本『歴史とのふれあい 奈良の寺寺 鑑賞の手引き』 

  西山厚(奈良国立博物館仏教美術資料研究センター 日本仏教史)

  ◎お寺を地域別にまとめ、イラスト付きの簡潔な紹介

本『歴史とのふれあい 寺院と仏像のすべて 鑑賞の手引き』

  瀧川昭雄(元奈良県教育委員会文化財保存課) 

  藪中五百樹(やぶなかいおき:興福寺境内管理室長) 

  森谷英俊(もりやえいしゅん:興福寺執事長)

  ◎寺院・仏像・宗派について、素人にもわかりやすく解説したもの。

  伽藍配置・建築上の特徴・時代ごとの仏像の様式の変遷etcイラスト&図版

この2冊は1986年に刊行され、版を重ねている「和本シリーズ」(株式会社フジタ)で、奈良に行くたびに参考にしていた100頁に満たないB6サイズのブックレットです。1冊700円程度でした。

 

奈良博の特別講座、10年あまり通い詰めた正倉院展、春のお水取り、南山科・木津川沿いの十一面観音や阿弥陀如来巡り(京都府ですが浄瑠璃寺と岩船寺は記載)、萬福寺や禅定寺を含む宇治周辺(記載なし)、斑鳩・信貴山(朝護孫子寺)・当麻寺、飛鳥・室生・桜井・・・旅のお供に欠かせません。このシリーズは浄瑠璃寺で求めました。

カラー写真満載で、大きくて重い“定番のお寺と食事処ばかり”のありきたりの旅行案内とは一味違い、私が知りたい情報がきちんと載っています。日程を考えつつスケジュールを立てるのにとても参考になりました。

 

『日本書紀』にも記載された

蘇我馬子が発願した飛鳥寺 止利仏師造像の大仏(釈迦如来坐像)

 

法隆寺・中宮寺だけでは勿体ない、1㎞あまり離れてこんな素晴らしいお寺が

二宇連なっています

聖徳太子ゆかりの法起寺(岡本寺/池後=いけじり寺) 最古の三重塔

 

おなじく聖徳太子にゆかりのある法輪寺

落雷により消失 西岡定一によって再建された三重塔 

 

講堂に居並ぶ仏像 本尊薬師如来は飛鳥仏、止利仏師の作と伝わる

高さ3.6mの十一面観音は杉の一木造

 

廃仏毀釈のあおりで打ち捨てられていた十一面観音 聖林寺

 

藤原不比等の邸宅跡にあった皇后宮を改めた 法華寺

十一面観音は光明皇后をモデルにしたと伝えられる

4月1日~7日 雛会式 

 

皇后宮の東北隅にあたる海龍王寺、別名隅寺

法華寺と同じく不比等の邸宅跡に建立 西金堂内には五重小塔 

十一面観音像は法華寺と同時期に特別開扉