ぶ約700キロの高速鉄道計画について、日本の新幹線方式を導入することなどを確認した。タイ訪問中の石井啓一国土交通相とタイのアーコム運輸相が鉄道協力に関する覚書に署名。アーコム氏は記者会見で、早ければ2018年中にも着工できるとの見通しを示した。両国政府は15年5月、新幹線方式の導入を前提に現地調査を行うことで合意。17年中の正式契約締結を目指している。両国はまた、インドシナ半島を横断する東西経済回廊のうち、タイ北東部ムクダハンと北西部メソトを結ぶ鉄道や、南部経済回廊と呼ばれる東部アランヤプラテート~西部カンチャナブリ間の鉄道整備での協力を改めて確認した」。

タイ政府は、日本とは良好な関係を保っており、タイの首都バンコクと北部チェンマイを結ぶ約700キロの高速鉄道計画は順調な話し合いが続いている。17年中の正式契約締結を目指している。一方、中国とタイは全長873キロメートルの高速鉄道を建設する計画で協議を行ってきた。

3月末、タイはバンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間について、中国側が提案した金利および建設費用で決裂。タイは、「到底受け入れられない水準」として拒否したものだ。この結果、タイは中国の融資を受けず、自己資金で同区間の路線建設を行う方針だ。残りの区間の建設については未定である。中国とタイを結ぶ高速鉄道計画の大幅な縮小によって、中国は東南アジア諸国を結ぼうとしていた高速鉄道計画の見直しを余儀なくされている。中国は、相手国が自国よりも弱い相手と見ると、笠に着た態度で接してくる「無礼」な国である。これが、敬虔な「仏教国」のタイを怒らせたのだ。

その点で日本は、太平洋戦争で被害を与えた反省を忘れずに、アジア諸国と接してきた。これが日本のインフラ輸出を後押ししている背景だ。日本のタイに提示した借款条件は不明である。ただ、現在の日本が「マイナス金利」であることを踏まえれば、「ゼロ金利」同然の超低金利が見込まれる。国家間も個人間の付き合いも同じだ。中国政府は今回、謙虚に振る舞うことの重要性を、嫌と言うほど強く感じたことであろう。

『サーチナー』(6月29日付)は、次のように伝えた。

この記事は、先の日本とタイとの政府間協定による鉄道建設計画について、詳細に取り上げている点が興味深い。中国政府は「一帯一路」計画を大々的に打ち出してPRしているが、日本はタイでの鉄道建設計画について派手にPRもせずに地味に行っている。日中政府の性格の差にもよるが、日本は「黙って勝負する」という所だろうか。

タイでは8月6日、日本の技術と円借款による高架鉄道の「パープルライン」が営業運転を開始した。バンコク北部と郊外のバンヤイを結ぶ全長23キロである。日本政府が供与した約790億円の円借款によって建設されたものだ。パープルラインの車両をはじめとする鉄道システムは、東芝、丸紅、JR東日本グループが手がけた。日本と中国は現在、アジア各国で高速鉄道を中心としたインフラ整備事業の受注競争を展開している。「パープルライン」の開通は、日本の交通インフラの評価を高める効果が期待できそうだという。

(5)「中国メディア『新華網』(6月28日付)は、日本が進めるタイの高速鉄道建設協力について、日本の東南アジア戦略と密接に関わっているとする記事を掲載した。それによると昨年、日本とタイ両国政府が署名した鉄道協力の覚書において、日本がタイ国内の3つの鉄道建設に参加することが盛り込まれている。6月に入って製造コスト高・低収益が取りざたされたバンコク―チェンマイ間の『南北線』が1本目、タークからピッサヌロークを通りムックダーハーンに達する『東北線』が2本目、カンチャナブリからバンコクを通り、サケーオに向かう『東南線』が3本目であるとした」。

中国メディアの『新華網』が、タイと日本で交わされている鉄道建設計画について詳細な説明をしている。南北線・東北線・東南線の3線建設計画である。先に取り上げた「パープルライン」は、日本のテレビでも紹介されており、バンコク市民の足となって役立つ。これは、日本が鉄道システムを丸ごとタイへ提供する強い意思を示したものだ。その点で中国は、タイでの高速鉄道建設が中国の経済権益拡大の手段という位置づけとなっていた。高い借款金利(2~7%)や鉄道沿線の地権提供を義務づけるなど、治外法権的な要求を憶面もなく出していた。これでは、タイから拒否されて当然であろう。余りにも、高飛車に出過ぎて失敗したのだ。

(6)「なかでも日本が、西はミャンマー国境から東はカンボジア国境を結ぶうえ、主要な港や工業地帯と接続する『東南線』の建設協力を重要視していると解説。そこには『タイを生産あるいは中継点、地域の販売の中心地とし、ミャンマーをインド洋と太平洋を結ぶ新たな窓口にする』という日本の戦略計画が存在する。タイ・カシコン銀行のシンクタンクの中国部門に所属する専門家が、『日本とタイの鉄道協力は、日本によるタイや東南アジアの経済戦略の布石と密接に関わっているが、日本では政府から民間に至るまで、この戦略を口にすることは極めて少ない』と指摘したほか、両国間の鉄道協力は貨物鉄道のグレードアップをはじめ、機関車、車両、レールなどといった設備の輸出など、多様化の様相を見せている」。

日本が、タイをアジアの重要地域として捉えていることがわかる。実は、日本国内でも、こうした路線の詳細な説明がされていないのだ。『新華網』記事によって初めて、「なるほど」と思うわけで、日本の緻密な計画が分かる。中国は自らの「一帯一路」プロジェクトと競合することを知りつつ、どうして高飛車な計画を持ちだしてタイを怒らせたのか。理解に苦しむのだ。中国はこれまで「外交巧者」と評価されてきた。だが、今回の一件を見ると、「外交下手」である。自分の都合の良いことばかりを要求する。交渉相手の立場を無視する、独断専行が嫌われているのだ。

「パープルライン」は前述の通り、東芝、丸紅、JR東日本グループが手がけたものである。いはば、「オール日本」の力を結集している。記事では、「両国間の鉄道協力は貨物鉄道のグレードアップをはじめ、機関車、車両、レールなどといった設備の輸出など、多様化の様相を見せている」と伝えている。日本の工業力とサービスの「華」を結集したものだ。これでは、「にわか工業国」の中国が及ぶところではない。

(7)「東南アジアにおける鉄道建設で、日本と中国が激しい受注争いを繰り広げるのは、両国とも同地域を経済的、政治的に重要なエリアと位置付けているからに他ならない。単に技術力や資金面での優位性のみならず、現地にとってより明るい将来像が描いてアピールし、相手の心を掴めるかどうかが勝敗を決するのである。『作って終わり』というような姿勢では発注国の気を引くことは難しい」。

中国は、高速鉄道建設費の安さばかりを自慢してきた。新幹線の半額であるという。これは赤字受注覚悟の話しだ。タイで高値を吹っかけたのは、過去の赤字分を取り戻すという意図もあった。日本という強敵と受注を巡って争うならば、ビジネス手法として失敗である。「大国意識」が先走っており、アジア周辺国はすべて中国の言いなりになると誤解しているのだ。

お願い:拙著『日本経済入門の入門』(定価税込み1512円 アイバス出版)が発売されました。本書は、書き下ろしで日本経済の発展過程から将来を見通した、異色の内容です。中国経済や韓国経済の将来性に触れており、両国とも発展力はゼロとの判断を下しました。日本経済にはイノベーション能力があり、伸び代はあると見ています。ぜひ、ご一読をお願い申し上げます。

(2016年8月22日)
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