片頭痛とミトコンドリア その18 片頭痛とは・・ | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

「慢性頭痛」は、どのようにして発症してくるのでしょうか


 まず「慢性頭痛」の起点は、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”です。


 「慢性頭痛」発症のスタート(起点)となるのは、私達が”日常的に感じる極く軽度の頭痛”です。この原因は、以下の2つがあります。それは


 1.「ホメオスターシスの乱れ」・・自然治癒力の低下
 2.前屈みの姿勢を強制させる生活環境


(1)「ホメオスターシスの乱れ」・・自然治癒力の低下


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。


  ホメオスターシス(自然治癒力)を高め・維持するためには、以下の3つが重要です。


  1.自律神経を整えること
  2.必須脂肪酸の摂取バランスを考慮すること
  3.腸内環境を整えること


1)自律神経の関与


 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与しています。
 自律神経を司っている部分は視床下部といい、人の感情や活力を操っています。ストレスを感じるのもこの部分で、心臓をドキドキさせたり緊張させたりする働きも自律神経が担います。
 緊張は血管を収縮させて、筋肉を固くします。これは敵から身を守り戦おうとする働きです。
 ストレスは脳への刺激を通して自律神経に作用し、体に不快症状を引き起こします。
 自律神経は、戦いと安らぎという二つの役割のものがありますが、ストレスを受けると戦うためのものが優位になります。
 こうなることで、体の緊張は高まり、血行が悪くなります。
 頭痛も、緊張した筋肉と血行不良のダブルの効果で頭の血流が滞ることで起こりやすくなります。


 また、”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 セロトニン神経は、痛みの感覚を抑制する役割を担っています。
 セロトニン神経が弱まると、些細なことで体の痛みを感じるようになります。 脳内セロトニンが低下すれば、頭痛が出現しやすくなってきます。


2)生理活性物質の関与


 ”生理活性物質”のひとつのエイコサノイドは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。


 細胞に物理的な刺激が加わった場合や炎症などはアラキドン酸が遊離するきっかけとなるため、いったんプロスタグランジンが産生され、炎症が起きると、アラキドン酸の遊離が促進され更にプロスタグランジンが産生されるという悪循環が生じることになります。
 炎症の初期にプロスタグランジンの産生をしっかりブロックすることは、痛みを悪化させないための重要なポイントです。
 プロスタグランジンの原料になるのは食物の中に含まれる脂肪です。
 このため、脂肪分の多い食事を摂りすぎますと、頭痛・痛みそのものが出現しやすくなります。


3)腸内環境の悪化


 実は、便秘が頭痛の原因となることがあるというのを知っていますか。
 便秘が慢性化すると、それが原因で頭痛が起こる場合があります。
 便秘が続くと、お腹が苦しくなったり痛くなったりするだけではなく、肌荒れでニキビや吹出物、口臭がくさいなど、いろいろな体の不調が起こってきます。


 それは、便が腸内に留まることで腐敗し、有毒なガスを出すことによるものです。
 便秘している腸内からは、インドール、スカトール、アンモニア、アミンなどといった猛毒物質が発生しており、これらが腸から吸収され血液と一緒にあなたの身体中を巡ります。有毒なガスや腐敗した便は適度な時間に排出されないと、再吸収といって、有毒なガスや毒素が腸の壁から血液中に取り込まれ、毒素が体にまわってしまうことで、さまざまな不調が起きると考えられています。
 その症状のひとつに頭痛も挙げられ、便秘が解消すると頭痛が治る人は便秘が原因だったということになります。
 便秘が続くと、体がだるくなるという人も多いのではないでしょうか。
 血液に有毒な物質が混ざって全身を巡ることで、筋肉にも毒素や疲労物質が溜まりやすくなり、体のだるい感じや肩こり、腰痛などを起こすのです。
 この筋肉の緊張によって緊張性頭痛を起こすと考えられます。


 このような3つの要因の1つでも問題があれば、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を引き起こしてくることになります。


(2)前屈みの姿勢を強制される生活環境


 さらに、現代社会は、”活性酸素”に満ちあふれた生活環境にあります。
 これらがすべてミトコンドリアの働きを悪くさせてきます。このような外部の生活環境の要因があります。これらが「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を形成してくることに繋がってきます。
 こうした背景をもとにミトコンドリアの働きが悪くなると同時にセロトニン神経系の機能が低下しているところに”生活習慣の問題”が加わって「脳内セロトニンの低下」が引き起こされ、この両者によって「体の歪み(ストレートネック)」が引き起こされやすい状況を作ってくることになります。
 これが、慢性頭痛発症の起点(スタート)となる”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を発症させる原因にもになってきます。


 私達は、日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。


 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。


 ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。
 

  人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
 これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
 日常的に感じる極く軽度の頭痛は、「体の歪み(ストレートネック)」が形成される以前の段階において出現してきています。
 

 このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされてきます。


 これらが、すべて”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を引き起こす要因になってきます。また、これらの要因が重なり合って引き起こされてきます。


 ここに、さらに「運動不足」、「栄養のアンバランス」は「健康的な生活」を送ることを阻害する要因になってきます。
 

 さらに、先程述べたようなミトコンドリアの機能を低下させる要因を取り除かなければ、最終的に「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を形成させ、「片頭痛」を発症させることに繋がってきます。
 ここに、以下のような「脳過敏」を引き起こす要因が追加されることによって、緊張型頭痛から片頭痛へと移行していくことになります。


     1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
     2.脳内セロトニンの低下
     3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続


病気の90%は活性酸素が関与・・「後天性ミトコンドリア病」


ミトコンドリア病


 ところで、ミトコンドリア病は大きく分けて2種類あります。先天性ミトコンドリア病と後天性ミトコンドリア病です。


 先天的に、ミトコンドリアの一部が異常をきたし、機能低下する事で起こる”ミトコンドリア病”があります。先天性ミトコンドリア病は稀な病気です。このミトコンドリア病のほとんどの患者さんには、「片頭痛」が存在します。これは、生まれつきミトコンドリアの働きに不具合があります。
 先天性のミトコンドリア病は、細胞核DNAとミトコンドリアDNAの両方に異常を来して発症してきます。


 一方、「後天性ミトコンドリア病」は、ほとんどの現代病に当てはまります。すなわち、ほとんどの現代病は、後天性ミトコンドリア病と考えられています。水や食生活、放射能汚染や環境汚染、有害物質の蔓延などや酸素不足などを原因として、後天的に発症するミトコンドリア病です。
 後天性ミトコンドリア病とは、いろいろな原因でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病です。


 ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。
 このようにして傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在は後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。


片頭痛とは・・


 そして、片頭痛は”「後天性ミトコンドリア病」”と考えるべきものです。


 すなわち、片頭痛は”ミトコンドリアの活性低下”という「遺伝素因」をもとに、生まれてから諸々のミトコンドリアの働きを悪くする要因が追加されることによって、さらにミトコンドリアの機能を低下させることによって起きてくる頭痛です。この”ミトコンドリアの活性低下”はミトコンドリアDNAによって先祖代々継承され、生活環境および生活習慣により悪化してきます。
 すなわち、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わって、ミトコンドリアの機能は低下してきます。


 このようなミトコンドリアの機能を低下させる要因を取り除かない生活を送ることによって、「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。


 ここに先述したような「脳過敏」を来す要因3つが次々と追加されることによって、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を出発点として、緊張型頭痛から、片頭痛へと進展していくものです。
 最も、卑近な例を挙げれば、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、市販の鎮痛薬を繰り返して服用することによって、ミトコンドリアの機能を低下させ、さらに脳内セロトニンを低下させることによって薬剤乱用頭痛を併発させてくることになります。市販の鎮痛薬という”薬剤”が原因となった「後天性ミトコンドリア病」を作る典型例を示していることになります。
 ここにミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”があれば、当然のこととして片頭痛を発症してくるということです。


 このように、片頭痛は”後天性ミトコンドリア病”と考えるべきものです。


 実際、片頭痛は、これまで”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されています。


 このように、Welch KMA, Ramadan NM 、下村登規夫、小谷和彦、村上文代先生らによって、日本にトリプタン製剤が導入される以前の段階から明らかにされていました。当時は下村登規夫先生によって「MBT療法」が提唱され、この治療成績は9割前後の片頭痛の方々が改善に導かれるとされていました。


これまでの述べたことをまとめておきます


 以上のように、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”が、すべての「慢性頭痛」の起点となっています。
 「慢性頭痛」の発症の起点となる、「健康的な生活」を送るための鍵を握るものが、ミトコンドリアであり、これが重要な役割を果たしています。


 実際に、これまで、Welch KMA, Ramadan NM、下村登規夫、小谷和彦、村上文代先生らによって、日本にトリプタン製剤が導入される以前の段階から”片頭痛は、ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されていました。
 さらに、現在では、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。


 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
 今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在では後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。


 そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。しかし、遺伝病ではありません。


 片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在することから、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
 ところが片頭痛のように遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しなくても、生活習慣の問題によってミトコンドリアの働きが極端に悪くなり、さらに「脳内セロトニンが枯渇」してくれば、片頭痛と同様の難治性の頭痛を引き起こしてくることになります。


 このため、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」に対して、日常的にテレビで宣伝される通りに、市販の鎮痛薬を服用し、これまで述べてきましたような慢性頭痛の要因を念頭におくことなく、お茶を濁しておれば、必然的に、頭痛は着実に増悪の”みちすじ”を辿ることになります。
 ここに、ご家族に片頭痛持ちの方がいらっしゃれば、確実に「片頭痛」へと移行していくことになってしまいます。
 すなわち、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から、ミトコンドリアの働きの悪さという”遺伝素因”を基盤として、これまで述べてきましたような「健康的な生活」を送ることを阻害する生活環境および生活習慣が次々に追加されることによって、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されることによって、片頭痛へと進展していくものです。このような「酸化ストレス・炎症体質」はこれまで述べましたように、長い間の生活習慣などにより起こるため、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。
 このような発症過程を示すことを、皆さんに理解しやすいように”分析的に”述べたに過ぎません。このようなことは、私達が、こうしたことを意識されないままに潜在的に進行しているということです。ただ、表面に現れていないだけのことです。無意識のうちに形成されてくることになります。


 片頭痛は”未病”の領域にあり、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を基にして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになります。 このように進行性疾患です。

 

 このように、片頭痛では、ミトコンドリアの働きの悪さ(ミトコンドリアの活性低下)が生まれつき存在していますが、先祖代々から継承されたミトコンドリアの働きの悪さは、各人各様で千差万別です。この悪さが極端に悪ければ、片頭痛の発症時期も当然早くなり、小児期から発症します。
 それほど悪くなければ、ここに生後、ミトコンドリアの機能を低下させる要因が次々に追加されることによって発症することになり、片頭痛の発症時期も当然、遅くなってきます。
 30歳以降に発症することもあるということです。


 一般的には、女性の場合は、初潮の始まる時期に発症してきます。これは、女性は男性に比べて元々セロトニンの脳内合成が少ないため、生理時の「脳内セロトニン」の低下が主な要因になっており、初潮の始まる時期に発症してくることになります。


 具体的には、片頭痛とは、遺伝素因である「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、生活環境および生活習慣(とくに食生活)が原因で、エネルギーを生み出す際に生する活性酸素によって自分のミトコンドリアを傷つけることによって「さらに、ミトコンドリアの働きを悪く」させて「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患と考えられます。
 このミトコンドリアの働きの悪さは、ミトコンドリアDNAによって先祖代々受け継がれます。そして、ミトコンドリアDNAは生活習慣および外部の生活環境によって変化・悪化することになります。
 ミトコンドリアの機能(ミトコンドリアDNA)は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わることによって、低下してきます。
 ミトコンドリアの機能が低下すれば、ミトコンドリアが「ホメオスターシスを制御」していることから、「自然治癒力」が低下することになります。


 ミトコンドリアの機能が低下した状態に、マグネシウム不足が加わることによって「脳過敏」が引き起こされてきます。
 さらに同時に、セロトニン神経系の機能低下が引き起こされ、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 特に、不規則な生活習慣、持続的なストレス、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”、運動不足は、「脳内セロトニンを枯渇」させ、これが「脳過敏」を助長してくることになります。
 これら「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」、さらに、日常的な前屈みの生活を強いられることで、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。そして、これを改善・是正させることなくすれば、長期間これが持続することになり、これも「脳過敏」の原因になります。
 このようにして、「脳過敏」が形成されてくることになります。


 さらに、先程のミトコンドリアの機能を悪化させる諸々の要因、を取り除かなければ、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
 このように連鎖して、次々に、悪化要因が追加されることになります。


 このため、慢性頭痛発症当初の”日常的に感じる極く軽度の頭痛の段階から適切に対処しなくてはなりません。

 

 そうしなければ、次々に、新たな要因が追加され、頭痛そのものが錯綜したものとなり、最終的に「慢性片頭痛」という対処が極めて困難な状態に至ってきます。
 こうしたことから、「私達は片頭痛治療に難渋する」理由になっていました。
 以上から、皆さんが「片頭痛治療に難渋しない」ためには、これまで述べてきた概略を基に、これまでの「自分の頭痛の経過」を冷静に見つめ直して、生活習慣のどこに問題があったのかを点検され、これを改善・是正させていくだけのことです。


 以上のように、片頭痛が慢性頭痛のなかで、どのような位置にあり、片頭痛がどういった頭痛なのかを、すなわち、ミトコンドリアの機能の低下によって起きる頭痛であることを、きちんと理解しなくては片頭痛は根本的には治せないということです。