今日は、
アルフレッド・アドラーの示す
結婚に準備できていない人の例
について書きました。

結婚に準備できていないとわかれば、
それが自分であっても
相手であっても、
そこで結婚しないと決めることも、
結婚へ向けてその準備をしてみることも
選べるようになります。

またもし、
結婚してから
準備ができていないとわかったなら
そこから準備を始めることで
互いの関係を
よりよくしていくことができます。

目次
・準備できていない人
・女性を突き飛ばした男性
・デートに遅れてくる人
・相手を教育したい人
・その他の例
・結婚するのに適切な人


■準備できていない人

アドラー
結婚に対して準備できていないことを
示すために例をいくつかあげています。

これらを端的にまとめると、
結婚に対して準備できていない人は
「相手より自分優先」の人です。

なので逆に
「自分より相手優先」の人
結婚に対して準備ができている人
といえます。

「相手より自分優先」な人は
自分にばかり関心がある人です。

これって
自分の利益さえ得られれば
相手はどうなっても構わない、
ということを示しています。

度合や強度の違いはあっても、
心の基本姿勢が
「相手より自分優先」な人は
結婚に準備できていない人です。

■女性を突き飛ばした男性

ダンスパーティーで
踊っていた男女の例。

踊っている最中に
何かのはずみで
男性が眼鏡を落としてしまいました。

驚くことに
その男性は女性を突き飛ばしました

なぜなら、
その女性に眼鏡を
踏まれたくなかったから
です。

突き飛ばされた女性は
もう少しで倒れてしまうところでした。

この男女は、
その後に結婚はしませんでした。

やがて、
男性は医師のもとを訪れて
自分はうつで苦しんでいると
説明しました。

自分のことばかりに関心があるために
こんな状況になっているとは
この男性にはまるでわからないのでした。

自分にばかり関心がある人は
「相手より自分優先」な人です。

すなわち、
結婚に対して準備が
できていない人、というわけです。

■デートに遅れてくる人

アドラー
適当な理由もなしに
デートに遅れてくる人を
信じてはならない
、と
指摘しています。

デートに限らず、
約束を守らない人にも
同じことがいえるでしょう。

このような行動は、
ためらいの態度」を
示しています。

人生の課題に対して
準備ができていなことを
示しているわけです。

ためらうことで
課題への着手を
避けようとしているのです。

もっといえば、
課題に着手したときには
必ず困難に出会います。

困難がない課題は
課題にならないからです。

その困難を避ける姿は
他者によく見られないため、
ためらうことで
せめて他者に悪くみられないように
しようとしているわけです。

「やればできるんだけど」
「○○さえあれば、やれるのに」
「○○さえなければ、やるんだけどな」


こんな思考や言葉も
ためらいの態度」を示しています。

こんな態度ばかりの人は
信じてはならない、と
アドラーは指摘しているわけです。

■相手を教育したい人

お付き合いが始まってから
相手を教育したいと思ったり、
相手を批判したいと思うのであれば、
これらも結婚への準備が
できていないことを示している、
アドラーは指摘しています。

教育したかったり
批判したかったりするのは、
つまりは相手を支配したいのです。

支配することで
万事、自分に都合よく
進めることができます。

それは、すなわち、
何が起きるわからない、
という状況を排除できる

ということです。

何が起きるかわからない状況を
排除できるということは、
簡単に言えば
いつも後出しジャンケンで
相手に勝てる状況

となる感じと同じです。

どんな状況になっても
自分が勝利者となれるわけですから、
どんな状況になろうとも
安心できるわけです。

この心の態度は
「相手より自分優先」どころか、
自分の利益のことばかりに
関心があることになります。

相手に犠牲が出たとしても
自分の利益が守られさえすれば
満足してしまうわけですから。

■その他の例

アドラーはその他の例として
次のようなものをあげています。

友達がいない

仲間と交流しない

職業を選ぶのが遅い

悲観主義な人



友達がいないのは
交友の課題を回避していることであり、
対人関係を避けることで
自分を守ろうとしていることを
示しています。

自分を守ることが
問題なのではなく、
関心が自分にばかり向いていること
問題なのです。

仲間と交流しない、についても
同じことがいえます。


職業を選ぶのが遅いのは、
先に出てきた「ためらいの態度」ですから
やはり結婚への準備はできていない
ことになります。


悲観主義な人は
気分で生きており、
自分で考えることを
避ける生き方をしている人
です。

視点を変えると
過去ばかり見て生きると
悲観主義的な生き方になります。

未来を見て
「これから何をしたいのか」
「これからどうなりたいのか」
などに向き合う困難から
避けると過去ばかりを見て
生きるようになりがちです。

悲観主義な人は、
課題に向き合う勇気の欠如
示しており、
結婚に対する準備が
できていないことも示しているわけです。

■結婚するのに適切な人
アドラー
結婚相手を選ぶときに
理想の相手」を探さないことを
勧めています。

なぜなら、
「理想の相手」に一致する人は
いないから
です。

この”いない”を利用すると
ためらいの態度」を使うことが
できてしまいます。

つまりは、
あまりに「理想の相手」に
こだわることは、
結婚を避けること、すなわち、
結婚したら何が起きるかわからない
という困難を避ける手段
として
利用できてしまえるわけです。

なのでアドラー
適切な人を選ぶことは
それほど困難であってはならない

と説明しています。

また、
アドラーの個人心理学から見れば、
結婚という共同体を構成する2人が、
互いに協力して
その共同体の利益への貢献を
していく態度を継続できる人
、が
ふさわしい結婚相手となります。

その手段が対話による
合意の形成であったり
気持ちの通い合い等です。

その共同体の利益には
互いの性的な関係についての利益も
含まれます。

そこで役に立つのが
「自分より相手優先」の心
というわけです。

ただ、注意したいのは
「約束を守る」という行為を
何かの目的に利用する人は、
いくら約束を守ったとしても
それは「相手より自分優先」な心
ということです。

形式としては
約束を守ったとしても、
それは相手を私的利用する行為であり、
繰り返すうちにその目的が
適度に満たされると、
もう約束を守る必要がなくなるため、
状況が一変することもありがちなので、
注意して観察したいところなのです。






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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