自殺は元気になり始めが最も危険!対処はどうする?【心療内科】
今日のテーマは、自殺を図るタイミングとして、元気が回復してくる、その当初が最も危ないということです。
受験生を抱えるご家庭では、ぜひ、知っておいていただきたいことなのです。
昨日のブログでは、自殺する方が苦悶の表情を浮かべていると決めつけてはいけない・・・。
むしろ笑顔であることが多い・・・。
でも、それは普通の笑顔ではなく、自殺の兆候を見抜くための表情に現れる3つのチェックポイントがあることをご紹介しました。
とても、反響が大きく、松田聖子さんと神田正輝さんの娘さんの神田沙也加さんが転落死されたことでショックを感じた方が多かったようです。
転落された経緯は不明ですが、自殺をほのめかす報道がなされた結果、その影響を受けてしまって、今後、自殺を図る方が増加するのが心配です。
そこで今日は、やはり多くの方が自殺について誤解していることをお伝えしたいと思います。
それは、自殺を図るタイミングです。
自殺を図る方の多くが、うつ症状に陥っていますが、うつ症状が最も重い時期は、意外にも自殺を図らないケースが少なくありません。
それよりはるかに危険なのは、うつ症状が回復し始めた、そのタイミングです。
なぜか?
うつ症状が最も重い時期は、脳の中で側坐核など意欲を生み出す中枢が働きにくくなっています。
だから、ご本人はとても苦しくても、自殺を実行する意欲を生み出すこともできなくなってしまうのです。
それに対し、うつ症状が回復し始めると、その段階で、自殺を実行する意欲が脳内で生み出されてしまいます。
決して、じっくり判断した上での本当の意味の意欲ではありません。
あくまでも、衝動として瞬間的に湧き出てくる刹那的な意欲です。
でも、こういう衝動が、自殺には最も危険なのです。
ただ、このタイミングは、もう一つ、危険な要素をはらんでいます。
それは、ご家族の疲労と油断です。
うつ症状に陥ると、支えるご家族はとっても心、身ともにとても大変です。
クタクタになったところで、うつ症状がやっと回復し始めると、やれやれ・・・と思って、少し気を緩めるのは、人間として当然のことです。
この、油断といってしまうとあまりにもご家族に気の毒なタイミングと、自殺を図る衝動が生じるタイミングが重なることで、悲劇が起こってしまうわけです。
元気が回復してくる当初が、実はとっても危険だということを、ぜひ、忘れずにいていただきたいと思います。
これと同様、もう一つ、頭に入れておいていただきたいのは、家庭内暴力を振るうようになった場合も、自殺の危険性が高く注意が必要だということです。
ご家族は、暴力には困っていても、元気が余っているようなイメージをお持ちで、自殺については、まったく警戒されていない場合が少なくありません。
でも、抑えきれない暴力の衝動が、ご家族に向くのが家庭内暴力で、自分自身に向くと、自殺ということになります。
家庭内暴力と自殺は紙一重というか、紙のオモテウラというか、同じようなものだという認識を持っていただきたいです。
受験生の家庭内暴力については、ご家庭で誰でも簡単に実践できる、改善に役立つ6か条の鉄則を、以下の解説文でご紹介しています。
以下の解説文も、ぜひ、お読みください!
このページの要点は?
✓ ご家庭で誰でも簡単に実践できる、受験生の家庭内暴力を改善させる6か条の鉄則をご紹介します!
✓ 若い世代を中心にメンタル面が脆弱になった影響で、受験生の家庭内暴力は急速に拡大しています。
✓ もともとは性格的に優しく、考え方も理知的であった子どもに多い傾向があり、従来の一般的な家庭内暴力とは正反対の特徴を持っています。
✓ 根本的な性格(気質)は遺伝でかなりが決定されており、受験生が親に対し暴力を振るうようになった場合、それは性格が変わったためではなく、脳機能に異常が生じた可能性が高いと捉えるべきです!
✓ 「受験うつ」を中心に、受験ストレスは気合や精神力で対処できるものだといった誤解と古い偏見が、家庭内暴力を招く元凶となっています!
✓ 受験に特化した光トポグラフィー検査を受診し、受験生の脳にどのような問題が起こっているのかを解き明かすことが、家庭内暴力の解消と志望校への合格を勝ち取る上で最良の方法です。
ポイント!
「優しかった我が子が、受験のストレスで暴力を振るうようになってしまった・・・」
「朝、起こそうとしたら、突然、息子に殴られてしまった・・・」
世間では、あまり知られていないようですが、受験生による家庭内暴力は決して少なくありません。
当院を受診する受験生のご家庭のうち、3割程度は、何らかの形で家庭内暴力の悩みを抱えています。
「家庭内暴力(受験生)」https://www.akamon-clinic.com/家庭内暴力(受験生)/