トリプタン製剤による「薬剤乱用頭痛」がなぜ増加したのでしょうか | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 2000年に日本にトリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入されて以来、専門家は、これを頭痛診療の最大の進歩と自画自賛されてきました。
 確かに、片頭痛発作期間中の寝込む程の辛い頭痛は緩和されることになりましたが、これに引き替え、頭痛診療を行っているどこの施設でもトリプタン製剤による薬剤乱用頭痛が経験されるようになり、難治性の頭痛患者さんが増加してきました。
 私のブログの読者の方々もこうしたことで悩み抜かれ、このために私の記事に注目して戴いているものと思っております。


 この原因が、どこにあるのかを明確にしておく必要があります。


 前回は、「頭痛診療の歴史」の概略について説明させて戴きました。
 このなかで、1980年代はじめに、片頭痛の治療領域にトリプタン製剤が開発され、1990年に実際に販売されて間もなくの1990年代の半ばには、既に、頻回の服用によりトリプタンによる薬剤乱用頭痛に陥りやすく、その状態は頭痛の程度が一層強いこと、そして従来の予防薬では効果が得られないことがわかり大問題となっていたことを明らかにしました。
 このように、日本にトリプタン製剤が導入される以前から、欧米では明らかにされていました。
 決して、日本独自の状況ではありません。ところが、専門家は、ほとんど、他人事のように重要視されていないようです。

 しかし、これは決して看過できないことであり、これを今後、どのようにすれば少なくさせることができるのかを考えていく必要があります。


 前回、「頭痛診療の歴史」でも、明らかにしましたように、現在の「頭痛医療」そのものは「片頭痛治療」の歴史でしかありませんでした。

 すなわち、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が開発され、これを「臨床治験」を行うために、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、トリプタンを意識的に評価する目的でこの「国際頭痛分類」を作成しました。
 国際頭痛学会は、これを基に「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
 これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。


 ここに、全ての問題の始まりがあります。


 2000年に日本にトリプタン製剤が導入されると、この「国際頭痛分類」を基にして、 「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成され、ここでは、片頭痛治療薬の第一選択薬として、トリプタン製剤が、それまでの主役であったエルゴタミン製剤を押しのけて、一躍、片頭痛治療の主役に躍り出てきました。
 このようにして、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の思惑通りに事が運んだ結果となったということです。

 製薬メーカーの本質は、利潤の追求です。こうしたことから、前回も述べましたように、ありとあらゆる手段で販売促進の活動を行い、マスコミを利用して、片頭痛の”特効薬”と誇大宣伝が繰り返されました。
 そして、こうした活動を専門家が二人三脚で手を携え合って行ってきたことです。
 このようにして、世界の頭痛の専門家は、トリプタン製薬メーカーとともに片頭痛治療に関与してきたということです。
 日本の専門家も、まったく同様に、製薬メーカーと手を取り合って、頭痛診療および研究、啓蒙活動すべてを共に行ってきたことを忘れてはなりません。


 こうしたことから、専門家は、前回も述べたように説明してきました。


 専門家は、こうした片頭痛に対して、市販の鎮痛薬を服用する弊害を次のように警告されます。
 

 市販の頭痛薬や痛み止めの大部分は”みかけの痛み”のみを取り払い、水面下で起こっている脳の神経細胞の興奮症状を置き去りにしています。
 当然、毎回の片頭痛発作のたびに起きている脳の血管周囲の炎症に関しても放置されたままになっています。
 この興奮状態の放置により、片頭痛の回数や程度がだんだんとひどくなってきて、市販の頭痛薬の用法や用量の規定範囲を超えるようになってきたり、飲む回数が増えてきたりします。
 トリプタン製剤は市販の鎮痛薬とは異なり、片頭痛発作の際に脳の血管周囲に張り巡らされた三叉神経から、炎症蛋白が放出されるのをブロックすると同時に、膨れあがった脳の血管を元の大きさに戻す作用を持ち合わせる、いわば根本から片頭痛を断ち切る薬です。

 

 このようなことから、片頭痛にはトリプタン製剤を服用するのが”適切”な治療とされます。


 トリプタン製剤が片頭痛に効果があるのは、頭痛が起きる仕組みの根幹部分に作用しているためです。片頭痛にはセロトニンという物質が大きくかかわっています。セロトニンは神経伝達物質のひとつで、感情のバランスを安定させる役割を持ち、血管を収縮させます。ストレスなど何らかの理由でセロトニンが分泌され、収縮した血管は、役割を果たして減少するにつれて今度は拡張します。
 血管が拡張することによって血管に絡みついた三叉神経が刺激され、頭痛が起きる、というのが一つ。
 さらに、三叉神経が刺激されると、サブスタンスPやCGRPなど炎症を起こす物質が分泌され、血管を刺激して痛みが出てくる、というのが一つ。
 この二つが片頭痛が起きるメカニズムです。
 このように血管の収縮と拡張に大きく影響しているセロトニンですが、トリプタンという薬は、セロトニンと同じような作用を持っています。  そのためセロトニンの代わりに血管を収縮させ、拡張によって三叉神経が刺激されるのを防ぎます。
 さらにセロトニンは三叉神経に取りついて、痛み物質のサブスタンスPなどが分泌されるのを抑制する役割がありますが、ここでもセロトニンの代わりにトリプタンが三叉神経に取りつき、サブスタンスPなどの分泌を抑制して痛みが出るのを防ぎます。
 このようにトリプタンは脳の中でセロトニンとして働き、血管を収縮させ、サブスタンスPなどの分泌を抑制する、という2つの役割を果たすことにより、片頭痛の起きる原因そのものを排除します。つまりトリプタンは、片頭痛という病気のより本質に近いところに作用して痛みを取るため、効果が高いというわけです。

 

 こうしたことから、トリプタン製剤を服用することが片頭痛の”適切な”治療とされています。
 さらに、片頭痛発作時にトリプタン製剤を服用しさえしておれば、片頭痛が治ってしまうと宣伝されてきました。
 さらに、片頭痛患者さんによくみられる、パニック障害やうつ状態、冷え性までが改善され、将来的には、脳梗塞が予防されるし、さらに頑固な耳鳴り・めまい・性格異常までが予防されるとまで述べる専門家も出てくるようになりました。
 さらに、生理時にみられる頭痛は片頭痛であり、この段階からトリプタン製剤を服用しましょうとしきりに勧められてきました。


 このように、専門家は、トリプタン製薬メーカーの太鼓持ちのような役割を果たしてきました。

 このような誇大宣伝そのものが、現在のトリプタン製剤による薬剤乱用頭痛の増加の根源になっていることを認識しておかなくてはなりません。
 その最たるものは、「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と勧め、生活の質QOLを高めて、健康寿命を長くさせることが重要としきりに勧め、さらに患者団体まで巻き込んで「なお、片頭痛の恩恵に浴していない片頭痛患者さんが多くいる」といって啓蒙活動を勧めてきました。


 このようなことを振り返ってみれば、まさに異常としか表現できません。


 というのは、それまで、片頭痛の治療の世界に、何も治療薬がなかった訳ではなく、諸々の薬剤が存在していたところに、ここにトリプタン製剤が加わっただけに過ぎなかったはずのものです。これらを差し置いて、トリプタン製剤が、いきなり、片頭痛治療の主役になってしまったことです。

 こうしたことは、トリプタン製薬メーカーの思惑以外何者でもなかったはずです。
 さらに、エルゴタミン製剤が主流の時代には、トリプタン製剤の使い方が難しかったことから、片頭痛の治療の中心は、基本的な考え方として、平生から「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスするように」と、生活指導がなされ、そして、これを完璧に行うことによって、片頭痛発作は完璧に抑制されてきたことを忘れてはなりません。
 ところが、トリプタン製剤が導入されて以来、このような「生活指導」は、専門家からは一言も診療の場面では説明されることはなくなりました。それは、専門家の作成される治療指針である「慢性頭痛診療のガイドライン」では一切、記載されることもなくなったからです。このため、専門家の行う「頭痛外来」では、こうした単純なことが勧められなくなり、トリプタン製剤さえ服用しておりさえすれば、片頭痛が治ってしまうかのような印象を植え付けてきました。
 ここにも、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛を多発させる要因が存在するものと思われます。

 


 これまで「頭痛治療」では、痛みがあれば、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
 このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
 そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされてきました。
 このように片頭痛治療の場面では、各種の諸々の薬剤によって、ただ単に”頭痛という痛み”さえとれば、これで「解決した」(一件落着)と単純に考えられてきました。


 このように、鎮痛薬の使い方として、段階的な使い方をすべきであるにも関わらず、最近では市販の鎮痛薬の弊害(先述のように)を警告して、最初から、いきなりトリプタン製剤の服用が勧められてきました。
 特に20歳前半の片頭痛患者さんでは、鎮痛薬のみで対処可能な場合が多いはずです。にもかかわらず、このような年代の方々にまで服用を勧めています。
 このような時期から、このような対応をすれば、トリプタン製剤が効かなくなる時期も当然早まってくることを余儀なくさせられます。
 さらに、頭痛が”完全に”消失することまで期待する人も多くみられます。
 多くの片頭痛では、緊張型頭痛に重なった形にあるため、トリプタン製剤では、上層にある片頭痛は改善されても、下層にある緊張型頭痛の軽い頭痛までは完全に無くすことはできません。このため、ひたすら”完全に”痛みをとろうと考えることから、服用回数が増えてくることになります。このため薬剤乱用頭痛を作ることになります。
 このため、就業などに支障がない程度まで改善されれば、それで、「よし」、とすべきでありながら、このような指導もなく、服用を勧めれば、必ずといってよい位に、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛を作ってくることになります。このように完璧には頭痛を消失させる程の効果はないと心得なくてはなりません。
 さらに、日本では、欧米に比べて、軽い片頭痛にまで、トリプタン製剤の投与を勧める基準が作成されています。本来なら、市販の鎮痛薬もしくは、病院での鎮痛薬で対処すべきであり、エルゴタミン製剤を考慮すべきでありながら、副作用だけを強調して、敬遠されてきました。このようにトリプタン製剤が優先されてきました。


 そして、トリプタン製剤は、大半は有効時間が短いため、片頭痛発作の持続時間が長いと、1回の服用で頭痛を抑制できずに、服用回数が増えざるを得ないという宿命にある薬剤ですので、市販の鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤より以上に ”薬剤乱用頭痛を引き起こしやすい薬剤”とされています。

 逆に、エルゴタミン製剤は、トリプタン製剤よりは、ずっと有効時間が長い長所があることを忘れてはならない点です。


 このように、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛を生む背景が多く存在しています。


 市販の鎮痛薬、病院での鎮痛薬NSAIDs、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤、などの頭痛薬は、私達の体にとっては、これらの薬剤は、つい最近まで人類の体内に入ることはなかった物質(異物)なので、体は”異物・毒”と理解してしまうのです。そして、異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程で、活性酸素が発生してしまいます。この活性酸素がミトコンドリアを弱らせる結果となり、頭痛を増強させてくることになります。
 さらに、これらの薬剤はすべて「化学的ストレス」となって脳内セロトニンを低下させることになり、この2つによって、結果的に、薬剤乱用頭痛を併発させることになります。

 

 このように、頭痛治療とは、薬剤乱用頭痛との戦いといっても過言ではなく、この点が極めて重要な点です。薬剤乱用頭痛は、トリプタン製剤だけに限らず、すべての頭痛薬に共通した問題になっています。

 


 そして、専門家は、トリプタン製剤が片頭痛に効く理由は、基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップ(補填)して効力を発揮するとされます。
 ところが、肝心要の”中枢神経系でセロトニンが減少する””セロトニンが機能低下状態になっている”理由がまだ”謎”とされます。


 このように専門家が謎とされる理由は、片頭痛をミトコンドリアの機能が低下することによって起きる頭痛と考えないことにあります。


 ミトコンドリアの機能が低下すれば、当然のこととして、セロトニン神経系の機能は低下してきます。ここに、生活習慣の問題点、すなわち、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 ただ、これだけの単純なことにすぎません。
 そして、ミトコンドリアの機能を低下させる要因をなくさない限りは、「酸化ストレス・炎症体質」を形成させることになり、さらに、脳内セロトニンを低下させることになり、次第に、片頭痛は増悪してくることに至ります。

 このために、片頭痛発作時にいくら、トリプタン製剤を服用して、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップ(補填)しようとも、補填しきれなくなってくることになります。
 セロトニン神経系とミトコンドリアと常に連動して作用していることを忘れてはなりません。

 こうしたことから、専門家のいうように、市販の鎮痛薬を服用することで、片頭痛が増悪するというのは”本命”ではなく、あくまでも脇役でしかないということです。こういったことから、専門家の詭弁に惑わされてはならないということです。


 このようなミトコンドリアとセロトニン神経系との関連は、エルゴタミン製剤が主流の時代に行われていた、平生から「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスするように」との生活指導内容そのものは、ミトコンドリアの働きをよくさせ、脳内セロトニンを増やすための指導だったはずのものです。

 これらによって、片頭痛発作が抑制されていた理由が示されていたものです。


 ということは、このような指導が現在まったくなされなくなっていることが、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛を増加させてきた最大の理由と考えなくてはなりません。

 

 


 前回も述べましたが、専門家は、「国際頭痛分類第3版」を頭痛診療および頭痛研究の”「絶対的な基準」”とされます。
 ということは、「臨床頭痛学」の領域では、「国際頭痛分類第3版」は、謂わばカルト宗教の”教義・教典”としての役割を果たすことになっています。
 カルト宗教では、古今東西、排他的な考え方が特徴とされています。
 このため、「国際頭痛分類第3版」に反するものはことごとく排除されることになっています。これまで幾多の業績が排除されてきたというのでしょうか。
  例えば、「人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると謂われ、片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛(後天性ミトコンドリア病)である」とか、”「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛と因果関係がある”、といったようなことです。これ以外にも枚挙の暇もない程です。
 こうしたことを一切、検証することもなしに否定されることになります。
  このように、「国際頭痛分類 第3版β版」とは、まさに、カルト宗教の”教義・教典”そのものです。専門家は、国際頭痛学会が作成された世界で最も権威あるものとひたすら信じ切ってきました。

 

 ここに諸悪の根源が存在することになっています。

 

 このようなトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した「国際頭痛分類第3版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な”教義・教典”としてきたことが、問われなくてはなりません。そうでなければ、学問・科学としての価値を問われなくてはならなくなるからです。


 現在では、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると謂われているにも関わらず、これまで、専門家は、片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛(後天性ミトコンドリア病)であるとは、一切、考えてこなかったことに原因があります。
 このように考えさえすれば、「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛と因果関係があることは、おのずと明らかにされることです。
 このような単純なことを、自分の頭を使って考えることもなく、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した「国際頭痛分類第3版」を頭痛診療および頭痛研究の”「絶対的な基準」”として、これを金科玉条のものとしてきた結果にすぎません。
 ということは、これまでの全世界の頭痛の専門家の考えてきた「臨床頭痛学」とは、「国際頭痛分類第3版」を、謂わばカルト宗教の”教義・教典”とする宗教でしかなく、科学ではないということです。


 その根底には、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の利益を守ることがあります。このため、現実の片頭痛患者の不利益などは問題ではないということを意味しています。
 こうしたことから、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛は、当然、生み出されるべくして増加してきたということであり、”薬害そのもの”ということです。
 さらに、専門家と製薬メーカーの利権争いが絡んでくることになり、益々、解決が困難を極めてくることになってきます。これは医学研究の”資金源”に関与することでもあり、避けて通れない部分です。

 


 こうした現実を直視しなくてはなりません。


 確かに、トリプタン製剤によって、片頭痛発作期間中の辛い頭痛が緩和され、生活の質QOLは向上しました。さらに、私達が、この恩恵に浴するためには、もっと私達が賢明にならなくてはならないということです。
 この恩恵に浴するためには、同時に、平生から「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスする」ことに努めていく必要があるということです。


 専門家が申されるようにトリプタン製剤を発作の都度、服用しておれば、片頭痛そのものが治ってしまうとか、パニック障害やうつ状態、冷え性までが改善され、将来的には、脳梗塞が予防されるし、さらに頑固な耳鳴り・めまい・性格異常までが予防されるといった馬鹿げた”詭弁”に惑わされてはなりません。

 このようなことを真に受けて、トリプタン製剤だけを服用しておれば、悲惨な目に遭うことは必定です。


 あくまでも、トリプタン製剤や予防薬は、片頭痛という辛い頭痛を軽減させ、発作回数を少なくさせるだけの”対症療法”にすぎないものです。


 片頭痛を根本的に改善させるためには、”ミトコンドリアの機能を悪くする要因を取り除き、さらにミトコンドリアの機能を回復させ、脳内セロトニンを増やすこと、姿勢を正しくすること”、です。

 トリプタン製剤を服用する際には、これらを同時に行っていかない限りは、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛に移行していく運命にあるものと考えなくてはなりません。