自殺する受験生に共通の苦手科目!対処はどうする?【心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

自殺する受験生に共通の苦手科目!対処はどうする?【心療内科】

 

 

今日のテーマは、自殺する受験生に共通に見られる、模擬テストの成績の変化の特徴です。

 

もちろん、成績全体が低下するのは当然のことですが、そんな人はいっぱいいるので、これだけでは、自殺を予防するのに、ほとんど役には立ちませんね。

 

 

ぜひ、知っておいていただきたいのは、自殺を図る受験生は、その直前の時期に、特に成績が集中的に低下する科目、もっと正確に言うと、集中的に正解が出せなくなる問題の共通したパターンが存在するということです。

 

これを知っておくと、自殺を図る前に気づいてあげられます。

 

また、原因となる脳の認知機能の低下を回復させることで、受験生にとって自殺の動機の中心になる成績の悪化も回復し、第一志望の大学への合格をつかみ取ることもできるので、メリットはとっても大きいです。

 

 

今週は、松田聖子さんと神田正輝さんの娘さんの神田沙也加さんが転落死されたことを受け、自殺を心配される方が増えてため、このブログでも連日、関連するお話しをしてきました。

20日のブログ ⇒ 自殺する人は笑顔!見抜き方を解説

21日のブログ ⇒ 自殺は元気になり始めが最も多い

22日のブログ ⇒ 自殺が1月16日に激増する理由

23日のブログ ⇒ 自殺する受験生の母親には共通点

24日のブログ ⇒ 自殺する受験生に共通する食生活

25日のブログ ⇒ 自殺する受験生には朝寝坊が多い

こちらについても、ご一読いただければと思います。


 

さて、自殺する受験生は、模擬テストの問題を解くとき、各科目でどんな特徴が出るのか?

 

これを読み解くメンタル医学のキーワードがあります。

 

それは、「トンネルヴィジョン」です。

 

 

「トンネルヴィジョン」とは、視野が狭くなることで、柔軟な発想ができなくなる現象をさします。

 

なぜ、「トンネルヴィジョン」というかというと、トンネルに入ると周囲は暗いわけですが、ずっと先のトンネルの出口のところだけは明るく見えますね。

 

これって、視野が狭くなるのと、よく似ている気がしませんか?

 

周辺は真っ暗で何も見えない・・・。

 

だから、中心部分の狭いところだけしか見えない・・・。

 

人間の脳は、ストレスがかかると、目が悪くなくても、こういう現象が起きるんです。

 

また、柔軟な発想ができないことを、比喩的に視野が狭いといいますが、脳内で精神的なストレスが高まると、本当の目の視野が狭くなるのと連動して、比喩的な意味での発想力の視野も狭くなるという現象が見つかっています。

 

 

心身ともに健やかな人にとっては、どんな状況であれ、自殺を選択することがベストではなくて、他の方法を考えることもできます。

 

でも、脳内で精神的なストレスが限界レベルに達すると、「トンネルヴィジョン」が起こり、自殺以外の選択肢が何も見えてこなくなるのです。

 

これが論理的に考えれば不合理な自殺を選択するということのメンタル医学から見たプロセスなのです。

 

 

同時に、受験生の場合は、模擬テストを受けているときも、精神的なストレスが高いと「トンネルヴィジョン」が起こります。

 

その結果、間違える問題のパターンが共通してくるのです。

 

 

この現象が、特に如実に現れるのが、英語や国語の長文の読解です。

受験ストレス性の脳機能の低下に陥った受験生が、英語や国語の長文を読もうとすると、一行一行は理解できても、全体の意味が分からなくなるのです。

 

まさしく、部分部分は見えても全体が見えない「トンネルヴィジョン」が、模擬テストを受けているときに生じるわけです。
 

その影響で、英語の文法問題や国語の知識に関する問題はなんとか解答できても、全体の論旨の理解を試す問題は壊滅的にできなくなってしまいます。

 

 

では、そのような脳の状態を回復させるには、どうしたらいいのでしょうか?

 

私は、メンタル面や脳の働きが悪化した受験生に、模擬テストの解答用紙を持ってきてもらって、脳の各領域の活動の変化をグラフ化した光トポグラフィー検査のデータとを突き合わせて、脳の機能を分析する診断を行っています。

 

長文の論旨が把握できなくなった受験生は、多くの場合、脳の背外側前頭前野に機能の異常が見られ、ワーキングメモリーが低下しています。

 

ですから、これを回復させれば、自殺を未然に防ぐことにも役立ちますし、「トンネルヴィジョン」による点数のダウンを克服していて志望校への合格をつかみ取るとこにも大いに役立つわけです。

 

具体的には、以下の「読解力を低下させる受験うつ」の解説記事でわかりやすく説明していますので、ぜひ、ご一読ください。

 

 

 



 

 

 このページの要点は? 

 英語や国語など、文章の読み取りが困難になった場合、「受験うつ」などの脳機能の低下が起きている危険があります。(Reading Comprehension Skills)

 

   脳科学で「心の黒板」と呼ばれているワーキングメモリー(Working memory)の機能が脳内で悪化すると、文章を読み取って理解する能力が低下します。

 

   うつ症状により、脳内の扁桃体(Amygdala)が過剰に刺激を受けると、その悪影響でワーキングメモリーの機能が低下します。

 

  チェックポイントは、「スラスラと読めない」、「同じ部分を何度も読み返す」、「読むスピードが低下する」、「読み終えても内容が頭に残っていない」という症状です。

 

   決して学力そのものが低下したわけではないので、ワーキングメモリーを回復させることで、再びスラスラと読み取れるようになります。

 

  

東京大学本郷キャンパス赤門正面 本郷赤門前クリニック

 
 
 

文章の読み取りが下手になる原因は受験うつ!

 


それまでスラスラ読めていた英語の文章が、急に読み取れなくなってしてしまう・・・。

 

もし、そんな症状が起きたら、受験うつを中心とした脳機能の障害が原因になっている可能性が高いので注意してください。

 

 

もちろん、英語だけでなく、現代文や古文漢文など、文章の読み取りが苦手になるというのは、国語で起こる場合もあります。

 

中には、問題文の文章量が多い化学や生物といった理系科目で生じることもあります。

 

 

私達は普段、意識することはありませんが、長い文章を読み取るとき、ワーキングメモリー(Working memory)など、脳の高度な機能を活用しています。

 

続きを読む ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ

 

「読解力を低下させる受験うつ」