「目覚まし時計頭痛」って何??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 まず、この「目覚まし時計頭痛」の典型例をご紹介します。


 43歳の男性がズキンズキンと脈打つ頭痛に襲われたのはいまから15年前の28歳のときでした。残業や徹夜も多く、不規則な生活を送っていたことのことです。片頭痛と思い込んでいた男性は、頭痛のたびに市販の痛み止めを飲んでやり過ごしていました。
 しかし、年を追うほどに片頭痛の頻度は増加してきました。週に一度から2~3回と徐々に増えてくるようになりました。そのたびに飲む薬も、効きが悪くなってきた気がします。1日2回までの服用限度を超えて飲むのが日常になっていったのです。
 そんな日々が続くなか、片頭痛は治まるどころかむしろ悪化の一途をたどります。10年が過ぎるころには、朝起きたときから夜寝るまで、1日に何度も痛みが襲ってくるようになっていました。
 このころには1日に用量の倍の量を毎日飲み続ける状態に…。まとめ買いした1か月分の頭痛薬を、2週間たらずに使い切っていたのです。
 そして2年前、男性をそれまでなかった頭痛が襲います。仕事が早く終わって珍しく22時に床に着いた男性は、深夜2時に左目奥の激痛で目が覚めたのです。ハンマーで殴られたようなズキズキする痛みでした。
 初めて経験する痛みに慌てて頭痛薬を流し込んだ男性。やがて痛みは治まり、再び眠りに着きました。しかし、この日を境に夜中の頭痛は毎晩、襲ってくるようになります。しかもひどいときには、1晩に2回も頭痛で目覚めることがあるほどです。
 起きているときに加え、寝ているときにまで容赦なく襲ってくる痛み。睡眠不足と薬の飲みすぎも手伝って、男性は仕事中にも意識がもうろうとするようになってしまったのです。
 こうして病院を訪れてみると、片頭痛と何らかの頭痛が組み合わさっているという診断。片頭痛を薬で治療しながら複雑に入り組んだ症状を整理することになりました。
 その後、男性は1年半をかけて片頭痛を克服。夜中に目覚める頭痛だけが残りました。 そして、詳しく調べてわかった病名が「睡眠時頭痛」です。睡眠中の脳の状態をコントロールする脳幹の異常が原因といわれています。
 そもそも脳幹には、痛みを感じるとそれを抑える物質を出す役割があります。しかし市販薬を大量に飲み続けることで痛みが強制的に抑えられ、脳幹が本来の役割を必要ないものと勘違い。その機能に異常が発生したのでした。
 睡眠時頭痛とは、睡眠中に痛みで目が覚める頭痛のこと。詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、睡眠中の脳の状態をコントロールする脳幹の異常が原因とされています。
 この男性の脳幹の異常を引き起こすきっかけと考えられるものこそ、市販薬の飲みすぎです。そもそも私たちの体は、痛みを感じると脳幹がその痛みを抑える物質を出すようになっています。
 しかし、長期にわたり用量以上の頭痛薬を飲み続けると、薬の成分によって痛みが強制的に抑えられるため、脳幹が本来の役割を必要ないものと勘違いして、その機能に異常が発生します。
 痛みを抑える物質を出さなくなるばかりか、睡眠中の脳を安静に保つこともできなくなり、ちょっとした刺激で脳が興奮。頭痛がおきて目を覚ますようになったと考えられるのです。
 そして、原因解明の決め手となったのは頭痛が就寝から4時間後におきていたこと。私たちの脳は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。そして、頭痛に襲われていたのは浅い眠りのときでした。
 じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加します。それが刺激となって、睡眠時頭痛を引き起こす一因になっていると考えられているのです。
 こうして男性には、メラトニンというホルモンの働きをよくする新しい薬を処方。睡眠中の脳の状態をコントロールするメラトニンの働きをよくして、脳に安静に保つことが睡眠時頭痛のもっとも有効な治療法なのです。


 これは、ある専門家がネット上で紹介されていたものです。コメントも同じ専門家のものです。


 目覚まし時計頭痛とは


 目覚まし時計頭痛とは、「国際頭痛分類 第3版β版」では「睡眠時頭痛」のことです。
 目覚まし時計のように毎日決まった時間に頭痛が起きるというものです。
 若年層にはあまり見られず、患者の多くは60歳以降の方です。
 びっくりするほど正確に頭痛が来るので、最初は何事かと思う方もいるようです。
 症状は10年以上続き、夜中に目覚まし時計頭痛が起きるタイプの方は不眠症に悩まされることもあります。
 日中に起きたとしても日常生活の妨げになるのが問題です。
 頭痛の持続時間は2時間以内が一般的で、ほとんど毎日同じ時間に頭痛が起きます。
 こうしたことから、目覚まし時計頭痛という別名があります。

●目覚まし時計頭痛の原因は


 目覚まし時計頭痛の原因はどうやら生体リズムと関係があるようです。
 生体リズムがある時間を刻むと血管を拡張させる働きが自動的に起きるために目覚まし時計頭痛も引き起こされると言われています。
 さらに詳しい部分については今後研究がさらに進むでしょう。

●目覚まし時計頭痛の対処法は


 目覚まし時計頭痛の対処法の一つが寝る前にコーヒーを飲むということです。
 コーヒーでなくとも、カフェインを摂取すれば目覚まし時計頭痛は解消されるということがわかっています。


 このように、「目覚まし時計頭痛」は専門家は考えているようです。



「目覚まし時計頭痛」は、どのように考えるべきでしょうか


 冒頭でご紹介した方のように、片頭痛に対して、市販の鎮痛薬を頻回に服用することにその「目覚まし時計頭痛」の発症の要因があります。すなわち、この市販の鎮痛薬を頻回に服用することによる薬剤乱用頭痛に原因があります。
 こうした市販の鎮痛薬は、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせます。
 また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、痛みの閾値を下げるため痛みを感じやすくさせるために、薬剤乱用頭痛を引き起こしてくることになります。このように「ミトコンドリア働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」2つのが引き起こされてきます。これが根本的な原因となっています。
 市販の鎮痛薬を頻回に服用することによって、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、これが「セロトニン神経系」の機能まで悪くさせ、さらにこの上、”残業や徹夜も多く、不規則な生活を送っていたこと”から、セロトニン神経系の働きを減弱させ、益々、「脳内セロトニン低下」を来したと考えるべきです。このため、片頭痛が増悪するに至ったわけです。
 脳幹の縫線核は、脳内セロトニンを分泌する大切な場所です。
 セロトニンを分泌する縫線核は、呼吸中枢にセロトニンを送って呼吸量を調整しています。縫線核は毛細血管中にセンサーを持っていて、血液中の酸素量などをチェックしているのです。体内の酸素量が不足したときにはセロトニンの分泌量を増やし、呼吸中枢を刺激します。
したがって、セロトニンが不足すると中枢神経を充分に刺激できなくなります。そうなると酸素不足のままか、より不足した状態におかれることになりますので、息苦しくて睡眠が何度も中断し、熟睡できないことになります。
 セロトニン神経の活動は睡眠中に弱くなり、深い眠りを演出します。朝方になるとセトニンも増えるのです。
 問題の頭痛は就寝から4時間後に起きていました。私たちの睡眠は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。そして、頭痛に襲われていたのは浅い眠りのときでした。じつは浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加することによって、過剰な活性酸素が発生することによって片頭痛発作を引き起こすことになり、これに脳内セロトニン不足ため、メラトニンが不足することにより、睡眠中の”中途覚醒、頭痛”(「睡眠時頭痛」)を引き起こすに至ったと考えられます。

 このように考えますと、「睡眠時頭痛」は”群発頭痛”のようなものなのかもしれません。
 そして、根源的には、片頭痛も群発頭痛も一連のものと考えるべきと思われます。


 頭痛の専門家は、冒頭でも述べましたように、このような複雑化した頭痛に対して、「頭痛ダイアリー」を患者さんに記録させることによって”謎解き”をされ、この記録をもとに、”片頭痛”とか”群発頭痛”とか”睡眠時頭痛”というように「国際頭痛分類 第3版β版」に従って頭痛診断を行い、”適切とされる薬剤”を処方するに過ぎず、頭痛そのものを”根源的に”考えようとはされることはありません。


 参考までに・・・


1.ミトコンドリアと脳内セロトニンは体内時計に関与しています。


体内時計とミトコンドリア、セロトニンとの関係
    http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11947615739.html


 理研植物科学研究センターのメタボローム基盤研究グループは、名古屋大学と協力して植物代謝物を一斉に分析し、細胞内の概日時計と生体活動に必要なエネルギーを産出するミトコンドリア機能とが密接な関係をもっていることを発見しました。時計関連遺伝子を欠損させた変異植物体では、光や時間の条件に左右されず、ミトコンドリアの代謝経路であるクエン酸回路を構成する物質が、劇的に増加していたのです。
 概日時計システムとミトコンドリア機能の関係は、動物や細菌で示唆されていましたが、植物では初めてのことです。システムの理解から、ストレス耐性植物や有用物質産生植物の開発が可能になると見込まれます。同時に、代謝産物の一斉分析を可能にしたメタボローム解析が、複雑な生命現象を包括的に理解する戦術として確かであることが明らかになりました。


 カリフォルニア大学アーバイン校の研究者を中心とした国際研究チームは、体内に概日リズムを生み出すシステム、すなわち体内時計が、細胞のエネルギー代謝を制御するメカニズムが明らかになりました。さらに、代謝の調節に関わる物質の同定にも成功しました。生物にみられる生理活動や行動には、約24時間周期の変動があり、これを概日リズムといいます。概日リズムを生み出す体内時計は、24時間周期の外部環境の変化に合わせて、生命活動を適切な時間に行うための重要なシステムです。
 研究者によれば、人間の全遺伝子の15パーセントは体内時計に制御されているといいます。したがって、体内時計の乱れは私たちの生理機能や行動に大きな影響を及ぼし、不眠症や肥満だけでなく、糖尿病やガンなど様々な病気の原因になりかねません。
 今回研究者らは、細胞内のミトコンドリア(エネルギー代謝を行う細胞小器官)において、体内時計が酵素の働きを調節していることを発見しました。中でもSIRT1という酵素は、体内時計のリズムに合わせてタンパク質のアセチル化という反応を引き起こし、エネルギー代謝に必要な遺伝子発現を調節していることがわかりました。逆にこれらの酵素の働きのバランスが崩れると、体内時計に狂いが生じると考えられます。
 さらに研究者らは、マウスを使った実験で、SIRT1を活性化させる低分子物質の働きを調べました。その結果、低分子物質の投与によって、概日リズムに従って働く遺伝子の働きを調節できることがわかりました。


 群発頭痛は「体内時計」の乱れによって起きてくることが従来から指摘されています。

 以上のように、体内時計は、ミトコンドリア、セロトニンと関係があります。こうして考えれば、群発頭痛は、「睡眠時頭痛」と一連のものと考えなくてはなりません。


2.メラトニンというホルモンの働きをよくする新しい薬とは


 メラトニンというホルモンの働きをよくする新しい薬はどのような薬なのでしょうか。
それは、ロゼレムという「自然な眠りをうながす睡眠薬」のことです。
 日本で用いられている睡眠薬にはさまざまな種類がありますが、その多くはベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。この種類の薬は睡眠をうながす効果をもっている反面、眠りのリズムを調整する作用はありません。
 人間の睡眠リズムを制御しているのは体内時計です。そして、その体内時計に働きかけて睡眠をうながすことを目的とした睡眠薬が、2010年に誕生しました。それが、ロゼレム(薬剤名:ラメルテオン)です。
 ロゼレムは、睡眠ホルモン「メラトニン」に似た働きをする薬です。メラトニンは脳内の松果体という器官から分泌される物質で、次のような作用を持っています。

   •深部体温を下げる
  •副交感神経を優位にして、気持ちを落ち着かせる
   •呼吸や脈拍、血圧を低くする


 これらの作用のおかげで、人間の身体は眠りに適した状態になりますが、何らかの理由によってメラトニンがうまく分泌されなくなると、眠る時刻になっても寝付けなくなったり、睡眠の時間帯が乱れたりします。
 そういうときに、メラトニンに似た働きをするロゼレムを服用するとどうなるでしょうか。身体が睡眠に適した状態に移行できるため、自然な眠りがもたらされるのです。しかも、ロゼレムはメラトニン自体よりも睡眠をうながす作用が強く、その力は3~6倍にのぼるという調査結果もあります。
 ロゼレムは、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べると睡眠作用はやや弱いと言われています。とくに、不安やイライラなどの精神的要因によって引き起こされる不眠症には効きがよくありません。そのため、ハルシオンのような抗不安作用のある睡眠薬のほうがぐっすり眠れるという人もいます。
 その反面、体内時計が乱れるせいで発生する「概日リズム睡眠障害」に対しては、大きな効果を発揮します。
 一般的な睡眠薬は、服用してから30分程度で眠気がやってくるものが多いのですが、ロゼレムはそれと比べて睡眠作用が出るまでに時間がかかります。就寝直前に飲んでもすぐには眠くならないので、就寝時刻の2時間前には服用しておく必要があります。うっかり飲み忘れないように注意しないといけないため、慣れるまで少し面倒かもしれません。
 薬の副作用が強く出てしまいがちな高齢の方でも安心して使えるのが、ロゼレムの長所のひとつと言えます。
 ただし、副作用がまったくないわけではありません。服用量が多すぎたり体質に合わなかったりすると、睡眠作用が翌日まで残ってしまい、日中に強い眠気が引き起こされる危険性があります。
 ロゼレムは単に眠気を誘発するだけの薬ではありません。体内時計リズムを調整する働きも持っているのです。そのため、体内時計のリズムが乱れるせいで発生する「概日リズム睡眠障害」を改善するときに効果を発揮します。
 ちなみに、ハルシオンやリスミー、レンドルミンなどに代表されるベンゾジアゼピン系睡眠薬は、体内時計に働きかける力をいっさい持っていません。
 では、概日リズム睡眠障害を改善するためにはどういう風にロゼレムを使えばいいのでしょうか。ここでは、概日リズム睡眠障害のなかでも多く見られる「睡眠相後退症候群」を例にします。この睡眠障害は、睡眠時間帯が後ろにずれてしまい、夜中になるまで眠れないというものです。
 一般的な睡眠薬の場合、就寝5時間前に飲むことはありません。ロゼレムの服用方法はかなり特徴的だと言えます。そのためロゼレムを使用するときは、かならず事前に専門医に相談して、服用の仕方を確認しておきましょう。
 ちなみに、睡眠リズムを変化させるためには、ロゼレムを1~2か月ほど使い続ける必要があります。
 すでに述べたように、ロゼレムは睡眠ホルモン「メラトニン」と似た働きをする薬です。これを言いかえると、メラトニンそのものを摂取した場合にも、ロゼレムと同じような効果が期待できるということです。
 メラトニンは人間の脳内で分泌される物質ですが、サプリメントの形でも摂取できます。ただし、日本ではメラトニンのサプリメントは販売されていません(アメリカではスーパーマーケットで販売されているくらい認知度が高いですが)。
 このようなことを考えるよりは、手っ取り早く「脳内セロトニン」を増やせば、必然的にメラトニンも増えてくることになりますので、「脳内セロトニン」を増やせばよいということです。
 

 このように「目覚まし時計頭痛」は、ミトコンドリアと脳内セロトニンが関与します。
 冒頭で紹介したような片頭痛の患者さんの行く末は、これまで述べていますように、”典型的な片頭痛の生涯経過”を示しています。このような判りきった経過を辿ることが当然予測されながら、なぜ専門家は、市販の鎮痛薬の弊害を説き、さらに片頭痛をどのように予防するのかという観点から、ネット上で説明されないのでしょうか?
 ただ単に「メラトニンというホルモンの働きをよくする新しい薬を処方」して改善させたというのでは、余りにもお粗末というしかないようです。


 片頭痛は予防すべきであるとの論点で対処すべきはずです。