”アイスピック頭痛”って何??? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 アイスピック頭痛とは、その名前の通り、頭をアイスピックで力一杯、ガチガチと突き刺さしたような鋭い痛みの頭痛のことです。
 これが数分置きにやってくるのですから、たまりません。一歩歩くとズキッ。ニ歩歩くとズキッ。その痛みのせいで、背筋が瞬間的にピンと真直ぐに伸びます。こんな状態が約1週間も続くのです。もう、頭を取り外してしまいたいほどの衝動に駆られます。
 多くの人達は『こんなに頭が痛いのでは脳腫瘍ではないか』と心配して来院されたり、逆に『脳腫瘍でもできていたらどうしよう・・・』という不安のために来院されたり、後頭神経痛では、頭部に分布しているところから一瞬ピリッツとした痛みが出た瞬間に多くの患者さんは、「頭の血管が切れた!」と思いがちです。
 アイスピック頭痛は、「国際頭痛分類 第2版」の診断基準では「一次性穿刺様頭痛」で、三叉神経第一枝領域とされていましたが、「国際頭痛分類 第3版β版」の改定で診断基準から疼痛の部位の記載がなくなり、大後頭神経痛も含められることになりました。


アイスピック頭痛の典型例をお示し致します。


 今朝、頭が痛い夢を見て、痛みで目が覚めて、起きたらほんとに頭が痛かった。
 後頭部(右寄り、上の方)の一か所をなにかで刺されるような痛みが1~2秒続き、すぐ消えるが、数十秒ごとにまた同じ痛みが来る(ぼんやりした重たーい痛みは、頭全体に継続してある)。それがひたすら繰り返し起こる。針じゃない。もっと太い何かでぐりっと一瞬えぐられるような、そんな痛み。痛みが来るたびに身体がビクっとなり、一瞬気が遠くなるような感じがする。痛みが来る瞬間を待ちかまえてしまって、物事に集中できない。 ほとんど毎日といっていいくらいに頭痛に悩まされる私だけれど、今日のは強烈だった。頭の一部分をぐさっと刺されるような頭痛、これは私にとってわりとしょっちゅう起こるタイプの頭痛なのだけれど、こんなに痛みが強く、こんなに長く続いたのは久しぶり。
 夢の中でも痛くて、夢の中で頭痛薬を飲んでもまったく効かなくて(ま、当然効かないよね)「どうして!!」っとイライラした状態で目が覚め。現実の世界でも痛くて、さらにイライラがつのり。朝食後、頭痛薬を飲んでいったんおさまったのだけれど、午後になってまた再発。仕事中の頭痛、特にこの刺される感じのやつは最悪。とにかく集中できなくなる。もう一回頭痛薬を飲み、なんとか今日を乗り切ったけど、頭痛には慣れっことはいえ今日のはかなりひどかった。


原因は・・


 この原因として、挙げられるのが「体の歪み(ストレートネック)」です


 もともと「体の歪み(ストレートネック)」があるところへ、長時間前屈みの作業を行うことで、後頸部の筋肉の〈こり〉が引き起こされ、首の筋肉がガチガチにこったときには、それらの筋肉によって圧迫され神経痛を発することがあります。首がこったときに急に首をまわすと、シカツと痛みが走ることがありますが、そのためなのです。ですから、緊張型頭痛が強い場合には、頭部神経痛も同時に引き起こされることがあります。
これはちょうど頚から出た神経が筋肉から皮膚表面に出てくる部分でもあります。
 例えば、この神経の出口の筋肉がガチガチにこっていたら神経が締めつけられ大後頭神経痛や小後頭神経痛(頭痛)として症状が出るわけです。
 このように頚の付根を覆う筋群を貫通して大後頭神経が出ています。

 この神経を過剰に興奮させる刺激が加わると大後頭神経痛が生じます。たとえば、ストレス(対人関係、深酒、徹夜、主婦の方ですと家庭内のイザコザetc.)や低気圧(雨の降る前)などの影響が加わったときに、大後頭神経痛がよく生じます。悩み事があり、明日の天気予報が雨なんていうときにはダメです。また神経の出てくる所の筋肉がギュッと収縮したり(緊張型頭痛や、むち打ち症に続発するタイプ)、変形した頚椎がこの神経を圧迫したりして(頚椎症によるタイプ)も痛みます。コンピュータと長時間向きあったり、下を向いて仕事する方たちの中には、頭の重さをいつも頚の筋群が支えているため、てきめんに痛くなる方がいます。美容師さん、看護師さん、エステシャン。。。ご注意を!


 これとは別に、大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経は脊髄から枝分かれし、首の骨(頸椎)の間にある穴(椎間孔)を通ってでてきますが、その椎間孔(周囲は骨)が老化現象などをおこして狭くなり、そのために神経が圧迫されるという説があります。
 この考え方は、頭部神経痛の原因説のなかでは、昔はもっとも有力な説でした。しかし、実際に首のレントゲン写真を撮ってみますと、それらの穴が小さくなっている患者さんは10 % あるかないかなのです。
 しかし、症候性神経痛の場合もあり、首のレントゲン写真は必須の検査となります。


肩こりが誘発する後頭部の一瞬の痛み―後頭神経痛


 頭部神経痛とは、肩や首筋がこっているとき、振り向いた瞬間に後頭部にびりっと一瞬の痛みが走り、「血管が切れたのではないか」と不安になった経験のある人も多いのではないでしょうか。
 このびりっとくる一瞬の痛みとは、じつは神経痛なのです。神経痛というと一般の人はお年寄りが起こす病気で、関節や筋肉が痛くなるものだ、と思っているようです。
 しかしそれは、全くの誤解です。関節の痛みは関節痛、筋肉の痛みは筋肉痛です。こうした痛みと同様、神経痛は必ずしもお年寄りが起こすものとは限りません。
 誰でもひじをぶつけた時、一瞬ビーンとした痛みがひじから手先に向かって走ったことを経験しているはずです。
 これが「正式」の神経痛です。神経痛とは感覚神経の経路に沿って響く痛みなのです。 神経は電線のようなもいのですから、その中で発生した痛みはその経路に沿って広がるのです。
 神経痛の一般特性は、一瞬の電撃的な痛みであること、その部分の神経に沿って広がる痛みであること、などです。
 そのほか、先ほど述べたような打撲による神経痛は一瞬で終わりますが、普通の神経痛は繰り返します。
 しかし、繰り返しの間(間欠時にはまったく痛みがありません)この間欠時間は非常に短いことがあり、一瞬の痛みを限りなく繰り返す場合には、チクチクした痛みが続いて間欠時間が無いように感じられることもあります。
 髪の毛を触れただけで、チクチクした痛みを訴えることもあります。


〇頭部には知覚神経がびっしり分布している。


 これらの神経が、頭部に出現することがあります。よく患者さんは「えっ、頭にも神経があるんですか」などといいますが、当然のことながら顔面や頭部には皮膚があり、その皮膚には知覚神経がびっしり分布しています。頭部にも神経痛は出ますし、実際にはかなり多いのです。
 顔面には、脳から直接分岐した三叉神経が分布しています。これらには、まゆ毛の内側よりの部分で骨を通り抜けて皮下に現れる第一枝、頬の部分で現れる第二枝、下顎骨から現れる第三枝の三本に分かれています。
 また、頭部には頭部の知覚を伝える三本の神経があります。すなわち、脊髄から枝分かれして、

①後頭骨下部中央より外側へ約二センチメートルの部分から皮下に現れ、髪の毛の生えている大部分の領域に分布する大後頭神経、
②後頭骨下部中央より外側約四センチメートルの部分から現れ、側頭部へと分布する小後頭神経、
更に、③耳の下から現れ、耳介(耳たぶ)の後ろ側に分布する大耳介神経です。

 この大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経の三本を合わせて後頭神経といいます。
 三叉神経も後頭神経も後頭神経も左右に存在するので、顔面・頭全体で片側六本、左右で計12本の枝が分布していることになります。

治療は・・


 冷たい湿布や鎮痛剤の服用、整体マッサージでも治らない場合には、大後頭神経ブロックをおこないます。これは圧痛点に少量の局所麻酔剤や少量のステロイド剤を注射します。 ほとんどの方は、このブロックを週に1回くらいで、数回すれば痛みは消失します。 原因となるストレスなどがかかったときには再発することがあります。でもその時はまた治療すればいい!くらいの軽い気持ちでいてください。くよくよ心配しているとますます再発してしまいます。
 神経痛の痛みがでている最中の患者さんに対して、ビタミンB12を静脈注射しますと、過半数の患者さんでは、5 ~ 10 分後には痛みが消えてしまうか、かなり軽くなります。
 内服薬ではインドメタシンの有効性が以前から指摘されており,インドメタシン反応性頭痛のひとつとされています.


 しかし、基本的には「体の歪み(ストレートネック)」を是正することが重要になってきます。