事件にはいろんな側面があります。

 
一昨日、POLICEの車が物々しく3〜4台横付けにされ警察官が押し寄せて来た我が家。

我が家をドンドンドン!と強く叩いた音は、のどかな近所中に響き渡り、隣の家の男の人が自分の家かと思って飛び出して来たくらいでした。
平和な雰囲気が一気にカオスとなり、それはもう近所の人たちも驚いたことでしょう。


 
無罪が証明され戻って来た夫は、とりあえず近所の人たちに安心してもらおうと事の成り行きを伝えに行くことに。

まず3つ隣に住むカメラマンのブランドンが帰って来たので、「いやー、大騒ぎになってて、驚かせたね」と話しかけると、ずっと外出していて騒動を知らず。
さっき数台の警察の車とすれ違ったから何か事件があったのかと思ったわーと笑っていました。

「俺それに乗って帰って来たところだ。」

 。。。



隣の家のスノーボーダーのネイトは、一度いきなり我が家の中にいてビックリしたことがありました。
夕飯後、私がテラスの雪かきをしている間にトラがママがいなくなったと思ったらしく彼の家に駆け込み、「ママが消えた!」と。隣のネイトは泣く息子と一緒にうちに来て、私のことを探したけれど2階にもバスルームにもどこにもいない。
 
雪かきを終えた私がキッチン横の扉から室内に戻ると男が家の中に!?!

お互い鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていました。
ママそこで雪かきしてるねって言ったのに、息子全然聞いていなかったという、爆笑で終わりましたが。

 
そんなネイトは「ユキエはアメリカのルールもよくわからないだろうし、大丈夫だろうか」と丸聞こえな警察とのやりとりを聞きながら心配していたそうです。しかし外に出ようとすると「おまえは関係ないから引っ込んでろ」くらいな感じだったらしく、身を潜めて一部始終を聞いていたそうです。
 
 
 
そのまた隣には娘ふたりと両親が住んでおり、ここの奥さんが厳しいタイプの人。いい人なんですけど、厳しい。
「彼女、ちょうど居なかったんじゃない?」私が警察と外へ出た時に彼らの車がなかったので安心していたのですが、
 
「俺がちょうど警察の車に乗って連れて行かれる時に、彼女帰って来て目撃していた。」

。。。1番の見どころ。
 
彼女にもきちんと説明しに行って来てと伝えましたが、あっという間に戻って来た夫。
「留守みたい」
 
 
 
その後解放された夫はまるで何事もなかったかのように息子と近所のスケートパークへ出かけてゆきました。
 
すると、ピンポーン、と家のベルが。
もうやだ。今度はなんだろうと思いながら玄関へ行くと、隣の隣の厳しいママが厳しい顔をして腕を組んで外にいる!!!
(ある意味警察と同じくらい怖い。)
 

ドアを開け、とりあえず今日の出来事をざっと説明。
とにかく警察が大勢来て大騒ぎしていたけれど、夫は無罪で帰ってこれたと伝えました。
あなたに説明しようと伺ったのだけど居なかったみたいで、と。
 
彼女、聞きながら表情を変え、
 
「さっき家にいた娘達から電話があったの。
彼が、家の外に立ってる!って」
 

。。。

ホラー映画か。
 
「絶対に鍵を開けちゃだめよ、ママは今いないからといって、ドアは開けてはだめ。」
 
。。。

オオカミか。

 
そう話しながら、厳しいママはこらえきれずにウケていました。私もウケました。笑

警察に連行されてゆく男を見て、ママが出かけた隙に連れて行かれたはずの彼が家の前に立っているという恐怖。

私でもそうなるわ。
 
面白くて夫に伝えたら、全然面白くなさそうな顔でした。そりゃそうですよね、失礼しました。

 
我が家の外。こんなのどかな町です。
 
朝5時過ぎの空。
 
6時の空。
 
朝の涼しいうちにバイクで走りに行ったけど、涼しいっていうか寒かったです。
日中は30度近くまで上がります。


一緒に心配してくれる近所の人。
笑ってくれる近所の人。
慌ててくれる近所の人。
帰ってこれて良かったと安心してくれた厳しいママ。今度何かあったらいつでも助けるから!と声をかけてくれた皆さん。


アメリカに住んでいるのに、なぜか子供の頃に住んでいた団地を思い出すのです。

ここは近所とのコミュニケーションがあって、何かあるときは助けを求められる。
言葉が不充分な私にも、「ユキエ、ちょっとお願いできる?」って声をかけてくれる。

大騒ぎになったけど、変わらずそこにいてくれるご近所さんのありがたみを感じる出来事でもありました。


(川向こうの、家政婦は見た!のおばさんは、一時的に居た観光客です。)