片頭痛は「病気」です、それも「脳の病気」です??? その1 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 最近では、国会では共謀罪法案が成立しましたが、これが以前の治安維持法と同等のものではないかと物議を呼んでいます。さらに、森友学園・加計学園の問題では、安倍首相との関与の有無で論議されていますが、その真相はいまだ明確にされず、すべて与党である自民党の思惑通りに事が運んでおり、ついに都議会選挙に突入しました。
 このように、時間稼ぎをされることにより、時の経過とともに真相・真実は闇に葬られようとしています。


はじめに


 前回は、専門家の間では、片頭痛は病気であり、それも脳の病気とされていることを述べました。今回は、前回述べたことを補足するためのものです。
 まず、簡単に要約しておきます。このように「片頭痛は病気であり、それも脳の病気」とされている理由は要約すれば・・・


 最近、片頭痛を起こす脳のメカニズムが明らかになり、からだの痛みをコントロールしているセロトニン、サブスタンスPなどの脳内物質に異常が起こっており、片頭痛が脳の様々な変化で起こることがわかった結果、片頭痛のメカニズムに有効な治療薬も開発されたとされます。
 片頭痛は脳の一部で細胞の活動が高まり、頭痛発作の震源地となります。そのからの脳の興奮が周囲に拡がり、脳の機能に様々な影響を及ぼし、脳の血管が拡張して激しい痛みを生じたり、吐き気とともに光・音過敏状態にもなります。
  片頭痛のときに起こる脳の変化は、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、脳の病気が画像として確認されました。片頭痛発作中にはかなり激しい脳の変化がおこりますが、発作が治まると脳も完全に正常な状態に戻ることもわりました。すなわち、片頭痛は発作性に頭痛が起こるたびに脳に病気が起こる。ただ、頭痛のないときには脳は全く正常で、本人もケロッとしているというわけです。
 片頭痛の治療は、発作のメカニズムを治療することが可能になりました。セロトニンのレセプターを活性化するトリプタン系の薬剤が使われます。
  片頭痛のメカニズムは、トリプタン製剤の作用機序の面から説明され、基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。


 このように、片頭痛の病態(メカニズム)は各種のトリプタン製剤の作用機序の面から研究され、説明されてきました。


 その結果、肝心要の”中枢神経系でセロトニンが減少する”理由についてはまだ謎とされます。
  片頭痛の患者さんは,そうでない方と違って特別に興奮しやすい状態があるのではないかとされ、このような「脳過敏」を起こす原因もこれまた、不明とされます。
  そして、前兆に関連して、「大脳皮質拡延性抑制」が提唱されていますが、この「大脳皮質拡延性抑制」を起こす原因が分かっていないとされます。
  その前兆のかなり前に予兆と呼ばれる症状があります。あくびが出るとか,異常にお腹がすくとか,イライラするとか,眠くなるなどの症状があってから前兆が起こり,さらに激しい発作が起こること,発作が鎮まった後も気分の変調があったり,尿量が増加したりするなど全身の症状を伴うことが分かりました。そうなると,片頭痛は脳の血管,あるいは脳だけの局所的な疾患ではないのではないかという疑問が持たれています。
  このような観点から病態を説明する最大の問題点は、片頭痛が慢性化する理由が、一切、見当がつかないとされていることです。

 
 このように片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面から説明してきたことによって、以上のような諸々の疑問点が生まれてきているところから、最近では、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される片頭痛が、”片頭痛発生器”というものを脳幹部付近に想定することによって、”中枢性疾患”という脳のなかに異常のある頭痛とまで、”基本的な定義”さえ覆されています。


 このようにして、専門家の間では、片頭痛は、”中枢性疾患”という脳のなかに異常のある頭痛であるとまで、考え方が改められています。

 これまで、片頭痛は、本来なら「脳のなかに異常のない頭痛であるとされていたものが、このように「脳の病気」であると明らかにされたと宣われ、専門家は、これを頭痛学の進歩であると自画自賛され、これがいつの間にか、あたかも”真実”であるかのごとく一般の私達に述べられています。
 さらに、群発頭痛の発作時には、視床下部が異常に活性化する事がPET、MRIなどの新しい測定法で発見されたことから、頭痛持ちの頭痛といわれるもののなかに「頭痛そのものが脳の病気」であることがわかってきたとされています。


 このように本来、脳のなかに異常のないものと定義されたものでありながら、「頭痛そのものが脳の病気」といった奇妙奇天烈な表現・解釈をされ、どうして、このような病像が、PET、MRIで捉えられるのかという原因に対する考察がまったく欠如していることに気がつかれることはありません。


        閃輝暗点と脳内病変?
         
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12192902125.html


        「慢性頭痛の基礎」15.閃輝暗点
          
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12187188162.html

 


 この根本的な原因は、頭痛治療の世界にトリプタン製剤が導入されて以来、全世界の頭痛研究者は、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成された「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の”絶対的な基準(教義・教典)”とされたことにあります。


 国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
 これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。
 このため、”片頭痛と明確に定義された”「国際頭痛分類 第3版β版」の基準に合致しないものが緊張型頭痛とされ、いわば緊張型頭痛は”ゴミダメ”的な性格の強い頭痛とされ、専門家の間では、極めて”取るに足らない頭痛”とされています。
 「国際頭痛分類」が作成されてからは、片頭痛と緊張型頭痛は厳格に区別されるとの考え方が徹底して啓蒙されることになりました。
 

 それは、医師に対しては、片頭痛にトリプタン製剤を処方させるためであり、一般の方々には、片頭痛にはトリプタン製剤という”特効薬”があることを知ってもらうためです。
 

 このようにして、緊張型頭痛と片頭痛はまったく別の範疇の頭痛とされてしまいました。

 
 このように、片頭痛と緊張型頭痛はまったく別の範疇の頭痛であるといった”教義”が専門家の間で作られることになり、専門家は、片頭痛と緊張型頭痛それぞれの特徴的な症状を対比して挙げ、製薬メーカーはこれを基にしてパンフレットを作成し、広く一般の方々および医師に配布され、啓蒙されてきました。
 現在でも、このような考え方は、ネット上に当然のように広く流布しています。


 頭痛専門医には”独特な頭痛の問診方法があります。”


 臨床神経学は、”問診に始まり問診に終わる”というのが基本原則です。とくに、神経症候の「発症様式」は極めて重要とされ、オンセットが”いつなのか”を明確にさせ、その後、現在に至るまでの経過が最も重要視されています。
  サドン・オンセットなのか、緩徐な緩やかな発症なのか、いつとはなしに発症したものなのかということです。さらに発作性に周期的に出没するのかということです。これにより病因を推定する根拠とされるからに他ならないからです。
  そして、生活習慣、生活環境を確認することが最低限度要求されます。
 

 ところが、頭痛専門医には驚くような”独特な頭痛の問診方法があります。”
 簡単に表現すれば、現在、一番困っている頭痛について要領よく聞き出し、ここから推測される頭痛の種類を「国際頭痛分類 第3版β版」に準拠して、可能性のあるものをすべて挙げることです。そして、最も可能性のある・困った頭痛に対して、「慢性頭痛診療ガイドライン」に従って、適切とされる薬剤を処方するということを原則とされます。
 このため、専門家は、こうした「国際頭痛分類 第3版β版」を巧妙に組み込んだ形の・問診表、問診方法を叩き込まれ、独特な診察スタイルを構築されます。
 これまでの神経学の問診方法とは、まったく異なることに驚かされます。
 ということは、慢性頭痛の大半は片頭痛であり、片頭痛を見落としなく拾い上げ、トリプタン製剤を間違いなく処方するということです。


 専門家の行う「頭痛外来」では、多忙を極めるため診療効率を上げるため大半の施設では「問診表」が利用されています。この問診表では、受診時の”最も困っている頭痛”に関する質問が中心となり、「国際頭痛分類 第3版β版」の診断基準に基づいて片頭痛の診断を下すため、過去の”些細な極く軽度”の緊張型頭痛は無視されることになります。
 こういった理由から、多忙を極める頭痛外来を担当される先生方は、緊張型頭痛と片頭痛は別物であるといった錯覚を”日常的に植え付けられる”ことになっています。
 

 しかし、世間一般で頭痛の”名医”とされる先生方は、問診表を使わずに、時間をかけて腰を据えて、過去の極く些細な緊張型頭痛を含めて聴取され、これが「現在の受診のきっかけとなった頭痛」に至るまでの間の「生活習慣・環境の変化」を詳細に把握されます。
  緊張型頭痛に、生活習慣・環境の変化によって片頭痛へと進展していくものと考えておられ、緊張型頭痛も片頭痛も一連のものと考えておられる先生が多いようです。
 このように、専門家の間でも、考え方が2分されていることを忘れてはなりません。
 トリプタン御用学者だけが、まったく別の頭痛と考えているだけです。


 子供の片頭痛とは
 

 年少児の片頭痛は両側性(前頭側頭部)である場合が多く、成人にみられる片側性の頭痛パターンは思春期の終わりか成人期の初めに現れるのが通例です。このように、子供さんの片頭痛は、大人の片頭痛と異なり、緊張型頭痛のようなパターンを示すことが多く、そして痛む時間も4時間以下であることがほとんどです。
  大人の片頭痛発症の当初は”緊張型頭痛”のような状態から、ある一定期間を経過して片頭痛を発症してきます。このことはこれまでも度々記事にしてきました。

 
 こうした点は、子供の慢性頭痛の発症様式は、大人の片頭痛の発症様式を典型的に示しているといえます。子供の片頭痛は、大人の場合の緊張型頭痛と片頭痛の中間に位置するような「頭痛のタイプ」と考えるべきです。
  「子供の慢性頭痛では複数の頭痛が同時に存在することがある」とされているのは,このことを意味していると考えるべきです。


   子供と慢性頭痛
        
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12282125961.html


 ここに、緊張型頭痛と片頭痛が一連の連続したものであるという論説も掲載していますので、是非、参考にして下さい。
   
   
 さらに、次のような興味あるデータがあります。


片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine


       片頭痛
     big (true ) migraine
       連続体
緊張型頭痛                                  
緊張型頭痛
small migraine        
             (脳内セロトニンの低下)

                                                 
 ということは、片頭痛での緊張型頭痛はsmall migraine で、本格的な片頭痛はbig(true ) migraine で、これが連続しているということです。
 緊張型頭痛はこれとは別に、独立して、存在するということです。
 この差異は、「片頭痛素因」の有無で決まるとされています。


・片頭痛患者は片頭痛、片頭痛様、緊張型頭痛を経験します。
・各頭痛に対するスマトリプタンの効果を二重盲検法で検討しました。
・249 患者/ 1576 回の中等度~高度頭痛について分析しました。
・投与後4時間目に、すべてのタイプの頭痛においてトリプタンはプラセボに勝りました。


  ・片頭痛66 % : 48 % P < .001
  ・片頭痛様71 % : 39 % P< .01
  ・緊張型頭痛78 % : 50 % P < .001
   (早期服用のために有効率が高い?)


 片頭痛患者さんは片頭痛、片頭痛様、緊張型頭痛を経験します。各頭痛に対するスマトリプタンの効果を249 患者に対して1,576 回の中~高度頭痛について分析した結果、投与後4時間目に、すべてのタイプの頭痛においてトリプタンはプラセボに勝りました。つまり、片頭痛の前の緊張型頭痛(仮面片頭痛)にもトリプタンが有効ということになります。 症候的には緊張型頭痛でも、本態的には片頭痛small migraine ということです。


 このような結果からは、起こり始めの緊張型頭痛の段階でもトリプタン製剤が有効ということのようです。
 このことは、本来、「緊張型頭痛も片頭痛も一連のものである」ということを明らかにしているものと思われます。


 Lipton RB et al. Sumatriptan for the Range of Headaches in Migraine Sufferers: Results of the Spectrum Study. Headache 2000;40(10):783-791
 Spierings ELH: Migraine, Big and Small. Headache 2001;41:918-9

 

群発頭痛の場合


 また、群発頭痛の場合、最初は片頭痛のようなパターンをとりながら、ある時期から群発頭痛へ移行したり、片頭痛と群発頭痛との間を行ったり来たりする場合も経験します。片頭痛と群発頭痛の中間の位置にあるひともいます。
  群発頭痛は「体内時計」の乱れによって起きてくることが従来から指摘されています。体内時計は、ミトコンドリアセロトニンによって制御されています。
 
 運動をすることや飲酒、入浴などによって急に血行が良くなる場合や、早朝の自律神経の切り換えにともなう血流の変化やホルモンの分泌量の変化にともなう僅かな血流の変化も片頭痛持ちの人では活性酸素の発生の要因となってしまいます。
  私達は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加します。血流が増加することによって、活性酸素が産生され、これが刺激となって、頭痛を引き起こしてきます。片頭痛で明け方に発作を起こしたり、睡眠時頭痛を引き起こす一因になったり、群発頭痛が夜中に起きるのはこのためです。
  このように、片頭痛と群発頭痛を引き起こす要因は共通しています。


          「目覚まし時計頭痛」って何??? 群発頭痛との関係
       
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12047908855.html


「その他の一次性頭痛」では・・


  「その他の一次性頭痛」は、国際頭痛分類第3版では以下のように分類されています。
 

    4.1 一次性咳嗽性頭痛
    4.2 一次性運動時頭痛
    4.3 性行為に伴う一次性頭痛
    4.4 一次性雷鳴頭痛
    4.5 寒冷刺激による頭痛
     4.5.1 外的寒冷刺激による頭痛
     4.5.2 冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛
    4.6 頭蓋外からの圧力による頭痛
     4.6.1 頭蓋外からの圧迫による頭痛
     4.6.2 頭蓋外からの牽引による頭痛
    4.7 一次性穿刺様頭痛
    4.8 貨幣状頭痛
    4.9 睡眠時頭痛
    4.10 新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)

  

  「その他の一次性頭痛」についての詳細は以下をご覧下さい。
 
      
   「その他の一次性頭痛」
       
http://taku1902.jp/sub347.pdf

 

 これらを要約すれば、以下のようになります。


   一次性咳嗽性頭痛は、頭蓋内痛覚受容器の感受性亢進とセロトニン神経伝達系の不安定の存在が想定されています。
    一次性運動時頭痛では、ミトコンドリアの働きの善し悪し如何によって、同じ運動を行っても、ひとによっては”過剰な・激しい運動”になり、活性酸素が過剰に産生されることになり、片頭痛発作の引き金になりうる場合があるということです。
  自分の「ミトコンドリアの働き」に見合った”運動”であれば、活性酸素も過剰に産生されることもなく「一次性運動時頭痛」を引き起こすこともないということです。
  性行為に伴う一次性頭痛も、一次性運動性頭痛と同様に考えるべきです。
  性行為に伴う一次性頭痛の場合は、これに、「脳内セロトニン」のグルーミング、オキシトシンという神経伝達物質の関与が推測されます。
   CTやMRIといった画像診断の無かった時代に生きた人間にとっては、「一次性雷鳴頭痛」という概念はなく、あくまでも「クモ膜下出血」と考え、髄液検査により”血性髄液”を確認した上で、脳血管撮影を4本の脳血管に対して繰り返し、脳動脈瘤の発見に悪戦苦闘し、どうしても動脈瘤を確認できなければ、現在のようにこのような「一次性雷鳴頭痛」とされる症例は”出血源不明のクモ膜下出血”として、厳重な管理下において、ハラハラ・ドキドキしながら2週間入院させた上で、経過観察していた時代が思い出されます。
  ということから、こうした患者さんは一般内科開業医が診るべきものではなく、脳神経外科医に委ねるのが原則と考えております。
   かき氷・アイスクリーム頭痛は、片頭痛のない人の場合と片頭痛のある人の場合とは、謂わば連続しているものと考えるべきと思われます。分かりやすくいえば、頭痛の持続時間で(アイスクリーム頭痛では10分以内に治まる)便宜的に分けているだけのことであり、長時間に渡れば片頭痛と診断しているに過ぎません。頭痛の起こり方を考える場合には本質的でないということを意味しています。国際頭痛分類というのは、このように便宜的に無理矢理分類していることから、本質的なことを見ていないということです。
  「ポニーテール頭痛」は従来、頭痛専門医の間では、ポニーテイルにすることによって頭皮に絶えず刺激が加わることによって、三叉神経を介して三叉神経核に絶えず刺激が送られることによって、これが片頭痛の誘発因子になると主張される方々もおられるようです。
  「一次性穿刺様頭痛」では、従来”三叉神経第一枝領域”とされていましたが、今回の改定で診断基準から疼痛の部位の記載がなくなったことから、大後頭神経痛も含めても問題はないようです。
  私も、以前この「一次性穿刺様頭痛」を経験したことがありますが、私の場合の原因はパソコンのやり過ぎでした。
  私は、居間で座りながらパソコンを操作していますが、操作する場合にアームレストがないので、自分では気が付かなかったのですが、腕全体を少し上げるようにしてキーボードを打っていたのでした。これが、首に負担を掛け神経を痛めていたんです。
   このように、「体の歪み(ストレートネック)」との関連から考えるべきのようです。
  貨幣状頭痛の病態は現段階ではまったく不明で、まさに”不思議で・神秘的な頭痛ですが、緊張型頭痛や片頭痛と同時に存在するものがあることから、慢性頭痛全体に共通する病態が存在するのではないかと思っております。
  「睡眠時頭痛」では、市販の鎮痛薬を頻回に服用することによって、これが”化学的ストレス”となって「脳内セロトニン分泌」を低下させ、これが薬剤乱用頭痛に繋がったものと思われます。市販の鎮痛薬を頻回に服用することによって、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、これが「セロトニン神経系」の機能まで悪くさせ、”残業や徹夜も多く、不規則な生活を送ること”から、セロトニン神経系の働きを減弱させ、益々、「脳内セロトニン低下」を来したと考えるべきです。
  このため、睡眠中の”中途覚醒、頭痛”(「睡眠時頭痛」)を引き起こすに至ったと考えるべきです。
  「新規発症持統性連日性頭痛」は、ホメオスターシスの三角が崩壊することに加えて、「ミトコンドリアの活性化」「セロトニン神経系の活性化」「体の歪み(ストレートネック)の是正」といった慢性頭痛の根底に存在する病態が想定されます。
  「その他の一次性頭痛」の中には、インドメタシンで改善する頭痛が知られています。
  「絶対的に有効な頭痛」として、「発作性片側頭痛」「持続性片側頭痛」があります。
  「絶対的ではないが有効とされる頭痛」として、一次性穿刺様頭痛・一次性咳嗽性頭痛・一次性運動時頭痛・性行為に伴う一次性頭痛・睡眠時頭痛・貨幣状頭痛があります。
  これらの根底には、必須脂肪酸の摂取バランスの問題が想定されます。
 

 このように、「その他の一次性頭痛」の病態も、ミトコンドリアおよび脳内セロトニンの関与の観点から考えるべきものです。

 

 

 現在、慢性頭痛は、「国際頭痛分類 第3版β版」では緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛の4つに大きく分類され、このような慢性頭痛が発症した段階から、初めから、あたかも「国際頭痛分類 第3版β版」で分類されるような”4つのタイプ”で症状を呈して発現するかのように考えています。このように、これら4つのグループは別の範疇の頭痛とされています。
  しかし、こうした慢性頭痛の方々を発症当初から、詳細に経過を観察してみますと、発症当初は、日常的に感じる極く軽度の頭痛から始まり、これに対して市販の鎮痛薬を服用したり、生活習慣の問題点がいろいろ加わることによって、「国際頭痛分類 第3版β版」で示されるような4つのタイプに変化していっています。
  このような事実は、こうした慢性頭痛の方々を発症当初から、詳細に経過を観察することにより、また個々の患者さんの頭痛の経過を丹念に病歴の上で聴取すれば明らかなことです。


 ”総論”なき現代の「臨床頭痛学」


 従来の「臨床頭痛学」では、慢性頭痛とは何か、といったことが全く論じられることはありませんでした。このような、海図・羅針盤にも等しい概念もなく、頭痛研究が行われてきたために、広大な荒海をただ彷徨うだけのことでしかなく、いつまでも研究の方向性すら掴むことができませんでした。
  ここでいう「慢性頭痛」とは、脳のなかに異常のない頭痛のことです。
  現在の「国際頭痛分類 第3版β版」で慢性頭痛(一次性頭痛)として分類される頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛があります。
  頭痛研究を行う場面では、これまで専門家は、このように4つに大別された頭痛群をさらに、個々の頭痛を別個に独立させて研究すべきとされてきました。
  そして、片頭痛だけは特別扱い(神格化)され、緊張型頭痛をはじめとした他の慢性頭痛とはまったく切り離して・別個のものと考えてきました。
   トリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入されて以来、頭痛研究は、専ら片頭痛中心に行われ、それも各種のトリプタン製剤の作用機序の面から研究され、片頭痛の病態(メカニズム)もこの観点から説明されてきました。


          ”総論”なき現代の「臨床頭痛学」
            
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12244862301.html


 従来の臨床頭痛学では、慢性頭痛とは何か、といったことが全く論じられることはありません。このような、海図・羅針盤にも等しい概念もなく、頭痛研究が行われてきたために、広大な荒海をただ彷徨うだけのことでしかなく、いつまでも研究の方向性すら掴むことができなかったということです。


 このことは、伊藤内科医院のブログ(伊藤欣朗先生開設)で、日本の医師について、以下のように評価されていることを片時も忘れるべきではありません。


 医者はCPUのついてないコンピューター? 巨大なハードディスクはついてるけど・・

 

 医者は「論文を読んでいるのかもしれないが、本を読んでいない。本を読んでないので、一般人より医学知識が遅れている。学校時代から、暗記は限りなくできるが、考えることをしていない。結果的に、患者を見ず、権威、教授やガイドラインやマニュアル、に従うだけの医療になってしまいます。
 日本の医学会が、欧米医学の受け売りで、いかに頭を使っていなかったか、ばれてしまいます。

 
 ミクロの世界を分析する事に重点が置かれ、重箱の隅をほじくるごとくのような枝葉末節(中心から外れた事柄)のことを追求する傾向が大きいために、患者の病気の部分しか診ない医師、その部分を薬で治せばいいと考える医師、患者の全体像を掌握できない医師 こういった「木を見て森を見ない」医師が少なくなく、今の医学研究に見られる傾向があります。
  結果、体全体をマクロで捉えられない医師が非常に増えてきていますし、これからもこのような傾向が続くと思れます。


 このことは、まさに現在の頭痛研究者を言い当てたものと考えられます。
 この点を念頭に置いて、現在の頭痛診療および研究を直視すべきです。


 このため、欧米のトリプタン御用学者の文献的エビデンスにただひたすら盲従するしかできなかったということです。それを如実に示すものはHMSJです。


Headache Master School Japan(HMSJ)とは 


 2013年3月には、国際頭痛学会主催でHeadache Master School 2013 in Asia が東京で行われ、世界のトップエキスパート14名(Burstein, Charles, Diener, Dodick, Ferrari, Goadsby, Gobel, Guidetti, MacGregor, Purdy, Schoenen, Schoonman, Rapoport, Zagami)が来日し、頭痛医学の最新の進歩を参加者一人一人に伝授されました。
 学会を主導される方々が、この世界のトップエキスパートとされる先生方は、いずれも”トリプタン御用学者”と称される先生方です。
 学会を主導される方々は、これが日本の頭痛診療・教育のあるべき姿を示すものと盲信され、平成25年、学会独自のHeadache Master School Japan(HMSJ)が「日本の頭痛教育プログラム」の中心として継承されることになりました。
 そして一昨年はHeadache Master School Japan(HMSJ)2015です。昨年7月26日には、東京で開催されました。
 このように、毎年、Headache Master School Japan(HMSJ)が開催されています。平成28年は盛岡と大阪で2回にわたって行われました。
 このように欧米の学者の考え方・研究業績を最優先する考え方は、Headache Master School 2013 in Asia から、Headache Master School Japan(HMSJ)へと引き継がれています。
 以後、Headache Master School Japan(HMSJ)は、毎年、学会が主催して行われ、「国際頭痛分類 第3版β版」が徹底して教え込まれ、これが頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”とされています。


 しかし、これまでの先達の研究業績を綿密に検討し、構築しさえすれば、既に片頭痛の本態は解明されているはずでありながら、このように”自分の頭を使わなかった”ために、結論に至ることはなかったに過ぎません。


 こういったことから、慢性頭痛すべて、脳のなかに異常のない頭痛は東洋医学でいう未病の観点から、さらに西洋医学的観点からすれば「ホメオスターシス(自然治癒力)」の立場から考えればよいというだけのことです。


 すなわち、脳のなかに異常のない慢性頭痛(一次性頭痛)は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから病気へと進展するものです。
 このような意味合いから、”未病”の段階にある、慢性頭痛とは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があります。


      片頭痛とミトコンドリア その17 慢性頭痛とは・・
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12285901721.html

 

   片頭痛とミトコンドリア その18 片頭痛とは・・
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12285904653.html
 
      「慢性頭痛」の本態解明への”みちすじ”
       
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12267666284.html

 


 このような観点から慢性頭痛を考えていく必要があります。
 「健康的な生活」を送るためには、ミトコンドリアが重要な鍵を握っています。

 
   少なくとも、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の絶対的な教義・教典としてはならないということです。あくまでも、”診断基準”として活用するのが原則であり、この基準そのものを否定するものではありません。
 
 
 この「国際頭痛分類 第3版β版」について、国際頭痛学会理事長のDr. Alan Rapoportは、「頭痛について世界共通の言語で会話する」ために、以下のように述べています。


 日本であるタイプの頭痛の研究がなされ、米国でも同様の研究を行う場合、全く同じ症状の患者を対象に研究が行われることが理想です。共通の診断基準を用いていれば、それも可能でしょう。また、同じ基準の下で診断がなされていれば、病名を知るだけで、その患者がどのような状況にあるか理解することができます。いずれにしても私が今、強く願っているのは、より多くの日本の医師に、「国際頭痛分類 第3版β版」を使用して頂きたいということです。


 しかし、片頭痛は、これまで述べましたように、極めて多くの要因から発症してきます。ところが、専門家は、「国際頭痛分類第3版 β版」を基にして、あくまでも症状の上から片頭痛と診断された”片頭痛群”という集合体を一括して臨床研究されてきました。このような多面的・流動的な面を持つ片頭痛を一括してコーホート研究という疫学的手法で解析されていることから、科学的根拠の得られる成績は極めて少ないことになります。こうしたことから、片頭痛本態の研究は”迷宮入り”となってしまいます。


 具体的には、日本と米国では、片頭痛患者の生活習慣および生活環境はまったく異なっているはずであり、こうした”症状”だけが「一致」したからといって、片頭痛を引き起こす要因はまったく異なっていることを考慮しなくてはなりません。
 このような嘘をついてまで、「国際頭痛分類 第3版β版」の普及に躍起になっていることを忘れてはなりません。このように、”嘘”の根源は、「国際頭痛分類 第3版β版」そのものにあることを私達は忘れてはならないことです。


 専門家は、「国際頭痛分類第3版」は世界で最も権威ある国際頭痛学会が作成されたと言って、これまで無知の私達を信じ込ませて参りましたが、その作成された経緯を考える限りは、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものです。
 これを「臨床頭痛学」では絶対的な教義・教典としているということです。
 このように専門家は、私達に嘘をついてきたということです。
 このことにより、片頭痛は何時までも原因不明の不思議で・神秘的な頭痛とされたままになり、一生、お付き合いし、片頭痛が起きれば、高価なトリプタン製剤を服用しながら我慢しましょう、ということです。
  その結果、現実にどのような状況に至っているのかを虚心坦懐に反省しなくてはなりません。


  トリプタン製剤による「薬剤乱用頭痛」がなぜ増加したのでしょうか
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12264045857.html

 
   片頭痛中心の頭痛医療・・混迷を深める頭痛医療       
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12263430814.html


  なぜ、頭痛研究は進展しないのでしょうか
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12264310387.html


 以上のように、「慢性頭痛とは一体何なのか」という基本的な命題を明確にしない限りは、頭痛研究は進展しないということです。
 

  片頭痛のときに起こる脳の変化を、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、「脳の病気」が画像として確認されたといったような枝葉末節の現象をいつまでも針小棒大に考える発想そのものを改めない限りは、頭痛研究の進歩はあり得ないということです。

 このことは、共謀罪法案が、今後、治安維持法のような使われ方をする方向性にも共通していることであり、救われないのは慢性頭痛患者さんであり、少なくとも、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の絶対的な教義・教典としないことです。さもなければ、いつまでも、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の思う壺になってしまうということに他なりません。